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更新日:2025年7月31日

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要望書

要望受理日 令和7年6月23日(月曜日)
団体名

万博工事未払い問題被害者の会

取りまとめ担当課 府民文化部府政情報室広報広聴課
表題 万博パビリオン工事未払い問題における早急な救済措置を求める要望書

 

要望書

令和7年6月23日

大阪府知事 吉村 洋文 殿

万博工事未払い問題被害者の会
代表

 

 私たちは2025大阪関西万博工事において、さまざまな外国パビリオンの建設工事に携わって参りました。開幕まで僅かな期間しかない中で、昼夜を問わず過労死レベルの建設工事を行い、多くのパビリオンを開幕日に間に合わせることができました。
ところが、例えばアンゴラ館、ネパール館、マルタ館、中国館、ルーマニア館、セルビア館、ドイツ館などで、元請け企業や上位の下請け企業が建設代金を支払わず、私たち下位の下請け企業に対する多額の未払いが発生し、このままでは私たちだけでなく、さらに下位の孫受け、ひ孫受け業者が連鎖倒産する可能性が生じております。
 吉村知事は、これらの下請けに対する未払いは「民民の問題」であると認識され、行政として介入することは難しいと発言されています。ただ、これらの未払いには、建築業の許可を受けない上位の下請け業者の不祥事の事案もあり、元請業者や一次下請け業者が発注した追加工事代金を不合理な理由をつけて支払わないなど、国を挙げた万博の工事としてはあり得ないものが多数含まれています。私たちは、国内の大手建設会社の業界団体のトップでさえ、開幕に間に合わないと言い、海外パビリオンの工事を受注する業者が不足し工事自体に取り掛かれないという状況の中で、地元の業界に対する知事を始め万博協会や大阪府の強い要請を受けて、「国の事業だから少なくとも支払いの問題はない」という信頼のもとに、特に開幕直前の数か月は現場に泊まり込み、過酷な環境で働いてきました。このような多数の契約上の問題、労働環境の問題が生じた背景には、万博のために規制を緩め、問題のある業者や契約締結についてなんらの監督もないままにきたという体制があるというほかありません。
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにする2025万博におきまして、このような「万博連鎖倒産」が起きてしまえば、華やかな舞台の陰で「万博自殺」という最悪の事態も生じかねません。私たちの窮状をご理解いただき、以下の点について要望いたします。

1,万博における建設工事費の未払いによって、私たちは倒産の危機に直面しております。このまま放置されると、会社はもちろん、従業員や下位 下請者の生存の危機を招く事態になります。そこで、大阪府として中小建築業者の経営を守るために、早急に実態調査を実施するとともに、倒産の危機にある被害を受けた中小事業者に対して、令和7年6月30日までに大阪府による緊急の立替払いを行なってください。

2,パビリオン建設工事において、建設業許可のない多数の業者が建設工事を受注していたことがこの問題を引き起こした原因の1つです。今後このような事態を招かないためにも建設業許可のないままパビリオン建設工事に携わった事業者の名前を公表し、行政処分を行ってください。

3,パビリオン建設工事で労働基準法違反の労働を長期間させられ、海外事業者との取引で被害を受けた事業者に対し、その超過勤務分の賃金や資材立替払い分の延滞金など、必要な弁済を行うよう、大阪府から加害企業に働きかけてください。

4,大阪府が発注する公共事業について、パビリオン建設工事での状況を踏まえて、建設業許可の有無やグリーンファイルの提出など、下請け業者が安全に働ける環境の管理を徹底してください。また、中抜きや持ち逃げなど悪質な業者については大阪府が公表し、処分を行うなど、建設業界のクリーン化を推進してください。

5,大阪府建築振興課の建築工事の相談業務に関して、しっかりと弁護士や司法書士を常駐させた実用的なものにしてください。また指定金融機関と連携し、スムーズな資金調達が可能になるような制度を作ってください。

以上、要望します。
 

 

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