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令和7年(2025年)6月19日知事記者会見内容
記者会見項目
- 能登半島地域の子ども大阪観光招待事業 招待者の決定について
- 大阪ウィーク~秋~ 「さんま PEACEFUL PARK 2025 @大阪・関西万博」開催について
- 災害への備えを見直しましょう
- 「大阪府ヤングケアラー相談」の開始について
- 第45回全国豊かな海づくり大会の協賛へのご協力のお願い
職員
それでは、ただ今から知事記者会見を始めさせていただきます。
初めに、知事よりご説明がございます。知事、よろしくお願いいたします。
能登半島地域の子ども大阪観光招待事業 招待者の決定について ※この項目で使用した資料はこちら
知事
私からは5つです。まず1点目についてです。能登半島地域、奥能登の子どもたちを万博含めた大阪観光に無料で招待しようという事業の決定等について報告いたします。
大阪府においては、被災地である能登半島の奥能登の子どもたち、能登半島地震と豪雨被害で被災した地域の子どもたちを万博と大阪観光に招待しようという事業をしています。これについては、財源は全て寄付金で賄うということで事業を開始いたしました。
当初寄付金の目標でありました金額を大きく上回る、3,000万円という金額を大きく上回る1億8,800万円、約6倍のご寄付をいただきました。結果、追加募集をいたしまして、一次募集と合わせてなんとかこの全員を招待できないかというところまでのご寄附が集まりました。
前回では940人、寄付金ベースにすると940人ということで、申込みが990人ということですから、なんとかそれでも1000人全員招待できないかということで、この間検討を重ねてきました。結果、内容を変えることなく経費の精査であったり、あとは元々、これにどうしても落選される方が出た場合の、落選された方への支援策というか、フォロー策というのを、予算立てて準備をしていたのですけども、結果、全員を招待することができるということになりましたので、その落選者の方の経費ということを回すことができると。それも含めて考えた時に、この応募者全員の方を招待することができたということになります。
今回、合計招待者数990名ということで、当初目標は160名でありましたけども、990名、1,000人の方を招待いたします。これは、うち子どもの数、保護者と同伴ですから、子どもの数は538人ということで、この奥能登の子どもたちは合計で約1,200人おられますので、奥能登の子どもたちの約半数を招待することができるということになりました。そして、希望する子どもたちは全員招待することができるということになりましたので、ご報告をいたします。
旅行日程についてはここにありますとおり、日程を増やしました。また、旅行スケジュールについてはここに書いているとおり、これは既に発表しているとおりでありますが、パビリオン等についても様々ご協力もいただきまして、アメリカパビリオンであったりシンガポールパビリオン、パソナパビリオン、そういった所も訪問できるという見込みです。そして1日目は、大阪ヘルスケアパビリオンを訪問してもらいます。USJディナー付きパーティー等もやって、観光ということで大阪の道頓堀、大阪城も体験をしてもらおうというふうに思っています。
様々つらい体験もされている中で、少しでも、1人でも多くの子どもたちを笑顔にということで、この事業を開始いたしましたので、できるだけこの未来社会、そして楽しい経験ができるように、元気になれるように、そういった行程を組んでいきたいというふうに思っています。また、その中身についてもほぼ固まりつつありますので、ご報告をいたします。1発目は7月25日から開始となります。
大阪ウィーク~秋~「さんま PEACEFUL PARK 2025@大阪・関西万博」開催について ※この項目で使用した資料はこちら
次、2つ目です。「大阪ウィーク~秋~」ということで、さんまさんに「PEACEFUL PARK 2025@大阪・関西万博」を開催していただきます。
明石家さんまさんが出演をいただきまして、平和へのメッセージを発信する音楽のフェスを、この万博において開催をいたします。6月20日からこのイベント開催の予約を受付を開始いたしますので、ぜひ多くの方にご応募いただけたらと思います。
まず開催概要ですけど、9月7日の16時から18時、EXPOアリーナ「Matsuri」で行います。これは「大阪ウィーク~秋~」のイベントとして行います。出演者は明石家さんまさん他、出演アーティストの方については今後、随時発表させていただきます。
募集の概要ですけれども、これは入場無料ですが、当然、万博会場内で行いますので、万博会場への入場チケットが必要になります。そして、万博会場への入場チケットと、このイベントは全て予約制になりますので、本イベントの観覧予約が必要になります。この入場チケットの購入、そして本イベントの観覧予約の詳細につきましては、「さんま PEACEFUL PARK 2025@大阪・関西万博」の応募サイトをご確認いただけたらと思います。
応募方法ですけども、「EXPO2025デジタルチケットサイト」から応募していただけるようにいたします。これは抽選になりますので、当選者には7月7日以降、順次、観覧手続きをご案内いたします。
「大阪ウィーク~夏~」は7月24日から、「大阪ウィーク~秋~」は9月4日から万博会場で行います。夏については、これまで盆踊り等、ギネス盆踊りであったり7,000人盆踊りであったり、それ以外も大阪の魅力を発信する様々なものを準備しております。そして「大阪ウィーク~秋~」についても、これは歌ということで、さんまさんにご出演をいただいて、そして平和のメッセージを発信する、そんな素晴らしい音楽と笑いのフェスができればいいなというふうに思っています。
非常に多くの方の応募があるかというふうに思いますので、ここは抽選となりますけれども、多くの人の参加をお待ちしております。
地震や風水害への備えについて ※この項目で使用した資料はこちら
3つ目です。地震、風水害の備えについてです。平成30年6月18日に発生しました大阪府北部地震から、昨日で7年が経過をいたしました。そして近年、災害というのは激甚化・頻発化するという傾向にあります。特に梅雨、台風の時期というのは、河川の増水等による災害リスクも増加いたします。
今一度、いつ起こるかわからない地震、風水害への備えをよろしくお願いいたします。家庭での備えの再確認をお願いいたします。
大きくこの4つです。1つ目は備蓄食であったり非常持ち出し品を確認してください。非常時に持ち出すべき物をあらかじめ準備すると。そして最低3日分、できれば1週間分の備蓄食、あるいは飲料水の備蓄をお願いしたいと思います。これは家庭で。
やり方として、普段使いをする食料品の買い置き、フェーズフリーであったり、あるいは使った分の買い足しということで、消費期限が来るとローリングして、ストックしていくと。ストックしながらローリングさせていって、備蓄を事実上やりながら生活をすると。そういったローリングストックであったりフェーズフリーを活用して、できれば1週間分の備蓄食であったり飲料水は、ご家庭で備蓄をお願いしたいと思います。
もちろん大阪府においても、備蓄食であったり災害が起きた時の対応という、物資というのは準備をしておりますけれども、できる限りご家庭でもその準備をお願いしたいと思います。
そして2つ目です。ハザードマップの確認です。自宅周辺の災害リスクや避難場所を確認するというのが非常に重要になります。ご自身が住んでいらっしゃる自宅はどういったリスクがあるのか、ないのか。その程度はどのぐらいかということを事前に知るということが、防災対策としては非常に重要になってきます。
ですので、我々は大阪防災アプリというのをつくっていますので、このアプリを見ていただければ、それが全て分かるということになりますので、防災アプリをぜひダウンロードしてもらえたらと思います。
大阪防災アプリの便利な機能として、災害の種類に応じたハザードマップがそこで見ることができるということになります。それから、雨雲レーダーであったり、あるいは避難所開設の情報、リアルタイムの情報なんかもここで発信しますので、大阪防災アプリをぜひダウンロードしていただいて、活用していただけたらと思います。
そして3つ目、家具の転倒防止です。家具の固定をお願いいたします。転倒防止策をとるということで、家具の向きであったり配置、それからつっかえ棒。これはホームセンターでも売っていますから。そんなに高いものではなくて売っていますので、そういったつっかえ棒であったり家具の固定の物というのは日常にありますから、ぜひそれを設置していただきたいと思います。また、避難経路が確保できるよう家具のレイアウトの見直しをお願いします。
最後、安否確認の方法ということで、これは今一度、ご家族の中で確認をお願いします。災害用伝言ダイヤル171等もありますので、家族との連絡のやり方というのを、もし災害になったらどうやって自分たちの家族は連絡を取り合うのかということの話し合いをしておいていただきたいということと、そのための手段の確保を事前にお願いをしたいというふうに思います。
災害用伝言ダイヤル171もありますし、大阪防災アプリの安否確認機能というのもありますので、そういった家族の中における安否確認方法をよろしくお願いいたします。
「大阪府ヤングケアラー相談」の開始について ※この項目で使用した資料はこちら
次です。「大阪府ヤングケアラー相談」の開始についてです。大阪府においては、社会的認知度の向上、それから早期発見・把握ということで、ヤングケアラーの支援の取組みをこの間、推進をして強化をしているところでもあります。
このたび、18歳以上のヤングケアラーを対象としました精神面でのサポートに取り組みます。家族のケアをしてきた経験を持つピアスタッフ等による相談窓口の設置、それからオンラインサロン等を開催します。
まず、このヤングケアラーですけども、ヤングケアラーとは、家族の介護その他の日常生活の世話を過度に行っていると認められる子どもや若者。子どもの認知は非常に高まってきたのかなというふうにも思いますけれども、今回、この18歳以上のヤングケアラーについての相談窓口を設置をいたします。
現状・課題ですけれども、このケアラーの状態というのは18歳で終わるものではなくて、進学であったり就職の選択等、自立に向けた重要な移行期、そこを含む若者期を切れ目なく支える必要があるという判断で、しかも学校等の所属先がないということになります。そういう場合が多いので、そうするとヤングケアラーの状態であることに周りが気づきづらいということもあります。そして精神面のサポートのニーズが高い。
そういったことを受けまして、大阪府ヤングケアラー相談の概要。開始時期、6月23日月曜から開始をいたします。大阪府内に在住・在学・在勤の18歳以上の方が対象です。3つ設定します。相談窓口の設定。ここにはメール、電話、オンライン、対面等。いつでもメールや電話、ご相談いただけたらと思います。
それからオンラインサロンということで、同世代の同じ経験を持つ仲間とつながることができる場。月1回から2回。ニックネームや画面オフでの参加もOKです。オンラインのサロンを開きます。
それから各種サポートということで、役立つ制度であったりサービスの紹介、市役所等への同行支援、ライフキャリア・サポート等々を行ってまいります。
18歳以上の方のこのヤングケアラー支援というものをこの度、強化をしていきますので、ご活用していただけたらと思います。
第45回全国豊かな海づくり大会の協賛へのご協力のお願い ※この項目で使用した資料はこちら
次です。最後ですね。全国豊かな海づくり大会の協賛へのご協力のお願いということで、来年秋、令和8年秋に国民的行事の一つである全国豊かな海づくり大会、これを大阪で初めて開催します。大阪では初開催です。本大会を大阪らしく、より魅力的なものとするために、皆さまからの協賛募集を開始いたします。
まず、全国豊かな海づくり大会ですけれども、来年の11月14日から15日、2日間開催します。開催地は南海浪切ホール、岸和田で式典行事をし、そして海上歓迎・放流行事等は府営りんくう公園、泉佐野で行います。
大会の趣旨は、大阪の海だったり川がもたらす豊かな恵みを将来にわたって享受する、そのために環境の保全や水産資源の管理を進めていこうと。結果、大阪の魅力を広く発信して、水産業の振興と地域の活性化を図るということが大会の趣旨です。
協賛募集については、6月19日から令和8年の8月31日まで行います。資金協賛ということで1口1万円からの申し受けをいたしまして、これは物品の協賛、招待者への記念品などの提供。そして広報・PR協賛ということで、デジタルサイネージでの周知などの広報協力。これが協賛内容になります。使い道ですけれども、大会の機運醸成であったり、あるいは大会の広報周知等に使わせていただきます。返礼ですけども中身としまして、関連行事会場での企業ブースの出展枠の確保、それから式典プログラム・協賛者ボードへの掲載、そして大会記念品、感謝状等々について返礼をさせていただきます。
協賛の詳細・申込みはこのQRコードになりますけれども、またホームページを見ていただけたらと思います。
併せて、大会のテーマとコスチュームが決定をいたしましたので、お知らせです。この海づくり大会、来年の大阪府の海づくり大会ですが、大会テーマは「響かせよう 豊かな海の ハーモニー」。750作品から選定をされました。「響かせよう 豊かな海の ハーモニー」。
そして大会コスチュームが決まりました。約480作品から選定をいたしまして、この「なにわ」と書いた法被、大会コスチュームが決まりましたので、今後、様々なPR、活用する場面など、大会をこのコスチュームとこのテーマで盛り上げていけたらと思います。
大阪で初めて開催をします海づくり大会になりますので、多くの方のご参加、ご協力をお願いできたらと思います。私からは以上です。
質疑応答
職員
ありがとうございました。
それでは、府政・公務に関するご質問をお受けいたします。質問されます方は、挙手の上、社名とお名前をおっしゃっていただきますようお願いをいたします。
それでは、幹事社の読売テレビさん、よろしくお願いします。
能登半島地域の子ども大阪観光招待事業について
記者
読売テレビの古瀬です。まず、能登半島地域の子ども招待事業についてお伺いしたいのですけれども、改めてになるのですが、この事業の狙いと今回期待されることをお伺いできますでしょうか。
知事
能登半島地震でつらい思いをした奥能登の子どもたちを少しでも笑顔にしたい、そして希望を持って、未来社会を見てもらって元気づけることができたらいいという思いです。
もちろん、この被災地支援ということは、発災直後から数万人規模で当然大阪府として支援をしていますし、現在も長期の職員を派遣して被災地の現地の支援をしています。これも当然やっていきます。
そこに加えて、能登、奥能登にいる子どもたちを少しでも元気にできたらなと。この大阪・関西万博をやっているわけでもありますから。なので、その万博会場に来ていただいて、見ていただいて、未来社会を体験して、そしてさらに希望を持って元気に、より元気になってもらえたらなという思いを込めてこの事業を行います。
ここは大阪府税ではなくて、その趣旨に賛同いただける寄付を募りました。結果、僕自身が一番驚いているのは、その寄付金が当初想定の6倍にあたる多くの方のご寄付をいただいたということです。これは、この趣旨に賛同していただける、それだけ多くの個人・民間の方がいらっしゃったということですから、その思いを奥能登の子どもたちやご家庭の皆さんにも届けるように、しっかりとした内容で進めていけたらと思います。
記者
ありがとうございます。
2025年大阪・関西万博関連について(1)
記者
子どもたちだけじゃなくて保護者も、例えば万博の水上ショーだったり噴水ショーだったり、楽しみにされている方いらっしゃると思うのですけど、現在レジオネラが検出されていて、再開ができていない状況だと思うのですが、現在の調査状況だったり再開の目途、分かるものあればお伺いできますか。
知事
ここについては、レジオネラについては、今この対策本部も立ち上げて、今、専門的な知見も踏まえて調査しているところです。その対策というのをしっかり取った上で、安全で万博するというのが非常に重要なので、安全性がしっかり確認できた段階でできるだけ早く再開をしたいと思います。
記者
ありがとうございます。
職員
他にご質問ございますでしょうか。そうしましたら、朝日新聞さん、どうぞ。
大屋根リングの保存について(1)
記者
朝日新聞の野平です。大屋根リングについて伺います。現在、一部を保存する方向で検討が進められていると思いますけれども、大屋根リング1周全てを残すという選択肢というのは、もうなくなったのかという点と、全部保存するとした場合に、それが困難だとすれば、それはどういった要因があるのでしょうか。
知事
まず6月23日、来週の理事会である程度、方針が決定されるのだと思いますので、全部という意味では難しいということになるというか、元々全部撤去ですから。元々全部撤去して、リサイクルかリユースにするということでスタートしているというのが、まず1点目です。
その中で、今の開催状況を見る限り、そして大屋根リングの素晴らしさを見る限り、なんとか一部でも今の形で、上れる形で、今、皆さんが大屋根リングに上がっている景色と同じ空を見上げることができるものとして残せないかということを僕からも強く提案をして、まだここは当然確定していないのですけれども、技術的な対策、費用の面、そういったことを今詰めていっている最中でもあります。まだ、ここも実現ができたというわけではありません。ですので、今決定しているのは、元々全て撤去するということです。なので、元々全て残すというのは、そもそも俎上にもない中で、全て撤去するという中で、でも一部でもレガシーとして素晴らしいこの大屋根リング、皆さんが体験されているものを残せないかというのが基本的な考え方です。
元々全部撤去ということは、このリングの維持管理はもちろんそうですけども、それだけじゃなくて、この夢洲の土地というのは、そもそもは港営会計として埋立てをして、埋立てに費用が当然かかるので、埋立てをして、その土地を賃貸あるいは売却することによってプラスの収入を得て、夢洲という島をつくるためにかかっているコストと、それに対してそのコストをプラスの収入、賃貸や売却金額で収支を相償わせるという場所でもあります。ですので、そのリングだけの保存の話じゃなくて、元々ある土地ではありませんので、そういった意味では、その土地自体を有効活用しないと成り立たないという場所でもあると。なので、一周そのまま全部残すというのは、維持管理費プラスそういった課題も現実としてあると思います。
ただ、元々一番最初の出発点として、全て撤去するというところがスタートラインですから。なので、そこでなんとか一部でも残せないかと一生懸命、歯を食いしばって僕が提案したり今検討しているというのが実態です。
記者
元々、全面撤去からスタートということですけれども、今おっしゃった維持管理の面で、仮に1周全て残した場合にどれぐらい費用がかかるのかというのは、試算というのはされたのでしょうか。
知事
それは、そもそもその一部残した時にどのぐらいかかるかという費用の試算がまだできていませんから、それはリングをどう法的性質として把握するのかによって変わってきますので。なので、まだその一部の部分の試算もしていないじゃなくて、まず法的性質を確定しないとできないという観点で、まだ、そちらが先だと。超概算については前にも出ているとおりですけれども、まずはその法的性質の確認だということだと思います。
大屋根リングについては史上最大の無駄遣いだとか、メディアの皆さんからも散々、出来る前は言われましたから、今になって全部残す方法はないですかという質問を受けるようにもなったんだなというふうに、今思っていますけれども。
当時そういう状況もある中、そもそも全部撤去ということからのスタートだけど、ここはなんとか一部でも、やはり素晴らしいものがあるので残せないかというのを、今その費用も含めて、管理主体も含めて検討しているというところです。
記者
すみません。重ねて、今回、万博では、その大屋根リングの建設も含めてですけれども、会場建設費の中に府税ですとか市税など税金もつぎ込まれていると思いますけども、その大屋根リングの今後の保存のあり方について、例えば府民の方にその意見を聞いたりとかするような機会というのを設ける考えというのはないでしょうか。
知事
今、大屋根リングについてどのように評価されますかというのを、アンケートでもとっていますので、その中では、大屋根リングというのは非常に素晴らしいものだという意見が多いです。
ただ、府民の皆さんに聞くとしても、それは費用がどのぐらいかかってというのをきちんと前提として聞かないといけないことだと思いますし、そもそも、その費用をどこから捻出するのかによって、あとは管理主体がどうなるかによっても変わってくると思います。
前、共同通信かどこか、大手のメディアの皆さん方がアンケート調査を実際されていたと思いますけれど、それを見てもらったら分かると思いますが、残すべきという意見が結構多い。そして費用についても、国が持つべきというのが3割ぐらいだったと思います。それから、経済界・国・府・市あわせて持つのが3割ぐらいだったと思います。大阪府市が持つべきというのが15パーセントぐらいだったと。そのアンケートではですね。そういう結果だったとは思います。これがもちろん全ての意見とは思いませんけれど。
どのぐらい費用がかかって、管理主体がどうなるのかというのをセットで議論しないと、なかなか府民の皆さんに聞くといっても、アンケートぐらいになってしまうのではないかとは思いますから、責任のある立場としては、しっかりとそこは費用等も含めて議論を進めていけたらと思います。
記者
最後に、元々その全面撤去の方針から一部保存の方針にということで変わられたということですけども、今後、仮に全面保存すべきじゃないかというような意見が高まった場合に、その一部保存の方針を見直すという可能性はあるのでしょうか。その場合は、土地の返却期限などを含めてどういった調整が必要になるのでしょうか。
知事
もしそういうふうになってきたとしたら、その夢洲の2期のところ、あとはリング3期もかかっていますから、あの土地を買い取る。それこそマイナス。土地そのものを朝日新聞さんが3,000億円で買い取ってくれて、その後のリングの維持管理も全部やるとなると、プラスの収益は生まれてきませんから。なかなか難しいとは思います。
なので、現実問題として、あそこの土地、夢洲という土地自身、港営会計で造っている埋立地ですから、あのリングの維持管理だけではないし、元々リングを残すとすれば維持管理費がこれからかかりますから、さらに造った時よりかかる可能性も当然あるというのを誰がリスクテイクして、その保存を責任を持ってやっていくのかというところだと思うんですよね。
なので、そういった意味では、現時点ではもう全部撤去で、ほぼ方針が決まって進めてきた中ですから、その中で一部でもなんとか残せないかというのが、僕が今もがいているところです。
職員
他にご質問ございますでしょうか。そうしましたら、木下さん、どうぞ。
2025年大阪・関西万博関連について(2)
記者
フリーの木下です。よろしくお願いします。万博の熱中症対策について伺います。先日、協会の方からミストとかベンチ、それからスポットエアコンとか、会場内の環境整備といいますか、その辺りの施策はたくさん出てきたのですけれども、もう1つは医療救護体制ですね。今、診療所が3か所で、応急手当所が5か所と。医師がいるのが診療所の3か所であるという体制だと思うのですけども、今回の奥能登もそうですし、子どもの夏休みの無料で引率していくツアーというのがあると思います。それでこの熱中症のリスクが高まる中で、医療救護体制のところの強化というところ、お考えがあればお願いします。
知事
まず、これから熱中症になりやすい時期ですし、今、日々いろんな報道でも、ここで熱中症、あそこで熱中症という報道もされているとおり、これからさらに真夏に向かえば熱中症というのが出てきますので、暑さ対策、万博を訪れられる方はしっかりまずそこ注意をして、無理のないようにお願いをしたいと思います。
その中で当然、万博協会側としても、この熱中症対策というのをしっかりとっていこうということで、無料のウォーターサーバーなんかも6月に非常にさらに増設をいたしましたし、それだけじゃなくて日よけのパラソル、これを非常に増やしていっています。園路等に約150機の日よけの大型パラソルを追加して、日陰の創出ということを今取り組んでいます。それからミストファンなんかも30台、さらに配置をする、6月中下旬からやっていくということを進めています。スポットエアコンなんかも、入口ゲートにやっていこうということです。それから日傘の貸出等なんかも行っていくと。できる限りの熱中症対策という措置は取っていきたいというふうに思っています。
それから今、現在8か所で、これは医療従事者の方がいらっしゃる、体調が不良になった方に備えて、会場8か所内で医療救護施設というのを準備しておりますので、そこで適切に配置をしていこうというふうに思います。もちろん熱中症、脱水症状が疑う方には点滴等を行える体制を準備したりだとか、そういったものについて、必要な資器材等の弾力的な運用を図っていこうと、そういう予定にしています。
記者
例えば、今おっしゃった脱水症状の時の点滴を打てるというのは、その診療所のところのお医者さんがいる3か所に限られちゃうと思うのですけれども、この8か所というのは、そもそも愛知万博の時の事例から8か所というのを出してきていると思います。
ただ、愛知万博の時と来場者の見込み、それから何よりも熱中症のリスクの高さが全く異なっていると思うのですけども、基本計画や実施計画の中でも、状況に応じて強化していくというのもあると思います。
それが現在、特に西ゲートの診療所なんかは、東ゲート、大屋根リングの北側の診療所が夕方に閉まることもあって、状況によってはひっ迫した状況が起こっていると。その強化していくという基準みたいなのがあって、この状況になったら強化していくというのがもしあれば、それをお願いします。
知事
まず、熱中症にはそもそも重症化にならないようにする、あるいは熱中症にできるだけならないようにするということが大切ですので、予防策が非常に大切ですから、予防策として取り得る策を今までも、さらに先ほど申し上げたとおりもそうですけれども、強化をしていくということが重要だというふうに思っています。まず、それを強化していく。
そして、その上で傷病者等の動向。ここはしっかり見ていく必要があると思っていますから、傷病者等の動向も踏まえて専門家とか関係機関、場合によってはそういった協議もしながら、人員の弾力的な運用というのも必要な時が来れば、それは必要なのだろうというふうに思っています。
今の段階では、この8か所において、そういった様々な体制というのを強化しておりますので、その8か所の医療救護体制の、これからの時期で熱中症が増えるだろう体制は強化をしておりますので、その医療救護施設プラス会場全体でもその熱中症対策を強化しているところです。その問題意識を常に持った上でこの熱中症対策というのを進めていきたいというふうに思います。
大阪・関西万博への児童・生徒の夏休み特別招待について
記者
無料の夏休みの引率ツアーの関連ですけれども、今、子どもたち、熱中症というよりは、まだ昨日の状況は把握していないのですけども、それ以前の状況は、熱中症というよりもバス酔いで嘔吐するという子どもたちが非常に多いということで、それでTシャツを着替えたりとかしないといけないということで、万博のグッズのTシャツを買って着替えたりとかという状況があるようです。
そして親御さんとの連絡がつかない場合は、診療所でも措置ができないことがあるということで、非常に学校と親御さんの連絡というところがちゃんとつけるかどうかというのが重要になってきていると思います。
その中で、学校教師という子どもたち、親御さんとの常日頃の関係があるところでその状況なものですから、今回の事業は委託事業だと聞いております。この委託事業者に対して、どういった安全対策を求めていかれるかというのをお願いします。
知事
まずおっしゃるとおり、この学校のように普段から子どもとの関係が出来上がっているものではないということを前提に、この事業というのは進めていかなければならないというふうには思っていますし、それを前提にもこの教育庁で進めてきたというところでもあります。人数面においては、そのグループ人数というのは、学校のような大きな単位にはならず、比較的小規模な単位のグループ人数にはなってくるのだろうというふうには思います。
それから特に健康面とか、もう無理をしない、そういった催行の仕方ということが重要になってくると思います。そういった点も考慮しながら、どうしても家庭の事情で行けない、仕事の事情で行けない、でも万博に行きたいという子どもになんとか体験させてあげたいなと思います。
一番簡単なやり方は、もう放置すると。やらないということが一番簡単なやり方だと思いますけれども。放置する、何もしないということをすれば、確かにそういった、今木下さんがおっしゃったようなことは考える必要はないのかもしれないけれど、でも、この万博のチケットを握りしめながら、自分はちょっと家庭的に、経済的に厳しいから、みんな楽しそうな万博だけど、自分だけ行けなかったなと思って終わる体験はさせたくないなという思いがこの事業の趣旨ですから。なので、そういったことがないように、ただ、当然今おっしゃったようなリスクというのもありますから、安全第一でこの事業を進めていければいいというふうに思います。
もちろん、これを進めていく上で何か課題とか出てくることは当然あり得ると思いますし、その課題を事前にできるだけ芽を摘んでいくという必要はあると思います。だけれども、その子どもの人生というのを考えた時に、自分だけは行けなかったなと思って過ごす人生は送らせたくないという思いで進めていきたいと思います。
記者
おっしゃるとおり、家庭の事情で行けない子どもたちをなんとか万博へという、その思いというか、趣旨はすごい良いとは思うのですけども、課題という意味で言えば、現時点でも救急搬送できない、受け入れ側の救急病院の方で、そこまでひどくない状況であれば、ちょっと市内の方が大変なので来てくれても困るという、当然なのですけども、そういうお断りもあるようです。その場合、親御さんたちに迎えに来てもらうにも、西ゲートだと自家用車はそこまで入って来られないんですね。結果、先生方がタクシーで学校まで連れて帰るよというようなことも発生しているように聞いています。
ですから、その委託事業者との連携を含めて、あと今、会場と提携している救急病院以外で、地元のその学校単位になるのか、保護者単位になるのか分かりませんけど、病院なんかで、いざという時にそこで診てもらえるというような体制をつくってもらえておけばありがたいという医療関係者の声もありました。その辺り、課題をうまく消していっていただければと思います。そのことを、協会の上と協会の現場との意識がかなり差があるように感じていますので、副会長というお立場でもあるので、その辺りを徹底していただければなと思います。ありがとうございます。
職員
他にご質問ございますでしょうか。そうしましたら、読売テレビさん、どうぞ。
ブルーインパルスによる展示飛行について
記者
読売テレビです。ブルーインパルスの件で、再調整について楽しみにされている方も多くいらっしゃると思うのですけれども、現在報告を受けている状況だったりとか期待されること、お伺いできますでしょうか。
知事
ブルーインパルスが万博の空を舞うということを楽しみにしています。世界各国の160を超える国と国際機関が参加する、多くの世界の国々が参加する万博の会場の空をブルーインパルスが舞う。ぜひその姿、多くの人が期待していると思いますし、ぜひ見たいというふうにも思います。この世界が一つになると。そして、ブルーインパルスの素晴らしい飛行ということを楽しみにしている人が多くいらっしゃると思います。
初日はどうしても天候が荒天でしたから、中止ということになりました。この世界が集う万博会場の空をブルーインパルスが飛んで、そして世界が一つになればいいなというふうに思います。
詳しいことは、また改めて国から発表があるんだというふうに思います。
職員
他にご質問ございますでしょうか。そうしましたら、関西テレビさん、どうぞ。
大屋根リングの保存について(2)
記者
関西テレビの高橋と申します。大屋根リングの話に戻ってしまうのですけれども、来週の23日の理事会である程度方向性が決まるかと思われるのですが、一部保存になった場合、その費用負担をどこがするのかというような議論があったかと思いますが、現状の府市の案として知事が把握されていらっしゃるところをお願いします。
知事
来週の理事会においても、一部保存をするかどうかということまでは決まらないと思います。むしろ、もう少ししっかりと時間をかけて議論を進めていこうよというのが僕自身の立場でもありますから、そういうことをこの間言ってきました。
僕の考え方としては、今、万博、まさにやっている最中なので、やっぱりこのリングの評価というのも、まだ2ヶ月ですから、そういった意味では万博が閉幕する、その時に最終方向性を決定するべきだという考え方です。
ですので、そういう状況ですから、おっしゃる一部保存するかどうかはまず、次の理事会で決まらないと思いますし、もし一部保存するとするならば、こういうスキームでやることになるでしょうねというような、そういったスキームの検討を決めるということになると。どこが主体か、あるいはどのぐらい費用がかかるか。そういったものは理事会で決まるものではないというふうに思います。一部報道で出ているのかな。23日に全てが決まるかのようなのは、そうはならないと思います。また、理事会でも色々意見が出るのではないかなというふうに思いますね。
先ほど朝日新聞さんがおっしゃったような、そういった意見というのも当然、世にはあるわけですから。なんで今なのと。これ普通に考えて、なんで今決めるのかな、決めようとしているのかなとか。あるいは、やっぱりこれだけ素晴らしいものだから全部残した方がいいよねという、府民、市民、国民の皆さんが思うのも至極当然、自然なことだとは思います。ですので、朝日新聞さんが聞かれるのも分かります。
ちょっと構造上の話を私、させていただきましたけれども、関係者の中ではなかなかそれは難しいだろうというふうには思っていますが、ただ、いろんな意見が出るだろうなというふうには思いますし、この次の理事会で何か全てが決まるものではなくて、先ほど、我々が今、一生懸命、じゃあ一部を残すとしたらこういうスキームが考えられるよね、こういう財源も考えられるよね、そういったものをちょっと提案をさせていただいて、それを検討の俎上に載せたいというところです。
最終的な決定というのは、僕は万博の閉幕時にやるべきだと思っていますので、だから9月末にはもう1回理事会もありますし、そのぐらいの時期が僕は最終決定時期にするべきだという考え方です。なので、おそらく多くの人は、なんで6月にいろんなものを決める必要があるのかというふうに思っていらっしゃる方が実際は多いのかなとは思います。まだ始まって2ヶ月ですから。
ただ、基本的に決めてきたこととすれば、リサイクルあるいはリユースで使うというのが、全て撤去してリサイクル、リユースで使うというのが、これまで決めてきた方針であることは間違いないですから、何もしなければその方針になるということです。
それについては、やっぱり実際に解体撤去の工事の契約っていう、解体撤去契約というのが必要になってきます。これは人工さんの確保であったり、職人さんの確保であったり、契約の準備もありますから、そういったことを逆算していくと、6月、ある程度早い時期に決めていかないと難しいよねというのが、まず大前提としてある。そうしないと、その確保も難しくなってくるよねというのがあるという前提がまずある中での議論だということです。それでも色々詰めて議論していくと、いろんな考え方の中で、なんとかこの9月の下旬に決めるということにすべきじゃないかということですね。
今現在、協会であったり関係者の中で、全部をこういう責任主体のもとでこういうスキームで残すべきだって、責任持って発言されている方は、僕も含めてですけど、いないと。全部という意味では。全部を残すという人は、関係者の中では今のところはいないということが1つ。
もう1つは、民間事業者でも、この間、夢洲2期のまちづくりで、活用方法について責任を持って、このリングというのも、ある意味維持する方法も含めて、どうですかということを広く民間事業者に募った結果、民間事業者としてもリングを今のままの状態で責任を持って維持管理していくと手を挙げた事業者はいないというのが、今の現状の事実です。
記者
おそらく詳細は、その理事会検討案というか、その辺りが出てくるかとは思うのですけれども、決まりはしないにしても、府市として考えられているスキームの検討案というか、費用負担どうするんだというところは、案としては挙げられるかとは思うのですけれども、そこに関して今、知事として把握されていらっしゃるところはあるのでしょうか。
知事
この間、府市でも議論していまして、協会とも議論をしていますので、協会からの考え方も出るでしょうし、そういったものも週明けの23日に最後、出てくると思いますから、その時また報告をさせてもらいます。
一部府市がってなっているけど、協会もきっちり議論しながら進めていますので。ですので、23日の会議、会合を踏まえて、また報告をさせてもらいたいと思います。
職員
他にご質問ございますでしょうか。ございませんでしょうか。
質問がございませんようですので、それでは、これをもちまして記者会見の方を終了させていただきます。