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カンピロバクターによる食中毒を防ごう!
カンピロバクターとは
- 健康な鶏、牛、豚などの腸内に常在する菌で、これらの処理過程で、食肉に付着することがあります。
- 特に鶏は高い確率で保有しており、流通鶏肉の60%以上がこの菌で汚染されているとの報告があります。
- 牛レバーの内部に存在していることがあります。
- 100個程度の少量の菌を摂取するだけで発症します。
- 低温に強く、4℃以下でも、長期間生きています。
- 熱に弱く、肉の中心部を75℃以上、1分間以上加熱すると死滅します。

電子顕微鏡写真
写真提供:地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所
症状と発症までの時間
- 症状:下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感など。
- 多くは1週間ほどで治癒し、死亡例や重篤例はまれですが、乳幼児・高齢者、その他抵抗力の弱い方では重症化する危険性もあり、注意が必要です。また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があります。
- 発症までの時間:1日から7日。(平均2日から3日)
原因食品
- 鶏のササミ・レバー・砂ずりの刺身、タタキなどの鶏肉の生食メニュー
- 焼き鳥・親子丼・バーベキューなどの加熱不十分な鶏肉
- 手指や調理器具を介して二次汚染を受けたサラダなどの食品
- 管理不十分な水道施設の水や湧水
カンピロバクターによる食中毒が多発しています
毎年、生や加熱不十分の鶏肉を原因として、大阪府に限らず全国でも多く発生しています。
カンピロバクターは生の鶏肉に高確率で付着していて、少しの菌量で発症するため、新鮮であれば安全というのは間違った認識です。
また、肉の表面に存在するだけでなく、肉の内部にまで入り込むため表面をあぶるだけの調理法も安全とは言えません。
カンピロバクター食中毒にならないためには、鶏肉はしっかり加熱する必要があります。
予防方法
菌を食べない
- 鶏などの食肉を生で食べない、提供しない。
- 鶏のタタキなど加熱が不十分な食肉を食べない、提供しない。
- 特に鶏肉は、中心まで火がとおったこと(肉の色が変わったこと)を確認してから食べる。
菌を付けない
- 生肉を保管するときは、フタ付きの容器か、密閉できる袋に入れ、他の食品に接触しないようにする。
- 生肉の調理に使用したまな板、包丁、調理器具は熱湯で消毒し、よく乾燥させる。
- 焼きながら食べるときは、焼く箸と食べる箸を使い分ける。
- 手に付いたカンピロバクターを他の食品に付けないよう、生肉を触った後は手洗いを十分にする。
野外活動(バーベキューなど)、調理実習などでも発生します
引率する大人や調理実習を指導する先生は、衛生管理についても十分注意してください。
野外活動(バーベキューなど)
- バーベキューなどで肉を強い火であぶると、表面は食べ頃に見えても肉の中心はまだ生ということがあります。
肉はじっくり焼いて、中心まで肉の色が変わったことを確認してから食べてください。
調理実習
- 特に親子丼とサラダなど鶏肉を含むメニューには注意してください。
- 限られた時間内での調理のため、鶏肉の加熱不足が起こったり、鶏肉から調理器具や手指を介してカンピロバクターが野菜サラダに付着することが原因です。
鶏肉を取り扱う食品事業者の皆様へ
- 食鳥処理業者、卸売業者の皆様は、飲食店等へ鶏肉を販売する際には、商品表示や伝票等への記載等により、提供時に加熱が必要である旨を確実に販売先へ伝達してください。
- 飲食店の皆様は、伝達された情報を確認し、お客様へ鶏肉を提供する際には十分に加熱調理を行ってください。
啓発資料
- ポスター「生で食べたらあカン!ピロバクター」(PDF:851KB)
- ポスター「生で食べたらあカン!ピロバクター」(英語版)(PDF:356KB)
- リーフレット「生で食べたらあカン!ピロバクター」(PDF:919KB)
- ポスター「あたったー」(PDF:1,997KB)
- リーフレット「カンピロバクターを攻略せよ!!!!」(PDF:2,737KB)