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要望書
要望受理日 | 令和7年9月9日(火曜日) |
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団体名 |
日本労働組合総連合会大阪府連合会 部落解放大阪府民共闘会議 |
取りまとめ担当課 | 商工労働部 雇用推進室 労働環境課 |
表題 | 就職差別の撤廃に向けた取り組み強化への要請 |
要望書
2025年9月9日
大阪府知事
吉村 洋文 様
日本労働組合総連合会大阪府連合会
会長
部落解放大阪府民共闘会議
議長
就職差別の撤廃に向けた取り組み強化への要請
日頃から貴職におかれましては、地域の雇用の安定と安心して働ける環境作り、さらには、労使関係の安定、企業倫理の向上のために、ご尽力いただいていることに敬意を表します。
さて、私たち連合は、就職差別をはじめ、すべての差別をなくすための人権教育や啓発活動に、構成組織・NPO・NGOとともに取り組んでいるところであります。
私たちは活動の一つとして、 採用選考における就職差別の実態を把握するため、2023年4月、直近3年以内に新卒または中途採用試験を受けた、全国の15歳から29歳の男女を対象に、インターネット調査「就職差別に関する調査」を実施しました。
調査報告書の中から、「統一応募用紙」「厚労省の参考様式に準じた応募用紙」を使用していない事業所で、本人の適性・能力の判定に必要のない「本籍地・出生地」や「家族構成・家族の職業や収入の記入」を求めている実態や、業務遂行に必要としない「健康診断の実施・健康診断書の提出」がいまだ行われているなど、差別に繋がるおそれのある実態が少なくないことが明らかになりました。
貴団体におかれましても、今回の調査結果から、「職業安定法第5条の5」「男女雇用機会均等法」や「統一応募用紙」の趣旨をふまえ、就職差別をはじめ、あらゆる差別の廃絶に向けた人権教育・啓発活動の一層の取り組み強化を企業や関連団体等に対して徹底していただくようお願いします。
記
1.「統一応募用紙」「厚生労働省履歴書様式例(2021年策定)」の使用を企業や関連団体等に対して周知徹底すること。
2.個人の能力に必要としない「戸籍謄(抄)本の提出」や、面接時における「本籍地・出生地」、「家族構成・家族の職業や収入」、「男女差別につながる未婚・既婚や結婚の予定」等の質問を行わないよう、企業や関連団体等に対して周知徹底すること。
3.応募時における健康診断の実施や健康診断書の提出は、業務遂行に必要な特定職種に限定するよう、企業や関連団体等に対して周知徹底すること。
4.企業や関連団体等に対して、上記就職差別をはじめとする、あらゆる差別の廃絶に向けた人権教育・啓発活動の強化を図ること。
5.公正採用選考制度の確立につながった1975年の「部落地名総鑑」差別事件(以下「部落地名総鑑事件」という。)発覚から50年が経過するが、そのことを知らない世代も増えてきている。こうした課題は、「部落探訪」をはじめネット上で被差別部落が晒されている問題に対して、そのまま容認してしまうものへとつながりかねない。「部落地名総鑑事件」やその教訓を改めて学ぶ研修をとりくまれたい。
6.4月に情報流通プラットフォーム対処法が施行され、そのガイドラインの設置とともに9つの大手プラットフォーム事業者が指定された。大阪府商工労働部としても、被差別部落の識別情報の削除に向けて、これらのプラットフォーム事業者へ働きかけられたい。
7.厚生労働省推奨の履歴書(性別欄任意記載・未記入可)の定着に向けて周知・啓発を強化すること。また同履歴書の実用の進捗について把握をおこなうこと。
以 上