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全日本建設交運一般労働組合 要望書
要望受理日 | 令和7年6月19日(木曜日) |
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団体名 | 全日本建設交運一般労働組合 |
取りまとめ担当課 | 府民文化部府政情報室広報広聴課 |
表題 | 要請書 |
要望書
大阪府知事 吉村 洋文 殿
2025年6月19日
全日本建設交運一般労働組合
中央執行委員長
全国ダンプ部会長
関西ダンプ支部執行委員長
要請書
日頃から地元建設労働者、業者育成、地域住民の仕事とくらしを守る取り組みにご尽力されていることに敬意を表します。
さて、政府は建設産業の担い手の処遇改善として、今年3月から設計労務単価を13年連続で政策的に引き上げました。また、昨年の通常国会では「第3次担い手3法」が成立し、「標準労務費の設定」に伴い、建設現場で働く者への適正な賃金・労務費の支払い確保が各受注者へ義務化される流れとなっています。
一方、末端で働くダンプに対する単価たたきは依然として続いており、その結果が過積載などの違法運行に結びついています。さらに燃料などの物価高騰で生活や仕事に関わる経費もダンプを圧迫しています。過積載と単価は両輪の関係にあります。過積載撲滅・交通安全推進を軸に貴自治体としての諸施策を講じて下さい。
つきましては貴自治体発注工事にかかわり、下記の事項について要請致しますので真摯に対応し、発注当局としてご回答をください。
記
1.ダンプ労働者が交通安全を最優先にして働ける職場環境づくりのため、具体的な措置を講じて下さい。
(1)公共工事に於ける大型ダンプの標準積算の全国平均は、直接工事費で約64,000円、工事原価で約82,000円(税込み)です。直轄工事現場における単価の支払い実態を掌握し、少なくとも直接工事費を上回る単価の支払いを各受注業者へ指導して下さい。
(2)昨年成立した「第3次担い手3法」の成立後、現在中建審において審議中の「標準労務費の設定、運用」については、建設現場で働くダンプ・建設職人など「個人事業主」に支払われる「常用単価(経費込み)」も対象とするよう政府機関へ上申してください。
(3)週休2日制では、日給制の車持ちダンプ労働者は月単位では減収となります。対応策として労務費補正係数を1.15に引き上げ、各発注工事現場において直接労働者へ支払われるよう具体策を講じて下さい。
2.公共工事で働く労働者の賃金・労働条件を確保するために公契約条例を早急に制定してください。
その際、車持ちダンプ労働者や資材取引についても適用対象にして下さい。
3.ダンプの過積載根絶と交通安全の推進について
(1)「ダンプ規制法第12条団体等」である建交労加入ダンプに対して、個別現場で優先使用措置が取られるよう請負者を指導して下さい。「現場説明書・指導事項」を曲解し、遵守を怠る請負者に対しては、出先事務所や出張所の責任者から正確な指導をするよう事務連絡等の通知をして下さい。
(2)ダンプの過積載が各地で増加しています。過積載根絶の有力手段として過積載防止装置(重量リミッター)の開発と装着義務化について政府機関へ上申して下さい。
(3)ダンプの不正改造や背番号を表示しない違反行為が目立っています。当該車両については建設現場への入場禁止措置を取らせるなど、関係業界への指導徹底をして下さい。
4.各工事現場等における自家用ダンプの使用について
ダンプ規制法(1967年制定)にもとづくダンプの登録実態や諸法規との整合性を踏まえて、「自家用ダンプの使用については、違法かどうかはケースバイケース(使用実態で判断)」と、国土交通省は見解を出しています。貴自治体発注工事において不当な自家用ダンプ(白ナンバー)の排除が発生しないよう関係職員及び受注者に徹底して下さい。
5.「盛土規制法」の施行に合わせて、発注者・元請が建設発生土の管理を徹底して下さい。
(1)「ストックヤード運営事業者登録制度」にもとづいて登録されている県内のストックヤードの運営実態(搬出・搬入ダンプの運行状況、抜き打ち調査、ダンプへの支払い状況の確認)を掌握し、不適切な事業者については登録抹消を適宜実施するよう管内の地整への申し入れをおこなって下さい。
(2)貴自治体の責任で適正に管理された処分場やストックヤードを確保して下さい。また、建設発生土処分は元請業者に最終処分場まで管理をさせるよう盛土規制法等の改正を国へ上申して下さい。
(3)建設発生土の運搬については、ダンプ運転手に搬出先などの情報(名称・所在地、搬出量など必要書類)が書面にて通知されるよう措置すること。また、元請業者の責任において、トレーサビリティシステムまたはGPS装置貸与等による追跡システムの構築及び実施について国へ上申して下さい。
6.労災保険の特別加入の促進について
(1)建設職人基本計画の主旨に基づいて、車持ちダンプ労働者など一人親方の就労者が「労災保険の特別加入制度」に加入するよう、関係省庁・業界団体等と連携して具体策を講じて下さい。
(2)また、法定福利費を確保する立場に立ち、「一人親方労災保険料相当分」がダンプなど当該の就労者に直接支払われるよう措置を講じて下さい。
7.貴自治体の発注工事現場で働く車持ちダンプ労働者に対して、受注企業の責任で「建退共証紙」が貼付されるよう指導を徹底して下さい。
工事を受注した各企業が実施している「新規入場者アンケート」の中に「建退共加入証明書及び手帳写し」を提出させ、「建退共制度」が二次以降の下請業者まで徹底されるよう指導して下さい。
以上