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更新日:2026年1月20日

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8.E1/E2事件(令和6年(不)第45号事件)命令要旨

1 事件の概要

本件は、組合からの計9回の団体交渉申入れに対し、会社らが、組合には会社の従業員がいない等として、応じなかったことが不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。

2 判断要旨

(1)E2支店は被申立人適格を有するかについて

不当労働行為救済命令の名宛人とされる使用者は、法律上独立した権利義務の帰属主体であることを要すると解するべきであるところ、E2支店は、E1社が設置していた支店の一つであり、E1社を構成する組織の一部にすぎず、不当労働行為救済命令の名宛人たる法律上独立した権利義務の帰属主体と認めることはできない。したがって、本件申立てにおけるE2支店の被申立人適格は認められず、E2支店に対する申立ては却下する。

(2)令和2年3月まで計6回の団交申入れについて

労働組合法第27条第2項は、不当労働行為救済申立てが「行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない。」と規定している。

令和2年3月までの各団交申入れに対し、E1社は、それぞれ回答していることが認められ、本件申立ては、申立日の1年前の日以前のE1社の各回答に関するものである。

したがって、令和2年3月までの団交申入れに係る本件申立ては、E1社の団交拒否という各行為の日から労働組合法第27条第2項の申立期間を徒過しているから、不適法として却下を免れない。

この点につき、組合は、団交申入れを継続して行っていることをもって、継続する行為である旨主張するようであるが、本件申立日の1年前の日以降に行われた最初の団交申入れは、同2年3月の団交申入れから3年以上が経過している。このことからも、同2年3月までの団交申入れに対するE1社の対応と、申立日の1年前の日以降の団交申入れに対するE1社の対応とは、一連の行為として「継続する行為」に当たると認めることはできない。したがって、組合の主張は採用できない。

以上のことから、令和2年3月まで計6回の団交申入れに係る救済申立てについては、申立期間を徒過したものとして却下する。

(3)申立期間を徒過していない計3回の団交申入れについて

本件においては、本件申立ての約15年前に組合の委員長が定年退職し、E1社の大阪事業所に勤務する組合員はいなくなったことが認められ、これ以降、組合にE1社の従業員がいないことについて、当事者間に争いはない。

また、本件申立ての約7年前に、組合は組合室をE1社に明け渡していることが認められ、これ以降、E1社に組合室がないことについて、当事者間に争いはない。

3回の団交申入れの団交要求事項についてみると、「職場改善(継続)(1)避難グッズの補強(2)避難マニュアル(地震・火災)(3)組合室の空調機器の改善」、「組合室使用妨害とそれによる組合活動の著しい妨害の件」で、存在しない組合室の利用に関する事項である。

以上のことからすると、本件団交申入れは、組合にE1社の従業員がいなくなって相当長期間が経過した後にされたものである上、本件要求事項は、解雇の撤回や退職条件に関するものではないことは明らかであり、直接に組合員の労働条件等に関する事項ではない。さらに、E1社に組合室がなくなってから6年8か月以上が経過している本件団交申入れ時点において、労使間で交渉によって解決すべき団体的労使関係の運営に関する事項に当たるとは到底いえない。よって、組合とE1社との集団的労使関係はなお継続しているとは認められず、組合は、E1社が団交に応ずべき労働組合には当たらない。

したがって、E1社は、本件団交申入れについて、労働組合法上の使用者に当たらないのであるから、その余を判断するまでもなく、E1社が組合の本件団交申入れに応じなかったことは、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当するとはいえず、また、組合に対する支配介入にも当たらないから、労働組合法第7条第3号にも該当せず、組合の申立ては棄却する。

3 命令内容

(1)E2支店に対する申立ての却下

(2)E1社に対する、令和2年3月まで計6回の団交申入れに係る申立ての却下

(3)E1社に対するその余の申立ての棄却

※なお、本件命令に対して、組合は中央労働委員会に再審査を申し立てた。

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