令和2年(2020年)7月8日 知事記者会見内容

更新日:2020年7月10日

 記者会見項目

  • 梅雨前線による大雨について
  • 府営公園プールのオープンについて
  • 海水浴場開設中止に伴う遊泳自粛のお願い
  • 「新型コロナウイルス感染症に伴う偏見・差別に気づくために」について
  • 質疑応答


 職員

 ただいまから知事の記者会見を始めさせていただきます。
 最初に、知事からお願いいたします。

梅雨前線による大雨について ※この項目で使用した資料についてはこちら

知事

  九州の豪雨災害によりまして53名の方がお亡くなりになられて、そして、今なお13名の方が行方不明の状態です。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様のお見舞いを申し上げます。
 大阪府として、この被害に対して支援できること、できる限りのことをやっていきたいと思います。現状、これまでの大阪府における取組ですが、まずはこの豪雨災害が発生をいたしまして、昨日ですけども、災害医療派遣チームのDMAT5隊、合計25名を熊本の人吉に派遣をいたしました。DMAT部隊については、その病院での命を守る支援、搬送の支援、そして避難所における健康維持の支援、そういったところで九州の皆さんの命を守る活動に参加してまいります。
 それから、警察の部隊の派遣についてです。府警から、これは救命、救出活動を行うということで、広域緊急援助隊のメンバーの一員として、府警約130人を熊本県に派遣をしています。7月7日昨日の段階で、DMATを含め、大阪府の警察130名についても派遣しているという状況です。
 それから、まだ現状においては派遣要請がなく、準備を整えている段階ではありますが、大阪府における消防隊員、これはそれぞれの市町村、そして大阪市も消防隊がありますが、これは僕自身も市長時代には経験もしましたが、大阪の場合は大阪府大隊というのを形成いたします。この準備をしておりまして、7月6日の段階で既に準備をしています。派遣の要請があれば直ちに出動できる体制を整えています。
 それから、大阪府において危機管理室長をトップとしました府の災害支援対策室というものにつきましては、7月6日、2日前に既に立ち上げをして、熊本の支援をすると、九州の支援をするという体制を整えています。あと、同じく関西広域連合としても熊本県庁にリエゾンの2名を派遣いたしまして、現地において何が不足しているのか、何が足りないのかということの情報収集を開始しているところであります。大阪府は、もちろん関西広域連合もそうですし、大阪府としても熊本を中心に被災された方の命を守る、それから支援活動ということに最大限の力を尽くしていきたいと思います。
 また、併せまして、今回の豪雨の大阪での影響についてです。昨日の夜中ですけども、大阪府で多くの雨、大雨となりまして、土砂災害警戒情報というのも大阪府内で発達をされました。それによりまして、茨木、それから高槻、太子、河南町、千早赤阪村において避難勧告の発令も夜中にされているという状況であります。避難所については最大36か所を開設しましたが、現在12時の時点におきまして、全ての避難所は災害の危機を脱したということで閉鎖をしています。
 これに伴う大阪における人的被害はありません。それから住家は、住居ですね、住居の被害もありません。併せて、道路ですけども、これは河川ののり面なんかが崩れたりしている部分があるところもありますので、あるいは電柱が倒れているというところもありますから、5か所程度、通行止めが一部で生じているという状況ですが、人命、それから住家、家屋についての被害はないという状況です。引き続き、この豪雨の被害について、大阪府としても正面から取り組んで、そしてしっかりとした対策を取っていく、併せて、九州の皆さんを大阪府が持つ力で何とか支えるところは支えていくということをしてまいりたいと思います。これが1点目です。

府営公園プールのオープンについて  ※この項目で使用した資料についてはこちら

 2点目は、府営プールの開設についてです。現在、コロナの状況がある中でありますが、府営プールについては開設をしていきたいと思います。コロナに対する対策をしっかり取った上で、府営プールについては開設をしてまいります。新型コロナは、感染拡大はできるだけ抑えていく、でも一方で社会経済活動を行って、これを何とか両立させるというのが大きな府の方針でもあります。その中で府営、公営のプールにつきましても、対策を取りながら開設をしていきます。服部緑地については7月23日から、久宝寺緑地も7月23日から、住之江も同じ日から、そして浜寺については、ここは工事がありますので8月1日からです。
 特にプールで注意しなきゃいけないのは、屋外のプールで感染が広がるという可能性はそれほど高くないというふうに聞いています。ただ、更衣室です。注意しなきゃいけないのが更衣室で、ある意味密になるのを防ぐ、更衣室でのいろんな着替え、コインロッカー等々も含めて、そこが専門家の立場からすれば少し気をつけなければならないところだという注意を受けてます。ですので、臨時の更衣室を設ける、そしてプラス増設、増設というか、今ある施設の中で部屋を更衣室用に使う、そしてもう一つはテントを屋外に、更衣室用に設ける、これは男性用になりますが、外で着替えも、男性はちょっとしてもらって、ちゃんとテントはつくりますので、できるだけ更衣室が密にならないような形で、その対策を取っていきたいと思います。あわせて、大きな扇風機であったり消毒であったり、基本的な対策は取っていきます。
 その対策の具体的な中身ですけども、まず入場時の対策としまして、利用される方の体調の確認と検温のチェックをいたします。それから、アルコール消毒液を設置していきます。プール内での対策としましては、園内放送をしまして、できるだけ対人の距離を取ってくださいという呼びかけは、園内放送でもやっていきます。大事なところ、更衣室の対策ですが、仮設の更衣室を設置します。更衣スペースをさらに拡大をしていきます。更衣室があまりにも混雑する場合には入場制限、更衣室の入場制限をいたします。それから、大型扇風機を設置して、更衣室における換気機能を、どうしても空気がたまりがちになりますから、換気機能を強化するということをやっていきます。
 プールを利用される皆さんへのお願いですが、まずご自宅でも検温していただいて、熱がある方はプールに来るというのを避けてもらいたいと思います。それから、特にラジオ体操は定期的にやることになるんですが、そのときにみんながこのプールから上に上がってくることになります。ラジオ体操のときに大声で会話をしたりとか、そこであんまり唾液が飛ぶようなことはできるだけ避けてもらえたらなと思います。それから、プールなので人が集まることにはなりますが、できるだけ距離を取っていただけたらと思います。そのためにも、混雑を避けた平日の利用とか午後の利用とか、できるだけ時間を、込み合う時間帯を避けていただけたら助かります。あわせて、大阪コロナ追跡システムを導入しますので、その登録をお願いしたいと思います。
 コロナがあるのは事実ですが、感染症の対策も取りながら府営公園プールについては開設をして、そしてそこで府民の皆さんに楽しんでいただきたいと思いますし、体を動かすということも、外に出て体を動かすことも非常に大切だと思いますから、健康維持という面でもご協力をお願いできればというふうに思います。
 具体的に、どんなふうにじゃあ仮設更衣室を広げていくのということですが、これは服部緑地ですけど、服部緑地は1階部分が既存の更衣室ですが、2階に未使用の部屋がありますから、そこを仮設の更衣室にします。それぞれ1階部分にプラス2階部分を広げていきます。また、多目的ブースも設けますので、障がいのある方であったり、あるいはLGBTの方であったり、多目的ブースを使いたいという方はご利用いただけたらと思います。
 これは久宝寺のプールですけれども、ここについては1階に既に既存の更衣室がありますが、2階の未使用の部屋を更衣室にします。これはどちらも女性が使うところとします。1階に既存の更衣室も、男性もありますが、ちょっと2階スペースがそこまで取れないので、屋外に、入場の近くに仮設の更衣室をテントでつくります。これは男性にご利用いただけたらと思います。
 これも同じく浜寺公園ですけども、多目的ブースと仮設の更衣室テントを設置します。大体全ての公園ですけども、こういうスペースが2倍ぐらいに広がる形で、約1.7倍と書いてますが、大体2倍程度広げていきたいと思います。

海水浴場開設中止に伴う遊泳自粛のお願い  ※この項目で使用した資料についてはこちら

 次は海水浴場です。海水浴場につきましては、大阪府が海岸の管理者でありますが、海水浴場自体は市町村がその運営をするということになります。市町村が開設をするということになりますが、今回、府内の四つの海水浴場につきまして、それぞれの市町村で協議された結果、海水浴場については開設をしないという、中止をするという判断がされました。これはもう市町村の判断ですから、その判断を尊重したいと思います。理由としまして、海水浴場の場合は臨時の更衣室を改めて設置をしなければならないと、そこでなかなかうまくコロナ対策を取りにくいということと、あとはライフセーバーを確保しづらいという状況があるというふうに聞いてます。そうなってくると、水難事故のリスクも高くなってくるので、今年については、このコロナの影響で府内の四つの海水浴場について、二色の浜と、それからりんくう、淡輪、箱作について、それぞれ、貝塚、阪南、岬、泉南市ですけども、この四つの海水浴場については中止をするということになりました。
 そこで、大阪府の対策ですけども、海岸に危険周知看板を設置いたします。それから、遊泳については自粛のコーンも設置いたします。場内放送等で呼びかけもいたしますが、これは利用中止ですから、府民の皆さん、ライフセーバーもいないと、そして市町村が中止と判断している海水浴場なので、この遊泳については自粛をお願いしたいと、こう思います。その注意喚起の看板や巡視等もやってまいりますが、ご協力をお願いしたいと思います。同じく、地元の市町も同様に、大阪府と同じような看板設置等を行いますけども、府民の皆さんにおかれては、先ほど申し上げたとおり、海水浴場についてはご利用自粛をお願いしたいと思います。

「新型コロナウイルス感染症に伴う偏見・差別に気づくために」について  ※この項目で使用した資料についてはこちら

 最後、コロナの偏見・差別についての、それを防ぐということでのお願いです。今、新型コロナウイルスがある中で、これは府教育庁で、感染症が広がることによって、それに伴う差別や偏見も広がる可能性があるので、気をつけてくださいということを学校に送付をいたします。
 これは、何で学校でやっているかというと、学校から知らせていくということもありますが、今、もう学校は開始をしています。その中で、当然、通う生徒が陽性になることもあります。これは、今までの例で言うと保護者から感染が、うつる場合が多いんですけれども、ただ、その感染者が出たとなれば、その学校については基本的には休校にして、濃厚接触者がいるかどうかの調査をし、消毒をし、そして校名については基本的に公表すると。特に公立については、公表は必ずしていくということになります。私学については、いろいろ協議をして判断しますが、基本的に学校については公表する。学校、これまでも、第1波が終わってから、訓練校も入れたら3校あって、2校については公立ということで公表をいたしました。
 学校の場合は、通われる生徒さんの数も多いし、保護者の数も多いし、教員の数も多いということで、関係者が非常に多いということになります。校名も公表しますから、その中でどうしても差別というか、偏見というか、行き過ぎた防衛というか、そういったものが起きやすい状況にもなります。ですので、そこはぜひ皆さんに、そうならないように配慮をお願いしたいということです。
 これは日赤が出している、三つの感染症ということを出していますが、要は、まず、我々がいつも気にしているのはこの第1の病気の感染症のところを気にしていますが、ただ、そこだけが問題なのではなくて、この病気の感染症が広がることによって不安が広がってくる、不安が広がることで、これ、自分はかかりたくないということで差別が広がってくる、差別が広がってくると、これはもう内緒にしておこうということで、また感染も広がってくる、この負のスパイラルが生じると。やっぱりこの負のスパイラルを断ち切るためには、まずはその感染者と接して、命を守る活動をしてくれている医療従事者の皆さんへの敬意と感謝の気持ちはぜひ持ってもらいたいと思います。それから、医療従事者だけじゃなくて、社会を支える職業をされている方に、ぜひお願いしたいと思います。
 ここに書いていますが、感染した人に罪はありません。そして、冷静な判断、行動というのをぜひお願いしたいと思います。特に学校においては子どもが多く通いますので、そういった意味で、あの学校で感染者が出た、もうその学校に通っている子はちょっとこっち来んと、やめてくれとか、そういったことはぜひ控えていただきたいと思います。保健所としても、きちんと濃厚接触者を把握して、検査体制も取っていきますし、消毒体制も取っていきます。ぜひそこの配慮をお願いしたいと思います。
 僕からは以上です。

質疑応答

 職員 

 それでは、ご質問をお受けいたします。ご質問のある方は挙手をお願いいたします。

府営公園プールのオープン及び海水浴場開設中止に伴う遊泳自粛のお願い関連について

記者

  すいません、読売テレビの渕上です。
 プールのお話と海水浴場の話なんですが、これ、プールは開設されて、海水浴場は閉鎖されているという、同じような場所で判断が分かれる形になっているかと思うんですが、その辺り、知事はどのようにお考えでしょうか。

知事

  やはり、海水浴場の場合は、新たに更衣室であったり、シャワールームであったり、臨時のものを設置しなければならないということと、非常に多くの方が訪れられますので、どうしてもそこで感染症対策を取りにくいということと、もう一つはライフセーバーの確保の難しさというのも聞いています。コロナウイルスが広がったことで休校が続いて、基本的にライフセーバーというのは大学生等々で臨時的にお願いする場合が多いんですが、今年は大学の授業自体が夏休みに割り込んでいて、非常にライフセーバーの確保も難しいというような状況だというのを市町から報告を受けています。最終的に、そういう状況を見ると、安全に実施するのが、どうもこれ難しそうだということで、ある意味、現場での責任を持って、開設する主体である市町が、これはもう今年は中止するということをしたので、それはそれで僕としても、その判断は尊重したいなというふうには思います。
 だから、プールと海水浴場の特徴の違いというのが一つは出ているんだろうなと思います。あとは身近な市町の判断、それを尊重したいというふうに思います。身近な市町が開設者ですから、その判断は尊重したいと思います。

記者

  何か府民にとっては少し分かりづらい気もするんですけど、その辺り、どうですかね。

知事

  いろいろ頑張ったらできたんじゃないのかなと僕自身は思うんですけども、ただ、大阪府が海水浴場を最終判断するところじゃないという役割分担も明確になっている中で、やっぱりそれぞれの市町村で、海水浴場はたくさんの人も訪れるし、これ、ちょっと難しいというような判断があるんであれば、これは致し方ないのかなというふうには思います。僕自身は海水浴場もちょっと頑張ってやってもらいたかったなという思いはあるんですけど、ただ、やっぱりそこは、それぞれの市町のそれを担われる方という人たちとも協議した上で決めたというように聞いてますから、そこは僕は無理強いはできへんかなというのが現実なところです。
 府営のプールについてですけども、ここも同じように中止するという判断はあり得たわけですけども、ただ、いろいろ専門家の意見を聞いても、外でプールで泳いでいるときに感染するというのは、これは非常に可能性としては極めて低いよと。あるとしたらやっぱり更衣室なので、ということであれば、更衣室の対策をしっかり取ることによって、やっぱり夏の楽しみというか、プールを全てやめるということもする必要はないのではないかというのが僕自身の判断。ただ、やっぱり感染症対策は取るべきなので、更衣室を約2倍に拡充して、しかも、特に混み合う時間というのがあるので、そういうときは、ちょっと申し訳ないですけども、更衣室の入場制限なんかもしてお待ちいただくこともあり得ると思いますが、プールそのものを中止することはやめましょうということで、この間、準備をしてきて、開設するに至ったということです。
 全てをやめるというのは簡単な話、簡単というか、いろいろ議論した上でのあれですけど、やっぱり全てをやめるやめるというんじゃなくて、できるものはやっていこうという基本的な思想があるので、その中で、府営公園プールについては、いろんな意味で心身ともに、やっぱりこれを楽しみにしてる人たちもたくさんいますし、僕は開設していこうと、開設するために何が問題になるというのをこれまで、課題をクリアにしてきて開設に至ったということです。
 府営プールにおいても同じように大学生がいろんな、これ、ライフセーバーではないと思うんですけども、監視員です。確保はちょっと大変だったんですけど、その確保のめども何とか立ったということなので、開設する。だから、例年より少し開設時期は、ずれてます。7月23日から、冒頭申し上げましたけども、例年より少し遅めの開始時期ですけど、これは、大学生も含めた監視員の人数の確保ということのめどが立ったのがこの時期になったので、そこから開始をするということです。

新型コロナウイルス感染症対策関連について(1)

記者

  毎日放送、柳瀬です。大阪の最近の感染者の中で、20代、30代と若い人が増えてきている。この現状について、知事としてどのようにお感じになられているか、改めてお伺いしてもよろしいでしょうか。

知事

  これも、うっすらリンクが見えていまして、ある程度原因というのは明らかになっているだろうと思っています。それはやはり、ある意味、若い人たちが集まって、夜の接客を伴うお店であったり、そういった飲み会の場所であったりというところに集まって、そこで感染が広がってきているという状況だと思います。東京ではホストクラブ、埼玉ではキャバクラ、鹿児島ではショーパブというところでクラスターが出ているという報道もなされてますし、大阪ではミナミのバーというのも、これはクラスター化しているということも、ここは抑え込みましたけども、ただ、やはりそういった同じような業態の中で広がってきているというふうには思ってます。
 そこから、それが理由で、特に感染者については20代、30代が圧倒的に多いという状況。多分8割、9割ぐらいは20代、30代だと思います。ただ、20代、30代が増えてきたら、そこではやっぱり同居する家族がいたり、その人が会社員であれば、職場に行けば先輩もいるし、そこからどんどん年配の方に広がってきて、やっぱり危険なのは高齢者にたどり着く。高齢者に感染が広がってくると、重篤化しやすい、命を落としやすいというウイルスでもありますから、そういった意味では、20代、30代は軽症とか無症状が非常に今は多いんですけども、そして業態としてはやっぱりキャバクラ、ホストクラブ、そういった夜の町の、夜の町を一くくりにするのは僕もちょっとどうかと思うんですけど、よく言われる夜の町関連での感染が大阪でも広がってきているというのが現状だろうと思います。
 リンクがはっきり見えてるやつだけリンクあり、感染経路明確ということでやりますが、感染経路不明の中でもそういった、うっすらリンクが見えている人は多くいますし、東京で陽性の方と接したという方も複数名、出てきていると。大阪はそこまで数が多くない中でも、東京での陽性者の方とどうも接しているという方も出てきているので、そういった意味では、東京で新宿、池袋のホストクラブとかそういう夜の街関連で広がってきているという報道もされてますけども、大阪の皆さんも、東京に行くことはやめてくださいと一切僕は言いませんが、東京に行ったとしても、そういったところの夜の街関連は非常に気をつけていただきたいと思います。大阪においても、やっぱり同種のそういった業態はあるわけなので、そこにぜひ気をつけていただきたいなというふうに思っています。感染の広がりとしてはそこから広がってきているので、ある意味、震源地は明らかだと僕は思っています。だから、早い段階でその震源地を抑え込む。今は、一生懸命、濃厚接触者とかつながりを拾いながら、一つ一つ潰していっているという現状です。

記者

 東京なんかでは、夜の街の関連で、一部に関しては休業要請を出すみたいなお願いを豊島区なんかはしていたりもしますが、大阪でそういった夜の街、今、黄色には点灯はしていないですけれども、そういったところで今後感染が増えてきた場合に、警戒信号がともらなくても休業要請を出すような考えは今の段階でおありでしょうか。

知事

 いや、大阪モデルというのは何のためにつくっているかというと、ある意味、ブラックボックスの中で政治家がさじ加減一つで判断すると。いろんな指標はあるにしてもね。そういうのはできるだけやっぱり避けなきゃいけないということと、感染拡大防止と、そして社会活動を営むというのを両立させるためには、何らかの基準が必要だろうというふうには思います。その基準がなかったら、ちょっとでも増えたら、おっしゃるような質問の休業要請をかけるべきじゃないかとか、10人から20人になったから、これは危ないんじゃないかというので、結局、府民の皆さんが今どこにいるかが分からないというのが一番僕は問題だと思っています。その道しるべをつくるのがまさに僕は政治、行政の役割だと思っているので、大阪モデルの入り口指標というのをつくりました。
 入り口指標においては、感染の何が我々として許容できないリスクかと、注意しなきゃいけないものかというのを明確にする。一つは、感染が急拡大しているこのカーブにあるような感染拡大の傾向が見られるというとき、このときは黄色のランプをつけますし、それが伸びていって、このままいけば医療崩壊するよというようなときについては、これは赤のランプをつける、赤の信号をつけるという判断をしました。黄色の信号がついたときには、こういった休業要請があり得ます、こういった行動自粛のお願いがありますとか、いろんなこともあらかじめ明記をして、赤の場合も明記をしています。ですので、黄色の信号がともっていない段階で休業要請をかけるということはありません。
 でも、対策をしないという意味ではないので、やはり、今、震源地が見えてきていますので、ホストクラブ、キャバクラ、ショーパブ、そういったところでの夜の街関連で、若い人たちの中で広がりつつあるというのは見えているので、震源地が見えている以上、それに対する防止策というのはやっぱり取っていかなきゃいけない、呼びかけというのはしていかなきゃいけないなと思っていますが、休業要請を、じゃ、直ちにお願いしますということは、これは現時点ではやらないです。

記者

 ありがとうございました。
 あと1点、黄色の警戒信号がともったときに、休業要請をかける一つの目安として、感染防止の対策をしているかどうかのステッカーを貼っているかどうかだというふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、今日の9時ぐらいまでの時点で2,800件と、かなり低調だというふうに府のほうはおっしゃっていましたが、その辺りの課題はどのようにお感じでしょうか。

知事

 二つあって、一つは、大阪コロナ追跡システムについては、これは感染もある程度出ているとき、僕自身も発信もして、これは、それもまだまだとはいえ、約2万件の事業者に導入をしてもらって、そして60万人の方にメール登録なんかもしてもらっているということで、これも完璧ではないけども、そういう追跡システムという仕組みとしてはかなり広がってきているかなと思っています。
 ただ、感染防止ステッカー、いわゆる感染防止対策をしていますよ、マニュアルに沿って対策を取っていますよというのをお店に宣言してもらって、そういうステッカーを発行するということについては、やっぱりまだまだ浸透してないなということは我々も認識をしています。ちょっとこれに対する発信が不十分だというのがあると思いますし、ちょっとタイミングもずれましたので、そういった意味で、なかなか今広がってきてないなというのはありますが、この感染防止対策を取っている店とそうじゃないお店を一緒に扱うというのは僕は違うと思いますし、やっぱり感染防止策を取っていますよというのを宣言するお店については1店舗ずつこういうステッカーを発行しますので、ぜひそういったお店の皆さんはこの感染防止ステッカーをご利用いただきたいなと思います。
 黄色のステージに、黄色の信号がついてしまったときに、これはどうしても、例えば府民の皆さんに外出の自粛をお願いしなきゃいけないねというところにおいても、クラスターが発生していて感染防止の対策を取っていないところ、だから、この宣言をしていないところには、外出自粛をお願いしますと、そういう方向性を示しますということは、これは事前に明示しているとおりなので、店舗の皆さんについては、しっかりと感染対策を取るという意味で、この感染防止宣言をぜひしていただきたいなと、これは広めていきたいなとは思います。
 決して、感染防止宣言をしないから何か懲罰的に休業要請をしたいとか、そういう意図があるわけではありませんが、ただ、やっぱり感染防止宣言とか感染防止対策を取っているお店が一方で真面目にいながら、同じ業態でも、そうじゃないお店がいて、そこで広がっているということであれば、やっぱりそこに対して区別をして、取っていないところに、我々としても、利用を控えてくださいだとか、あるいは、その他の何か策というか、これはちょっとまだ明確なものがあるわけではありませんが、そういったことをしていくというのは、僕は必要なんじゃないかなとは思っています。

休業要請外支援金関連について

記者

 日刊工業新聞の大川です。
 昨日で新型コロナの休業要請外支援金の締切りがあったと思うんですけれども、現時点でのこの申請件数ですとか支給総額の見込みについて教えてください。

知事

 休業要請外支援金につきましては、ウェブの申請が約10万5,000件ありました。そして、書類の到着が約9万3,000件。書類の到着がないと審査が始まりませんので、この書類の到着をもって、ある意味正式な申請にはなるんですけども、9万3,000件のうち支給が決定しているのが2万1,000件です。ですので、現時点で約22%の支給が決定しているという状況です。ちなみに休業要請支援金につきましては5万5,000件の書類の申請がありまして、4万3,000件の支給決定になっています。これは比率にしたら約80%、その申請になった中で、これはちょっと対象外ですよという方も、確定している人、不支給決定が出ているというのも約10%ありますから、そういった意味で、休業要請支援金については90%以上が処理済みということです。一部で、どうしても書類のやり取りというのが残っているのがありますが、休業要請支援金については90%以上が処理というか決定済みで、休業要請外支援金については22%という状況です。これについてもできるだけスピード感を持って進めていきたいと思います。

記者

 ありがとうございます。改めてこの10万5,000件という件数についてどう思われるか、教えてください。

知事

 予想していたよりは多いです。特に何が多いかというと、法人と個人でそれぞれ、いろいろな資料を基に予算化していったわけですけど、法人はほぼ想定どおりですけど、個人の分が、我々の予想を超える倍ぐらいの申請があります。当初想定した倍ぐらいの個人事業主の方がいらっしゃる。これは経済資料であったり、そういったもので整理をしたわけですけども、やはり個人事業主の方で、非常に経済的にも厳しい状況になっている方が多いということと、もう一つはやはり、ここはちょっと多分審査が長引くかなとは思うんですけども、その人が、例えば英会話の外国人講師とか、一人一人で申請はされてるんですけども、個人事業主として、でも、実は会社の中で実質雇用されてて、本来であればその会社が休業要請とか休業要請外支援金の対象になるところを、ある意味個人個人でやってると、個人事業主として、給与形態はほぼ従業員なんですけど、それを個人事業主だと、申請者の方は判断をして申請してきていると。それはやっぱり、実際は従業員であれば、これ支給対象外になるわけなので、ちょっとそこは審査、そこの数が多いということと、ここは審査がちょっと難航するかなというふうには思ってます。
 よく報道でもありますけども、実は従業員なのに、個人事業主みたいな扱いをされておかしいじゃないかみたいな報道があるときもあると思いますけども、その裏バージョンですね。実際、従業員なのに、これは個人事業主だよということで申請されてくるというところについての審査ということを、ちょっと今、そこはちょっと時間がかかりそうだというふうには思っています。そういった意味で、どこまでが個人事業主なんだろうというのでも、予想より超えている、その件数がどのぐらいかというのは分からないんですけども、部局から話を聞くと、そういうところで非常に増えている傾向にあるというふうに聞いてます。

記者

 今おっしゃったその英会話講師の例なんかは対象外になる見通しですか。

知事

 その英会話講師が従業員、社員であれば対象外です。ただ、その人がフリーランスの英会話講師であれば対象になるということで、ちょっとそこが、単に英会話講師というだけでくくれないんですけど、そういった形態が結構たくさんあるということです。

記者

 ありがとうございます。

知事

 その実態を見ていかなきゃいけなかったりもするので、ちょっと審査が、時間がかかりそうだというふうにも聞いてます。

記者

 ありがとうございます。

梅雨前線による大雨関連について

記者

 別件で、大雨についてなんですけれども、家屋への被害、大阪ではないということだったんですが、事業所、企業への、何か一部損壊だとか、そういった情報はありますでしょうか。

知事

 道路通行止め等は聞いてますが、現時点で僕のところには家屋、住家の被害はないとは聞いてますが、情報は常に整理してますので、最新の情報あったらちょっと教えてもらっていいですか。

 職員 

 はい、危機管理室です。
 住家については、今のところ市町村からの報告は上がってきておりません。

知事

 ということのようです。

記者

 ありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症対策関連について(2)

記者

 ABCの内田です。
 政府のコロナ分科会が一昨日開かれて、イベントについて、明後日の10日から5,000人規模のイベントを開催することについて了承したんですが、これについての受け止めと、東京で感染者が100人超えとかが続いている中で、この決定というのは問題ないと思われますでしょうか。

知事

 5,000人を認めるということでも、現状では50%の収容枠を空けるということなので、密を避けるという意味では、僕はその判断としては合理性があるんじゃないかなというふうには思っています。それと大事なのは、人数もそうですけども、陽性者が出たときにちゃんと抑え込む、囲い込めるかというのが非常に重要だろうと思います。ですので、5,000人規模だから5,000人全員が感染するわけではないので、特にイベントによっても、例えば、きちんと、さっき50%の収容能力以内ということなので、人と人との距離を空けるということですから、そういった意味で極端に感染が広がるということはないんじゃないかとは思ってます。仮に、どこにウイルス潜んでいるか分かりませんので、陽性者は、これは出るということは想定しなきゃいけませんが、出たときに、その人から聞き取りをして、どのイベントに参加していました、その人がどの辺に座っていましたというので、把握がある程度できたり囲い込みができたら、僕はこの対策を取っていけると思うので、囲い込みのほうが大切なんじゃないかなとは思っています。一定程度、密を避けながらイベントを、5,000人以上のイベントをすると、そういう意味で、いろんなスポーツの観戦なんかも、枠を開けながら観戦が始まるということは、社会をできるだけ元に戻していくと、段階を踏みながらという意味では僕は合理的な手法じゃないかなとは思っています。
 東京も100人以上出ていますけども、東京の人口は1,300万人なので、そういった意味で100人出ているので全てのイベントをやめましょうというのもちょっと違うかなとは思っています。

記者

 毎日新聞の石川です。
 修正版の大阪モデルについてお伺いします。
 先週末に行われたコロナ対策本部会議で、健康医療部の藤井部長が今回の修正版の大阪モデルについて、早期探知機能としてはかなりその機能を損なわれているというような発言がありました。吉村知事はこの健康医療部長の考え方に、基本的に大阪モデルの捉え方というのは同じなのか、異なる考えをされているのか、お聞かせください。

知事

 早期探知機能があればあるほど僕はいいと思っています。ただ、そこに対する正確性の問題があると思います。このウイルスの特徴が早期探知をしづらいというウイルスの特徴があります。つまり、このウイルスは潜伏期間が長いですから無症状でも人に広めるということで、感染してから症状が出て行政が把握するまで大体2週間ぐらいかかると言われていますので、そういった意味では、早期探知機能を非常に把握しづらい、つまり単にそれはクラスターによって発生しているだけなのか、あるいは感染拡大の波が生じているのかを把握するのが非常に難しいウイルスだと思っています。
 ですので、健康医療部長のその言葉、単語だけを捉えたら、早期探知機能がより正確に把握できるのであれば僕はどんどんやっていくべきだと思いますけども、早期探知機能を図ろうとすればするほど、不正確な判断をしなければならないということにつながるということです。これは藤井部長も認識しているところだと思います。
 例えば5人、10人出てきたときに、これは将来右肩上がりになる波というのをその段階で読めれば、これはもう僕、5人、10人でも右肩上がりになりますと府民の皆さんに発信をしますが、でも、5人、10人の段階では、それがクラスターなのか、あるいは右肩上がりなのか、これはなかなか分からないわけです。
 前回の大阪モデルの案というのは、これは出口部分とか大分やりましたけど、入り口部分とかはやっぱり粗削りなところもあって、そういった意味では、ある意味5人、10人でこれは何で増えているか分からないけども、黄色ランプがつきやすい状況になっていた、ある意味不正確な大阪モデルだったと僕は思っています。
 不正確というのは何が不正確かというと、いわゆる波をキャッチするという意味では不正確な大阪モデルだったと思うので、それを修正したということです。新しい大阪モデルでもちゃんと把握できるのかといったら、新しい大阪モデルでもかなり厳しい基準なので、国の基準よりも厳しいですし、そこで本当に「正確に波を把握できるのか」と問い詰められれば「正確に把握できるわけではありません」という答えしかないけども、ただ、今の状況の中ではいろんな専門家の意見を踏まえて考えたときに、これは波をキャッチするのはこのぐらいの数字で、このぐらいの角度がついているときには、どうもこれは大阪の医療キャパを考えても波になっていると判断すべきだという数式ができたと思っていますので、早期探知機能が失われたとは僕は思っていないです。藤井部長も思っていないと僕は思います。ただそれは正確なという意味でね、できるだけ正確なという意味では。

記者

 修正版の大阪モデルで過去の事例に当てはめると、黄色信号がともるのが4月に入って以降という形になります。そうしますと、3月下旬頃というと吉村
知事
が大阪の状況なんかも見ながら政府に対して、早く緊急事態宣言を出すべきだと繰り返しにわたって要求されていた時期なわけですけれども、今の医療体制とそれから早期キャッチの正確性という観点からいくと、あの3月下旬というのもまだ感染拡大の兆候が現れていなかった時期、あるいは感染拡大がまだそう言い切るには不正確になる可能性があった時期だとお考えでしょうか。

知事

 不正確になる時期はあったと思います。3月下旬といえば、あのときは10名前後で推移していたときだと思いますので、今から振り返ったらあのときというのは誰でも言えるし、後出しじゃんけんをやろうと思ったら誰でも言えるわけですけども、あの段階で指標を出すべきだったというのは、これはちょっと後出しの理屈になるだろうなとは思いますし、あれはあの後上がっていったから分かりやすかったですけど、あれはあのまま下がっていけば、単にオオカミが来たぞという信号を出すだけになるので、そのオオカミが来たぞ信号を繰り返したら、その基準自体が本当に正しいのという話になりますから、そういった意味では、オオカミが来たぞ信号にならない、そしてできるだけ今の医療のキャパシティー、検査能力に合った基準が必要だろうということです。
 少なくとも3月下旬とかあの頃と今と比べたら、やはり第1波を経験したというのもありますから、医療の体制、キャパ、能力、それから社会における警戒度というのも非常に高まってきていると思うので、当時とは僕は全然状況が違うだろうなと思っています。今の大阪府におけるいろんな医療耐性、社会体制を含めて考えた上で、それをどうも乗り越えるぐらいの感染拡大が起こりそうだという基準をつくったということです。だから3月とは全然状況が違うと僕自身は思っています。

記者

  ありがとうございます。

 職員 

 次のご質問をお願いいたします。ほかによろしいでしょうか。
 それではこれで終了させていただきます。ありがとうございました。

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府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

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