ここから本文です。
全日本建設交運一般労働組合 中央本部 要望書
| 要望受理日 |
令和7年10月3日(金曜日) |
|---|---|
| 団体名 | 全日本建設交運一般労働組合 中央本部 |
| 取りまとめ担当課 |
商工労働部 雇用推進室 労働環境課 |
| 表題 | 要請書 |
要望書
2025年10月3日
大阪府
知事 吉村洋文 殿
全日本建設交運一般労働組合
中央本部
執行委員長
要請書
私たちは、別紙の「趣意書」に述べた目標を掲げて、2025年(第36回)なくせじん肺全国キャラバン運動を展開しています。趣意書にもあるとおり、企業の加害責任とともに、国のじん肺やアスベスト被害に対する責任が最高裁でも明確にされています。また、じん肺根絶について、圧倒的多数の国会議員、地方自治体と議会が賛同し、マスコミ報道も含めてじん肺とアスベスト被害の根絶を求める世論は高揚しています。
私たちは、このような状況において、第36回となる全国キャラバンにおいて、貴職に対して、以下の事項を要請します。
記
1.「私たちの提言」について理解され、内閣総理大臣及び厚生労働省、環境省、国土交通省など関係省庁に対して「私たちの提言」の実行を求め、またじん肺根絶を求める意見書、要望書などを提出すること。
2.公共工事によってじん肺を発生させないため、じん肺防止の監督を充分にし、発注者として取るべきじん肺防止対策を尽くすこと。とくに「トンネルじん肺」根絶と訴訟早期全面解決の立場から次のことを実行すること。
(1)トンネル建設労働者のじん肺被災者の早期救済を図る「トンネルじん肺救済法」の早期成立を求める意見書を内閣総理大臣並びにゼネコンに提出すること。
(2)2024年4月から適用された労働時間の上限規制に伴い、また、2007年6月18日に国との間で締結した『トンネルじん肺防止対策に関する合意書』の趣旨に則り、トンネル工事現場においても例外なく坑内8時間労働を徹底すること。また、入札において8時間労働で積算されている場合においても、発注に際して工事仕様書の特記事項に1日8時間労働を明記すること等によって、8時間労働の厳守を実現すること。
3.アスベスト使用建物の解体、改築、補修におけるアスベスト対策を講じるためにアスベスト調査台帳の整備とハザードマップの作成、公表を実施すること。
(1)アスベスト調査台帳の整備
(a)吹付け材について、1,000平方メートル以上の建物についてアスベスト調査台帳の整備を早急に完了させること。また、その目標年度を具体化すること。
(b)吹付け材について、1,000平方メートル未満の建物についてもアスベスト調査台帳の整備に早急に着手し完了させること。また、それらの目標年度を具体化すること。
(c)レベル2の耐火被覆材・保温材・断熱材、レベル3の成形板について、順次、アスベスト調査台帳の整備に着手すること。その着手と完了の目標年度を具体化すること。
(2)アスベスト調査台帳の住民等への情報開示
違法な無届工事によるアスベスト粉じんの飛散、ばく露を防ぐため、また災害時におけるアスベスト粉じんばく露、飛散防止対策のためには、アスベスト調査台帳の整備がなされ、行政がその情報を把握しているだけでは不十分であり、周辺住民や広く国民が容易にその情報を知ることができる制度が必要である。そのためには、アスベスト調査台帳を整備したうえで、解体等の工事がなされる建物、災害によって倒壊等をした建物の周辺住民や瓦礫撤去等の作業を行うボランティアがアスベスト調査台帳に速やかにアクセスできる制度を構築するべきである。さらには、建物の位置情報を地図データに入れて、ハザードマップを作成し、公表することが求められる。
4.アスベスト使用建物の解体、改築、補修工事における事前調査やアスベスト除去及び処分費用について建物所有者が無理なく実施できる補助金制度を設け、あるいはさらに充実させること。
5.建物解体、改修工事の現場や災害時において迅速にアスベスト含有の有無を測定できる携帯用アスベスト・アナライザーを導入又はさらに充実させること。
6.2022年(令和4年)4月1日から石綿の事前調査結果等の報告制度がスタートしたが、2025年(令和7年)9月末までの届出件数を明らかにされたい。県(道・都・府)では、届出のあった事前調査結果及び分析調査結果の内容をチェックしているか。チェックしているとしたらその方法、内容を明らかにされたい。
7.公共建物(官公署、病院、学校、保育園等)の改修、解体工事を発注する際には、作業者だけでなく、施設利用者、住民のアスベスト粉じん曝露を防止すべく適切な設計図書を作成し十分な粉じん対策費用を盛り込み、工事施工中は十分な監督を行う等、万全な対策を講じること。
8.建材メーカーを含む建設アスベスト被害者補償基金を創設することを求める意見書を内閣総理大臣、経産省に提出すること。
9.建交労は、健康相談会等を開催し、地域に潜在する労災被災者を掘り起こし救済してきた。建交労が、当地にて健康相談会を開催する際には、公民館等の会場の紹介、広報活動など、後援に協力をいただきたい。
10.慢性的な医師不足が深刻化している。じん肺やアスベスト健康被害の診断および日々の治療を実際におこなえる院所を開拓すること。併せて、医師の育成にとりくむこと。