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更新日:2026年9月28日

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大阪府中小企業家同友会 要望書(2)

(1)(2) ※2ページに分割して掲載しています。

要望書

C.若者や弱者が働きやすい社会づくりの要望と提言

要望提言項目C-1 「異次元の少子化対策」について
 中小企業家同友会では、「人間尊重の経営」の考え方のもと、社員の子育てを支援するために柔軟な働き方を推進しています。しかしながら、企業の努力だけでは少子化を食い止めることができません。
 日本と同様に少子化に悩むハンガリーでは「4人目を生んだ母親は所得税一生ゼロ」という施策を、段階的に「2人目を生んだ母親」まで広げつつあり、このような異次元の少子化対策を実施することによって、出生率が1.23(2011年)から1.59(2021年)と劇的に改善されています。将来、高齢者を支える層を厚くするためには、現在、子育てをする家庭に、このような分かり易い明確な優遇措置を与えることが必要です。なお、この施策による税収減は、子供が増えた分だけ増加する日々の生活費に含まれる消費税によって補うことができるので、実際の財政負担は大きくありません。
 大阪府でもこのような柔軟な発想で、府民税を子供が扶養から外れるまでの間は免除するなど、大阪府で子供を育てたくなるような、メリットの分かり易い制度の採用を検討してください。

要望提言項目C-2 大阪府立高校再編整備計画の見直しと柔軟な運用について
 入学志願者が3年連続して定員に満たない高校は再編整備の候補とされ、すでに多くの高校において廃校や統合がなされてきました。一律の定員割れによる統廃合は、地域の活力を削ぎ、ものづくり中小企業への人材供給源である工科高校等の消滅を招きます。府教育庁に対し、30名程度の少人数学級を導入することで、教育の質を高めつつ多くの学校を存続させる、欧州諸国のような柔軟な計画運用を求めます。高等教育の維持発展は、将来の地域経済を支える人材育成に直結します。昨年度の回答では「地元関係者の意見を踏まえる」とありましたが、実態は計画に基づいた再編が優先されています。決定プロセスにおいて、生徒や保護者のみならず、地域の住民や企業の意見にも真摯に耳を傾け、地域の持続可能性を重視した施策への転換を強く要望します。

要望提言項目C-3 府立高校と大阪同友会の連携による「共育」体制の構築について
 高卒就職者の高い離職率は、社会の不安定要因となっています。この解消には、学校において「働くことを意識した教育」の強化と、中小企業との連携が不可欠です。
 そこで、以下を要望します。

  1. 府の回答にある「高校サポートデスク」等の既存事業を発展させ、出前授業や、同友会の発案ですでに一部の高校において実施いただいている共育型インタビューシップを普及させてください。
  2. また、同友会との意見交換の場には各府立高校並びに教育庁、商工労働部等、関係部局がご参加いただき非常に有意義な場となっていますので、引き続き、ご参加をお願いします。
  3. さらに今後は有志の意見交換に留まらず、大阪の将来を見据えた人材育成を継続的に議論する「共育会議体」の設置を要望します。
  4. 生徒が地域産業への理解を深め、主体的に進路を選択することができるための「基盤づくり」を官民一体で推進してください。

要望提言項目C-4 雇用流動化の弊害と人材定着支援の強化について
 中小企業家同友会の会員企業では、「人を生かす経営」を実践し、人財の受け入れ・育成に努めていますが、国の労働移動円滑化政策は、熟練技能の蓄積を必要とする中小企業の現場において人材定着を難しくし、現場との乖離を生じさせています。頻繁な転職を前提とした環境では、長期的な人材育成や安定した事業運営が困難であり、採用・教育コストの増大を招いています。府の回答にある人材確保推進会議やテクノ講座等の施策は評価しますが、今後は「中小企業が人材を育成し、長く活躍してもらう」ための環境整備が必要です。勤続年数に応じた人材定着支援策の強化や、個々の企業の課題に応じた伴走型支援の拡充を求めます。そして、中小企業が地域の安定した雇用の受け皿として機能し続けるための、実情に即した府独自の対策を要望します。

要望提言項目C-5 奨学金返済支援制度について
 長年要望してまいりました「大阪府奨学金返還支援制度導入促進支援金」の創設・およびその3年間の実施により、府内の数千社の中小企業で奨学金返還支援制度の導入が進み、人材確保・定着に寄与したことに感謝申し上げます。
 一方、本制度は制度導入時の費用等を支援するものであり、導入後の代理返還費用については企業が継続して負担する仕組みとなっています。また、大阪府内には約27万社の中小企業が存在し、制度導入企業はまだ一部にとどまっています。そのような状況下、国の臨時交付金を財源とする本制度は令和7年度で終了してしまいました。
 若年人材への投資は、企業だけでなく地域経済全体への投資でもあります。大阪府・企業・若年従業員がそれぞれ役割を分担しながら持続可能な支援の仕組みを構築することが、大阪経済の成長と府内企業の競争力強化につながるものと考え、下記の通り要望します。

  1. 制度をさらに多くの企業へ普及させるためにも、導入促進支援金の継続的な実施をご検討ください。
  2. 加えて、制度創設時より物価高騰はさらに進み、エネルギー価格や石油関連資材の高騰などにより、中小企業の経営環境と若年従業員の生活環境は一層厳しさを増しています。奨学金返還を抱える若年層への支援と府内中小企業の人材確保・定着という制度創設時の目的は、現在ではさらに重要性が高まっていると考えます。こうした状況を踏まえ、京都府・兵庫県ですでに実施されているように、代理返還額の一部を支援するなど、制度を継続的に運用する企業への支援制度についてもご検討いただくよう要望します。

要望提言項目C-6 若者を守り育てる活動と生活基盤(シェルター)の拡充について
 居場所を失った若者が犯罪に巻き込まれるケースが深刻化しており、先日のグリコ下での傷害・殺人事件の様に、住居不安定な若年層が実在しています。児童養護施設退所者(ケアリーバー)は18歳で自立を求められますが、一方、親族支援や経済基盤が乏しく、住居・就労・医療などの基盤が不安定になりやすい状況になっています。全国調査では、退所者の生活困難が顕著であり、若年ホームレス化のリスクが高い層が存在しています。(ブリッジフォースマイル(B4S)「退所者トラッキング調査2024」など)
 更に、厚生労働省措置解除者等の実態把握に関する全国調査2020では、下記のデータが発表されています。

  • 収支赤字:22.9%
  • 医療未受診:20.4%(理由の66.7%が経済困難)
  • 精神科通院率:24.2%(全国平均の約8倍)
  • 正社員就職者の離職率:約50%(1年以内)
  • 早期退所者の高校中退率:47.7%

 これらは、退所後の生活が支援の制度につながる前に破綻しやすい構造を示しています。府の回答にある就労訓練の受入れ拡大も大切ですが、民間シェルターは利用者数や期間に制限があり、最低限の生活基盤であるシェルターの拡充が急務です。府営住宅の優先枠確保や家賃補助、保証人支援など、住まいの支援を抜本的に強化してください。また、当会の活動に府も参画し、現場の課題共有と、その共有を通じて財政的支援の強化を国に要望することを求めます。

要望提言項目C-7 スタートアップ等への新しい補助金制度について
 スタートアップ企業(主に投資家からの資金調達で社会課題解決のためのアイデアを迅速に実現するため設立された企業)、ベンチャー企業(主に社内の余剰資金を使って新規事業開拓のためアイデアを実現する社内事業所、又は内部発生的な企業)は、その過程で他のものづくり企業等との共創によってアイデアの社会実装を試みます。
 これらのスタートアップ・ベンチャー企業は一人親方のような小規模なものからスタートすることが多く、中小企業庁の実施している補助額の大きな「ものづくり補助金」「新事業進出補助金」を受けることは難しく、受けることのできる補助金は、例えば、「小規模事業者持続化補助金」のように少額のものに限られています。
 クラウドファンディングを実施するにしても、先ずは試作品(量産に比べ非常にコスト高)の作成、パッケージング、そのプロモーション動画の準備等、多くのハードルがあります。
 大阪府では、令和7年度から「先端技術等に特化したスタートアップ育成支援事業(社会実装支援)」を実施いただいています。今後さらに支援を強化するため下記の事項を要望します。

  1. 試作・設備投資はもとより、その後のマーケティング調査、更には、その分野のマーケットの活性化(広告宣伝)のための支援を図る包括的なオールインワン補助金制度を創設してください。
  2. シェアキッチン・シェアオフィスなど副業・小規模起業を支える民間施設を大阪府として認定する制度を設け、認定施設を通じた専門家派遣や情報発信など、起業前段階からの行政支援につなげてください。

要望提言項目C-8 アントレプレナーシップ教育の体系的導入について
 将来の地域経済を支える子どもたちには、主体的に挑戦し他者と協働する「起業家精神」を育む教育環境の整備が必要です。府の回答にある高校生向けの講座や商品開発等の探究活動を評価しますが、これらを一部の学校に留めず、体系的なカリキュラムとして全府的に推進してください。特に、中学生を対象とした早期の導入や、文科省の「推進大使」制度の積極活用を市町村教育委員会へ周知し、活用を促進してください。また、当会所属の中小企業家と連携し、経営者から直接学ぶ実践的なプログラムや職場体験を拡充することで、地域産業への理解を深め、将来の大阪を牽引する人材を育成することを強く要望します。

要望提言項目C-9 多様化する生徒への教育支援体制の拡充と、公教育における人材育成機能の維持について
 現在、大阪府内の公立高校では、外国にルーツを持つ生徒が急増しており、多様化が進んでいます。
 府立布施北高等学校の実態を伺ったところ、次年度の入学希望者のうち約4分の1(190名中50名)が外国ルーツの生徒となる見込みであり、対応言語も多言語化しています。学校現場は「生徒一人ひとりに寄り添った教育」を目指していますが、一方で教職員の超過勤務縮減が求められており、先生方は多言語対応や多様な生徒への指導と、時間外労働の制限との板挟みになり「八方ふさがり」の状況にあります。
 それと同時に特別な支援を必要とする生徒の普通科高校への進学が増加していますが、体系的な実態把握が不十分です。現場では専門職不足により教員が個別対応を抱え込み、授業運営が圧迫されています。
 こうした地域の府立高校の教育の危機は、我々中小企業にとって看過できない問題です。先生方が日々の対応に追われ、生徒たちとじっくり向き合う時間が奪われれば、生徒たちは社会で自立する力を身につけないまま卒業することになりかねません。これは結果として将来を担う若者の好ましい職業観が醸成されず、地域の中小企業を支える次世代の人材が育たなくなることに直結します。
 大阪の未来を担う若者を地域社会全体で育てるため、また、先生方が本来の教育的使命やキャリア教育に専念できる環境を守るために、下記の事項を要望します。

  1. 各高校における外国ルーツの生徒や合理的配慮が必要な生徒の在籍状況について実態調査を行ってください。
  2. 卒業後の就労定着状況について企業から報告する制度を検討してください。同友会としては会員企業における実態調査・報告に協力する用意があります。
  3. 外国ルーツの生徒が在籍する各高校に対し、対象生徒の人数や多言語化の実態に応じて、言葉の壁をサポートする専門の支援職員を適切に配置してください。
  4. 多様化する生徒へのきめ細やかな対応と、教職員の働き方改革が両立できるよう、教員定数の見直しや十分な予算措置を行い、学校の教育機能が崩壊しないよう持続可能な支援体制を整備してください。

要望提言項目C-10 住宅確保困難者への支援と就労・地域定着の促進について
 高齢者・ひとり親世帯・養護施設退所者・引きこもり状態にある若者など、住宅確保に困難を抱える人々が増加しており、住まいの不安定さが就労・社会参加の妨げとなっています。住宅支援対象の拡充と、行政・福祉・居住支援団体・宅建業者・家主等が連携する住宅支援協議会の強化を進めてください。また、安定した住まいを基盤に就労訓練や地域活動へとつなぐ自立支援の仕組みを整え、中小企業が就労受け入れ先として参画できるコーディネート体制の整備も検討してください。

要望提言項目C-11 小規模事業者における就労困難者の実態調査と支援について
 
厚生労働省「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」(2024年)によれば、障がい者は推計1,164.6万人であり、人口の9.3%に達しています。特に精神障害者は大幅に増加しており、働く現場での支援ニーズは急速に拡大しています。一方、手帳を持たない「グレーゾーン」も相当数存在します。発達障害の診断者87.2万人のうち20.9%、難病患者126.4万人のうち40.5%が手帳非所持です。つまり、手帳所持者(約610万人)の数を大きく上回る規模で「生活のしづらさを抱えながら働く人」が存在しています。
 従業員40人未満の小規模事業者は法定雇用率制度の対象外であり、現場で「働きづらさ」を抱える人の実態が把握されていません。精神障害、発達障害グレーゾーン、難病、ケアラーなど、手帳の有無に関わらず困難を抱える層が増加しており、制度の谷間で支援から排除されています。
 大阪府として、小規模事業者を対象とした全府的な実態調査を実施し、就労困難者の割合、離職理由、必要な合理的配慮、支援ニーズを明らかにすることを求めます。そして、手帳の有無に縛られない、個々の「働くうえでの困難」に寄り添った伴走型支援やジョブコーチ派遣の拡充を強く要望します。

要望提言項目C-12 国際的視野を持つ人材の確保について
 海外での就労・生活経験を持つ人材の不足は、大阪の中小企業が国際競争力を高めるうえでの大きな課題となっています。そこで、府内企業が社員を海外研修や大学・研究機関への派遣研修に送り出す際に活用できる助成制度を設けてください。
 一方、ワーキングホリデーやJICA協力隊等から帰国後の若者が経験を活かせる就職先を見つけにくいという実態があります。上記に加えて、海外での経験を積んだ人材が大阪の中小企業に戻りやすいマッチング支援の仕組みも整えてください。

D.持続可能な大阪をつくるための要望と提言

要望提言項目D-1 統合型リゾート(IR)整備計画について
 夢洲で進められているIR(統合型リゾート)の計画について、大阪同友会はこの要望と提言において数年にわたり要望や質問をさせていただき、IR推進局からはその都度真摯なご回答をいただいてきました。IR区域においては2030年秋頃の開業をめざしてすでに工事が進められており、事業化は現実のものとなっています。
 大阪同友会としては、これらの経過を踏まえ、IRがギャンブル依存症や犯罪の温床となることなく、地域の中小企業がその経済効果を享受しながら発展に活用できるものとなり、ひいては大阪が国際的に確固たる地位を占める都市として成長していくことを強く願っており、そのような観点から以下の点を要望します。

  1. これまでIR推進局では各所で説明会を開催され、IR推進局の説明サイトにおいても、詳細な情報を公開されていますが、府民の間にギャンブル依存症や犯罪に対する不安は残っています。引き続き説明会などで府民との対話を進めると同時に、対策の実効性が強化されることを要望します。
  2. 令和8年7月には大阪府市と大阪同友会共催の「大阪わかそう」においてフォーラム(IR説明会)を開催いただきますこと御礼申し上げます。中小企業が不安や躊躇なく、IRをビジネスチャンスととらえて企業の発展に活かすことができるよう、今後も中小企業に向けての積極的な情報発信をお願いします。
  3. IR推進局の説明サイトには、収入の使途について
    ・ギャンブル等依存症対策、警察力や消防力の強化
    ・観光・地域経済・文化芸術の振興
    ・子育て・教育・健康・医療等の社会福祉の増進
    ・夢洲やその周辺の魅力向上
    が挙げられています。なかでも「子育て・教育」は大阪の将来を担う人材育成に直結するものであり最も重要と考えます。具体的な使途として子ども食堂や無料学習塾など困難を抱える子どもたちへの支援を明示してください。さらに、入場料6,000円の一部(例えば500円)について入場者がこれらを含めた使途を選択できる制度を導入することで、府民のIRへの理解と共感が一層深まるものと考えておりますので、この制度も提案します。

要望提言項目D-2 水道設備の耐震化について
 令和6年能登半島地震では、水道施設の被害により広範囲で長期間の断水が発生し、被災地の生活や復旧活動に深刻な影響が生じました。石川県中小企業家同友会発行の能登半島地震記録誌にも、震災後長期に及んだ断水が事業再開の大きな支障になったとの報告があり、断水が企業や地域社会に与える影響の大きさが改めて明らかになっています。

  1. 大阪府として府民のライフライン確保という観点から、現在どの程度耐震化が進んでいるか、大阪広域水道企業団ほか各水道事業者における実態を把握してください。
  2. 各事業者が耐震化を早期に達成できるよう、補助制度などの拡充を国に要望するなど財政面で支援するとともに、各事業者に対し着実な事業の推進を指導してください。

要望提言項目D-3 廃校跡の有効活用について
 府立高校等の廃校跡を地域資源ととらえて有効に活用することは、まちの持続可能性を高めることにもつながります。大阪同友会では廃校施設の利活用について部局横断的な発想で積極的な活用促進策を検討していただくよう、具体的な提案も交えながら要望してきました。今回改めて、中小企業の立場から以下の提案をいたします。

  1. 廃校跡を地域の資産として活用するため、大阪府が陣頭に立ち、地域ごとの産・官・学が連携するコミュニティの形成を要望します。産・官・学それぞれの知見を持ち寄ることで、集客・教育・地域経済の各面において、より幅広い活用策の検討が可能になると考えます。
  2. また、こうした取り組みを実効性あるものとするために、関係部局を横断して調整にあたる担当の設置を要望します。
  3. 加えて、今後もこのような提案をさせていただくにあたり、現在は廃校跡の活用について大阪府のどの部課が主体となり検討されているのか、ご明示いただきますようお願いいたします。

要望提言項目D-4 民間送迎バスの共同利用による公共交通の維持について
 大阪府南部では、2023年12月に金剛バスが廃止され、公共交通維持の課題が顕在化しました。現在、代替手段として4市町村によるコミュニティバスが運行されていますが、運転手不足、補助金不足、乗客減少といった構造的課題は依然として解決されておらず、長期的な運行継続には不透明感が残ります。
 また、岬町や能勢町など、大阪府内の他地域でも、同様の問題が今後、深刻化する可能性があります。
 このような背景から、民間送迎バスの共同利用制度を導入し、既存資源を活かした公共交通機能の維持を図ることを昨年度提言いたしまして、「民間送迎バス等の地域の輸送資源を活用する共創の取り組みについては、今年度より、モデル構築に向け、市町村や民間送迎バス等の関係者と調査検討を行っているところ。」というご回答を頂きました。
 また、民間送迎バスで地域住民を輸送できる制度の創設を盛り込んだ。『地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案』が2026年の第221回国会において可決、成立しました。
 これらの動きに感謝と期待をしながら、下記の事項を要望します。

  1. 国土交通省の改正案が国会で可決、成立したことを鑑みますと、その共創の取り組みの実現可能性は更に高まると考えられます。そこで、いわゆる「交通空白」が生じている自治体に対して、市民の不安解消にも資する、共創の取り組みのロードマップを提示することを要望します。

要望提言項目D-5 外国人民泊の件について
 近年、大阪市内を中心に、外国資本等がマンションを一棟買いして、民泊へ転用する事例が見受けられます。家賃を倍近くまで引き上げることで既存住民が退去を余儀なくされるケースも発生しています。民泊利用者は短期滞在の旅行者が多く、深夜の騒音や共用部分の無秩序な利用などにより、周辺住民の生活環境が著しく悪化しています。こうした状況は、地域コミュニティの維持を困難にするだけでなく、関係する地域の安心安全な生活を損ない、結果として中小企業を取り巻く外部環境にも影響を及ぼす恐れがあります。大阪府においては、民泊に関する現行規制の実効性を高めるとともに、必要に応じて新たな制度整備と適切な指導・監視等の対策を早急に講じていただくよう要望します。

E.個別業界からの要望と提言

要望提言項目E-1 夜間未使用駐車スペースの活用によるトラック駐車問題の解決について(運送業界)
 現在、大阪府下でも大型トラックの休憩目的の駐車問題が深刻化しており、幹線道路等での違法駐車の増加が、交通事故リスクの上昇や、アイドリング騒音問題を招いています。これは、2024年4月からの「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)によって、運転手には運転開始後4時間以内に30分以上の休憩が求められていることも背景にあります。
 昨年の要望に対してトラックの駐車場は物流事業者側が自ら確保するものとの回答をいただいていますが、個々の物流事業者には起終点以外の地点に駐車場を確保することは極めて困難です。またこの駐車場は車両の保管や荷捌きのための駐車場とは異なる、休憩目的という性格のものであることから、道路インフラとしての整備が必要であると考え、以下の施策を要望します。

  1. 大阪府ではこの問題解決のためにすでに「中環東大阪休憩所」を開設いただいておりますので、これを24時間利用できるよう改善するとともに、同様の休憩施設を各所に増設してください。
  2. さらに先行的な取り組みとして、E-1-1のような道路用地を活用する方法とは別に、大阪府内に存在する夜間未使用のグラウンドならびに駐車場を活用し、トラックの駐車スペース不足を緩和する、下記のような取り組みを提言します。
    a.活用の対象
    夜間のトラックの出入りによる周辺住民とのトラブルを避けることと、駐車スペースとしての利便性を鑑みて、(A)高速道路沿いの幹線道路に面しており、(B)インターチェンジやランプに近く、かつ(C)周囲にコンビニエンスストア等の店舗がある、公共の施設のグラウンドを対象とする。(例:今春閉校した豊中市立庄内西小学校はこの3つの条件に合致する)
    b.施設管理者との連携
    施設管理者と協定を締結し、深夜帯限定でのトラック駐車を許可する制度を整備する。また、施設の安全を確保するため、監視カメラ設置や警備体制強化に対する支援も併せて検討する。

要望提言項目E-2 社会福祉施設等物価高騰対策支援金事業について(保育・介護業界)
 令和8年度、大阪府においては、物価高騰の影響を受けている社会福祉施設等に対し「大阪府社会福祉施設等物価高騰対策一時支援金」が支給されました。しかしながらその金額は極めて少額で、例えば通所系施設である保育所においては定員数×1,500円、第5弾まで全回支給を受けたとしても一人当たり月額にすると625円でした。世界情勢により物価の高騰は厳しさを増していますので、このような事業を引き続き実施していただきたく、今後は物価上昇の実態に合う金額が支給されるよう要望します。

要望提言項目E-3 介護・保育・障がい福祉事業所の人材確保と処遇改善について
 介護・保育に加え、障がい福祉・訪問看護の分野においても、報酬単価の伸び悩みと物価・人件費の高騰が重なり、人材の確保・定着がより深刻な課題となっています。質の高いサービスを維持するためには適切な人員配置と継続的な教育投資が不可欠ですが、現場の事務負担も大きく、支援業務に集中できない実態があります。
 安定した運営継続と人材確保に向けて、以下の施策を要望します。

  1. 処遇改善支援の拡充
    資格取得・スキルアップ費用の補助、子育て世帯職員への給付型支援、継続勤務奨励金など、現場で働く人材の処遇改善につながる支援策を講じてください。
  2. 申請・事務手続きの簡素化
    各種加算・補助制度の申請手続きを簡素化し、府独自の相談窓口の設置や専門家支援体制の充実により、現場が支援業務に集中できる環境を整えてください。

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