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更新日:2026年1月20日

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9.O事件(令和7年(不)第15号事件)命令要旨

1 事件の概要

本件は、組合が、当委員会が団体交渉応諾等を命じた命令に基づき、会社に団交を申し入れたところ、会社が応じなかったことが不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。

2 判断要旨

(1)本件団交申入書には、団交を申し入れるとして、先行事件命令書の主文の履行について記載されていることが認められる。先行事件命令の主文は、春闘要求としての賃上げ、自宅待機命令等に関して団交応諾を命じていることが認められるのだから、この履行を要求する本件団交申入れについても、「団体的労使関係の運営に関する事項」に係る交渉を求めるものとして、義務的団交事項といえる。

(2)そうすると、会社が団交に応じないことについて正当な理由がなければ、会社の対応は団交拒否として労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当すると判断される。そこで、会社が団交に応じない正当な理由の有無について検討する。

(3)会社は、(a)本件団交拒否は、雇用維持の基盤でもある工場の維持を図るために、組合との個別交渉を禁止する同業種の協同組合の意向・方針を忖度して、やむなく行った政策的判断であり、合理性を有し、正当な理由がある旨、(b)会社は再審査申立てをしており、それにもかかわらずその履行について団交をするとなると、前記(a)の政策的判断と矛盾する上に、団交を開催しても命令を履行しないことを改めて明言するにとどまり、同業種の協同組合との関係で、前記(a)の会社の立場を危うくするリスクを上回るものではないと合理的に評価でき、団交拒否に正当な理由がある旨、主張する。

ア 会社主張(a)についてみる。

会社が加盟している同業種の協同組合が、加盟各社に対し、組合と団交等を個別に行うことを控えるように要請していることが認められるものの、同要請に従ったことを理由に、個々の会社に課せられた団交応諾義務が免ぜられるわけではない。

この点、会社は、同業種の協同組合が組合と個別の交渉を原則として禁止しており、その正当性は地裁判決も認めている旨も主張するが、そもそもこの判決は、事案を異にするので、本件には適用されない。

したがって、会社主張(a)は採用できない。

イ 会社主張(b)についてみる。

労働組合法第27条の15第1項において、再審査申立てによって救済命令等の効力は停止しない旨規定されているのだから、再審査申立てをしていることが、団交拒否の正当な理由となり得ないことはいうまでもない。また、前記ア判断のとおり、同業種の協同組合の要請は団交拒否の正当な理由とはなり得ず、会社主張(b)は採用できない。

(4)以上のとおりであるから、会社は、本件団交申入れに正当な理由なく応じなかったと判断され、かかる行為は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為である。

3 命令内容

(1)団交応諾

(2)誓約文の手交

※なお、本件命令に対して、会社は中央労働委員会に再審査を申し立てた。

 

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