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更新日:2026年8月3日

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障害者の自立と完全参加をめざす大阪連絡会議 要望書(1)

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要望受理日 令和8年6月19日(金曜日)
団体名 障害者の自立と完全参加をめざす大阪連絡会議
取りまとめ担当課 府民文化部府政情報室広報広聴課
表題 要求書

要望書

2026年6月19日

大阪府知事 吉村 洋文 殿

障害者の自立と完全参加をめざす大阪連絡会議(障大連)
代表

要求書

 貴職におかれましては、障害者の自立と社会参加の推進に日々尽力しておられることと存じます。
 私たち、「障害者の自立と完全参加をめざす大阪連絡会議」(障大連)は、1980年に府内の障害者団体、親の会、労働組合、民主団体が集まり結成され、障害者自身の立ち上がりを基礎に、すべての障害者の自立と完全参加をめざし活動を進めてまいりました。
 新型コロナは小さな波は繰り返すものの、インフルエンザ等とともに、日常的な感染症対応となりました。しかし新型コロナから当たり前のように行われるようになった、入所施設や病院における、利用者の外出制限や外部からの訪問者に対する制限などが、いまだに続く施設・病院もあります。感染症対策を踏まえつつも、外出や面会、地域生活に移行する取り組みなどが自由に行えるよう、障害者の権利を復活させなければなりません。このことに限らず、新型コロナウイルスを契機とする、障害福祉制度を含む様々な社会の変化は、直接的・間接的に社会的弱者である障害者の権利を侵害する方向で今も影響を与え続けており、それらを解消していくことが何より必要と言えます。
 2024年のグループホーム「恵」の利用者からの不正詐取等に続き、2025年は就労継続支援A型の「絆ホールディングス」の制度悪用がマスコミ報道されるなど、私たちが以前から指摘していた、障害者と障害福祉制度を金儲けの道具として利用する、いわゆる「悪質な事業者」の実態が明らかになってきました。お金を取るための不正な仕組み・システムの構築とその結果100億円を超える莫大な金額が詐取されるなど、その悪質さと根深さに驚いたのは私たちだけではないでしょう。
 大阪府は昨年の秋に就労継続支援B型の調査を行い、府内全体で30%の利用者が在宅支援であることを明らかにし、市町村とともに、対応について動いています。また大阪市においても、絆ホールディングスへの監査・指定取消、また就労継続支援B型の総量規制を2026年8月から行うなど、ようやく動きはじめています。
 国の動きが鈍かったことが大きな問題としてありますが、結果として「やっと動いた」という感は否めず、ここに至る数年の大阪府を含む自治体の対応は決して充分ではなかったと言えるのではないでしょうか。真摯な反省を求めるとともに、今後早急に悪質な事業所を排除し、障害者の生活の質を高めていく事業所を守るよう、施策を進めていくことが絶対に必要です。
 2024年度の報酬改定では、悪質な事業所の参入が大きな要因にも関わらず、高い報酬を得ていると国が判断した結果、生活介護の報酬体系の時間単位への変更、グループホームの報酬引き下げやヘルパー利用減算などにより、障大連の加盟団体の多くは、事業運営が圧迫されています。更には不正の根幹の問題から目を背け、質を高めるという理由で昨年度から義務化された「地域連携推進会議」は、どれだけの効果があるのか非常に疑問があり、質の担保に向けて府独自の取り組みも必要と言えます。また今年1月に報酬改定検討チームから出された「臨時応急的な見直し」により、6月から就労継続支援B型の基本報酬区分の基準見直し(実質引き下がり)、応急的な報酬単価の特例(新規事業者への応急的な報酬単価=基本報酬の引き下げ)が行われます。更に来年の報酬改定に向けては、4月の財政制度等審議会で障害福祉予算の急増が指摘され、就労継続支援B型の時間単価導入の資料が出されるなど、事業の存続に関わる案も出されており、グループホームのヘルパー利用の恒久化・減算の見直し等含め大きな課題です。
 悪質な事業所が、不当な利益を得ることができないようにするのが、まず最初にするべきことであるにも関わらず、「障害者の生活を支えてきた、まっとうな」事業所が、まず財政的につぶされる構造は、何としても避けなければなりません。大阪府として、国への働きかけや、独自施策の検討も含めた対応が、まさに求められるところです。
 能登半島地震・豪雨災害を例にあげるまでも無く、この間全国的に災害が頻発しており、大阪においても豪雨・台風による被害や、また災害に備えるための住民の避難等は、このところ数年間隔で起きています。災害対策基本法等が改正され1年が経過しますが、防災と福祉の連携強化を基にした具体的な準備、福祉連携の個別避難計画の更なる作成等を進めていかなければなりません。
 入所施設からの地域移行については、昨年9月に国の「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」から議論のまとめが出されました。そこでは「脱施設」「地域移行」を基本的な方向性としながらも、施設を存続していく「施設機能の再編」が指向されていますが、この背景には地域の「受け皿」問題(地域サービス拡充の立ち後れ)があるといえます。入所施設では今年度からすべての入所者に対する地域生活への移行等に関する意向確認や、担当者の選任などが義務化されますが、地域の相談支援事業所や、ピアサポーターなど外部の関係者と連携する仕組みづくりをどう進めるか。また大阪府の地域生活促進アセスメント事業の推進など、実際に地域移行を進めるための課題は山積しており、大阪府が作成した「地域における障がい者等への支援体制について」にある、施設入所を有期限化していく方向性をどう実現するのか、大阪府の姿勢が強く問われます。
 精神障害者関係に関しては、長期入院者退院支援強化事業を継続しているが地域移行はなかなか進まないと、大阪府自身が認識しているにも関わらず、依然として改善が見られません。虐待とも言える身体拘束等をどう防ぐか、また全国的に取り組みが進む、精神障害者への入院者訪問支援事業の早期の予算増と事業内容の更なる改善が強く求められます。
 また一昨年、岸和田市の光生療護園において暴行事件が起こりました。入所施設や精神病院等における、事件や不適切な支援等が起こらないよう、大阪府としての取り組みを、早急な対応と長期に渡る対応、両方を進める必要があります。
 重度化・高齢化の課題については、各地域で高齢・障害の複合問題や生活困難事例がますます増えており、地域生活支援拠点機能の強化や重度障害者等の受け皿、相談支援事業の基盤強化などが喫緊の課題となっています。特に相談支援については指定事業所がなかなか増えず、相談員1人事業所も多く、大阪はセルフプラン率が全国で最多の状況にあり、今後の地域移行の推進、拠点機能の強化に向けて一層の基盤強化策が求められています。
 2024年7月に、最高裁にて旧優生保護法下における強制不妊手術についての判決が出され、「不妊手術の強制は個人の尊厳と人格の尊重に著しく反する」など、被害者側全面勝訴の内容となりました。
 その後2025年1月に補償金法が制定されましたが、今年3月までの認定は1799件に留まっています。大阪府においても認定者件数52と手術件数に比して少なく、また補償金法になってからの新たな申請も少ない状況です。大阪府はこれまで数回施設・病院への「アンケート調査」を行いましたが、有効な掘り起こしにはつながっていません。もはや時間との勝負と言える、被害者掘り起こしのための調査等について国への働きかけを行いつつ、一歩踏み込んだ方策等を行う必要があります。
 交通・まちづくりの課題では、大阪府まちづくり条例等の改正により、新築では、小規模店舗の段差解消や、バリアフリートイレ内介護ベッド設置等が進む見込みです。既存建築物にもバリアフリー化が進むよう、改修補助等の導入が求められます。ほか、駅の無人化への対策など、短期から長期に渡り、障害者の権利が保障されるよう、取り組みを進める必要があります。
 また教育関連では、依然として狭さ等を理由とした、特別支援学校の新設・増設が進んでいます。地域の小中学校で安心して学べるよう、合理的配慮・環境整備が求められる中、大阪府教育庁として市町村教育委員会への支援制度の更なる拡充や、希望するすべての障害のある生徒が一般高校で学べるよう、入学の仕組みの抜本的な見直しや、府立高校統廃合の見直し等を行う時期と言えます。
 大阪府では今年度「第6次大阪府障がい者計画」「第8期大阪府障がい者福祉計画」が策定されます。理念を形にするためには、悪質な事業者をどう無くしていくか、そのことを抜きには、実現できない状況にあるのではないでしょうか。
 悪徳事業者への早急な対応を、再度強く訴えるとともに、以下、各課題について要求します。

【障害者施策全般に関する要求項目】

  1. 2027年の障害福祉サービスの省令・報酬改定に向けて
     2024年報酬改定の生活介護時間単価導入やグループホーム基本報酬引き下げは、障害者の地域生活に大きな影響を与えた。さらに本年1月に出された「臨時応急的な見直し」は実質引き下げとなる就労継続支援B型事業(以下、就B)の基本報酬区分の基準見直しや、新規事業者に対する「報酬単価の特例」が行われる。また2026年4月の財政制度等審議会においては障害福祉予算の急増や就Bへの時間単価導入に関する資料が提示されるなど、このままではこれまで誠実に運営を続けてきた「まっとうな事業所」の存続が危ぶまれる極めて深刻な状態にある。
     厚労省・財務省が指摘する「障害福祉予算の急増」の原因は不正や不適切な運営を行う一部の営利主体の悪質事業所の急増である。こうした悪質な事業所への対策が進まないまま、一律の報酬引き下げや規制強化が行われれば、これまで地域で大切に培われてきた支援の基盤が破壊され、結果として障害者の地域生活に少なからず、かつ深刻な影響が出ることは免れない。国や大阪府は一律の規制ではなく、これまで地域を支えてきたまっとうな支援の在り方や事業所、基盤を守り、その上で悪質な事業所を的確に排除することを目的とした対策をしなくてはならない。
     大阪府として。上記の状況と課題について深く認識を求め、以下要求する。
    • ・2027年の次期報酬改定に向け、特に就Bにおける時間単価(時間軸)導入への反対、およびグループホームの総量規制への反対を、国に対して強く要望すること。
    • ・悪質な事業所が、制度の趣旨から逸脱した障害福祉サービスの利用や運営を行えないよう、国に対して強制力のある実効的な施策の制定を強く求めること。
    • ・大阪府内において悪質な事業所がこれ以上増加しないよう、事業所の指定認可や運営指導における審査の厳格化など、具体的な対応を講じること。また、府独自の仕組みを構築するため、国や府内の自治体とも緊密に連携し、国・府の2段階で、悪質な事業所の排除と地域の支援基盤維持に向けた独自の対策を講じること。
       
  2. 団体応接の持ち方について
     大阪府との当団体との応接は30年以上に渡って、障がい福祉室からは各課長が出席してきたが、2021年度から課長が全員欠席するようになった。私たちの団体応接は、多くの障害当事者が参加する形で行っているが、その理由は「不充分な制度状況の中で、地域で生活する障害者の切実な声を、真摯に直接聞いてもらうこと」が施策を創る基礎になると考えているからである。障害福祉制度を不正に若しくは不適切に利用する悪徳事業所の影響によって、厳しい状況を強いられている当事者の声を、直接聴き・感じることの意義を捉え直し、課長職の応接出席を強く求める。

【介護に関する要求項目】

 障害者の地域生活の確立のための介護保障は、重要不可欠な課題です。
 安心して医療を受けられるための入院時の介護、安心した地域生活のための夜間の泊り介護などの充実、重度化・高齢化の進展や、医療的ケアなどの重度障害、行動障害の人たちの地域移行や地域生活取り組みのための介護保障の充実。更には、国が制度化した「雇用と福祉の連携による重度障害者の就業支援」や「大学修学支援」についても、全ての市町村で、円滑な制度利用ができるようにすべきです。介護保険の利用については、まだ尚、サービス水準の引き下がりとなる併給に関する制限や、日中活動や相談支援に関する硬直的な対応、更には障害特性を踏まえない一律的な対応などによって高齢化した障害者の不安や困りごとが発生しています。高齢化した障害者がどこでも安心して暮らせるようにすべきです。
 そして、移動支援については、運用に関する市町村格差の問題だけではなく、報酬の問題やサービス提供の仕組みの問題から、ヘルパー人材を確保することが困難になり、移動支援事業の基盤が崩壊しつつあります。このことは、地域生活の質の問題に直結する重大な問題であり、この問題に取り組まなければなりません。
 そして、重度化・高齢化が特に進んできている盲ろう者については、安心して暮らせる介護派遣や相談支援事業の利用が重要です。
 以上の認識に立ち、以下要求します。

  1. 障害者の入院時の課題
    • (1) 入院中の支援の重要性について、まだまだ病院の現場にまで届いていない状況が見受けられる。医療と福祉の連携を推し進めるよう、更なる周知と啓発を利用当事者とともに図ること。
       また、合理的配慮としての入院時の重度訪問介護利用などを不当に拒否した病院については、事後的ではあっても、差別解消の立場から注意を促すようにすること。
       「個室」利用を条件付ける場合の費用負担の問題についても医療現場での取り扱いについて注意するよう促すこと。
    • (2) 重度訪問介護利用者以外でも、入院時の支援が必要な人がたくさんいることを踏まえて、府内全市町村に対して入院時サポート制度を実施するよう強く働きかけること。
       
  2. 通勤・勤務・通学の課題について 
    • (1) 「雇用と福祉の連携による障害者就業支援」については、利用を希望する障害者が速やかに利用できるよう、支給決定までの手続き及び請求事務を簡素化した制度を実施するよう全市町村に働きかけること。
    • (2) また実施市によっては高額な利用料や「勤務先と介護事業所が同一法人である場合は利用できない」等の制限問題が生じていることに関して、当該市に対して早急に是正するよう強く働きかけるとともにこれらの不適切な制度設計が広まらないよう注意を払うこと。
    • (3) 大学修学支援については、入学時からスムーズに利用するために、府市の障害福祉と教育部局が連携して、高校在学中の進路指導の段階から利用希望者を把握し、本人並びに障害福祉相談事業者等が事前準備を円滑に行えるように関係者に周知啓発を徹底すること。
    • (4) 小中の障害児の通学支援については市町村格差が大きい。障害と教育部局が連携して教育の通学支援事業や福祉の移動支援の活用等により全市町村で通学を支える制度を整えること。
    • (5) 高校については、通学に関する必要な支援を教育部局と福祉部局とがしっかりと協力して保障すること。また、学内の支援については、安定した体制を作るために教育施策と福祉サービス事業者が協力するように市町村及び関係教育部局に積極的に働きかけること。
       
  3. 長時間介護の支給決定時間数の市町村格差、制限問題
    • (1) 厚生労働省の見解を踏まえ、府内市町村に対して、必要な見守りなどの手待時間の時間数も、必ず支給決定するよう強く働きかけること。
    • (2) 重度障害、強度行動障害、医療的ケア、重度心身障害のケースに対して、全市町村で適切な支給決定がなされるように強く働きかけること。とりわけ強度行動障害のある人等については、障害種別による差別・格差をなくし、地域生活を保障するために必要な時間数を保障するよう働きかけること。
       
  4. 介護保険との併給課題
    • (1) 介護保険の利用については、国通知に基づき「介護保険併給によってサービスの引き下がりや、通所先の変更を強制される等の不都合を生じてはならないこと」を全ての市町村に徹底し、正しいルール作りを確実に促進すること。
    • (2) また、併給トラブルの未然防止に向け、適切な非定型協議を積極的に活用することや、障害福祉サービスを多く使う障害者については障害者相談支援を必要な期間、併給するように市町村に対して働きかけること。
    • (3) 同時に、介護保険関係者と障害福祉関係者が適切なケアプラン作成まで確実に理解できるよう介護保険事業者(=ケアマネージャー)、相談支援事業者(=相談支援専門員)に対する研修を障害当事者も参画して具体的な事例を挙げて更に強化すること。
    • (4) 盲ろうや強度行動障害、医療的ケア、重度心身障害、高次脳機能障害等の障害者が、介護保険対象者となった時には、サービスが利用できなくなることを回避するために、一律に介護保険併給を求めるのではなく、引き続き障害福祉サービスで対応を可能とするよう、全市町村に対して周知徹底すること。
       
  5. 移動支援の各市町村でのサービス基盤の拡充と利用制限の見直しに向けた働きかけ。
    • (1) 移動支援サービスは、介護給付との報酬のあまりにも大きな格差によってサービスそのものが危機的な状況となっている。抜本的な改善を図るために国に対して義務的経費化や「地域生活支援事業費」の実態に対応した大幅な拡充など積極的な政策提起を行うこと。
    • (2) 大阪府内市町村でのサービス提供基盤の確保に向け、大阪府と市町村が協力して、市町村での報酬改善やサービス提供を行う事業所に対する支援などに即時取り組むこと。
    • (3) また、移動支援については、利用者の切実なニーズを無視した不当な制限をしている市町村がまだまだ多く残っている。「施設入所者の移動支援利用」「日中活動前後の通院等以外の利用(三角形ルール)」「移動支援での中抜き問題」「移動支援での通院の利用(グルホ月3回以上対応含む)」「通学の取扱い(通年長期の柔軟な解釈)」「自転車併走」について格差是正・改善を図ること。
       
  6. 盲ろう者の通訳・介助、高齢化課題への対応について
    • (1) 国に対して通訳・介助制度の個別給付化ならびに日中活動も含め場面を問わず利用できる長時間派遣、高齢化対応での二人派遣の実現を求めること。
    • (2) ホームヘルプや相談支援の利用を促進するために、府で作成した「盲ろう者支援の啓発チラシ」など活用するとともに友の会等と連携して個々の盲ろう者にアプローチし、支援事業所の拡充につなげていく仕組みを作ること。
    • (3) 高齢化に伴い増加する事故やヒヤリハットを防ぐため、今後も現任研修は、事例検討や専門家の講師登用など、内容を更に進化させ継続すること。また土日や(通訳介助派遣)事務所閉所時間でも、緊急連絡や的確な対応する仕組みをつくるため、連絡先や方法等について、具体的な検討を進めること。

【グループホームに関する要求項目】

 前回の報酬改定においては、グループホームの報酬が削減され、特に精神障害者のグループホームでは重度対象の加算も実質利用できない等もある中、「障害者の生活と権利を支える良質な事業者」にとって大きな痛手となりました。またヘルパー併用については、休日も含めて8時間以上ヘルパー利用する日は、本体報酬が減算されることになりましたが、重度・高齢化する利用者の自立生活の確立のためにも、減算の対象からはずすこと、ヘルパー併用の恒久化の実現が急務です。
 「恵」の問題に端を発した質の低下への対応として、2025度から地域連携推進会議が義務化されました。また今年2月には「運営や支援に関するガイドライン」が策定され、来年度からは自己チェックシートの公開等、管理者の資格要件(実務経験・研修)を導入すること等が見込まれています。しかし悪質な事業者を締め出すには、これだけでは全く不十分です。事業者指定時や事業継続時に、質の高いサービスを行うかを測る仕組みが無い限り、抜本的な解決に至らないのではないでしょうか。
 また質の確保とも関連してグループホームへの総量規制導入が検討されていますが、質の向上のためには、良い支援を可能とするだけの充分な財源や人材確保、大規模化を進めてしまった日中サービス支援型の新規認可停止、法律改正による定員の縮小、大規模でないと経営が成り立たない制度こそ、早急に見直すべきです。
 大阪府内においても、営利偏重の企業増加を背景に、深刻な虐待事件や、支援困難と退居させられる、事業所の短期での閉所など、利用者の人権が侵害される実態が多数あります。入所施設を減らし、様々なニーズにこたえられる質の高いグループホーム利用による地域自立を拡充していくため、大阪府として、実態の把握をすること、そして積極的に実効力のある施策を進めていくことが何よりも必要です。以上の認識に立ち、以下要求します。

  1. 第6次大阪府障がい者計画に向けてと大阪府の具体策、および国への要望について
    • (1) 良質なサービス提供事業者が、これ以上運営が厳しくならないよう、前回の報酬改定等この間の引き下げを、大きく上回る報酬改定を来年行うよう、国に強く求めること。
    • (2) 大阪府は「1ホームの定員を短期入所を含めて10人以下とする」「日中活動事業所や高齢者グループホームとの併設禁止を原則とする」指定方針について、府内全市町村と十分な情報共有を行い、その趣旨及び運用の徹底を図ること。また新規指定や事業所開設にあたり、指定権者と開所地自治体との間で情報共有を行う仕組みを大阪府全体で構築するとともに、法人名、代表者、所在地、管理者、サービス管理責任者等の情報を相互に突合できる仕組みを導入し、複数法人を利用した実質一体運営や偽装的な申請など、指定方針を潜脱する悪質事例を未然に防止すること。
    • (3) 府内全域の日中サービス支援型の実施状況(指定自治体や箇所数)、ならびに日中サービス支援型の協議会設置状況を示し、協議会の検証内容や支援の質などの運営実態を明らかにすること。
    • (4) 府内の地域連携推進会議の取り組み状況を集約し、好事例を府内市町村に全体化すること。
       また今年2月に出された国のガイドライン等では、生活の質の担保は不充分であり、大阪府として地域のあたりまえの暮らしとして支援すべきこと(食事・入浴・外出など)などを、当事者の声も反映した内容の媒体を作成し、事業所研修を行うこと。
       さらに新規事業所指定・運営指導については、この間の傾向を踏まえ、利用者の生活の質より営利を優先する事業所を強くチェックする内容で行うよう、府内市町村で連携すること。
    • (5) 国では、グループホームの管理者研修等、来年度実施の方向で検討されている。国が示すカリキュラムについて、良質なグループホームを増やすという視点を充分に踏まえ、内容を検討した上で実施すること。また内容について私たちと意見交換すること。
    • (6) 近年、営利優先の事業所や大規模事業所の急増により、人材育成や研修体制の整備、キャリア形成支援に十分な投資を行わず、経験の浅い職員のみで運営される事業所も見受けられる。こうした状況は支援の質の低下や虐待、不適切支援の要因ともなり得ることから、大阪府内のグループホームにおける人材不足の実態を把握し、質の高い支援を担う人材の確保・育成、定着支援を含めた総合的な施策を検討すること。
    • (7) グループホーム入居者の重度化・高齢化への実態もふまえ、入居者の通院等介助について、府内市町村の昨年度の状況を示すとともに、月2回の利用制限を撤廃すること、また併せて、入院時支援加算の初日からの算定、日中支援加算の休日の算定を、国に強く働きかけること。
    • (8) 区分が低く認定される傾向の精神障害者グループホームについて、実態調査やヒヤリングを行ない、安定運営や拡充のための府独自の方策を検討すること。また精神障害者本人のあたり前の権利として、必要な支援が把握できるような調査項目や調査のあり方について検討し、国に働きかけること。
    • (9) 個人単位のヘルパー併用について、政令・中核市を含む府下自治体と連携し、府下全域の個別のヘルパー併用の実態(人数・利用時間等)、支給決定状況やガイドラインを集約し示すこと。また、個人単位のヘルパー併用の恒久化、ならびに休日も対象とされている長時間利用減算について、来年の報酬改定では減算対象から除外することを、国に強く要望すること。
    • (10) 国に対し、サテライト型の年限撤廃、地域移行特別加算の在宅からの入居支援への拡充、自立生活支援加算の拡充を要望すること。また大阪府として年限付きでない「サテライト型」あるいは「グループホーム圏」(ひとり住戸)など、多様な物件確保や支援形態の方策を検討すること。
    • (11) 新たな指針に基づき作成される第8期福祉計画において、各自治体のグループホームにおける重度対応の実態をていねいに把握し、それに則したものとして、府全体の必要見込み量を策定すること。また良質なグループホーム拡充の観点から、国の総量規制案に強く反対すること。
    • (12) 大規模化がグループホームの質低下の大きな要因となっていることをふまえ、また国連の勧告にもとづき、入所施設解体にむけた目標設定とグループホームのあり方の検討を行なうよう国に強く求めること。また8人以上は大規模減算の対象であることをふまえ、定員を7人以下、最終的には4人から5人までとする等、段階的にでも引き下げるよう、法令整備の検討を国に求めること。
       
  2. グループホームの物件確保策、コンフリクトへの対策について 
    • (1) グループホームにおける重度障害者の支援の拡充のため、「大阪府重度障がい者グループホーム等整備事業費補助金」を、継続・恒久化すること。
    • (2) 公営住宅利用グループホームにおいて、入居者の重度・高齢化による住環境の課題が増加していることをふまえ、低層階への変更等住宅替えの要件を拡充するなど、住み続けるための支援を検討すること。また空き家活用による営利目的のグループホームや大規模化が進む実態もふまえ、公営住宅利用の拡充とともに、借り上げ型公営住宅によるグループホーム活用や、「隣接住戸2戸1化改修」などのグループホーム仕様など府独自のモデル事業を進め、国にも提言すること。
    • (3) 大阪府営住宅、および政令市を含む大阪府下市営・町営住宅の建て替え計画、ならびに該当住宅におけるグループホームの利用状況、および対応状況を明らかにすること。
    • (4) 公営住宅利用グループホームが建替えに際し新築への入居から排除されることのないよう、「目的外使用」の見直しを国に要望するとともに、個別事例において適切な対応を図ること。
    • (5) 入居者の障害支援区分の変更や入居者の変更による消防法上の6項ハからロへの変更にあたっては、必要充分な移行期間を検討すること。また即時の違反公表の対象としないこと。
    • (6) 次期大阪府障がい者計画の策定・推進にあたって、消防法令・住宅法令の影響やコンフリクト問題を含めて、グループホームの物件確保に関する実態を調査し、入居拒否につながらない対策について具体的な検討を行なうこと。また計画策定と連動して、物件確保に関する実態調査を定期的に実施すること。
    • (7) あいつぐコンフリクト問題をふまえ、府の啓発チラシやふれあいだより等で、UR、家主・宅建業者・管理会社・保証業者、地域や公営住宅自治会等への啓発を充実させること。また住宅セーフティーネット法の施行を踏まえ、グループホームの物件確保や、ひとりぐらしへの移行なども含め、障害者への支援が進むよう、市町村に指導助言すること。

【地域移行・地域生活に関する要求項目】

 私たちはこれまで「何十年もの長期入所、一生施設の状態を解消すること」を求め続け、府は「地域における障がい者等への支援体制について」(提言)をまとめ、入所施設に3つの機能(1.集中支援機能、2.生活支援機能、3.緊急時生活支援機能)を設けていく方向を示しています。この間の国の動き等を鑑み、集中支援機能(有期限の受入れ)に重点を置き進めていくことが必要です。
 今年度より入所施設では、2024年度の報酬改定により「すべての入所者に対して、地域移行及び施設外の日中サービス利用の意向を確認し、希望に応じたサービス利用にしなければならないことを運営基準に規定する」とされ、入所施設は「地域移行等意向確認担当者」をおいて意向確認マニュアルを策定することが始まっています。しかし、意向確認については入所者が予め地域の情報を知った上で選択する必要があり、意向確認担当者は意思決定支援を踏まえ、外部の相談支援機関等と連携していかなければなりません。
 昨年度から大阪府の「地域生活促進アセスメント事業」が7市1町でモデル実施され、今年度から府内全域に展開されます。施設入所待機者が施設ではなく地域で暮らせる社会資源を確保し、また施設入所者は地域で暮らせる情報を得なければならず、障害者個人の重要な意思決定をする大事な取り組みとなります。地域移行や意思決定支援を進めていくには、相談支援基盤の拡充が必須となりますが、未だ府内の相談支援事業所は圧倒的に足りず、相談員1人事業所も多くセルフプランも全国最多です。拠点コーディネーターの配置を評価する加算については、府としてもこの仕組みを推進し地域の虐待・緊急ケースへの対応、地域移行の推進等、拠点機能を一層強化していかなければなりません。
 2024年4月の精神保健福祉法改正により精神科病院における虐待防止の条項が新設されました。それに伴い府では「令和6年度の業務従事者による障害者虐待への対応状況等」が示され他都道府県に比べると非常に多い通報や虐待認定が明らかになりました。これらを踏まえ今後どのように虐待防止、早期発見、再発防止や改善のための指導監督が行われるのかを明らかにする必要があります。また入院者訪問支援事業を一人でも多くの入院患者が利用し、孤独感、将来に対する不安などの解消、また本人の意思の表出に繋がるように、本事業の周知や対象者の拡大、利用回数の制限撤廃、訪問支援員の養成など、全般的な予算の大幅な増額が必須です。地域移行の対象者が高齢化しています。1日でも早く退院するために介護保険との連携も必要となっています。
 また就労継続支援A型、B型等では自らの営利追求だけを目的とした事業者が多く参入していることが、この間明らかになりました。広域行政を担う大阪府として、具体的な対策が急務です。
 さらに近年激しさを増す豪雨災害に備えて、市町村に対して福祉との連携による個別避難計画の作成等、具体的な避難対策を強化していく必要があります。以上の認識に立ち、以下要求します。

  1. 地域移行支援の報酬等に関して
    重度化・高齢化に対応した地域移行支援の充実に向け、国に対して以下要望すること。
    • ・重度障害者の地域移行支援報酬を設定することや、体験中の重度訪問介護・行動援護の併用を強く求めること。さらに地域移行支援契約前の「前段階支援」として体験外出等の仕組みの制度化、体験加算15日制限の撤廃と増額、施設・病院への交通費保障も引き続き要求すること。
    • ・重度の障害があっても地域移行ができる地域移行ができるよう、グループホーム等の受け皿を拡充すること。また65才以上となる地域移行者の場合、退院後は介護保険利用となる方も多いため、障害特性をふまえて柔軟に障害福祉サービスが利用できるように確認すること。
       
  2. 大阪府での地域移行取り組み・虐待防止の推進に向けて
    • (1) 府「提言」の推進し、各市町村の基幹センター等の相談支援事業が施設と地域の相互の施設訪問活動を実施し、地域移行意向等確認担当者が地域とつながる仕組みを作ること。
    • (2) 地域移行促進アセスメント事業は、昨年度7市1町でモデル実施され、今年度から順次本格実施していくこととなっているが、アセスメントで地域移行を希望された方を期待だけさせて放置させてしまうことがないよう、地域移行部会の設置など、その後継続して地域移行に繋げていくための仕組みづくりを各市町村に対し強く働きかけること。また、そのことを通じて各地の地域生活支援拠点の活性化につながるような工夫をおこなうこと。
    • (3) 2024年に起きた岸和田光生療護園での利用者死亡事件後、当該施設への府の指導やその結果について改めて示すこと。また再発防止に向けた虐待防止研修等の状況を示すこと。
       
  3. 精神障害者の地域移行・権利擁護について
    • (1) 精神科病院の虐待の対応状況等を捉え虐待の防止、早期発見、再発防止や改善にむけ大阪府がどのように取り組んでいるのかを示すこと。
    • (2) 入院者訪問支援事業の実績が思わしくない中で、この事業の有効性をどのように捉え利用者が増えていくには何が必要かを明らかにすること。
    • (3) 府内精神科病院では1年以上の寛解・院内寛解の方573名(2024年630名)が未だ入院が続いている。また入院者総数(1803名)の内の46%(823名)が65歳以上の方となっている。相談支援事業所が地域移行に積極的に参画し介護保険とも連携できる仕組みを作ること。 
       
  4.  相談支援について、未だ廃業する事業所やセルフプラン率が減らない状態にあり、国はセルフプラン率を問題視するもののその責任を市町村に押し付けている。そもそも計画案作成に報酬がないことや毎月安定した収入が得られないなど、当初から制度設計に問題があったにもかかわらず放置してきた責任は国にあることから、国に対して、加算ではなく基本報酬の引き上げや安定した収入が得られる仕組みの創設など抜本的な改善を図るよう強く働きかけること。
     
  5. 地域生活支援拠点等について
    • (1) 地域での緊急ケースへの迅速な対応やアセスメント事業による地域移行の促進に向け、地域生活支援拠点機能のさらなる強化が求められるが、拠点機能が形だけのものにならないよう、各市町村で拠点コーディネーターの配置を進め、合わせて地域生活支援拠点等機能強化加算の活用についても各市町村に検討を進めること。
    • (2) 各地域において緊急事例・困難事例等に対応できるよう、入所施設の受け入れのみならず、グループホームや日中事業所での緊急を含む受入れ事例を把握し、各市町村でその取り組みが実施できるよう検討を進めること。
       
  6.  防災対策について、近年の猛烈な豪雨・台風や南海トラフ地震に備え、垂直避難場所として学校校舎の他ホテル、公的施設、物販店等を幅広く確保し、余裕をもって事前開放することや、要配慮者が実際に利用できるか現地検証を進め、要配慮者に情報提供すること。また災害対策基本法等の改正により、要配慮者への「福祉サービスの提供」が明記されたことから、発災時の「個別のニーズに応じた生活の継続を可能にする支援」のための福祉事業所との連携の仕組みを早急に検討し、全市町村に福祉と連携した個別避難計画の整備や活用、福祉避難所への直接避難、地域防災訓練への障害者参画を強く働きかけること。
     
  7. 日中活動について
    • (1) 悪質な就労系事業所が急増し、その不正・不適切な制度利用により府内自治体の障害福祉事業全体に大きな被害・影響を及ぼしていることを重く認識すること。特に在宅利用の適正化・不適切利用の排除について、既存事業所への対応や新規事業指定、また支給決定等について、市町村と情報共有・連携を強め、広域行政として、大阪府内の障害福祉事業の健全化に努めること。
    • (2) 生活介護では1時間刻みの報酬が導入された。障害特性による短時間利用等での配慮規定も設けられたが、精神障害等では長時間利用が困難な実情があること等をふまえ、柔軟に対応するよう、引き続き市町村に徹底していくこと。

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