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更新日:2026年9月28日

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部落解放同盟大阪府連合会 要望書

要望受理日 令和8年7月10日(金曜日)
団体名 部落解放同盟大阪府連合会
取りまとめ担当課 府民文化部 人権局 人権擁護課
表題 大阪府2027年度予算編成にあたって
部落差別解消・人権行政の推進に関する要望書

 

要望書

2026年7月10日

大阪府
知事 吉村 洋文 様
大阪府教育庁
教育長 水野 達朗 様

部落解放同盟大阪府連合会
執行委員長

大阪府2027年度予算編成にあたって
部落差別解消・人権行政の推進に関する要望書

部落差別の解消と部落問題の根本的解決、人権尊重社会の実現にむけて、人権施策等の推進にご尽力されておられますことに、あらためまして敬意を表します。

今から25年前の2001年9月、大阪府同和対策審議会は「大阪府における今後の同和行政のあり方についての答申」を出しました。答申は、特別対策としての同和対策事業が廃止された後における同和行政のあり方に関して、「国同対審答申の精神をふまえ、その責務を分担し、部落差別が現存するかぎり、同和問題解決のための施策の推進に努める必要がある」「同和問題解決のための取り組みを、人権問題の本質からとらえ、人権条例の目的である『すべての人の人権が尊重される豊かな社会』の実現をめざして進めていく必要がある」との基本認識を示しました。そして「差別を温存し、助長する因習等をなくし、全ての基本的人権を擁護する取り組みとともに、同和地区内外住民の交流、コミュニケーションを図る継続的な取り組みを通じ、相互理解を促進し、地域住民が協力して自らのまちづくりを進めていくための協働関係を構築し、同和地区とその周辺地域が一体となったコミュニティの形成を図ることにより解消しうるものである」と重ねて強調しました。
要するに「格差の是正」から「人権のまちづくり」という新たな同和・人権行政の目標を掲げて、「府民の差別意識の解消・人権意識の高揚」「同和地区出身者の自立と自己実現の支援」「同和地区内外の住民の交流促進」という3つの条件整備の必要性を示しました。
この答申で示された「同和問題解決のための基本目標や基本視点」の具体化へ、大阪府の取り組みが2002年度からスタートしましたから、今年度末で四半世紀を迎えることになります。
あらためて申し上げると、この答申が示した「基本目標や基本視点」と3つの条件整備に関して、大阪府として実施されてきた施策等を通じた進捗状況やそのあり方に関して評価・検証する時期に来ているのではないでしょうか。そうした基本認識のもとで「大阪府同和問題解決推進審議会」において審議等の活性化を強く要望するものです。

ご承知のように、被差別部落の所在地情報(識別情報の摘示)をはじめ部落差別に係る言動等が、インターネット上で流布・拡散、野放し状態となっています。大阪府をはじめ行政機関等が粘り強く推進・展開してきた人権教育・啓発の成果をないがしろにしてしまう事態となっています。
大阪府は2022年に「大阪府インターネット上の誹謗中傷や人権侵害のない社会づくり条例(以下「府ネット上の差別解消条例」という。)」を制定。不当な差別的言動等の削除等の対策を講じていくため、大阪府人権施策推進審議会の答申をふまえて「府ネット上の差別解消条例」を改正、2024年度からは「行政指導指針」に基づいた取り組みも進められています。相談窓口である「ネットハーモニー」を通じて、ネット上で人権侵害等を受けた被害者の中で、大阪府が「不当な差別的言動」に対して代行して削除要請に取り組む。あるいは行為者に対して説示等を行う、被害者を救済・支援する仕組みがスタートしたものと、私たちは受け止めているところです。
一方、政府では「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(情報流通プラットフォーム対処法。以下「情プラ法」という。)」が2025年4月から施行しました。大手プラットフォーム事業者9社を指定し、「情プラ法」に基づいて「(削除等への)対応の迅速化」「運営の透明化」等を義務づける取り組みが始まりました。
私たちもまた「識別情報の摘示」の削除を求めて「情プラ法」に基づく削除要請等に取り組んでいますが(1)「情プラ法」に基づく削除要請の窓口なのかどうかがわかりにくい。(2)削除要請をして1週間経過しても削除の有無についての返答がない、あるいは全く返答がない等々の課題や問題点が明るみに出てきました。
「情プラ法」は、人権侵害等で被害を受けた本人が削除要請することができる仕組みです。行政機関が代行して削除要請に取り組んだとしても、指定事業者9社の対応にバラツキがあることも指摘されています。
一方「府ネット上の差別解消条例」は、被害者及び加害者からの相談を救済・支援する仕組み(その中で被害者を救済するため、「不当な差別的言動」であると判断した場合は、大阪府が代理となって削除要請の取り組む仕組みも発動するもの)です。
しかし、被害を受けた府民が泣き寝入りすることがないようにすること。二次被害・三次被害を受けることがないための手立ては重要な課題です。法律と条例、制度上の「かい離」を可能な限り解消することができないでしょうか。
「情プラ法」「府ネット上の差別解消条例」を具体化した取り組みが大阪府全域へ広がりをもって推進され、インターネット上における部落差別の根絶と被害者へのより手厚い救済・支援となるように、両者の趣旨・目的、その効果が発揮されることを大いに期待しているところです。
そして、ネット上の人権侵害のみならず、あらゆる人権侵害の禁止と被害者救済・支援に向けた、大阪府民のセーフティネットとしての役割・機能の充実・強化へ、懸案される課題等を共有化し、ともに歩みを進めたいと考えているところです。

つきましては、2025年度予算編成にあたって、貴庁として部落差別の解消と部落問題の根本的解決、人権行政のさらなる推進と充実を求めるため、下記のとおり、要望いたします。

要求項目

【1】部落問題解決にむけた施策等の推進にあたって

(1)公務労働に従事する者による部落差別事件があいついで発生しており、公務労働に従事する者の人権教育(部落問題研修)の内容・あり方に懸念する。大阪府としての基本的な考え方を示されたい。大阪府の関係職員(会計年度任用職員等含む)の体系的・系統だった人権教育研修(部落問題研修)のあり方について示されたい。

(2)就職差別につながる違反事象対策と公正な採用選考の取り組みの抜本的強化に関わって

  1. このほど連合が「就職差別に関する調査2026」結果を公表したが、大阪府としての基本見解を示されたい。
  2. 就職希望者に対する「就職差別をなくすための取り組み」等についての理解を広げ、深める取り組みをどのように展開されるおつもりか、大阪府、大阪府教育庁としての見解等を示されたい。
  3. 「公正採用選考人権啓発推進員」を対象に「就職差別に関するアンケート調査」を実施できないか、検討されたい。

(3)大阪府同和問題解決推進審議会の運営と活性化にあたって

  1. 大阪府が実施した「人権問題に関する府民意識調査」の分析が進められている。一方でいくつかの自治体(同和地区を有する自治体)で実施された「人権問題に関する市民意識調査」結果などの協力を得るなどで、同和地区(被差別部落)及び同和地区出身者(被差別部落出身者)に対する意識状況(忌避意識の傾向等)を審議課題として取り上げられたい。
  2. 同審議会で、前述した公務労働に従事する者による部落差別事象の分析等を深められ、新たに懸念される事項、講ずるべき措置、あり方について論議を積み上げられたい。
  3. 2030年に予定されるであろう「人権問題に関する府民意識調査」とは別に「部落問題(同和地区)に関する意識調査」を検討されたい。


【2】「府ネット上の差別解消条例」と「情プラ法」の具体化に関して

(1)「府ネット上の差別解消条例」と「情プラ法」の趣旨・目的、その内容等に関する周知・啓発の強化にむけた大阪府としての基本方針を打ち出すべきと考えるが見解等を示されたい。

(2)「情プラ法」対応の削除要請の取り組みに関わる懸案課題について、大阪府としての基本認識とその解決にむけた方策を示されたい。

(3)わが方としては「情プラ法」対応の削除要請に関して、被害を受けた個人が自らの意思で削除を要請し、「削除されたか否かの回答及びその理由」を受けることができる仕組みとして、これまでにはない取り組みであることを一定評価しているところ。しかし、削除要請がなされても、削除の有無すら返答されないといった現状がある。府ネット上の差別解消条例をふまえて、大阪府としてどのような対策及び支援策等を講じられるのか、見解等を示されたい。

(4)ネット上の誹謗中傷・差別への対策について「泣き寝入りさせない」「二次被害を防止する」などの取り組みも包括した重層的なセーフティネットを構築するべきと考えるが、大阪府としての見解と方向性を示されたい。

(5)「インターネット上の不当な差別的言動に係る侵害情報に対する削除の要請等及び説示又は助言の実施に関する指針」を有している意義とその主体的な基本姿勢を強く押し出すため、ネット上の差別を禁止する規定を明記した「府ネット上の差別解消条例」の改正を検討されたい。

(6)大阪府が実施する人権相談体制のあり方に関して、下記の諸点について見解等を示されたい。

  1. 「府ネット上の差別解消条例」をふまえて実施されているネットハーモニーでの対応状況とそれをふまえた大阪府としての現時点での評価を示されたい。


【3】改定された「おおさか男女共同参画プラン」「困難女性支援法に基づく府基本計画」の具体化に関して

(1)前回計画「おおさか男女共同参画プラン(2021から2025)」の数値目標で未達成となった項目等に関して、新プラン(2026から2030)で目標を達成するためにどのような手立て等を講じられるのか示されたい。根深く存在する性別による無意識の思い込みを解消するための啓発の強化方策を示されたい。

(2)身体的・精神的な被害を受けた女性の治療及び救済にむけたワンストップ支援センター機能としての「医療連携」の進捗状況と今後の計画について示されたい。

(3)「改正住宅セーフティネット法(2025年10月施行)」をふまえ「困難な問題を抱える女性」が住宅確保要配慮者に位置づけられたこと等に関する周知・啓発について示されたい。


【4】「大阪府配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画」の改定にあたり、下記の諸点について回答されたい。

(1)改定にあたり「困難女性支援法に基づく府基本計画」で示されている基本理念などとの整合性をどのようにはかられようとしているのか考え方を示されたい。

(2)「女性相談支援員」の配置状況とも関わって、相談・支援に地域間格差を生じさせないように各基礎自治体で担当する相談窓口と連携をとったバックアップ・フォローアップ等の取り組みを推進されたい。

(3)各市町村の「女性相談支援員」や「人権相談員」などを対象に「複合的差別の視点」に関する専門研修を実施・推進されたい。


【5】府立高校改革と不登校支援に関して、下記の諸点について見解等を示されたい。

(1)府立高校改革アクションプランに関して1.多様な背景を有する生徒への教育権保障、2.再就学(再学習)支援方策に関して、進捗状況と方向性を示されたい。

(2)2028年度以降の入学者選抜に関して、テストの結果で序列化した入試から「学校ごとの方針にあった生徒を評価する入試」へとカジを切ることになった。生徒が有するストレングスが評価されることになっているかどうか、「学校特色枠」で受け入れる各校のアドミッション・ポリシーの公表状況等を示されたい。

(3)国主導の「公私立の学校の多様化学校」の整備も含めた「多様な学びの保障」具体化にむけた方向性等について示されたい(一部再掲)。

(4)新たな制度に関する周知徹底と、学校間(地域間)で情報格差が生じないように取り組み等を推進されたい。

(5)地域共生社会を担う「人権と福祉マインド」を有する人材育成を早期(義務教育段階)から推進することが重要と考えるが、府教育庁としての基本認識と方向性等を示されたい。


【6】第5期大阪府地域福祉支援計画の中間見直しにあたって

(1)この間、いくつかの自治体が実施した人権問題に関する意識調査結果から、同和地区に対する忌避意識、外国人の受け入れ等にあたって「排外的意識」が顕著となってあわれている。選挙時に突然「外国人問題」が争点になったり、現政権の外国人政策へのスタンス、SNS上で偽・誤情報も飛び交ったりするなどの「悪影響」がそうした風評・風説を「呼吸するかのように意識」されていることも懸念する。部落差別問題など、人権問題解決の取り組みは地域生活課題として取り組むべきとする厚生労働省の見解をふまえて、中間見直しにあたっての基本的な考え方を示されたい。

(2)認知症であっても地域で安心して過ごすことができる地域。障がいの程度に関係なく、自立した生活を送ることができる地域。そして当事者と出会い、交流することが「排外意識」を払拭し、「分断」ではなく、真の共生社会への道筋へとつながっていくものと考える。そうした「地域共生社会の実現」へむけた地域福祉の担い手づくり(人材育成)にむけた方針等を示されたい。


【7】「孤独・孤立」「こどもの貧困」対策と「生活困窮者」支援に関して

(1)「社会福祉法等の一部改正」をふまえた懸案課題について、府としての基本見解を示されたい。

(2)今回の改正により1.包括的支援体制の司令塔機能(支援会議)の創設、2.民間団体を「地域福祉推進協力団体」として委嘱することができることとなった。このことに関する府の見解を示されたい。

(3)「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」の概要等に関して、説明されたい。

(4)短期滞在で入国後に救急搬送となり、「自由診療」とはいえ国籍を理由に3倍もの医療費を請求するのは不当だとして現在、訴訟が行われている。様々な事情により国民健康保険に未加入となっている住民(外国人含む)の生活実態把握は可能なのか検討されたい。

(5)改正生活保護法に基づく「こどもの進路選択支援事業」の実施状況に関して説明されたい。


【8】「大阪府人権教育推進計画(以下「計画」という。)」の改定にあたって

(1)各部局が作成する計画に、どのように人権教育の視点が盛り込まれているのか。各部局が策定した計画の中に人権教育の視点が盛り込まれている内容をそれぞれ示されるとともに、あらためて「計画」との関係について説明されたい。

(2)改定計画において「個別の人権に関する人権教育課題」は盛り込むのか否か、見解等を示されたい。

(3)改定計画の検討にあたっては、下記にある個別の人権教育課題に取り組む府の基本的考え方を示されたい。

  1. 部落差別事象への対応強化と部落問題研修の充実・強化にあたって(再掲)
  2. 障がい者差別等を支える優生思想の払拭へ、政府「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画」の具体化にあたって
  3. 「ハンセン病回復者に対する根深い偏見と差別」の解消にあたって
  4. 「排外意識」が拡大してきていることへの懸念等をふまえた、在日外国人問題に関する偏見等の解消にあたって
  5. LGBT理解増進法に基づく政府「基本計画」の具体化に関して
  6. 「地域共生社会の実現」へ、人権尊重と福祉マインドを有した人材育成(人権教育としての福祉教育の推進)にあたって
  7. 「権利としての労働教育(ワークルール、働く上での権利と義務、ハラスメント等)」の推進にあたって(キャリア教育だけではない)
  8. インターネット・リテラシー解消(SNSいじめ・ネット詐欺・闇バイト等含む)に向けた教育の推進

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