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関西新空港絶対反対泉州住民の会 要望書
要望受理日 | 令和7年6月19日(木曜日) |
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団体名 | 関西新空港絶対反対泉州住民の会 |
取りまとめ担当課 | 政策企画部 成長戦略局 |
表題 | ブルーインパルス関空使用への抗議と、関空を軍事使用させないことを求める申し入れ |
要望書
ブルーインパルス関空使用への抗議と、関空を軍事使用させないことを求める申し入れ
2025年6月19日
大阪府知事 吉村 洋文 殿
1.関西空港のブルーインパルス受け入れを認めたことに強く抗議する
関西エアポート株式会社は、本年4月9日から14日まで6日間も航空自衛隊のブルーインパルスを受け入れた。泉州住民の会は、4月7日本件で大阪府政策企画部成長戦略局空港政策グループ責任者に抗議電話を入れたが、「ブルーインパルスは軍用機ではない。軍事使用なら大阪府も反対する」「航空自衛隊の基地が近くになかったから関空になった」と答えた。
今回のブルーインパルスの関空使用は、中国侵略戦争に関空を使うための地ならしだ。大阪府は、府民の命とくらしを守る立場から、自衛隊や米軍の関空使用に反対の立場を貫くべきである。昨年、一昨年の泉州住民の会の申し入れに対して、大阪府は「関西空港は民間航空の基幹空港であるため定期便の運航が頻繁であり、軍用機等の使用について要請があった場合は、……人道上やむを得ない場合と判断される場合で、真に使用の必要性が存する場合を除き、自粛要請を行う」という関西エアポートの運用基準に従っていると答えた。関西エアポートは今回関西空港の運用の基準をいとも簡単に破っている。今回は、人命にかかわる事態だったのか?違う。こう簡単に防衛省の要請に応えて自衛隊に提供するとは、今後の軍事使用を強く危惧する。大阪府は、防衛省、関西エアポート(株)に強く抗議し、二度と軍事使用しないよう要請すべきである。
航空自衛隊は、現在、米軍などと合同でひんぱんに中国侵略戦争の軍事訓練を繰り返している。産経新聞4月7日号には、2024年2月の「キーン・エッジ」という日米共同指揮所演習で、「空自機 中国艦を仮想攻撃」「日米演習の概要判明 台湾侵攻阻止」と掲載されているように、日本政府は、「中国を仮想敵国」と名指しして、日本の参戦、自衛隊に実際戦争を担わせる方向で日々動き、指揮所演習や実動演習を繰り返している。航空自衛隊は明白に戦争訓練をやっている軍隊なのだ。
ブルーインパルスとは、アクロバット飛行など高度な戦闘訓練をやっているのであり、5月14日名古屋空港から飛び立ったブルーインパルスと同型機T4は飛び立った直後に墜落しているではないか。2000年7月にも2機が墜落している。
現在関空に飛来した宮城県・美保基地のブルーインパルスも飛行訓練を中止し、各種イベントでの展示飛行も次々中止となっている。
ブルーインパルスを陸上飛行させたことにも強く抗議する。5月14日のような墜落が住宅地で起こっていたらどう責任を取るのか。すごい轟音だった。関西エアポートの担当は住民の会からの抗議の電話に、「陸上飛行のことは防衛省に聞いてくれ」と答えた。大阪府にも責任がある。大阪府はブルーインパルスが低空陸上飛行したことをどう考えているのか。大阪府として、防衛省にブルーインパルスを低空陸上飛行したことに抗議すべきである。
2.米軍や自衛隊に関西空港を使わせないことを強く要請する
4月1日から、関西で初めて南紀白浜空港が特定利用空港に指定された。和歌山県知事選の争点にもなった。
この間、日米の中国侵略戦争を実際にやるという方向での動きが日々強まっている。3月米国防総省が出した新たな暫定国家防衛戦略は、「中国による台湾侵攻を阻止し、米本土を防衛すること」が米国にとって「唯一の差し迫ったシナリオ」「脅威」と確認し、日米防衛相会談では、中谷防衛相が「東中国海、南中国海、朝鮮半島を中心とした地域を『ワンシアター(戦域=軍事用語)』と捉え、日米韓豪比で連携を深める」と提案し、それを受けてヘグセス米国防長官が「日本は西太平洋で発生する有事で最前線に立つことになるであろう」と答えている。
5月30日からのアジア安保会議では、ヘグセスは何度も中国を名指しで非難し、「中国による台湾の武力統一は『壊滅的な結果を招く』」と警告し、軍事介入をも示唆し、中谷防衛相は、防衛協力強化を誓っている。
大軍拡予算、米空軍の戦略爆撃機B1B三沢基地配備、沖縄・琉球弧の島々には「再び沖縄を戦場にするな」という沖縄の人々の怒りと闘いを踏みにじり次々ミサイル、電子戦部隊を配備、大分の自衛隊基地には来年度から長距離ミサイルを配備しようとしている。北海道で長距離ミサイルの発射訓練も行った。
石破・トランプ政権は、2027年対中国開戦に向かって本格的に準備しているのだ。
米CSIS(戦略国際問題研究所)の作戦計画では、中国との戦争において「日本が要」と強調している。こうした中で、全国の民間の港や空港も位置づけ、36カ所も特定利用空港・港湾に指定し、指定外の空港や港湾でも高知竜馬空港や松本空港、神戸港、徳島・小松島港など米軍がわがもの顔で使用することが起こっているのだ。
ベトナム戦争の際、羽田空港や伊丹空港を米軍が使用し、武器、兵員、遺体まで輸送に使われた。関空をイラク戦争の際の自衛隊PKO派兵に何度も使用させた。自衛隊が派遣されたイラク・サマーワやバグダッド、バスラなどは戦場だった。自衛隊PKO派兵での関空使用は明白な軍事使用である。
私たちは、日米の中国侵略戦争を絶対に止めなければならないと決意している。日本の労働者民衆の責務である。再びアジア人民虐殺、沖縄の戦場化を許してはならない。中国侵略戦争は、世界戦争・核戦争の道だ。世界中の労働者民衆、とりわけ日本の労働者民衆の力で始まる前に絶対に止めなければならない。
大阪府は、重大な責任を負っている。関西空港の軍事使用を絶対に認めるな。強く要請する。
以上申し入れる。
関西新空港絶対反対泉州住民の会
代表