ここから本文です。
妙見山のブナ林
ブナは主に冷温帯に分布する夏緑樹であるため、近畿地方では標高1,000m級の高い山にしか生育していません。しかし、妙見山は660mと標高が低いにもかかわらず、多くのブナが残されているという特色があります。そのため、温暖な地域に分布する照葉樹のアカガシと夏緑樹のブナが混在する珍しい植生を見ることができます。

燃料革命以前、日本の里山は薪炭林として利用され、10~20年の短いサイクルで伐採が行われていました。ブナは水分が多く、燃料や材木として適していなかったこともあり、積極的に伐採され、ナラ類やカシ類に植え替えられてきたという経過があります。
しかしながら、妙見山のブナは樹齢300年を超えるような大木が残されており、人里が近いところに自生しているにもかかわらず、何百年もの間、伐採されることなく生き残っていることは非常に珍しいです。標高600m程度のブナ林としては日本の南限であり、大阪府指定天然記念物にも指定されています。
このように、妙見山にブナが手つかずのまま残されている理由は、ブナ林が能勢妙見山の境内地の中にあったためと考えられています。能勢妙見山は奈良時代より妙見大菩薩のお寺として有名であり、その境内は聖域とされていました。そのため、ブナを含む境内の木の伐採は禁じられており、現在までブナが手つかずのまま生き残っていると考えられます。
