令和3年(2021年)2月18日 知事記者会見内容

更新日:2021年2月22日

記者会見項目

  • 令和3年度当初予算案
  • 質疑応答

 職員

 ただいまから知事の記者会見を始めさせていただきます。
 最初に、知事からお願いいたします。

令和3年度年度当初予算案について   ※この項目で使用した資料についてはこちら

知事

 本日は令和3年度の新予算について発表させていただきます。
 コロナということで非常に厳しい状況にあります。また税収も減になって、非常に厳しい状況にありますが、令和3年度、新年度については、コロナを乗り越えて、そして成長する大阪を目指してまいりたいと思います。
 この後、詳細というか概要についてご説明させてもらいたいと思いますが、令和3年の大きな方向性、一言で言うと何ですかということを聞かれるので、先に言っておきますけども、今回の予算については、コロナを乗り越え、成長する大阪へということを、大きな予算の骨格にしたいと思っています。コロナ対策、これを今後も徹底的にやっていきます。
 ようやくワクチンが届くようになりました。今年の新年度1年については、まさに希望の持てる年にしていきたいと、今年の1年、何ですかという、正月に、僕は希望の「希」という文字を今年の1年の文字に挙げました。非常にしんどい状況も続いていますが、ワクチンをゲームチェンジャーとし、コロナを乗り越え、希望を持てる、そして成長する大阪を目指していく、その予算を編成してまいりたいと思います。
 それでは、中身について説明します。記者の皆さんは既に部局から説明を受けているということなので、概要の説明をさせていただきたいと思います。要点だけの説明でご容赦いただけたらと思います。
 まず府政運営の基本方針ですけれども、命を守る、コロナ対策を徹底的にやっていく、経済を支える、これもコロナ対策です。そして世界にチャレンジし、世界の中で躍動し、成長し続ける大阪を目指していきます。
 まず予算額ですけども、一般会計で3兆5,000億円、そして特別会計で2兆8,000億円です。予算の規模ですけれども、昨年度と比較しまして、プラス8,700億円、一般会計でプラス8,700億です。増加比は33%、非常に増加していますが、この内訳は何なのというと、中小企業向けの制度融資、コロナ対策としての制度融資の預託金、これが非常に大きいです、6,000億円。そして、新型コロナの関連対策費ということで1,600億円、ここはある意味、コロナの対応ということで、ほとんどコロナシフトの予算というので、8,000億円の増加の部分、ほぼコロナです。
 それから、毎年、社会保障というのはプラス200億円ずつ増加しています。これはありますが、基本的には非常にぐっと伸びていますが、ここはコロナで増えたというところです。それ以外の一般的な予算、会計、中身については、例年とそんなに大きく変動するものではありません。
 それから公債会計、公債の、特会のほうですけれども、公債管理の特別会計の元利償還の減ということで、1,800億円減になっています。
 一般歳出の内訳ですけども、やはり大きいのはこの部分、コロナ対策が非常に大きいという形になります。それ以外はこれまでと同様のものが多いということです。
 府税収入です。今年度につきましては、府税収入が令和3年度当初、1兆2,119億円ということで、1,294億円の減、実質税収、こちらのほうで見たほうが正確かと思うんですけども、9,900億円という形になりますので、実質税収としては2,000億円の減という形になります。これはリーマンショックのときとほぼ同様の減です。割合にしたら17%の減という形になります。これはコロナによって企業の税収が減ったと、特に法人税が大きく減っているということに起因します。
 それに対して、対策費になりますけども、地方交付税と臨財債についてです。これについては一挙に増えています。この減収分をどう補うかということで、大きくは地方交付税と臨財債で補うという形になります。地方交付税は少し増えていますが、大きく増えたのは臨財債です。臨時財政対策債が大きく増えて、その分、ある意味、これは国が返済金も見るという借金ですけれども、本来、交付税で支払われるべきものが臨財債という形になっている。臨財債の問題点は、一般的な問題点はこれまで述べているとおりなので、ここであえて言いませんが、借金に付け替えられる形で、対策費ということが国から、こういった交付税と臨財債で対応するという形になっています。
 歳入の内訳ですけれども、先ほど申し上げたとおり、実質税収について、黄色のところは減になっていますが、地方交付税と臨財債、減収補てん債も含めて、そういった措置で今回の予算を組んでいるという形になります。これは大阪だけじゃなくて全国的な傾向だろうと思います。
 そして歳出の内訳です。人件費とか社会保障費、非常に硬直した部分について54%を占めるということです。一般施策の経費が1兆4,000億円になるわけですけども、その1兆4,000億円の内訳を見ますと、ブルーのところが制度融資、先ほど言った中小企業に対する融資の預託金、そしてグリーンのところがコロナ対策費、そして灰色のところがいつもの部分ですので、これは金額としては1兆4,000億円として非常に上がっていますが、コロナに伴う制度融資と新型コロナ対策で一気に一般の施策経費が伸びているということです。
 借金です。府債の動向です。臨財債を除く府債については、全会計年度府債残高、全会計の年度別ですけども、これについては順調に減少になっています。今年度、令和3年度当初も、臨財債を除いた借金については減少になっています。借金返しはきっちりやっていっているというところです。一方で、どうしても臨財債というのが増えてきていると。臨財債を合わせたベースでいくと増えるという形になります。
 減債基金の借入れの穴埋めについてです。5,200億円の大穴が空いていました。これは太田府政時代に大穴が空いたわけですけれども、禁じ手が行われていたわけです。当時、橋下さんが、破産会社やんかというところからスタートして、この穴埋めを一生懸命、橋下府政、松井府政、そして僕の時代でも何とかやっていると。真水を投入しているという状況です。
 この間、5,200億円の穴が空いていたわけですけれども、この間、そういった橋下、松井で復元をしてきまして、僕の時代でもこれは復元しようということで、ずっとやっています。今年度の予算についても、非常に厳しいんですが、次の世代に先送りしたくないということで、今回も予算の中に復元額を組み込んでいるという状況です。今回、令和3年度、228億円、真水で復元をしていきますので、残りはようやく、あと3年度、680億円、700弱のところまで来たと。5,200億円、たまりにたまった大きな負の遺産、この当時は借換債の乱発なんかもされていたわけですけど、そこから財政の再建ということでは、この10年間で非常に大阪府の財政は再建してきたと思っています。
 残りの3年、コロナ禍にあって、なかなか不明瞭なところもありますが、僕自身は次にこの負債を残さないという思いが強いですから、何とかここは復元をしていきたいと、橋下、松井、吉村で5,200億円の負の遺産の部分については何とか解消させたいと思っています。
 財調基金についてです。財調基金、先ほどの減債基金の借入れを減らしながらも、かつ財調基金、ほぼゼロだった財調基金が、橋下、松井体制の下で積み上がってきました。大体1,500億円ぐらい積み上がってきたわけですが、今回、コロナということで、大きくこれを取り崩しています。取り崩した上で、当然、これは国からの交付金も来ますから、残高は1,400億まで何とか戻っていますが、今回の予算を組む上で、やはり財調基金を取り崩した形での予算を組む。これは毎年、予算時は、それは常にやっているんですけども、金額も大きい金額を取り崩して、900億円近く取り崩して、予算を今回、令和3年度、組むという形になります。ですので、令和4年度以降の予算も、コロナの不景気状況が続けば、非常に厳しいことが続くことが予想されます。財政状況としては非常に厳しい中での予算運営になっています。
 粗い試算についてです。新型コロナの影響で税収減です。前回に比べて200億円程度の収支不足が拡大しています。今年度については935億円、財調基金から取り崩してやります。灰色の部分が、先ほど申し上げた5,200億円の減債基金の取り崩しの穴埋めです。それをすると、この単年度収支も併せて考えますと、大体900億円から700億円ぐらいの減がしばらくは続くということで、非常に厳しい収支不足の中での財政運営になります。ですので、選択と集中というのをやりながら、財政規律を保ちつつ、府民の暮らしを守る、生活を守る、成長する大阪をつくるというメリハリの利いた予算をしていきたいと思っています。
 その中での今回の予算の方向性です。一言で言えば、こちらの「コロナを乗り越え成長する大阪へ」ということなんですが、この中身をもう少しひもときますと、まずコロナにおける緊急対策ということで、命を守るための感染症対策の強化、そしてこれは感染症対策だけではありません。コロナでやはり打撃を受けてる産業への支援、雇用への支援、そういったことの大阪の経済、雇用を支えること。それからもう一つ、やはりコロナで、心の、心身の健康の影響も非常に大きなものが生じてます。子どもたちの学びであったり健やかな成長、そういったところについてもさらに充実をさせていきます。
 そしてこちらは成長系です。まちづくり、万博、スマートシティ、様々な成長系、これはやはり経済を成長させていく必要がありますので、感染症対策をすることと併せて、次の大阪の成長に向けた予算も着実に進めていきたいと思います。
 まず、先ほどのこのカテゴリーずつに、概要だけご説明します。
 一つ目のカテゴリーです。命を守る感染症対策ということで、ワクチンの接種の体制の整備であったり病床の確保であったり、それ以外の検査体制、相談体制、入院体制、コロナ重症センター等々、医療体制の強化に1,600億円です。そしてクラスター対策ということで、46億円です。これまで継続の案件がありますので、基本的に新規の案件を中心に、概要だけ説明します。
 まず新規、ワクチン接種の体制の整備です。これからワクチンが始まります。すぐに専門相談センターの整備をして、いろんな府民の皆さんからの相談に対応できるようにしてまいりたいと思います。特に専門的な相談に対応できるように。一般的な相談については、多分市町村が接種主体になりますから、それは窓口をつくられることになりますが、大阪府としても専門的な相談に応じれるように専門相談センターを整備します。
 それから優先接種、医療従事者の接種が始まります。今は国がやってるわけですけども、国の4万人の次は自治体の医療従事者370万人、全国でこれがいよいよ始まりますので、それの予算組みを今、しているというところです。これはスケジュールです。
 そして相談や診療検査体制の充実をしていきます。様々な、コロナの感染拡大したときの自殺予防の相談であったり、心のケアに対するSNS相談、新型コロナというのは感染症という、それだけの問題ではなくて、病気そのものから生じる問題以外のところで非常に大きな社会経済活動、あるいは教育であったり、生きていく上での大きなひずみを生じていますから、そこについての対策というのを取っていきたいと思っています。
 そして、こっち側については検査センターについてです。検査体制の整備をさらに進めていきます。スマホ検査センターについてもしかりです。
 医療機関に対する支援です。これはこれまで医療機関に対する支援をやって、様々な対策をしています。病床の確保、医療機器の整備、衣料資材の確保・供給、医療従事者の派遣体制の確保、院内感染、外国人の受入れのための整備等です。
 それから、医療従事者の皆さんへの支援ということで、医療従事者の皆さんが、新型コロナで治療に携わっている医療従事者の方には特殊勤務手当を支給する医療機関に補助をしてます。これは去年から、新規じゃありませんので、去年からやってます。今年もやっていきます。助け合い基金、そして医療従事者のための宿泊施設の確保、病院体制の強化、これは療養体制の強化です。自宅療養者の配食サービスとか、あるいは生活支援、パルスオキシメーター、宿泊施設での看護師さんの配置、健康管理体制の整備です。
 それから検疫フォローアップセンター、入国者に対しての健康観察を今、大阪府でやってます。そして入院調整への外部人材の確保ということです。
 コロナ重症センターも引き続き運営をしてまいります。そこに伴って、重症センターについて、人材バンクを今つくってますから、今後コロナ重症センターに必要な看護師さんを確保するとともに、クラスターが発生した医療機関において人的支援ができるように、人材バンクを整備していってます。
 そして感染拡大時の病床確保、ここは一つ大きな、一つのポイントだと思うんですけども、昨年度は重症センターを造って運営をしました。多くの人の協力で、何とかこれが実現できました。新年度においては30床分、もともと60床を予定してましたが、コロナ重症センターのアスベストも出てどうするかという議論になったときに、残りの30床については新たなやり方で整備していこうと、こちらのほうのやり方で整備していこうということになりました。どういうことかというと、小型版のコロナ重症センターを造っていこうということです。コロナ重症センター、これは皆さんも視察で、僕が行ったときに見てくれたと思うんです。非常に広いところで、皆さんが、医療機関の看護師さんが集まって、100人以上の体制で運営していますが、こちらのほうについては既にある大きな病院で重症患者を診てくれてるところで、そこの病院の敷地を使って、小型版のプレハブであったり、コロナ専用の施設を造っていただいて、そこはその病院で完結して対応してもらうと。だから、一つ一つの病床数は非常に少なくなってくると思うんですけども、その病院で完結していただくと。そのための設備の支援をしていきます。
 この詳細については今後詰めていくことになりますが、今、その病院で受けてくれてる重症病床数が、当然減ることがないように、それを上回るということが今後の条件になってくると思いますが、その中でやっていただくという形になります。協力金を支給もしていきます。
 感染症対策の、感染拡大の抑止事業ということで、飲食店を対象とした現地調査であったりステッカーの運用であったり、そういった啓発・普及も引き続きやっていきます。
 福祉施設における感染対策の推進、そして新たな項目がこれですけれども、大阪国際感染症研究センター、これは先日記者発表させてもらいましたが、新たな大阪新大学において、今後さらに感染症、どんな感染症が来るか分かりませんから、そういった意味では新大学の中に感染症の国際研究センターを設置しまして、アカデミアの観点から大阪府市に提言を頂けるような、そういった感染に強いまちづくりというのを実現させていきたいと思っています。
 それから、打撃を受けてる産業に対する支援と、中小企業への支援等についてです。まず制度融資、これは引き続き当然やっていきます。非常に重要な支援策です。そして喚起です。消費の喚起、観光なんかは特に大きな打撃を受けてますから、その喚起事業です。ただ、ここはもうコロナ禍ですので、やっぱり落ち着かないと実現できないと思います。ですので、実施の時期というのは未定ですけれども、予算組みはしておきたいと思ってます。いらっしゃいキャンペーン等のさらに改良版というふうにご理解いただけたらと思います。今回は新たに送客事業、府内の旅行業者であったり、あるいは府内バス事業者と、そういったところと宿泊施設がタッグになるとか、そういった仕組みでやっていきたいと。マイクロツーリズムというのを掲げてますから、マイクロツーリズムの観点から小さな単位で広げていこうということを基本的な活動にしてます。
 それから文化芸術創出事業ということで、コロナでなかなか活躍できてないアーティストや演芸者の方、楽団なんかにそういった支援をしていこうということです。それで文化の魅力を発信していきます。
 そしてこれはDXについてです。中小企業のDXということで、 DX人材がなかなか育たないということで、必要とされてるけどなかなか育たないということで、その支援事業についてです。この二つ目のデジタル技術の活用促進については、大阪府のDX推進パートナーズ、これは民間ですけど、そこと連携して新たな参加型イベント等も実施をしていきます。
 ものづくりのイノベーション等の推進、このものづくり産業について様々な新たな技術を使って促進した、府内の中小のものづくり企業に補助金を出していくという仕組みです。
 それから民間事業、これは雇用を守るということです。既に昨年から始めてますけれども、コロナ禍でいかに失業者を減らすか、これが非常に重要だと思っています。そのために、去年の10月に民間の人材の就職支援の会社と大阪府がタッグを組むと、こういうことはなかなかないんですけれども、タッグを組んで、今、それを広げていっています。今もう既に50以上の民間人材サービス会社が事業連携してくれている。まさにコロナにおいてこそ、失業者を減らすというのは民間人材サービス会社の使命でしょうということも、やっぱりそこで同じ方向を向くことができて、今、8万件以上の求人を確保しています。その中で、求人を通じて雇用して、求人を出してくれた企業に対して、雇用が安定した場合には補助金を出すと。正規については、正規雇用は1人当たり25万円、非正規は12.5万円ということで、今これを進めていっている、非常に大きな効果も出ているところです。
 それから、非常勤の緊急雇用、これは府がこの状況ですから非常勤で職員を採用しようという事業です。この新しいリモートワークについては、これは堺市との共同事業となります。堺市が泉北ニュータウンを再生させたい、活性化させたいというプランの中の一つとしてリモートオフィスを作っていこうということを今、これは堺市がやっています。それに応じる形で、リモートオフィスを活用したいビジネスマンが利用した場合には、一定この料金の30%分を補助する。これでリモートワークを促進していこうということです。この効果検証を行いまして効果が見られるということであれば、大阪府内には非常に高齢化したニュータウンもたくさんありますので、そこに展開をしていきたいと思っています。
 次、生活を支えるセーフティネットについてです。NPO等の社会課題の解決の促進事業、これは村上財団と今一緒にやっているやつです。それから地域活動、これは新しいやつですけど、地域活動モデル事業ということで、社福なんかに助成をして、その地域での孤立とか不安を解消する団体を支援していきます。介護福祉人材の確保ということで、介護職のチームケアの実践力の向上であったり介護ロボットを導入する、ここの補助、そして障がい者の雇用に向けた企業を促進していく、ここへの支援金です。
 もう一つ、女性のためのSNS相談ということで、今回、コロナ禍において、分析しますと女性への影響というのが非常に出ているというのが、これはもう客観的な情報として明らかです。その中で、課題を抱える女性に対する相談体制を図ろう、充実させようということで、この女性のためのSNS相談窓口というのを開設いたしました。そしてもう一つ、若年層です。影響が出ている若年層に向けてSNSの相談体制を整備して、自殺対策の強化事業をさらに強めていきたいと思います。それから、インターネット上の人権侵害についての解消推進事業です。
 これは、健康を支えようということで、新規事業としてがん、それから肝炎の対策の拡充策です。このようなAYA世代のがん患者の方が希望を持ってがん治療に取り組める、そのために妊よう性、それから生殖機能の温存化ということについて助成をしていきます。受精卵の凍結、未受精卵子の凍結、精子の凍結、こういったところに助成をします。これは妊よう性についてです。また、肝炎の定期検査についても助成をしていきます。そして、不妊・不育症対策の推進ということで、不妊治療について所得制限も撤廃して支援をしていきます。また、不育症対策として、この検査の助成を創設いたします。それから、相談センターの機能も強化していきます。
 学校関係、教育関係です。スマートスクールということで、1人1台、高校です、これは。小・中学校はもう既に全国的にやっていますが、高校についてもICTを活用した教育を充実させようということで、1人1台端末ということを実現させていきます。そのための予算です。それから、府大、市大、新大学についての授業料の実質無償化の支援、これは僕が知事になって一番最初にやるべきだというのでやった事業ですけども、これは引き続き本年度もやっていきます。これからもこれはやっていきたいと思っています。最後、私立高校の実質無償化の補助、これは橋下さんのときに始めたやつを引き続きやっていきます。ある意味、僕は市長時代から、市長になったときも一番最初にやったのは、実は幼児教育の無償化というのをやったんですけど、その後国ができました。やっぱり親の経済格差、所得格差というのはあるのは事実なんですけど、親の経済格差とか所得格差でそれが子どもの教育格差につながらないようにする、学ぶ意欲のある子どもたちを応援していくというのは、僕の中の政治マターの大きな枠組みの一つでもあります。そういった意味で、幼稚園から大学まで、100%じゃないけれども何とか枠組みはできている。これはコロナ禍でも死守したいというふうに思っています。次世代の大阪の子どもが学ぶということに対してはやっぱり無償であるべきだというのが僕の基本的な考え方です。そうはいってもお金はかかるんですけど、できるだけそこに近づけたいと思っています。
 それから、医療的ケア児に対する支援です。これは、医療的ケアが必要な子どもたち、なかなか通学することができなかったわけですけど、そこに医療的ケアを行うことによって、学校で学ぶ、通学ができるようにしようという支援策、これも一挙に広げましたが、これを引き続きやっていきます。
 それから、小学生の学力テスト事業です。これは小5、小6について統一的なテストを実施いたします。自分が今どの位置にいるのか、何が不足しているのか、そういったことも考えながら、学力、学ぶ力というのをぜひ身につけてもらいたいと思っています。100点を目指す必要はないと思うんですけど、今いる自分のところよりも少し上を目指す、少し上を頑張ったら実現できるんだという成功体験をぜひ頑張って獲得してもらいたいと思っています。それが生き抜く力につながってくると思います。
 スクールカウンセラーについてですけれども、これは新たに配置事業を強化します。それから、いじめについてのSNSの活用、児童虐待対策、これは大阪府市、堺市とも協働しながら連携をして、LINE相談窓口を設置して強化していきます。
 子どもの貧困対策事業です。これは市町村への補助と子ども輝く未来基金を引き続きやっていきます。
 そして、これも一つ大きな目玉になると思うんですが、預かり保育についてです。これまで私立幼稚園の保育の受皿の部分について、幼稚園は教育、保育は福祉と、もともとはそういう流れ、流れというか縦割りになっているんですけど、ここは非常に今、そこの境目がなくなってきているなというのは僕も市長時代からよく感じていたところでもあります。幼稚園のほうでいきますと、やっぱり待機児童対策とか保育の受け皿の要素が非常に強くなってきている。その中で保護者の多様なニーズに対応できるように、預かり保育の補助制度を強化して充実させていきます。
 次、成長系についてです。まず、北大阪の健都についてですけれども、これは引き続き促進していきます。ライフサイエンスの分野でまちづくりを進めているわけですが、ここも、僕も実は視察も行きましたが、非常に将来性が高いエリアだと思っています。引き続き実行していきます。それから、バイオコミュニティー推進ということで、クラスター形成を後押しする事業を行っていきます。それから、ライフサイエンスのスタートアップのエコシステム、これを支援してまいります。スタートアップのエコシステムの構築に向けた取組ということで、スタートアップのエコシステムの拠点都市、これは国からも認定をされましたが、さらにこのエコシステムというのをつくって、京都、神戸とも連携をしながら、どんどん大阪でスタートアップが生まれる、そういった拠点都市を目指していきたいと思います。その事業費についてです。
 空飛ぶクルマです。これは万博に向けてぜひ実現したいと思っています。このラウンドテーブルを既に開始しまして、それに対しての実証実験をするための補助費用です。それから、プラスチックビジネス推進事業ということで、ブルー・オーシャン・ビジョンを掲げています。また万博での発信、そういったことも踏まえて、そういったバイオプラスチックビジネスについての支援です。
 それから、新しいのはこちらです。こちらも新しい話ですけど、中小企業のDX支援事業、これは先ほども申し上げたやつ、それから農業の担い手の強化事業を行っていきます。
 IR、これは先日発表したとおりです。大阪において世界最高水準のIRという、コロナ禍においていろいろな条件、細かなところは発表したとおりですけれども、着実に大阪において統合型リゾートを進めていきたいと思います。
 スーパーシティです。これはうめきたと夢洲地区について国の認定を勝ち取るということはぜひやっていきたいと思っていますし、この大阪で規制緩和をして、新たなビジネス、産業、サービスが生まれる、そこの規制を取っ払ったスーパーシティ、未来都市を実現していきたいと思います。うめきた2期とこの万博予定地の夢洲が対象地になっていますので、それについて着実に進めていきます。
 まちづくりです。中之島GATEターミナル事業ということで、大阪市の中央卸の向かい側ですけど、サウスピアというここに大阪府の土地があって、ここから安治川を下っていくと海につながるんですけど、こっちは中之島につながっていきます。大阪の都心部とまさに海との結節点、船の形からしても、大きな船もサウスピアまでは入れるんですけど、ここから先はちょっと橋の高さとかで入りにくかったりして、ここは結節点になり得るエリアなんですけど、ここについての民間活力を使ったゲートターミナルを整備していきたい、にぎわいエリアをつくって川と海の結節点にしていきたいと思ってます。あとは大阪のプロモーション、周遊促進事業をやっていきます。
 万博記念公園の大規模アリーナ、国際的なアリーナ、これも引き続きやってまいります。コロナ禍でという中ではありますが、西日本唯一の大規模アリーナを整備していきたいと思います。西日本にはありませんので、関東には二つ、埼玉と横浜にあるんですけど、それと同規模の西日本にはない大規模アリーナを誘致して、スポーツとか文化とか、なかなか関西では見れないものをぜひ万博エリアでやっていきたいと思います。
 それから大阪新大学を統合整備ということで、キャンパスなんかについての制度設計についての費用を計上します。
 グランドデザイン大阪、これは、これまで大阪府、大阪市で共通したグランドデザインをつくってきましたが、それが期限が来る、新規の時期が来るということになりますので、新しいまちづくり、グランドデザインということを方向性を示していきます。ベイエリアなんかも一体してやっていきます。
 うめきたについても、2024年先行まちびらき予定ですけど、着実に進めていきます。
 港湾についてです。市営港湾と大阪府の港湾が一体化しました。国際競争力を強化するということで、さっそく事業を開始していきます。集貨ということで、堺泉北港に入ってきた集荷物を大阪港に輸送して、そこからコンテナでどんどん輸出していく、この事業をやっていきます。そこに集貨インセンティブを創設させます。
 それから左岸線の延伸部、なにわ筋線、大阪モノレール、これは、これまでやっている非常に大きな大規模な大阪のインフラ、府市一体でインフラをやっている事業、特に左岸線の延伸部となにわ筋はそうですけども、大阪モノレールも含めて、この大阪の広域ネットワーク戦略はそのまま進めていきます。
 脱炭素化に向けた取組ということで、燃料電池バスの導入、それから環境エネルギー技術のシーズの発掘、木材の利用促進ということで、脱炭素化に向けた取組を進めていきたいと思います。
 スマートシティの都市OS関係です。利用者、府民の皆さんが便利に、それぞれの市町村のサービスであったりスマートシティを実現することで、増税することなくQOLを高めるということをやっていきたいと思っています。そのために、都市OSということで、共通のプラットフォームをつくる必要があります。共通のプラットフォームの中で、例えば、ある市でやっている便利なアプリをほかの市でも利用できるようにするだとか、そういった共通の基盤をつくっていきたいと思います。それから、スマートシティの推進の戦略ということで、パーソナルデータバンクの在り方の検討であったり、あるいは公民共同でのスマートシティ事業を進めていきます。
 行政手続もオンライン化、DX化を進めていきます。そして、市町村のデジタル化を支援する事業を大阪府でやっていきます。アドバイザーと補助金と出しながら、市町村が独自にやっていくわけですけど、それを支援していきます。
 2025年の大阪・関西万博の成功に向けて、着実に進めていきます。
 淀川大堰の閘門設置事業ですけれども、これも2025年万博に向けて新規事業になりますが、淀川の大堰に閘門を設置しまして、そして、そうすることで海から入ってきた船がそのまま北上できるようにする。枚方でもまちづくりをしていますけど、枚方にも行けるようにする、京都にもつながって行けるようにする。今はそれがなかなかできないんですけど、これを設置することで、要は、京都方面から大阪方面まで船で淀川を使って行き来することができるようになります。それを実施していこうということで、2025年までに船舶が航行できるようにやっていきたいと思います。
 SDGs推進事業、そして、いのち輝く未来社会をめざすビジョン推進事業も万博関連事業として進めていきます。SDGs先進都市を目指していくということになります。
 健活10プロジェクト事業、府民の皆さんの健康づくり、そして市町村の国保予防、健康づくりについての支援も強化していきます。
 大阪ええまちプロジェクトということで、それぞれの人材マッチング、多種多様な助け合いの仕組みをつくっていくために、人材のマッチングの情報の基盤をつくるという事業を行います。
 プラスチックのごみの推進対策ということで、プラごみゼロ宣言をやっています。マイボトルの普及であったり、あるいは使い捨てのプラスチックごみの対策を推進していくということをします。環境エネルギーシーズ調査、これは先ほど申し上げたとおりです。そして脱炭素化に向けた取組、こういったことを進めていきます。
 国際金融都市。エッジの効いた国際金融都市というのを目指していきたいと思います。これも既に発表しているとおりですが、新年度、新たなそういった官民一体の組織をつくって運営していって、調査を実施し、ワンストップ窓口、世界に向けた情報発信ができる仕組みをつくっていきます。
 災害対策としての避難行動の支援として、土砂災害に向けた基礎調査であったり豪雨リスクを周知するための浸水想定区域を作成するだとか、タイムラインも含めて、災害に強いまちづくりを目指していきます。
 安治川、尻無川、木津川にある三大水門の更新に向けた調査、設計を実施していきます。先般の台風が来たときも、この三大水門がものすごく活躍して、あれが閉まってなかったら大変な被害が出ていたわけですけど、この三大水門について、来るべき災害に備えて、さらに強化をしていきます。
 阪神なんば線です。これも、僕もこれを大阪市長時代からずっとやってましたけども、阪神なんば線が非常に危険ですから、非常に低いところにあるんです。これをやり替えるということで、国と府市一帯になって今進めています。
 防潮堤対策です。これは橋下さん時代から始まった10年計画で、府市ばらばらでやるのはやめようといった象徴的な、災害対策の費用としても非常に大きな費用をかけながらやっている防潮堤の強化策ですけども、10年計画をいたしまして、あと令和3年度と今年度分の計画も着実に実行していきます。令和5年度に完成ですから、令和3年度の次をいけば、あと2年度で完成する。そして、危険なエリアからつくっていきましたので、これは府が、市がというよりは危険なエリアからやっていこうということで3年、5年、10年でやっていました。5年分のところが終わって、最後のところに差しかかっているということです。これも見えないところですけど、府市一体で災害対策も非常に効果的なものを発揮できるということだというふうに思っています。府市でばらばらにやっても、ろくなことはないなと本当に思います。
 ため池です。ため池対策について、サポートセンターを設置していきます。それから森林防災・減災対策の事業ということで、豪雨による人的被害を軽減するための治山ダムの整備等々をやる、そのための防災教室を実施していきます。それから密集市街地対策、これも引き続き実行していきます。
 条例についてです。大阪府、大阪市の一体的な行政運営の推進に関する条例、一元化条例と言われているものですけども、大阪府市がばらばらになることなく、成長戦略を一体となって実行できるような、そういった仕組みの条例をつくっていきたいというふうに思います。そのための運営費の負担金を予算化いたしました。
 僕からは以上です。


 職員

 それでは、ご質問をお受けいたします。ご質問のある方は挙手をお願いいたします。

令和3年度当初予算案編成関連について(1)

記者

 読売新聞、藤本です。よろしくお願いいたします。
 財政全般について、自治体によっては財政の非常事態を宣言したり、減債基金からの借入れということで財源を賄っているケースがあります。大阪府では、ここ最近、実質収支は黒字で運営されてきたと思いますけども、特に21年度、22年度以降、財政状況について、どのような認識を持たれていますでしょうか。

知事

 非常に厳しいなという認識を持っています。特に大阪府の税収を見ると、やはり法人税収が基本的な税収の基幹部分になります。ですので、景気に大きく左右されます。今回もコロナ禍によって大きく税収減、リーマンショック時並みの税収減ということで20%の減となっていますので、非常に大きいです。コロナ禍がいつまで続くかという問題は当然あるんですが、今年も当然、今この状況ですから、非常に厳しい財政状況はしばらく続くというふうに思っています。
 これは大阪だけに限ったことじゃなくて、他の自治体も財政状況はコロナで非常に今回の予算というのはみんな厳しい中でやっていると思います。エリアによっては、もともと非常により一層厳しいところから始まってコロナ禍を向き合ったところについては、先ほどおっしゃったような、ちょっと特殊な方法を組みながら、何とか予算を組んでいるというところもやっぱり出てくるんだろうと思っています。
 大阪府においては、幸いなことに5,200億円の減債基金を食い潰していた頃でもしコロナが来ていたら終わっていたと思うんですけど、橋下さんが財政を立ち直らせて、そして減債基金の借入れの部分を随分穴埋めしてきましたし、それ以外に、ほぼゼロだった財調基金も1,500億円積み上がってきていましたので、何とかそれを使わせてもらって、そして今回予算組みができているということです。そういったことの積み上げもないところだったら本当に予算を組むのは、ものすごくしんどいだろうなというふうに思いながら大阪府も予算を組んでいます。
 ただ、大阪府も非常に厳しくて、来年度以降、さらに厳しい状況の中で予算組みをしなきゃいけないと思っていますので、そういったところでは危機感を持って対応していきたいと思っています。

記者

 今年度、400近い事業がコロナの影響で中止とか先送りということになりましたけども、来年度、新年度予算において、財源の懸念から、知事の中でやりたかったけど見送ったというものは何かありましたでしょうか。

知事

 新年度、特にこれを大きくというのは特にはないです。どうしても大学の無償化というのは、僕はぜひこれは肝煎りで始めていますからやりたいと思っていましたし、それから、5,200億円の穴埋めについても、これはぜひやりたいと思っていたので、今回はだから予算は組めたと。
 コロナ対策について、国から交付金であったり、あるいは臨時財政の措置もそうですし、交付税の措置もそうですけど、一定の措置はされているので、何とかそれがあって予算組みをしている。だから、来年度以降も非常に厳しいですけど、そこは大阪だけじゃないので、そういった国からの措置というのがやっぱり必要になってくると思います。これは大阪だけの問題じゃなくて。そういったことをやりながら、予算集中と選択もやりながら対応をしていきたいというふうに思っています。
 予算執行においても常に無駄がないようにしていかなきゃいけませんし、当然、維新ですから、身を切る改革というのは当たり前のようにやって、僕自身もそれは当然やって、また今回の条例でも出しますけど、やっていくという形になって、何とか府の住民サービス系で、ものすごく大きなもの、どうしてもこれをやりたかったけども削除したというのは現時点ではないです。それぞれの部局でシーリングもかけながらいろいろ判断してもらっていますけど。

記者

 あと、感染拡大時に時短要請に対する協力金という事業費は当初予算案には計上されていませんけども、仮に新年度以降に時短要請が必要になった場合というのは、その都度予算化されて、政府に財政措置を求めていかれるというお考えでしょうか。

知事

 そうですね。補正を組んで、政府と話もしながら、財政というのを横にらみしながら、府民の皆さんへの支援としてそれは絶対必要だと思いますから、そこはその都度補正を組むということになると思います。これまでもそうしてきましたけど、今年もそうなるだろうと思っています。
 そうならないように、できるだけこうやって抑えてきていますし、ワクチンも始まりますから、新年度においては、できるだけ波を抑えながら、早くワクチンを行き渡らせるということをやりたいと思います。

記者

 あと、コロナ対策の一方で、成長する大阪への投資という部分も継続されていますけども、重要なことといいますか、重視されたことというのを知事から改めてお願いいたします。

知事

 やはり2025年の大阪・関西万博、これを大きな目標として掲げてきていますし、多くの関西の企業は今しんどい状況ですけど、これを目標にやっていこうよということで上を向いて頑張ってくれているというところもありますので、ここの大きな目標を掲げながら、それに必要な予算措置というのは組んでいくと。スーパーシティはスーパーシティだけでも意味があるんですけど、万博にも関連していますし、「空飛ぶクルマ」とか、いろんな新たな成長系の産業というのは、やっぱりこの万博に向けて、2025年に向けて頑張ろうよという一つの目標になっていますので、そこをしっかり堅持しながら、大阪の中小企業が活躍できるということを重視して予算組みをしました。
 もう一つはやっぱり雇用対策ですね。

オリンピック関連について

記者

 最後、発表案件以外で1点。
 橋本五輪担当大臣が菅総理に辞表を提出されまして、代わりに東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の会長に就任される見通しになりました。菅総理は、後任の五輪担当大臣には丸川参議院議員、元、経験された方ですけど、起用される方針という報道が出ているんですけど、知事として期待されることが何かありましたらお願いいたします。

知事

 橋本新会長は、オリンピアンとしても非常に実績のある方ですし、世界的にも知れた方です。また、政治家としても長く政治もされていますので、そういった意味では、森会長の後、こういった後ですから、非常にかじ取りは難しいと思いますけれども、ぜひかじ取りをしっかり頑張ってやっていただいて、その活躍を期待したいと思います。

記者

 ありがとうございました。

令和3年度当初予算編成関連について(2)

記者

 朝日新聞、久保田です。
 ちょっと細かいところで恐縮なんですが、淀川大堰の閘門設置に関して今回予算をつけられました。国のほうではまだ予算決定がなされておらず、金額しては決定されていないわけですが、実現可能性としてどのぐらいを見込んでいるのかということと、今の調整状況を教えていただければなと思います。

知事

 これは国直轄事業になります。もちろん、国直轄事業といっても、地元ですから、大阪府の意向というのが非常に重要になってくるわけですけども、ここについては、2025年大阪・関西万博までにぜひ設置を、完成をさせたいというふうに思っています。これについては、国もその方向については理解をしてくれているというふうに思っています。これについては、国と協力をしながら、2025年大阪・関西万博にある意味関連するものとしてぜひ実現をしていきたいというふうに思っていますし、実現可能性は高いと思っています。そういった意味で府も予算組みをしたということです。
 大阪は川のまち、水都と言われて、淀川なんてもともと、歴史的に見ても、非常に大阪の成長ということで源泉になった淀川でもありますし、海と近い。港湾ですね。水都大阪と言われるだけあって、やはり海の魅力もある、水都の魅力がある大阪が万博をまさに人工島・夢洲でやるわけですから、そこにIRも来ます。そう考えたときに、さっきの中之島のサウスゲートもそうなんですけど、趣旨は僕の中で一緒なんですけど、海のエリアと内陸部をつないでいくというのが僕はこれからの大阪の成長に非常に重要だと思っています。
 そういったときに、淀川の大堰閘門事業、これを設置することによって、ある程度の規模の船がそのまま北上できると。枚方なんかでもまちづくりを今しているんですけど、枚方にもこれは当然つながると。そして、枚方から夢洲までそのまま淀川で行けるわけですから。IRも含めて。北にどこまで上っていけるかというのはいろいろ議論があるところですけども、船の形とかによっては、京都の南、南部エリアぐらいまでは行けるんじゃないかと。
 だから、そういった意味では、この舟運をこれから増やしていくということが、大阪の内陸部であったり、あるいは京都の南部であったり、そこと夢洲とかIRがつながっていくということは、大阪にとって、僕は舟運事業を強化させたいなという思いが強くあります。なので、この淀川大堰の閘門事業もぜひこれは実現したいと思っています。それは万博までにね。万博で来たお客さんがそのまま京都に行くのを、この川を伝って、淀川を伝って行ったり、途中で新大阪もあるし、いろんな可能性があると。サウスゲートの事業については、中之島ともつながっていきますから。中之島のこの、ちょっと平べったい船じゃないと入っていけないんですけど、中之島の舟運であったり、道頓堀であったり、あんなところともやっぱり海がつながってくると。今、どうしても海と川が分断されちゃっているところがあるので、海と川をつなげていきたいと。そうすることで、大阪の湾岸部、ベイエリアと大阪の内陸部、ひいては京都、ここをつなげていきたい、これを船でつなげていきたいなというふうに思っています。そのために、結構僕は重要な事業として位置づけて、国交省ともいろいろ協議もして進めていますので、実現できると思いますし、実現していきたいと思っています。

記者

 ありがとうございます。

IR関連について

記者

 日刊工業新聞の大川です。
 先日、大阪IRの基本方針案の修正案を公表されまして、IRは万博と並ぶ2大事業の一つですけれども、この開業時期が後ろ倒しされて、また、規模も実質的に縮小となる中、大阪の成長戦略への影響はどのように考えておられますでしょうか。

知事

 これは、コロナ禍ですので、どうしてもやむを得ない部分というのはあると思います。その時期についても、僕は万博とやっぱり近接した時期であったり、ある意味、もともとは万博と同時にやるとかなり大きな相乗効果があるなと思っていましたが、なかなか工事の関係でも難しいだけじゃなくて、コロナが起きたこの状況になったら、これは無理だなという判断をして、これは致し方ないところだと思っています。2020年代後半に開業すると。
 ただ、これは部分開業というよりは、IRとして国に求められているレベルのものは当然クリアした、いわゆる統合型リゾートとしてのいろんな施設、宿泊施設とか、MICE施設とか、いろんな要件があるわけですけど、そういったものは開業時には当然全てクリアをした、まさに統合型リゾート、IRということをこの2020年代後半にぜひ実現したいと思っています。
 そこから35年の、長期のパートナーシップになるわけですから、その状況を見ながら、例えば今回は僕ら、国際会議場の6,000席というのは変えていないんですけども、展示場については10万平米というのを2万平米にしました、最低基準としてね。展示場というのは後から付け足すこともできますので、あとは大阪のインテックスもありますから、そういった意味では後から付け足すということも可能性はあるし、今後、MICEになって展示ビジネスってどうなるんだろうという、やっぱりそういう世界的な議論もあります。ひょっとしたら形が変わってくるのかもしれません、大きな展示場の、とにかく大きな面積が必要なのか、あるいはそうじゃないのか、ちょっと流動的なところもこのコロナによって出てきたなというところもありますので、そこは状況を見ながら。
 ただ、2020年代後半には当然、最終的な絵姿も含めた、IRとしてはその時点では全ての要件がそろったIRというのを大阪のベイエリアで実現をさせたいと思っています。事業者のほうも、このコロナ禍という非常に大変な時期ですけども、大阪に進出すると、したいというふうに手をまだ挙げてくれているという状況ですから、我々としても2020年代後半に向けての統合型リゾートのIRというのをぜひ位置づけにしたいと思っています。
 計画上、今年の7月には提案を締切りして、そして9月には決定したいと思います。9月、決定する際にはどういったIRが来るのか、その絵姿も皆さんにご提案できることになると思います。お示しすることができるようになると思います。そこで、ある意味投資規模であったり、どのぐらいの大きさのものか、どんなものが来るのかというのがもう目に見えることになると思うので、秋の決定を待っていただけたらというふうに思います。その時点で大体、完成形が見えると思います。

記者

 ありがとうございます。
 MGMさん以外にも応募できるようにされているわけですけれども、複数事業者の応募を期待しているなどありましたら、お願いします。

知事

 これはもちろん手続の公正性ということがあります。最後、これ、公募で決定していくことになります。今回、当初予定していたよりも、やはり随分条件というのが変わってきたところがあります。時期、これは非常に重要になるんですけども、2020年代後半ということで、2020年代後半のいつにするのというのは、もう事業者の提案にお任せしようというふうに思っていますから、非常にここの幅が広がっていると。
 当初予定する施設も、MICE施設なんかについては、展示場は10万平米と言っていたのを、会議場は維持しますけども、2万平米以上という形で、ちょっと条件がやはり変わってきているので、手続の公正性という観点から、公募の期間も含めて、事業者の方が手を挙げられるようにしたということです。ですので、そこについては手を挙げていただける事業者さんがいるのであれば、それは期待をしたいと思います。

新型コロナウイルス感染症対策関連について(1)

記者

 ABCテレビの木原です。
 緊急事態宣言の件でお伺いしたいんですが、明日、対策本部会議を開いて、来週に兵庫、京都の知事と話し合った上で、もし政府に解除を申し入れるならその後になるというお考えだと思うんですが、そうすると、最短でも解除されるのは来週末になると思うんですが、であると、もう当初の期限である3月7日まであと1週間ということになりますよね。1週間のことであれば、緊急事態下のまま休業補償をきちんともらったほうがいいんじゃないかという議論も出てくると思うんですが、その点、知事はたとえ1週間であっても先に解除をすることに意味があるとお考えなのかどうかお伺いしたいんですが。

知事

 まず、1週間かどうかは今の時点で分からないというところもあると思います。3月7日に終わるというのは誰もまだ言っていない状況でして、いろんな専門分科会なんかでいくと、落とすところまで落とすんだとかいろんな意見も出てきていますから、3月7日が一応の期限にはなっていますが、そこで終わるかどうかがまず分からないというのは当然、一つとしてあると思います。
 仮に、3月7日で終わったとしても、例えば木原さんがさっきおっしゃった期間でいうと、今、1週間ぐらいになるわけですけど、1週間としても、僕はこれ、一日一日非常に、日々の仕事、収入で生活されている方にとっては重要だと思っています。というのも、今回、支援金はあるんですけど、これ、出ているのは飲食店だけです。飲食店は飲食店以外にも、例えばそこに納品、食材を入れている仕入れ業者さん、肉屋さん、魚屋さん、おしぼり、いろんな関連事業者がいるわけです。そこには支援金は出ていないんです。花屋さんもそうでしょうし、人が出なければタクシー運転手さんもそうでしょうし、実は支援金が出ているのはごく一部なんです、飲食店という、そこだけです。
 飲食店の中でも支援金が出て、非常に中小の事業者にとっては、これはもう1日6万円の支援金で十分だというところもあるんですけども、多くの従業員を抱えているような事業、飲食店、特に大阪なんていうのは、キタ、ミナミなんか中心部になると賃料も高いですから、人件費等々も含めたときに、なかなか6万円じゃ厳しいねというところもやっぱり多い。
 郊外に出ても、非常に大きなお店にとっては、6万円ではやっぱり足りないという形になりますから、本当に中小の、従業員もほとんどいないようなところの飲食店にとっては続けたほうがいいという意見もあるかもしれませんが、お金のことだけを考えるとね。それ以外の、やっぱりそこにいろんなものを納品するいろんな事業者の方がいらっしゃって成り立っているということも考えると、やはり一日一日というのが非常に僕は重要だと思います。
 そして、緊急事態宣言というのは、そもそもそういう人たちの犠牲の下で成り立っている制度なんですが、そこにやっぱり生活も暮らしもあるということです。そして、でも、緊急事態宣言は、僕は必要だと思っていますので、やっぱり感染の爆発拡大や、病床がこれはもう医療崩壊するよと、そのときは緊急事態宣言で、ある意味申し訳ないけど我慢してくださいというので制約をかけていくのは必要だと思いますが、そういう状態でなくなったのであれば、僕は終了してするのがあるべき姿だと思うし、その次の対策をどうするのというのは、これは当然あり得ると思うんですけども、ずっと緊急事態宣言を何か続けるというのは、僕はそういったいろんな仕事、日々の収入で生活されている方、そしてそこには雇用があって、倒産したら首になっちゃいますから、雇調金はあるんですけどね。
 やっぱり失業者も出てくるということを考えたときに、緊急事態宣言というのはあくまでも感染の急拡大を抑える、それは必要です。やって、その効果が出て、抑えて、病床もある程度見えてきたということなのであれば、解除の判断をするのも必要なんじゃないかというふうに僕は思っていますけどね。明日の本部会議で方向性は決めていきたいと思います。

記者

 あともう1点、解除後の蔓延防止措置に関しては、国と考え方の違いがありましたけれども、3府県で一致して解除要請した場合に、果たして国が解除してくれるのかどうかの見込みというのはきちんと立てておられるんでしょうか。
 あともう1点、大阪府単独で解除要請をした場合どうなるかということも含めて、国ときちんとやり取りをされているんでしょうか。

知事

 現時点で解除要請はしていませんので、国が最後どう判断されるかまではちょっとまだ分からないという状況です。そもそもまだ大阪府が判断していないですから、なかなかそこまで込み入った調整というところでもないという状況です。
 緊急事態宣言の対応については、入り口部分も含めて、3府県知事、京阪神一体でやっていこうというのは、これは話し合って決めましたので、解除要請をするときについても、これはやっぱり3府県一体でできるだけ協調してやっていくのが筋だと思っています。大阪としての方向性は明日決定しようと思っていますが、国に解除要請をするときはやっぱり3府県がそろわないと解除要請をすることはないという形になると思います。

記者

 国から3府県でまとめて持ってきてほしいというふうに言われているんですか。

知事

 国はもともと緊急事態宣言を設置するときから、京阪神のエリアはできるだけ一体でというふうに国も言っていますし、解除の話は具体的にそこまでやっていないですけれども、国がというよりは、我々の考え方として、大阪で単独でしようと思ったらできるんですよ。できるんですけど、やっぱり3府県、京阪神一体でこの緊急事態宣言については対応しようということを決めてきたわけなので、そこは両府県知事も考え方は一緒ですし、その意味では、僕はできるだけ足並みをそろえたいと。
 最後はもう大阪のエリアについて責任を持っているのは僕だし、兵庫について責任を選ぶというのは井戸知事だし、京都は西脇さん、それぞれが選挙で負託を得て、最終責任者はそこ。だから、最後はそれぞれの判断があるかもしれませんが、僕はできるだけ、やはり緊急事態宣言に関しては3者一体で行動したいと思っています。ただ、現時点で3府県、いずれも緊急事態宣言の方向性についてまだ確定していないわけですから、明日、まず大阪として判断をするということになると思います。

記者

 ごめんなさい、先ほど、お答えの中で、解除要請をするなら3府県一致が前提という言い方をされましたけど、ということは大阪府単体でやるということはもうお考えの中にはないということですか。

知事

 ないですね、国に要請するという意味では。大阪府はこう考えるというのはやっぱりきちんと判断しようと思っていますけど、その上で両府県知事と協議したいと思っています。ただ、両府県知事と協議が整わないので、大阪だけ単独で解除要請をしますということは、今の段階で、僕自身は思っていないです。

記者

 分かりました、ありがとうございます。

記者

 共同通信の黒木です。
 すいません、関連して1点だけ。前回の本部会議では、解除要請をする場合は蔓延防止等重点措置への移行も併せて要請されるという方針を決められていましたけど、知事も出演された「日曜討論」の場で、西村大臣が解除後の適用に否定的な考えを述べられて、政府は今週も宣言解除は何か見送るとの報道もありますけど、国は結構宣言解除にすごく慎重な印象を持っているんですが、そういう蔓防措置のことですとか、国の姿勢を受けて、知事として現在、解除要請の、明日の判断ですとか、解除後の措置とか、その部分を決めるに当たって、何か難しさというものを感じていらっしゃるのであれば、ちょっと。前回、この間テレビに出演されたときも、何かかじ取りが難しいというふうにおっしゃっていたので、その辺のお考えをちょっと伺えればと思います。

知事

 いや、本当にこの緊急事態宣言については、かじ取りは難しいと思います。特にこの出口の部分はかじ取りが本当に難しい。入り口より出口のほうが難しいというふうに思います。入り口のときというのは、ぐっと上がっていますので、3府県知事の考え方もかなりスピーディーに一致しましたし、全国的にやっぱり抑えていこうよという、そういう判断になるんですね。僕が要請したときはまだ増えたのは2日間だけだったので、そもそもこの2日間でそう見るべきなのかどうかという、ちょっと国とのやり取りはありましたけれども、僕はいろんな状況も踏まえた上で、これは要請すべきだと判断して、しました。
 だから、そこは入り口の部分よりもやっぱり出口が難しいというのは、社会がそれぞれ、ポジションによって違うんですよね、この考え方が。生活も全然違うし、それぞれ命や生活に関わるんです、ここは。先ほどの質問でもありましたけども、やっぱり日々の仕事をされている方からすると、もうある意味、感染がぐっと増えているときは、それは仕方がないけど、ぐっと抑えてきたときに、あるいは今、感染者数でいくと12月とか11月よりうんと少なくなっているような状況のときに、ずっと、どこまで、これは緊急事態宣言として、営業の自由というのは当然制限をされて、自分たちが仕事ができない状況が続くのかと。これは死活問題なわけです、その人たちにとっては。その人たちにも家族がいて、子どももいるわけですし、いろんなものを制約するというのは、そういう商売だけじゃなくて心の問題、ここも非常にひずみが生じます。
 心のケアの相談窓口も、今日発表のとおり強化はどんどんしているんですけども、やはり心身のストレスというか、そういったものも非常に高まってくると。あってはなりませんけど、自殺というのは何とかやっぱりこれは抑えなきゃいけないわけですけど、経済的に非常に厳しい状態が続くとそういったこともあり得るし、それを何とか抑えていかなきゃいけない。
 だから、コロナによって影響を受けるのは、コロナの感染症によるものだけではないんですね。医学的な意味でのコロナの感染症によるものだけではなくて、やっぱり命を落とされる方であったり、生活が奪われる方、仕事が奪われる方が出てくると。これを補うのが行政の役割なんですけど、そのために支援金等々をやっていますが、やっぱり100%にはならないですね。税で100%を埋めるのはなかなか難しいと。支援金でいろいろやっていますけども、やっぱり社会経済をある程度動かしていかないと、やっぱり成り立たないと。でも、感染症対策もやらなきゃいけないと。この両立をいかに図っていくのかというのを出口ではやっぱり求められるわけです。
 僕も感染症は一人でも減ってもらいたいとは思いますが、例えば医学の専門家の人からすれば、それはそこの社会経済というのはちょっと置いて考えると、やっぱりとにかく今の状態のほうが、あるいはもっときつくするほうが感染症対策としては収まるわけですよ。その声は当然今も出ているわけです。そのとおりにずっと押さえ続けて本当にいいのかというのを、逆の立場で生活している人のこともやっぱり考えなきゃいけないのが知事の仕事だと。そこは誰かが判断しないと、両極論になっても僕はいけないんじゃないかなとは思っています。
 だから、もともと緊急事態宣言って何だったんだろうというのをよく考えたときに、ステージ4からの脱却というところからスタートして、ステージ4であるからこそ、営業の自由とか、そういったある意味大きな犠牲というのもお願いをしながらやっているわけですけど、そういう状態でなくなったのであれば、僕はやっぱり解除をした上で、ただ、何でもオーケーというんじゃなくて、徐々に解除していくのが本来あるべき姿じゃないかなというのが僕の考え方です。
 リバウンドが危険じゃないか、これは確かに、もし次の波が来たりどうするんだと言われたら、それは将来予測できないですから、次の波が来たら責任取ってくれるのかと言われたときに、それはもう本当にそこまで言われると誰も予測できないから、本当に難しい話になってきます。ただ、僕が思うのは、どんなに少なく抑えて、仮にそういった日々の生活をされている方を大きく犠牲を取ってもらってどんなに抑え切ったとしても、ゼロにならないんだったら、そこで解除は、どこかで終了するときに、もうこれ、ここまで少なくなって緊急事態が終了したからええやんかという空気になって、逆にそこのリバウンドが大きくなったら、僕はそこで増えるリスクのほうが高いんじゃないかなと思うんです。何か緊急事態宣言で押さえ込めば次の緊急事態宣言はないかのごとく言っているのは、僕はこれ、違うと、甘いと思っています。
 むしろ終わったときの終わり方も難しいし、終わったときに次いかに徐々に解除していくのか、感染症対策を取りながら社会経済を回すのかのこのバランスをいかに社会全体で取っていくのか、ここのかじ取りが非常に難しいけど、これをやらなきゃいけないと思って今進めているというところです。
 特に僕が心配しているのは、やっぱり時期なんです。3月中下旬、4月上旬って、実は1回目の緊急事態宣言をやったときです。当初は検査件数、検査能力が少なかったですから、陽性者の数という意味では全然今と比較になりませんが、そこで波が起きたのもやっぱり事実なんですね。この1年を振り返ってみたら、やっぱりこういう人が大きく移動するときとか、催し、イベントが大きな国民的なものがあるときに大きな波ができています。
 そういった意味では、3月7日というのが今みんな向かうべき方向性としてみんなで抑え切ろうという話でやっているんですけど、3月7日以降のほうが僕はリスクが高いんじゃないのかなと思っているので、1週間じゃないかという議論もあるんですけど、1週間というよりは、僕はもうちょっと長いスパンで見ていると。見たときに、3月7日でウイルスがゼロになってもう全く何も生じないんだったら、僕も3月7日までやろうとなるけど、そうじゃないので。3月7日で仮に終わったとしても、ウイルスは絶対いるわけですから。そこでもうええやんかとなったときには、ちょっと僕はそっちのほうが怖いなとは。
 3月7日以降どうしようみたいな議論が全く今ないじゃないですか。3月7日までに抑え込んだら次の緊急事態宣言はないんだみたいな、次の緊急事態宣言を起こさないようにしようとか、いろんなそういうことの意見はあるんですけど、そんなにこのコロナウイルスは甘くないんじゃないのかなと。逆にそっちのほうがリバウンドのリスクが高いんじゃないのかなと僕は思っているんですけどね。
 あとは、やっぱり1日1日が大切なので、こういう状況になったんだったら一旦解除もしながら、ただ、こういう感染症対策は取っていくことで段階的にやったほうがいいんじゃないかと。でも、その判断がやっぱりみんなやりたくないんですよね、基本的に。非常に難しいから。誰かにとって正解というのはないので、この判断をすると必ず批判も伴うし、どこかで誰かが判断しないといけない話だけど、それはやっぱり政治家の役割なんじゃないかなと思っていますし、大阪においては今のこの状況を見たときに、あの緊急事態宣言は解除して、そして、ただ、全く何もなくなるのではなくて、徐々にそろりそろりと解除していきましょう、両方が成り立つようにしていきましょうというのを、そっちの方向でかじ取りをしなきゃいけないんじゃないかと、僕はそう思っています。

記者

 毎日新聞の芝村です。
 関連して、明日判断をされるということで、重症者病床の使用率も52.5%とかなり落ちてきている状況ですが、今の医療体制についてどうお考えでしょうか。

知事

 まず、医療体制、本当にコロナの治療をしてくれている医療従事者の皆さんに本当に頭が下がります。今日今この瞬間も治療してくれているわけです。
 逼迫度ということでいうと、やはり大きく改善はされてきているのもまた事実だろうと思います。緊急事態宣言が出されているとき、一番高かったときの重症病床の使用率は80%です。79%。これは確保病床数に対してで、実運用はもうちょっと高かったと思うんですけど。だから、マックスで見ても80%まで来たという状況の中で、今もう50%台になってきていますので、これはやっぱり随分改善はしてきていると。軽症、中等症もマックス70%まで行ったんですけども、今は30%台ですから、約40%としても30ポイントぐらい、半分弱ぐらい改善されてきているという意味では、その病床の逼迫度というのは徐々に改善されつつあるとは思います。
 あとは、病床の逼迫度って、実は新規感染者数にものすごく比例するので、これは予想じゃなくて分析でいけます。今日陽性者が何人だったら大体何日後ぐらいに重症者が何人だねと、そこは予測の問題ではなくて分析ができるので、そういった意味でも、今後、重症病床も軽症、中等症もしばらくは減少傾向になると思います。
 あとは、陽性者があとは増えてくるか、イーブンになるのか、まださらに増えるのか。これは分からないですけど、増えてきたら当然増えてきますけど、しばらくは減少傾向になるだろうと思います。ただ、陽性者がゼロにならない限りは、どこかで底を打ちますのでね、病床の使用率も。しばらくは下がって、どこかで底を打つだろうなと予測はしていますが、随分改善はされてきていると思っています。

記者

 改善がされてきているということで、前回の会議でも、次の会議の検討で使用率などが重要になってくるとおっしゃっていたと思うんですけれども、明日の判断にはそういうところが影響してくるということになるんでしょうか。

知事

 もともと大阪で基準をつくりまして、そういった意味でやっぱり新規感染者数が非常に重要ですね。新規感染者数が300人以下。300人というのもステージ4から3に移行するのが300の数ですから、当時はその基準を立てました。今振り返ってみて今の数字なんか誰も予測できてなかったわけで、今は非常にそれを見ると少ないやんか、100人台やんかとなっているわけです。これは100人と今分かっているからそう評価できるだけであって、基準をつくったときはそれは分からないまま基準をつくっています。それで、そこが下がってきたら、やっぱり病床使用率も少し遅れて下がってくるということの基準プラス、やっぱりどういう角度で下がるかも分からないので、専門家の意見を聞くというのを条件にしました。
 前回は基準は満たした。新規陽性者はいましたけども、専門家の意見を聞くと、まだまだやっぱり重症病床はちょっと高いよねと。もうちょっと見なきゃいけないんじゃないかという意見があって、もともと専門家の意見を聞くというのも当然意見に入っていたわけですから、僕自身もそれに、率を見たときにそうだなと判断をしたので、その後、下がってくるとは推測をしていましたが、その時点では専門家の意見を聞いた上で翌週判断すると、病床の使用率が改善されるかどうか確認するということでの判断をしました。
 そして、そのとき、大阪府の専門家会議の朝野座長が出された意見としても、やっぱり新規感染者が高齢者も含めて安定的に減少になるのか、あるいは60%からさらに下がるのか、その辺りを見るべきだという意見書のようなものが出ていましたから、それが今現在どうなっているかというのも当てはめて分析した上で、明日の判断をしたいというふうに思っています。
 でも、毎日新聞に、僕、迷走してたとか書かれたけど、「吉村、勇み足だ」「吉村が迷走してる」とかいろいろ書かれて、「府の幹部職員によると、いや、ちょっと迷走ですね」とか何かいろいろ出ていましたけど、いや、僕の中ではそういう基準をつくって、専門家の意見も聞いて1週間後に判断するというので、そんな特におかしな判断はしているつもりはないんですけどね。
 だから、基準に基づいて、専門家の意見も聞いて、前回出た専門家の意見とも当てはめもしながら、明日の本部会議で方向性は決定していきたいと思います。

令和3年度当初予算編成関連について(3)

記者

 すいません、予算なんですけれども、かねてから吉村知事も、去年の予算編成などでも教育支援など未来への投資もかなり重視されてきたと思うんですけれども、今回、「コロナを乗り越え、成長する大阪へ」というテーマで骨格を編成されたということで、今回の予算でどのような府政運営をしていきたいかみたいな意気込みを教えてください。

知事

 やはりこのコロナ禍の中でも、特に次世代、子どもたちが大阪に希望を持って生活をし、そして勉強できる環境、これを整えたいと思います。
 コロナが高齢者に非常に多かったりして、当初は全校休校みたいなのをやりましたけれども、ある程度コロナの特質も見えてきて、やはり緊急事態宣言を出さなきゃいけないときでも子どもたちの教育というのは重視していこうと。これは、このコロナの性質を見た上で、国もそういう判断だし、僕も比較的、実は早い段階からこのコロナというのは教育をあまり制限すべきじゃないんじゃないかというのは去年の会議で、皆さん全部見てくれているからご存じだと思いますが、そういう認識できました。
 小中学校は基本的には基礎自治体の仕事ですから、それを大阪府としてもバックアップをして、そして、今回の新規予算で学力を伸ばしていくと。自分の立ち位置がどこにいるかも知ってもらうということで、府内の共通テストというのを5年、6年生でつくるというのもやりました。これは自分の力の位置だとか、自分が頑張ったら、それがどこまで伸びるのかとか、そういったこともぜひ見てもらいたいなと思いますし、大阪の場合は高等教育が基本的な府の役割でもあるので、非常に財政は厳しい状況ですけども、新大学における入学金、それから授業料の実質無償化と。590万円までの世帯であれば、これは無償と。そして、そこから800万円の世帯は3分の1とか、いろいろ子どもの数によって違うんですけども、高校から大学に行くときもいろんな奨学金制度もありますが、大学で学ぶという夢を経済的な理由で諦めることがないようにしてもらいたいと思うし、それが国力を強めることにもなるし、その子どもにとっての将来にとっても大きなことだと思う、そういう環境をつくるのも大切なことだと思うので、そういったところにも予算は頑張って継続して続けながら、次世代が頑張れる予算ということを僕なりに、100%じゃないかもしらないけど、そこは意識してやっています。これは大阪市長時代からいろいろ批判もされたりするんだけど、一貫して思ってやってきているところです。
 テストも、これも随分教育評論家と市長時代にやり取りして、特に大阪市の場合は小中学校とか、そこを直接自分が把握しますから、知事になると、その間に市長さんが入るのでちょっと違うなと思いながら今やっているんですけど、特に大阪市長時代なんかからもこういった教育のところは力を入れようとしてやってきて、教育評論家とは意見が違ったり、テストのところをやって意見が違いましたけどね。
 僕もそこでいつも言うんだけど、みんなが100点なんか絶対目指せるわけなくて、30点の子は35点を目指そうよと、70点の子は75点を目指そうよと。やったら自分もできるやんかというその成功体験が、ある意味、自分も伸びる力があるやんかと思えることが、ある意味、将来の生き抜く力につながると思ってやっていますので、やっぱりそれぞれ個性もあるし、家庭環境もあるし、みんなが一律に平等は無理かもしれないけど、子どもたちの教育環境とか、できるだけお金で何か夢を諦めることがないようにというのは一貫した政治信条なので、そこは知事になっても、医療的ケア児もそうですけど、知事になってもそこはやっているということです。
 ただ、財源に限りもあるというのもあるので、あとは市長さんが直接教育についてはやるというのが基本的なスタンスだから、その中でやっているということです。

記者

 ありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症対策関連について(2)

記者

 NHKの佐藤と申します。
 先ほどのコロナの話に戻るんですけれども、ご回答の中で、大阪では今の状況を見たときに緊急事態宣言を解除して、そっちの方向でかじ取りをというくだりも少しあったと思うんですけれども、最終的には明日の本部会議で専門家の意見を聞いて判断になると思うんですけども、知事としては今のところ、重症病床などを見たときに解除してもいいんじゃないかとか、そういったご意見とかってあったりされますでしょうか。

知事

 いや、だから、これは明日の本部会議で決めますので、解除決定とか言わないでくださいね。明日の本部会議でやるということです。
 今の感染の状況は、先ほど申し上げたとおり、前回の本部会議から見ていただいたら分かるとおり、前回そういった一定の本部会議をして、1週間状況を見ようと、翌週に会議を開こうということであって、人数は随分抑えられている、緊急事態宣言じゃないような状況に抑えてこれていると。あとは病床をどう見るかというので、この約1週間強の時間を取って、傾向も含めて判断した。あとは専門家の意見を聞くというのが条件に入っていますから、専門家の意見をやっぱり聞いた上で、前回からの話の続きというのも頭に入れた上で、最後の判断を明日やりたいと思っています。

記者

 ありがとうございます。
 コロナ関連で全く別のことなんですけれども。

知事

 でも、今ここで僕がそれをやると決めたら、また勇み足とか書かれるやんか。オープンの会議で、その場で決めたら、誰にも相談せずにやって勇み足みたいなことを言われちゃうし、事前にここで方針決定したら会議の意味が分からなくなるし、難しいなと思いながらやっているんですけど、会議で決定したいと思います。

記者

 ありがとうございます。
 以前に、全然別件なんですけども、コロナ対策で、以前の会見で、自宅療養者に対してパルスオキシメーターを希望者に対しては配付しますというのがあったと思うんですけれども、今現状でどれぐらい配付をされているのか、どういう状況なのかということと、あと、改めてパルスオキシメーターの配付というのがどういった意義があるのかというの簡単にお聞きできればなと思うんですけれども。

知事

 自宅療養者が一挙に増えてきているとき、特にこれは病床も逼迫しているというときで、自宅療養者が増えてるときというのは、全国的にも自宅療養の中でお亡くなりになる方もやっぱり出てきていると。これは絶対避けるべき、できる限り避けるべきことだというふうに思っていましたので、このパルスオキシを基本的に40代以上は全員配るという仕組みをやることが必要だと思って判断をしました。ホテルについても全員です。
 これについては上昇局面でそれを判断したんですけど、今、実は自宅療養ってかなり減ってきている状況のままですけども、着実に進めて今いっていると思います。数までは僕のところに報告が上がってきていないので、すいません、そこは部局に確認してもらったほうが正確だとは思いますが、全員に配付するということは着実に進めていきたいと思います。
 今、担当部の人がいて分かるんだったら。担当部の人がいなくて分からないということなので、分かり次第、また報告します。

令和3年度当初予算編成関連について(4)

記者

 毎日放送、柳瀬です。
 今日、新年度予算についての発表ということなんですけれども、昨年、予算を振り分けてコロナ対応等をいろいろされてきたわけですけれども、改めて昨年度、ご自身として反省すべき点、もう少しここはこうやるべきだったんではないかと思って今回予算のときに予算を振り分けたりですとか、重点的にやろうと思ったりしたこと、また、反省ではないですけど、もっとここは改善すべきだったなと思って力を入れたところがあれば、コロナ対応のところであればお伺いできればと思います。

知事

 コロナ対応については、僕はその時点その時点で、その時点の情報を基に、判断から逃げずに、ここは「おまえが余計な判断をする」と批判する人は言われるんですが、判断から逃げずに、必要なことは、最後の判断責任者は知事だという認識の下でやってきました。足らずのところもあったと思うんですけど、ここは府民の皆さんに、あるいはメディアの皆さんに評価してもらったほうがいいんじゃないかなと。だから、僕自身は自分の能力の中では精いっぱいやれることはやってきたと思っていますし、これからもそうやっていきたいと思います。
 予算組みについても、コロナ重症センターはもともと60床できればよかったけど、アスベストもあってできないというのもあって、今回、別の形でもつくりましたけども、いろいろ修正したりしながら進んでいるところはありますが、必要と思うところについては、不十分かもしれないけどやってきていると思っていますし、間違いがあれば修正はしながらやってきている、間違いと思えば修正をしながらやってきているというところかなとは思います。
 例えば1例でいうと、コロナの追跡システムなんかも、「なかなかアラート、鳴らへんやんか」と皆さんからご指摘があって、それはそのとおりだと思います。「何で鳴らへんの」というところを見ると、やっぱり陽性者の方から発信してもらわなきゃいけないとか、個人情報の観点から、かなり厳格に階段をつくり過ぎて、これはやめようと。保健所でも把握できたらアラートは鳴らすようにしようとか、いろいろ改善しながら進めているので、やってきたことが100%正しかったかといえばそうじゃないとは思うんですが、問題点があれば訂正しながら、よりよい答えを自分の中では導きながらもやってきているとは思います。
 また、やはり府の職員が優秀ですので、健康医療部を含めて、府の職員からの意見というのを議論しながら判断していこうというのは常に意識しています。どうしても僕はぐっと前に出て判断する性格のところがあるので、職員の意見はやっぱり冷静で参考になることも多いので、それを聞いて判断しようというのは常に心がけています。

新型コロナウイルス感染症対策関連について(3)

記者

 エルマガジンの岡田です。
 まず、ワクチン接種に関してなんですけど、ワクチン接種が17日から開始されているんですが、前回の本部会議でワクチン接種に関しては、まだワクチン自体、いつ届くか分からないというご回答もあったんですが、現状は、いつ届くか分かって、計画どおり接種ができるという考えでいいですか。

知事

 現時点では大阪府に、大阪府分の医療従事者向けのワクチンがいつ来るかというのは連絡はないです。ただ、昨日、ニュースを見ていたら河野さんが19日に何か発表するみたいなことを言ってませんでした、言ってたと思うんですよ。NEWS ZEROか何かで出演されていたと思うんですけど、そこで、そうなのって知ったんだけど、多分、19日に都道府県の皆さんにいつぐらい、どのぐらいのワクチンを配付するかという計画はご回答しようと思いますとアナウンサーの質問に対して答えていたと思うので、なので、明日来るのかなと期待して待っています。今は来ていません。

記者

 あと、もう1点なんですけども、病床確保に向けて、重症病床の確保をさらに進めるということなんですけれども、病床を確保することで感染が大きくなったときでも受皿が増えるということで、社会経済に対する考え方、影響、何というんですかね、前の本部会議でも藤井部長が病床の受皿を多くすることで社会経済も回せる範囲が、ちょっと幅が広くなるような発言もされていらっしゃったので、そういう点に対する期待みたいなのがございましたらお願いします。

知事

 感染って右肩上がりになったときというのは、医療資源って必ず限りがあるので、1,000、2,000、3,000と増えてきたら対応はやっぱり難しくなってくると思います。右肩上がりでぐっと伸びているときは感染を抑えるというのが一番重要だろうなと。そう思います。そっち側の伸びる速度のほうが、世界のどこをどう見渡しても、やっぱり同じように感染拡大したらちょっと日本では対応できないし、大阪でも対応できないなという感染拡大が世界で起きていますので、幸い日本ではそこまで、波という意味では起きていないわけですけど、起きていないというか、起きる前に抑えているのか、ちょっと分からないですが、起きていないわけです。でも、それが起きる可能性は、世界で起きているわけですから、あり得る中で、この間、対策を打ってきました。同じようになると対応できないので、感染の急拡大のときは抑えるというのが非常に重要だろうと思います。
 そのときに、やはり抑えるといってもロックダウンみたいなことはなかなかしないわけですし、今回みたいに、1床、2床が非常に重要になってくるんですね。感染対策をやりながら、ウイルスの感染拡大力に我々が取る感染拡大抑止力のバランスが勝っていれば下がってくるんですけど、負ければ上がってくるという中で、拮抗しているときには非常に高い数字で移行したりちょっと上がったりする。となってくると、対応できないぐらいのオーバーシュートじゃないときに医療の体制で1床、2床はものすごく重要になります。特に感染が拡大しているときなんかは、僕は毎日、藤井部長と一緒に、どの病院にどれだけベッドがあって、この角度でいくと何週間後に重症病床はオーバーするんじゃないかとか、毎日、1床単位で重症の数、上りと下りとかの数とにらめっこしながらやってきました。今回、この波は何とか乗り切ることはできましたけど、やっぱり病床の分母のほうを拡大していくというのは必要だろうなと思います。そこの議論が、何か日本はあまりない気がするんですよ。
 医療従事者に負担をかけちゃいけないと。それは僕もかけたくないし、1人でも減らしたいというのはあるんだけど、病床をどうやって拡大するのかの議論って、何かみんなあまりやりたがらないし、やっていない気がするんです。でも、実はその一床一床が非常に重要で、日本の医療資源全体の中でコロナとどう向き合うのかの本質的な議論をどこがやっているのかなといったら、どうなんだろうという疑問は常に思いながら。僕自身は現場なので。
 そういう意味でも、まず、去年の年末でいうと、去年の年末に民間病院と公的・公立病院の割合というのを公表しました。これは多分、大阪が初めて公表したと思います。それまで分からなかったと思いますよ。公的・公立病院と民間病院のコロナ対応の差なんかというのは誰も議論、本当はみんな知っているんだろうけど、オープンにしてこなかったと思うんです。でも、それをオープンにして、民間全部じゃなくても、力のある病院にお願いしますというような基準をつくりながらやって、今、80病院から120病院まで増えてきました。1,400床も2,000床ぐらいまで増えてきて、これは増えたからいいというわけじゃなくて、やっぱり来るべき波が来たときにできるだけ受入れを広げないと、そこがものすごく小さかったら、すぐ緊急事態宣言をやらなきゃいけないし、右肩上がりで伸びちゃうのは防がなきゃいけないんだけど、何かそこの医療資源を……。できるだけ医療の体制を強化するというのも僕は非常に重要だと思うんですよね。でも、これを言うと、何か命を粗末にするのかとか、一生懸命やっている医療従事者に対してどうなんだとか、批判を受けるんです、この分野に突っ込もうとすると。そこはちょっと違うのかなと。
 たしか日本医師会も病床の確保についての対策を考えますと、どこかで言ったと思うんですけど。官邸で総理と話をしたときに、そういう会議体をつくると思ったんですが、あれは答えが出たんですかね。例えばこれだけの数は後方支援病院として、こういう基準の病院はやるとか、クリニック等でも、こういう経験のある方は、クリニックでは受けられないけども、そこから看護師さんを派遣するだとか、そんなルールづくりとか、そんなことに踏み出す人ってほとんどいない感じがするんですよ。
 世界で見たら、やっぱり病床も日本は圧倒的に多いし、医者の数もそんなに少ないわけでもないので、本当に医療の資源がコロナの有事体制になっているのかの検証というか、それは本当はやらなきゃいけないんじゃないかなと。僕は一生懸命、基準もつくりながらやっているつもりなんですけども、ここは絶対に誰も言わないよねと僕は思うんですけどね。医療が崩壊する、医療体制が逼迫している、だから我慢してくれと。で、我慢している先というのは、さっき言った日々の生活をされている方であったり、失業したりする人も出てくるわけですよ。その我慢を社会全体で考えたときにどこまで許容するのと考えたら、やっぱり医療体制も、ここまで限りなくやっているんですというのは、本来は見える化しないといけないんじゃないかなと。それが見える化になっているのかなって。誰も基準づくりもしないし、僕はそこに疑問を持っているんですけどね。ただ、これはあんまり言うと、また命を粗末にしているとか、医療が逼迫しているんだと、医療従事者に対して失礼じゃないかとか言われるからあんまり言わない、僕もそれはやっているんですけど、これは医療業界もメディアも政治家も含めて、何かみんなが口をつぐんでいる感じがしていますけどね、僕は。

記者

 分かりました。

淀川大堰閘門関連について

記者

 また別のことなんですけど、淀川の大堰閘門の件なんですけれど、インバウンドとか観光客向けの舟運を生かしたというところなんですけども、またちょっと別の目線で、大阪府民にとって、水の移動、海上の移動とか船での移動とかというのが何か身近に感じられたりとか、ちょっと先の話なんですけど、2025年の頃に府民にとってちょっと身近なものになっているイメージみたいなものとかというのはありますかね。

知事

 僕は、2025年に、海の交通、舟運がかなり発達していると思いますし、発達させるべきだと思っています。だから、その仕組みづくりを、まさに今日の予算もそうですけど、やっているということです。ものすごいポテンシャルがあるのが、僕は大阪は海、ベイエリアだと思っていまして、あと、川です。空飛ぶクルマなんかも、実は川と海があるから、その上を通ったら行けるじゃないかというのが僕の着眼で、まずこれをやろうよということで、川の上と海の上を通ったらええやんかというのは、今、もうかなり大阪でやることについて現実化してきていますし、やっぱりベイエリアって、世界でものすごく価値が高かったりするのに、大阪のベイエリアはなかなかそうなっていない。これは昔からの課題ですけど。それから、川を見ても、セーヌ川を見ても、ものすごく大都市の川は活用されているけど、日本は川をただ治水というか、そういうことにしかあんまり使っていない感じがして、僕はもったいないなというふうに思っています。だから、淀川なんかも、果ては京都までつながっているわけですから、途中で新大阪もあって、枚方とかあっちのエリアもあるし、出ていったら今度は瀬戸内海へ行けますから、瀬戸内へ行ったら、いろんな瀬戸内の島々もものすごいきれいだし、美術館なんかもあったりして、ものすごい可能性が高いと思うんですよ。だから、そこの拠点性というのがなかなか今までやってこなかったので、やりたいなと思って、今回の中之島のサウスゲートなんかもそうです。ちょうど北新地のところの、あれは大阪市長時代に僕はちょっと絡みましたけど、淀屋橋のところの整備なんかも、今、大阪市で進めてくれていると思うんです。淀屋橋の、あれは何ビルやったかな、新地の入り口のビルのところの南側のところに船が着けれるようにとかやっている最中なんですよ、今。
 だから、そういった意味で、橋の都合があって、平べったい船しかなかなか行きにくいんですけど、中之島の景色とかは僕は最高だと思いますし、中之島とか大川のあっちから入っていって、東横堀へ入っていって、道頓堀へそのまま行けますし。だから、そこをもっと活用できるような舟運というのにぜひ力を入れていきたいなと思って、それは一つの方向性です。ちょうど2025年は万博ですし、多くの人が人工島に集まりますので、その先はIRもありますから、やっぱりそこの舟運を起点にして、神戸、関空とかもすぐ行けるじゃないですか。だから、もっとこのベイエリア、川というのを使うと、大阪府民の皆さんも、今はあんまり海とか川というのは移動手段になっていないんですけど、僕はそういうことは非常に可能性は高いんじゃないかなと。大阪府民の皆さんもそれを使って、川から見るまちとか、そこから瀬戸内に出ていくとか、神戸に行くとか、そこを僕はぜひ発達させたいなと思っていますし、その可能性はすごい高いなと思っています。ちょうど堺も、堺泉北港と大阪市はばらばらでしたけど、今回、一体にもなりましたし、大阪は港湾局をつくって、大阪市の田中さんにやってもらっていますけど、そういった意味で一定の方向性を出しやすくなっているから、ベイエリアはこれからどんどん活性化させていきたいし、舟運も活性化させていきたいし、そういう絵姿に2025年にはなっていると思います。

令和3年度当初予算編成関連について(5)

記者

  大阪日日新聞の椎葉と申します。よろしくお願いします。
 質問事項は2点です。コロナ関連の件と今回の予算の件ということで、まず予算の件なんですが、先ほどの舟運事業のところで中之島ゲートターミナルの件なんですが、これについても、やはり2025年に創業というか、そういう形のものを目標として考えておられるんでしょうか。

知事

  はい、2025年までに創業です。これはたしか年限を決めていたと思うんだけど、出ますかね。要は、2025年をターゲットイヤーにしていますので、2025年までにはここを活用するという計画で進めていっています。ここも民間の皆さんに入ってもらって、土地がありますから、公共で物を建てるというよりは、民間の皆さんのいろんなアイデアで入ってきてもらって、そこの結節点のところでいろんなサービスとかをどんどん提供してもらえれば、僕は、この北側に中央卸もありますし、これはいろんな食材がありますから、そういった意味で、このサウスピアというのは結構可能性は高いんじゃないかと。ここまではでかい船が入ってこれるみたいなんです。ここで乗り換えて、平べったい船、ちっこい船になったら道頓堀へも行けるし、中之島にも当然行けるし、非常にここは結節点としては可能性が高いんじゃないかなというふうには思っていますので。何年か分かるかな。オープンが2025年オープン予定です。

記者

 そうすると、先ほどの淀川の閘門でしたか、あそこにもつながるようなイメージみたいなところがあるんですかね。

知事

 そうですね。淀川もどちらかというと北側に位置していますから、ここから行くものではないとは思いますけど、大川を伝って、そういうルートなのかちょっと分からないけど、それはちょっと難しいのかな。平べったい船になっちゃうから難しいよね。毛馬で閉じられているから。

記者

 中之島、あと、市内の観光施設に向けてという感じの。

知事

 そうですね、このサウスピアについては。淀川の大堰閘門については、淀川から直接あそこまで行けるし、ある意味、淀川から来て、ここで止まって乗り換えても行けるよね。それも行こうと思ったら行けると思います。

記者

 ありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症対策関連について(4)

記者

 2点目ですが、コロナの件なんですけれども、明日、会議のほうで解除要請するかどうかというところの判断と。その判断の中に変異株のことというのもある程度考えておられるんでしょうか。

知事

 変異株については、もう入ってきていると思います。実際入ってきているわけで、兵庫と京都でも見つかっていますし、全国的にちらほらもう見つかってきているので、大阪にももういると思います。大阪で見つかるのも時間の問題だというふうに思っています。今、いろいろ分析していると、これは国の専門家の分析がそうですけども、今のはやりはやっぱり既存株で、変異株が何か市中でものすごく爆発的に感染している状況ではない、感染が取って代わっているわけではないというのが専門家の意見ということですし、我々もそうなのかなと。1月20日からスクリーニング検査なんかもやっていますけれども、変異株が大流行しているわけではないけれども、ただ、もう入ってきているのは間違いないし、どっかでやっぱり変異株がはやる可能性はあると。そのリスクは持っています。感染力は1.7倍ということですから。ただ、その変異株も、結局、対策って何をするのといえば従来と同じなんですね。目に見えるわけでもないし、変異株用の対策というのはないので、これは専門家の意見を聴いても、今までどおりマスクとか距離を取るとか、そういう基本的なことを徹底するしかないと。あとはワクチンしかないという話なので、変異株リスクは常に頭に入れていますが、感染対策はお願いするとして、それがあるから明日の結論に何か影響を及ぼすということはないと思っています。


 職員

 ほかにご質問ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで終了いたします。ありがとうございました。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

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