印刷

更新日:2026年8月10日

ページID:135919

ここから本文です。

13.K事件(令和7年(不)第11号事件)命令要旨

1 事件の概要

本件は、パワーハラスメントを行ったとして懲戒処分を受けた組合員1名に関する団体交渉において、法人が、(1)同組合員は、パワーハラスメントの被害者とされる者に対し優越的地位にあると認定した根拠事実について説明しなかったこと、(2)不服申立審査委員会の手続が遅延した理由等の具体的説明を行わなかったこと、(3)組合に対し掲示板の貸与を行わない具体的理由を説明しなかったこと、がそれぞれ不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。

2 判断要旨

(1)団交で議論されていた、(ア)法人の掲示板不貸与事由は団体的労使関係の運営に関する事項、(イ)不服審査委員会が7か月以上に渡って開催されていない理由及び(ウ)B組合員がA准教授に対し、優越的地位にあったとの認定については労働者の労働条件に関する事項であり、かつ、これらはすべて法人に処分可能なものであるから、義務的団交事項に当たるといえる。

そうすると、法人は、誠意をもって当該団交に当たらなければならず、労働組合の追及の程度に応じて、その要求や主張に対する回答や自己の主張の根拠を具体的に説明したり、労働組合の要求に対し譲歩することができないとしても、その論拠を示して反論するなどの努力をすべき義務がある。これを果たさず、実質的な協議に応じなければ、不誠実団交に当たるので、以下検討する。

(2)掲示板貸与の拒否理由について

法人は、掲示板の貸与を拒否した理由について、繰り返し具体的に伝えており、組合の追及の程度に応じた具体的な説明をしていたといえ、不誠実団交に当たるとはいえない。

(3)不服審査の手続の遅れ等について

法人は、団交において手続が遅れた理由等について説明を行い、その後、組合の求めに応じて不服審査委員会に聴取した内容を回答しており、こうした法人の対応は、自己の主張の根拠を具体的に説明したものであるといえ、不誠実団交に当たるとはいえない。

(4)優越的地位にあったとの認定について

法人は、優越的地位について、ハラスメント調査委員会や不服審査委員会の報告書以上の説明はできないと述べ、これらの報告書に書いてある旨繰り返し自己の主張の根拠を具体的に説明しており、法人にこれ以上の報告義務があるとまでいえない。また、組合の求めに応じて過去の事例等について回答するなどしており、法人に可能な範囲で組合に対応しているといえ、不誠実団交に当たるとはいえない。

(5)以上のとおりであるから、団交における法人の対応は、不誠実団交に当たるとはいえず、したがって、本件申立ては棄却する。

3 命令内容

本件申立ての棄却

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?