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更新日:2024年4月1日

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特色ある学校づくり「大阪府立高津高等学校」(きょういくニュース 第264号(2024年4月)4ページ)

大阪府立高津高等学校

所在地:大阪府大阪市天王寺区餌差町10番47号
電話番号:06-6761-0336
大阪府立高津高等学校ホームページ(外部サイトへリンク)

本校は大正7(1918)年に大阪府第11中学校として創立され、105年を迎える歴史と伝統のある学校です。創立以来、「自由と創造」「日新日進」を一貫した校風・校是として、発展してきました。

平成23(2011)年度より、大阪府教育委員会からグローバルリーダーズハイスクール(GLHS)の指定を受け、「豊かな感性と幅広い教養を身につけた、社会に貢献する志を持つ、知識の重要性が一層増すグローバル社会をリードする人材を育成する」ことを目的に、次代を担うリーダーの育成に向けて、独自の教育活動を展開しています。

校舎外観と石碑

校舎の風景 校風・校是

教育目標など

本校は、校風・校是「自由と創造」「日新日進」のもと、生徒一人ひとりが自分の色を輝かせ、他者を思いやることにより、全体で虹の架かる学校とし、強靭な知性・みずみずしい感性・品格ある人間性を持つ人物を育成するため、以下の4つを教育方針としています。

  1. 充実した教科指導と綿密な進路指導によって、生徒一人ひとりの自己実現をめざし、難関大学への進学をはじめとした進路希望を達成させる。
  2. 学校でのあらゆる活動を通して、守るべき規範と果たすべき役割を自覚させ、課題を自ら発見し解決する能力を養う。
  3. 知的好奇心と探究心にあふれ、幅広い教養を身につけた次代を担う人材を育成する。
  4. 社会の一員として自覚を持たせることにより、将来にわたり社会に貢献する意識を涵養する。

答えのない課題に取り組む力を養う探究活動

いわゆる座学を通じて得られる基礎的な学力や知識はとても重要であり、本校でも重視していますが、模範解答を正確に再現するだけではこれからの時代で活躍することは難しいと考えています。本校では、探究活動を通じて、答えのない課題に対して他者と協働し、その時点での最適解を見つけ出す能力を育成しています。

本校では、文理学科の生徒全員を対象として実施している「高津LC」(※)において、1年次に教科横断型授業で、課題発見から論理的思考で物事を考える姿勢や、研究の作法を学びます。2年次には、自然科学系をはじめ、人文科学系・社会科学系・芸術系など、自分の希望する科目に分かれて課題研究を行っています。年に2回、研究成果の発表会があり、優秀な班には、学校を代表して大阪サイエンスデイやGLHS合同発表会での発表機会が与えられます。3年次は、2年生でまとめた研究の成果を論文にしています。
(※)高津LCの「LC」は、本校の校風である「自由と創造」の英訳「Liberty&Creativity」の頭文字から取っています。

生徒による研究発表

探究活動の取組み 探究活動の校内発表大会の様子

探究活動の成果例-「食堂のモバイルオーダーシステム」による食堂活性化-

本校の食堂の購入予約については、これまで紙媒体での予約方式をとっていました。しかし、授業間のわずか10分間の休憩時間に、教室から離れた食堂まで行くことは生徒にとってハードルが高いものでした。一方、予約をせずに食堂を利用すると、注文から食事が提供されるまで待ち時間が発生してしまい、昼休みを有効活用できなくなってしまいます。そのような背景の中、コロナ禍や物価の上昇等の要因が重なることで徐々に食堂の利用者が減少し、令和4年度末に業者が撤退することとなりました。

令和5(2023)年度は、教員がお弁当を販売しながら、新しい業者を探していました。その間に、ある生徒たちが課題研究の授業の中で試行錯誤しながらプログラムを組み、スマートフォンで食事のオンライン予約ができるシステムを構築しました。

その後、新しい業者が見つかり、7月より食堂が再開されました。そこで、生徒たちは、業者にオンライン予約システムのプレゼンテーションを行い、このシステムを活用してほしい旨を相談しました。業者はそれを了承し、10月にこのシステムの試行実施をしました。すると、食堂利用者が増えただけではなく、試行期間中の食堂における売上が約20%上昇しました。さらに、計画的な調理が可能となることで、食堂における業務の効率化や食品ロスの削減、といった様々な効果がありました。これについて、食堂業者からは「食事の提供スピードが速くなるなど業務の効率化につながっている。食事の提供スピードを上げることは、生徒の満足度、ひいては売上の貢献にもつながる。」という好意的な意見であり、生徒たちも自らの学びが社会に活かされているという実感を得られた取組みとなりました。

現在はシステムを本格導入していますが、生徒たちは、利用者の満足度調査を行うなど、さらなる改善に向けて日々取り組んでいます。

打合せ風景とプレゼンテーション画面

食堂業者との打合せの様子 GLHS合同発表会でのプレゼンテーションの様子

スーパーサイエンスハイスクールの取組み-Kozu Science Labo研究交流会-

本校は平成20(2008)年度より、文部科学省から、「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)として指定され、将来の国際的な科学技術系人材の育成のための取組みを着実に推進するとともに高大の接続の在り方について大学と連携した研究やカリキュラムの作成の研究等について推進しています。

その一環として、地域の拠点校となり、地域の小中学生の科学的リテラシーを向上させることや本校の成果を域内外へ波及させること、本校生徒をリーダーとして育成することを目的に「Kozu Science Labo研究交流会」として様々な取組みを行っています。

例えば、本校生徒がアシスタントとして参加する地域の小中学生を対象とした科学実験講座では、実験の目的、手段、結果、考察と順序立って説明するなど生徒主体で講座を進行しており、参加者の方々からは満足度の高いご意見をいただいています。また、地域の他校教員を対象に課題研究における教員の指導過程や資料をレクチャーする取組みも行っておりますので、学校のホームページ(外部サイトへリンク)をご確認ください。

白衣を着て実験に取り組む生徒たち

科学実験講座の様子 実験講座での説明の様子

これからも、「自由と創造」「日新日進」を高津高校の生徒活動の原点とし、「明日の理想の達成」に向け、自らの力で未来を切り拓く真のリーダーの育成に、全力を尽くしてまいります。

(教育振興室高等学校課)

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