令和2年(2020年)6月17日 知事記者会見内容

更新日:2020年6月19日

記者会見項目

  • ワクチン開発について
  • 休業要請外支援金について
  • 休業要請支援金(府・市町村共同支援金)について
  • 大阪北部地震について
  • 質疑応答

 職員

 ただいまから知事の記者会見を始めさせていただきます。
 最初に、知事からお願いいたします。

ワクチン開発について  ※この項目で使用した資料についてはこちら

知事

 僕からは2点です。
 まず1点目は、新型コロナウイルスのワクチンについてです。
 日本産、そして大阪産の新型コロナのワクチンの開発をこの間進めてまいりましたが、6月30日、今月末に人への投与、治験を実施いたします。これは全国で初になると思います。
 このワクチンというのは、コロナの治療の最前線で当たってらっしゃるお医者さん、今ワクチンがない中で、ある意味防護服一つで命を守るために治療をやってらっしゃるお医者さん、それから、重症化しやすい方に投与することで命を守ることができるのではないかというふうに言われておりまして、全国でワクチン競争、全国というか、世界でワクチンの開発というのが今進んでいるところです。
 そんな中、大阪においては、非常に医学のレベルというのが高いということで、大阪府、それから大阪市、それから大阪大学、そして大阪市立大学、そして大阪府、市が持っている病院が4月14日に協定を結びました。オール大阪で、それぞれの枠を取って、何とかワクチンを開発していこうと、そして実用化していこうと、これはオール大阪でやっていこうという協定を結んで、この間進めてまいりました。動物実験等々も経まして、6月30日に阪大のワクチンを市大で治験をすると。6月30日に、現実に人に投与すると。最初は医療関係者になると思いますが、ということを実施いたします。その発表です。
 新型コロナとの闘いはやはり治療薬とワクチンが非常に重要になってきます。その第一歩を、全国初になりますけども、第一歩を大阪で踏み出すことができたと。そして、これを何とか量産して、実用化して、府民の皆さん、それから国民の皆さんの命を守れる、そういったワクチンをぜひ実現したいと思っています。
 スケジュールですけども、今、大阪大学の森下教授が中心になって進められているワクチンです。これはDNAワクチンと申しまして、新型コロナウイルスを不活化させて、不活化というのはちょっと弱らせてやるというワクチンじゃなくて、そのDNAを組み込んだワクチン、ワクチンの種類としては非常に安全な部類に入ります。
 まずは予定ですけども、そもそも3月に開発着手していますが、既に完成をしています。そして、4月に連携協定を結びまして、動物実験等をこの間やってまいりました。現実に、その動物実験で安全性も確認いたしましたので、今月末に市大の医学部附属病院の医療従事者に、まずは20例から30例の投与をいたします。する予定です。
 そして10月には、安全性を確認した上ですけども、10月には、これを数百名程度の規模に拡大していきます。対象者を拡大します。そして、今年中には10万から20万の単位での製造というのが可能になります。ただ、これを現実に、治験という手続でありますので、現実にこれを一般のワクチンとして投与するためには国の認可というのが必要になります。国の認可を得るというのが来年のおそらく春から秋にかけてということになりますので、この来年の春から、いわゆる一般投与としての実用化というのをここで目指していきたいと思っています。10月の対象者の範囲の段階で数百の単位、四、五百ぐらいの単位だというふうに聞いています。現実に実用化を目指すとなれば、これは数百万の単位でのワクチンの開発が可能という報告も受けています。
 今、国内においては、この大阪のワクチン以外でも、様々なところで幾つかのワクチン開発が進んでいると思いますが、何とか日本の、国産のワクチンを開発して、日本における新型コロナウイルスとの闘いというのを大きく反転攻勢させていきたいと思います。6月30日は人への投与という意味で初めて実施することになりますが、そこから皮切りに、このワクチンをぜひ大阪で実現させたいと思っています。そのためにオール大阪で取り組んでいきます。これが1点目です。

休業要請外支援金について  ※この項目で使用した資料についてはこちら

 2点目です。休業要請支援金と休業要請外支援金についてです。
 まず休業要請外支援金についてですが、これは休業要請の対象外の皆さん、事業者の皆さん、非常に経営が厳しくなっている皆さんを支えていこうという意味での大阪府独自の給付金制度を作りました。5月末から受付を開始いたしまして、今回、6月18日、明日から支給を開始いたします。第1回目の支給としては3,200件で、支給総額は12億円になります。
 まず、6月18日から第1回目の支給ですけれども、やはり早くお手元に届けるのが重要だと思っていますので、スピード感を持って迅速に審査と支援を進めていきたいと思います。そして、この申請の期限が6月30日までですので、今月末までです。ですので、休業要請外支援金の対象の方は6月末までにぜひ申請をよろしくお願いします。
 それから、特例として、こっちは休業要請支援金のほうです。休業要請支援金、休業をお願いしたほうの支援金ですが、そこの対象外になって、いわゆる不支給の通知を受けた方については、この休業要請外の支援金の対象になる方がいらっしゃいます。
 例えばですけども、休業要請の対象にはなっていたけれども、本社が大阪府外にある方、ただ、事業所は府内にあるような方については、これは休業要請外支援金の対象になりますので、休業要請支援金の対象をしても、それは対象になりませんから、不支給の通知が行きます。ただ、不支給の通知が行くときに、同封して、休業要請外支援金もこれは手続として可能ですというのをお知らせすることにしていますが、そういった方はこの休業要請外支援金で、特例として不支給の決定の通知を受けた日から20日以内であれば6月30日を過ぎても受付をいたしますので、ぜひ申請をしていただければというふうに思います。
 それ以外でいうと、例えば営業時間の短縮の要請をしていない食料提供事業の事業主であったり、あるいはNPO法人とか一般社団法人なんかも休業要請外支援金の対象にはなりますから、ここはぜひ申請をしていただけたらというふうに思います。

休業要請支援金(府・市町村共同支援金)について  ※この項目で使用した資料についてはこちら

 引き続いてです、休業要請支援金についてですが、これについてはウェブ登録をされた方が6万4,000件で、そして、必要な申請書類を送っていただいた方が5万3,000件になります。この申請書類がないと、これは当然、審査できませんので、対象から外れることになってしまいます。この申請書類の提出期限は6月20日までとしましたので、この20日の当日消印有効ですから、まだ申請書類を送られていない方は、6月20日が延長した締切り期限ですので、ぜひ書類の提出をお願いしたいと思います。
 現在、申請書、到着を確認できているのが6万4,000件のうち5万3,000件の確認ができています。5万3,000件について審査をさせていただいていますが、現在、支給決定しているのが3万1,000件です。ですので、支給決定率としては60%です。休業要請支援金につきましては、4月、本当にぎりぎり、末で始めまして、そして5月12日から順次支給を開始していますが、現在のところ、支給率というのは約60%している状況です。これも期限があるので、できるだけ急いでいただけたらというふうに思います。

大阪北部地震について  

 それから、最後ですけども、明日、6月18日が大阪北部地震から2年になります。改めてお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災された皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
 明日ですけれども、北部地震から2年ということで、まず、大阪府庁の幹部間においては、同時刻に発生したものと想定をしまして、LINE WORKSを使った情報共有の訓練をいたします。それから、危機管理室においては、いわゆる3密を回避した上での災害対策本部の設営の訓練を行います。災害に強いまちづくりというのを実現していきたいと思います。
 府民の皆さんにおかれましても、明日で北部地震、2年ということで、災害に対する意識、防災意識を、ぜひまた強化をお願いしたいと思います。
 僕からは以上です。

質疑応答

 職員

 それでは、ご質問をお受けいたします。質問のある方は挙手をお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症関連について(1)

記者

 朝日放送の中村と申します。
 明後日で県外をまたいだ移動というのが可能になりますが、その受け止めをお願いできますでしょうか。

知事

 明後日から県外をまたいだ移動が、これは国の方針ですけど、そういう制約がなくなると。観光においても、県外の観光も徐々に解消していってもいいというのが、これは国の判断です。
 この間、やはりコロナの影響で、どうしても社会経済活動というのを大きく抑えて、そしてそれも非常に副作用というか、犠牲というか、それが非常に多く出てきているところです。ただ、そういった皆さんのご協力もあって、大きな新型コロナの第2波は。第2波というか、ヨーロッパから入ってきた3月、4月、5月の波は抑えることができたと思っています。これからはやはりウイルスを抑えながら、ウイルスと共存する道というのを歩んでいかなきゃいけないと思っています。なので、明後日から様々な県外の移動というのが、ある意味、自由ということにもなりますが、ウイルスはゼロではないので、感染症対策を取っていただいた上で、やはり社会経済活動を戻していきましょうということを、ぜひ皆さんにも訴えていきたいなと思います。
 その皮切りとしまして、明後日、6月19日から「大阪いらっしゃいキャンペーン」というのを実施いたします。これは昨日発表しましたとおりです。大阪の皆さん、それから関西の皆さんに、大阪にぜひお越しをいただいて、ホテルとか旅館に泊まっていただこうと、泊まっていただいた場合には1人2,500円のキャッシュバックをして、またそれをいろんなお買物とか飲食で使っていただいていただこうということを開始いたします。それで全てが賄えるとは思ってませんが、そういったことをやりながら、徐々にこれは社会経済活動というのはやっぱり戻していこうよ、感染症もあるけれどもそっちも戻していこうよというふうになるように徐々に広げていきたいと思ってます。

記者

 県外の移動は可能になるということなんですけども、感染者の数に影響するというふうには思われてますでしょうか。

知事

 県外の移動そのものが感染者の数に直結する可能性は極めて低いんじゃないかなと僕は思っています。というよりは、県外の移動そのもの、もちろん家にいるのが一番感染症対策にはなるわけですけど、さっき申し上げたように、ずっと家にいて移動しないとなると社会経済が成り立たなくなるので、やっぱりこれは外で活動することになる。外で活動する上でもやっぱり移動というか、やはり3密のような状態で、危険なウイルスが広がりやすい状態というのは分かってきているので、県外へ行った先でそういったところに行くとこれは広がりやすくなりますし、移動というよりはその先で何をするのかというのが僕は重要じゃないかなとは思っています。ですので、移動そのものについては例えば飛行機とか新幹線とか電車ということになると思いますが、もちろんそれでも接触はするんですけども、ただそれが特別危険性が高い行為とは僕は思ってはいません。むしろ現地あるいは目的地先で何か大声で騒いだ飲み会をするだとか、そういったことをマスクなしでやるだとか、そっち側のほうがやっぱり広がりやすいんじゃないかなと、コロナに関しては。今の段階ではそういうふうに思ってます。もちろん、ゼロリスクを目指せば、移動しないほうがいいとは思いますけれども、やっぱり今の段階においては第1波のいろんな波を、第1波の大きな波を抑えて、いろんな経験、知識も一定程度積み重なってきている、そしてまた社会経済へのダメージがものすごく大きくなってきている現状に鑑みたら、そっち側のゼロリスクを目指すんじゃなくて、警戒しながら移動もすれば対策は取れるんじゃないかなと思っています。だから、電車の中でマスクをするとか、大きな声でぺちゃくちゃおしゃべりしないとか、そのこと自体に、移動そのものにそんなにリスクがあるわけではないんじゃないかなとは思ってます。ただ、海外から入ってくるのは別ですよ、やっぱり。今、日本である程度抑えられている状況の中で動くのと、海外の流行地から入ってくるのは全く別の話なので、海外から入ってくる分はやっぱりこれはかなりケアしなきゃいけないけど、今の日本国内において国内の県を移動するということをそこまでリスクと考えなくてもいいんじゃないかな。例えば和歌山と大阪の移動だとか、大阪と福岡に行くだとか。東京でも確かに出てますけども、ただあれは夜の街のクラスターの影響がかなり大きいだろうなと思ってますので。その意味ではゼロリスクを目指さないということと、そして移動そのものにそこまでリスクがあるかと思えば、ちゃんと移動する中でマスクをつけたり対策を取れば、僕は移動そのものにそんなにリスクがあると思ってないです。

記者

 ありがとうございます。
 また、昨日、感染者3人、26日ぶりに出てますけども、これについてはどういうふうに見られてますでしょうか。

知事

 今、保健所のほうでその3名についてのいわゆる疫学調査、クラスター調査というのをやってるところです。もちろんこれはウイルスはゼロにはなってないので、大阪ではこれからも出てくると思います。今回、昨日の3名でいくと、その2日前に判明した方と同じ飲食店を利用してたという、友人ではないけど同じ飲食店を利用してたというのもちょっと聞いてますので、そういった疫学調査をして、その周りの関係者の方をどんどんお知らせをして、検査をして囲い込むということをもうこれは常にやり続けるしかないんじゃないのかなというふうに思っています。なので、専門家会議でも出ましたけど、クラスター対策というのはものすごく有効だということが分かってますから、これから陽性者も3人、5人、10人と出てくるとは思いますが、その都度クラスター対策で次の波にならないように抑え込むということをやっていきたいと思います。ただそれが5人、10人となったときに、じゃあやっぱりこれは危険だから、もう皆さん外出自粛してくださいとか、そうならないで済むようにきちんとしたクラスター対策と検査の充実というのはやっていきたいと思います。
 それからもっと言えば、今月中にまとめますけど、大阪府におけるコロナの戦略ですね。第2波に備えた戦略というのを今まとめてる最中ですから、そこできっちり方向性を示していきたいなと思います。だから、府民の皆さんにもやっぱきちんとお伝えしなきゃいけないのが、ウイルスはゼロにはなってないから、これからも感染者は出ますということ、これはきちんとお伝えしなきゃいけないと思ってます。その中で危険として許容できない感染というのはどうなのかというのをきちんと大阪府で定義していきたいと思います。

記者

 ありがとうございました。

ワクチン開発関連について(1)

記者

 読売新聞の太田です。
 新型コロナウイルスの予防ワクチンに関してなんですけども、4月に知事は早ければ9月の実用化を目指すとおっしゃいましたけども、この示された日程感がちょっと違ってくるかなと思うんですが、この日程感を見て遅いとお考えなのか、それとも妥当とお考えなのか、いかがですか。

知事

 僕自身は妥当だと、妥当というか、かなり早いというふうに思ってます。もちろん僕自身も秋頃に実用化を目指すと申し上げましたが、その実用化というのは広く国民の皆さん、市民の皆さん、府民の皆さんに厚労省の認可を得てやる実用化という、そういう意味ではなくて、ある意味数千とか数百単位で現場で戦う医療従事者の方にワクチンが打てる状態にするということを僕は実用化というふうに言ってたわけなので、そこはちょっと誤解があれば、きちんと僕もそういう趣旨でお伝えしてるわけです。そういった意味では予定どおり進んでますし、6月中に第1回目の人への投与ができると。もともと7月を予定していましたが、6月中にできるということは、まさにスピード感を持って、今、進めることができていると思っています。
 それから、この10月の対象者、数百名単位での治験。治験という形での実施になりますが、それは医療従事者に限るのか、あるいはそれ以外の方にするのかということについては、病院と相談をしながら進めていきたいと思っています。あくまでも治験という枠組みで実施するわけですけども、国が許可しない限りは、治験という枠組み、許可というか、人に投与するのも許可を受けてやるわけですけど、実用化としての、だから、一般に投与、自由に、例えばお金を払ったら投与が受けられるという、そういう意味での実用化。数百万レベルの単位になってくると思いますけども、数百万、数のね、数百万単位になってくると思いますけど、そうじゃない、あくまでも治験という枠内でやると。ただ、治験という枠内でも、かなりの大規模に進めていこうというのが今の進め方でして、一つは、医療従事者がまず最優先にはなると思いますが、医療従事者以外の方に広げるのかどうなのかということは、ちょっと病院とも相談して、あるいは大学とも相談をしながら進めていきたいと思っています。
 ですので、年内には20万人分ぐらいのワクチンを製造する力はありますけども、それを、対象者をどうするのとか、そもそも国の許可を待ってから打ったほうがいいのかとか、そこら辺のちょっと実務的な手続があるので何とも言えませんが、できるだけ早く、やっぱり進めていく必要が僕はあるだろうとは思っています。

記者

 ちょっと話題が変わって恐縮なんですが、先ほどの質問の中で、昨日の感染者の3人のうちの1人が、その前に見つかった感染者の方と同じ飲食店を利用していたと先ほどおっしゃいましたけども、この飲食店というのはコロナ追跡システムか何かを導入されていたんですか。

知事

 これは、まだそこまでは判明していないので、現在、保健所において調査中の状況です。濃厚接触者の定義にも入ってきていないですが、どうもこれは同じ店を利用しているらしいというぐらいの状況です。

記者

 すみません。ありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症関連について(2)

記者


 産経新聞、井上です。
 幾つか伺いたいんですけれども、まず、なみはや病院の事例を踏まえて、院内感染対策について、各病院でPCR検査を検討しているというふうにおっしゃっていたかと思うんですけれども、その進捗状況についてお願いします。

知事

 いや、各病院でPCR検査というのを、その病院でそもそもできるのかという問題はあるだろうとは思っています。ですので、その辺りも、この専門家会議を踏まえて、大阪の戦略の中に組み込んでいきたいと思っています。だって、大阪府の病院、府内の病院だけで500も病院があるわけですので、じゃ、500の病院の中で、全て一個一個病院の中にPCR検査機を置いて、そこに検査技師さんを置いて、そこで検査できるのかというと、ちょっとハードルが高い部分はあります。だから、そこは、現実にそれができるのかという問題がそもそもあろうかと思います。クリニックにおいては、大阪府には1万クリニックありますから。ただ、入院がある病院としては約500。500の病院としても、やっぱりそれぞれのレベルというか、それが全く違うので、全てというのは難しいだろうなと思っています。
 ただ、これはやっぱり大阪の戦略をどうするかにも関わってきていて、大阪府の戦略が、例えば、今までみたいに全員に感染しないようにするというような、今、国が取っているような方針でいくのか、あるいはコロナ弱者と言われるような層というのを、ある意味ターゲットを絞って、そこを守る戦略でいくのか、ここは一つ大きな分かれ目だと思っています。そこの辺りを、専門家会議も踏まえて、大阪の第2波の戦略として詰めていきたいとは思っています。
 もし、コロナ弱者と呼ばれる方を守ろうということになるのであれば、例えば、お亡くなりになられている方はほとんど高齢者なので、70歳以上の高齢者の方が多いと。そして、大阪の分析では、医療機関、院内感染でなられた方が、非常に、約半分弱を占めるという状況。だとすると、やっぱり院内感染を防ぐというのが、コロナ弱者と言われる、コロナ弱者の皆さんを守ることになるので。
 じゃ、院内感染を防ぐために何が要るかというと、いろんな、今、応援施策をやっていますけども、それぞれの病院での検査体制、それはお医者さんもそうだし、出入り業者もそうですし、看護師さんもそうだし、いろんな方が関係者としているわけですけど、広くみんな府民全員というわけにはいかないけども、そっち側のほうにいわゆる検査体制を強化していきましょうよと。検査の資源、増やしていっていますけど、限りある資源をどこに集中投下するか。広く満遍なくいくのか、そっち側に集中投下するのか。こっち側に集中投下するということは、こっち側が手薄になるわけですから、これはちゃんと府民にも言わなきゃいけない話になると思います。だから、そこが、そういう意味では戦略だと思っています。
 じゃ、こちらのほうに集中投下していくのであれば、それぞれの病院で、何か迅速に検査できる体制というのを整えられないかというのは、今、実務方と協議をしている最中です。ですので、だから、500ある全ての病院に、一個一個に、PCR検査が全部その病院ごとにできるというのはなかなか難しいかもしれませんが、それに、目標として、医療機関の院内感染を防ぐということであれば非常に検査というのは重要な手段になってくるので、何かそれ以外の方法でできないかだとか、いろいろ今、考えているところです。6月中にはその方針は確定させていきます。
 そもそも、コロナ弱者と言われるような方を守るような、そこに集中して守るようなスタイルでいくのか、そうじゃなくて、いわゆる未成年とか、就学、学校に通っている子どもたちも同じようにするという話でいくのか、ちょっとそこは大きな方向性にもなってくると思うので、その方向性が定まれば、じゃ、手段として、戦術になるんですけど、その後は、大阪府の戦略をまとめたら、その対応策として、具体にさっきおっしゃったようなことをどこまでできるかというのを追求していく。今はまだその大阪の大きな戦略というのが、第2波に備えた戦略というのは策定中なので、それを今月中には確定させていきたいと思います。今週中か来週の頭ぐらいには、もう一度、専門家会議を開いて、その方向性を議論していきたいと思います。最後は府の本部会議で決定をしていきます。

記者

 もう1点なんですけれども、専門家による病院スタッフへの研修についても先日言及があったかと思うんですけれども、研修の内容とか方法については何かイメージというのはあるんでしょうか。

知事

 これについては、大きな病院、それから専門家もいらっしゃいますので、院内感染の事例も踏まえて、なみはやの事例なんかも共有をしながら、そういった専門家の、現場の先生、それから疫学の先生、いらっしゃいますから、そういった皆さんに研修をしていただいて、それぞれの病院の関係者にその研修を受けていただいて、そして、その病院ごとの院内感染防止のスキルを高めていくということは実施をしていきたいというふうに思っています。それも、ですので、その戦略の中に組み込んでくるということになろうかとは思います。

記者

 ありがとうございます。

記者

 時事通信の中嶋です。
 同じく第2波に向けた大阪府の戦略に関してなんですけれども、この中で、宿泊施設の活用方針についてどう位置づけるかお聞きしたいと思います。
 具体的には、先日の専門家会議で京大の宮沢先生は、宿泊施設、コロナ弱者に限定して隔離すべしと話していたと思うんですけれども、同日の健康医療部が示した資料では、大体第2波に向けて1,000部屋程度確保するという話がありました。これも再び精査するのかというところを含めて、どう考えているかというのをお願いします。

知事

 逆隔離というか、その方法をどうするかということですけど、70代以上の方の高齢者、日本の高齢者の方の数って非常に多いですし、現実に今、高齢者の皆さんの施設というのはたくさんあって、そこでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。ですので、それが起こるぐらいのオーバーシュート、感染拡大が、市中に、少しでも外に出たら危ないよと言われるような爆発感染拡大が起きたときにどうするのかという議論だと思います。そのときに、自宅でいわゆる待機するというのも一つの方法だと思いますし、そこのシェルターホテルのようなものまで造る必要があるかどうかというのは、ちょっと今の段階では結論も出ていないですし、日本の生活スタイルにおいて、そこまで必要かなという問題意識はちょっとあります。ただ、宮沢先生からも提案がありましたので、それは頭にはありますけども、今の段階で何か現実化させるというところまでには至ってはないです、シェルターホテルについては。
 戦略として高齢者を守るということになったとしたら、その守り方でいろんな議論が出てくると思うので、その中であり得るかも分かりませんが、ちょっと今の段階ですぐ実行するというようなところには来ていないです。

記者

 第2波に備えた必要病床数の考え方という、先日、資料では、1,000部屋程度、宿泊施設を必要としているんですけれども、これは、じゃ、シェルターホテルとかは含めない数字という理解で大丈夫でしょうか。
 専門家会議で、1,000部屋程度、宿泊施設の部屋が必要だという、府のほうの資料で示されたと思うんですが、これは、じゃ、シェルターホテルというのは念頭に置かないで、単純にオーバーシュートに備えたときにはその程度必要だという、そういう考え方ですか。

知事

 そういう考え方です。宿泊施設については、今、1,500確保していましたが、今、ほとんどゼロとかいう状況になっている状態で、病床については増加させていくと。重症病床についても188から215に増加させて、軽症、それから中等症についても、約1,000の病床から1,400まで増加させるという計画。合計、だから、1,600ぐらいに増加させていくわけですけど、プラス、宿泊施設として1,000室を確保すると。
 これは何でそういう数字なのというと、東京で今回起きた波で必要なベッド数。もしそれが、大阪で同じ規模が起きたとしたら、どのぐらいベッドが必要なのかというのを逆算した数字です。
 大阪は、ご存じのとおり、人口規模でいっても、東京が大阪の1.5倍ありますし、経済規模でいっても2倍以上、東京は大阪よりそういう大都市なわけですけど、その大都市で起きたことが大阪でも起きたらどうなるかという、ちょっと多めの見積りをした結果が、そういった意味での1,600、ホテルも入れたら2,600ぐらいの確保になります。ホテルの選出というのは、あくまでも陽性者、無症状者とか軽症の陽性者で、リスクがない、リスクが低い人ですね、持病を持っていないとか、それから若者だとか、そういう方が対象になります。ですので、シェルターホテル、陽性じゃない高齢者の方がいわゆる一時避難するためのシェルターホテルという意味ではなく1,000室を確保します。
 ただ、もしそのシェルターホテルが必要となると、今、ホテルの皆さん、協力していいとおっしゃっている方がたくさんいらっしゃいますので、確保はできるだろうとは思っています。ただ、その必要性がどこまであるのかというのは検証しないといけないだろうなとは思っています。それぞれ皆さん自宅で待機できるわけですし、自宅でいらっしゃれない方は、高齢者の施設というのもかなり日本は充実していますので、それを除いた。あとは、日本の場合は諸外国と違っていわゆる社会保険制度が非常に充実していますから、例えばアメリカとかだったら非常に経済的に厳しい層の人とそうじゃない人の差がものすごくありますけど、日本はそこまで大きな差はないので、そういった意味では、諸外国と比べてどこまで必要かと、そのシェルターホテルのようなものがね。今の生活環境でもかなりそれぞれが整えながらやっているわけなので、そのホテルを造って、現実に皆さんが行かなければ意味もないものになってしまいますし、ちょっとそこは、必要性について要検討だろうなと思っています。ただ、確保は、やろうと思えば、お金さえ積めばいけるんだろうとは思っています。

記者

 ありがとうございます。

ワクチン開発関連について(2)

記者

 読売テレビ、児玉です。
 ワクチンの研究に関してなんですけれども、先週のiPS細胞研究所の山中教授と、あと、市大、京大との連携の中で、締結の発表の中で、山中先生本人もワクチンの開発などしていきたいという話もされていましたが、今回の発表のあったワクチンとのすみ分けだとか、連携だとか、iPS細胞研究所のほうで作っていくワクチンがどういう今後展望なのかとか、考えられていることがあれば教えてください。

知事

 ワクチン開発については、やっぱりそれぞれの研究者、開発者がいらっしゃいますので、それぞれの研究者、開発者を支えていくというのが重要だろうと思っています。そこの学術的な横のつながりというのはちょっと僕も詳細までは分からないですけども、基本的にはそれぞれの研究者、開発者がどんどん自分たちの手段によって進めているというのが日本の現状でもあり、世界の現状でもあるだろうと思っています。その中で、有効なワクチンがどこで作られていくのか。いろんな開発者がいるわけですけども、いかに早く、いかに有効性のあるワクチンを作れるかということを、それぞれの製造者、開発者が切磋琢磨しているということなんだろうと思っています。
 先日の、山中教授と協定を結ばさせていただきました。その中では、まず一つは、やっぱり検査能力の拡大というのが一つ、一番大きなテーマでして、検査能力をあれによって1日600件増加させることができます。フルで回せば1,000件回すことができる大型の高性能の自動機器を山中教授から貸与いただいて、本当に感謝しています。なので、大阪は3,500件、1日3,500件の検査能力を目指していますけども、それに近づいてきた、2,000件はできるようになったという状況です。あとは、検査の質を高めるということを一番大きな重きに置いています。それと、抗体検査です。
 もう一つは、やっぱり山中教授もiPSを使ってワクチンの研究をしたいということなので、その研究に資することができればいいなというふうに思っていますが、具体的に、じゃ、そのワクチンが、何か開発のめどが今ありますかというと、現状、いつまでにこういうふうに治験をしてとかという状況ではないだろうと思っています。

記者

 ありがとうございます。

知事

 やはりワクチンの開発というのは非常に難しいですし、これは世界のどこの製薬会社、それから研究者も、しのぎを削っている分野なので、一朝一夕にはいかないだろうというふうには思っています。
 今回のDNAワクチンも非常に安全性は高いですし、僕もこれに大きく期待はしています。ただ、これからの部分もやっぱりあります。今、治験をやって、じゃ、どのぐらいその効果があり、このぐらい効果が維持するのか。そういったことも研究しながら進めていくわけですから、簡単にいくものではない。だからこそ、みんな、世界中の研究者や開発者、製造会社なんかでもものすごいお金をかけながら進めているものだと思っていますので、これを、ある意味、今回、全国で初めて大阪で治験が始まるというのを皮切りに、成功できれば、それは大阪の皆さん、関西、日本の皆さんに大きく貢献できるだけじゃなくて、それが量産できれば世界の皆さんにも貢献できる大きな第一歩だと思っています。何とかこれを成功させたいと思っていますが。ただ、一方で、簡単なものでもないという認識もあります。まだ世界でどこも実現できていないわけですから。

新型コロナウイルス感染症関連について(3)

記者

 日経新聞の奥山です。
 第2波の対策について知事の認識をお伺いしたいんですけれども、第2波対策というのは、第2波を起こさせないようにするための戦略なのか、それとも、第2波が来ても対応できるようにする戦略なのか、その辺りを。どこを目指しているのかというのを教えてください。

知事

 両方です。一番大事なのが第2波を起こさせない、これが一番大切だと思っています。第2波を起こさせないことが成功したら、やっぱり社会経済活動、社会経済活動を実現しながら、みんな抑えて社会経済活動をしなかったら、これは、ウイルスは広がりません。でも、社会経済が死んでしまいます。だから、逆に社会経済を動かすと、人との接触というのが出てくるから、ウイルスが媒介する可能性は出てくる。つまり、感染者が増えてくる可能性があると。ここにワクチンとか治療薬ができれば大きく反転攻勢できますが、それまではその関係がずっと続くことになります。そういった意味では、第2波を起こさせないというのが非常に重要だと思っています。そのための手段として何を取るべきなのかというのが一つ大きな次の第2波戦略の要です。
 もう一つは、我々が想定しなきゃいけないのは、第2波を起こさせないだけじゃなくて、もし、じゃ、第2波が起きたときどうするのというのはやっぱり想定しなきゃいけません。これは地震と一緒で、来なかったらいいし、津波も来なかったらいいけども、これは自分たちの予想に反して来ることもあり得るわけなので、第2波だって自分たちの予想に反してわっと広がることはあり得ると。そのときにどう対応するんですかというのが一つの大きな戦略になってくるだろうと思います。
 じゃ、感染を、第2波を起こさせないようにするために何が重要なのか。やっぱり検査を広げていかないとだめですよね。一つは検査体制ですよ。陽性者が出たら、その周りをどんどん検査していって、2次感染、3次感染にならないように尻尾を切っていく作戦。そのためにも検査がまず、検査能力の拡大が重要。そして、尻尾を切っていくために必要なのがクラスター対策ですから、クラスター班の強化、これが非常に重要になってくると思います。そして三つ目は、外からの侵入です。水際対策。これは国になりますが、大阪は関空を擁していますから、水際対策について僕は非常に注目というか、そこを警戒しています。この3点がおそらく第2波を防ぐための重要なポイントになってくるだろうと思います。
 もう一つは、次、第2波が起きてしまったときどうするかということですけど、第2波を起こさせないようにするためにも関わってくるんですけど、第2波が起きそうな波をどうキャッチするかということも非常に重要で、ここは大阪モデルに関わってきます。ここが、まさに大阪モデルのバージョンアップをしたいというのは、ここです。要は、早い段階で第2波のキャッチをして、そういった、さっき言った対策だけでは不十分だと、これは第2波がどうも起きそうだということを、兆候をキャッチできるような指標をつくって、指標をキャッチしたら、全部一斉にシャットダウンするんじゃなくて、じゃ、第2波が起きるという前提で、どこをどう抑えていけばいいだろうかということを目標にする、戦略にすると。それは、そのときに守るべきものは何なのか。高齢者、基礎疾患を持つ方に絞っていくのか、あるいは子どもたちへの感染を防ごうとか、そういうことまでやるのか、それでやり方は変わってくるんだろうとは思っています。
 やっぱり一番重要なのは医療体制のキャパです。医療のキャパをオーバーして、重症者の方が治療を受けられなくて命を失ってしまう。これは医療崩壊ですけども、そうならないようにしないといけない。逆に言うと、医療のキャパが増えれば増えるほど、そうなる可能性は低くなるし、社会経済活動の幅も広がってきます。最初にキャッチする波も、このままいけば何千人になりそうだ。その何千人は、医療キャパをオーバーしているから、これは抑えなきゃいけないとなるし、何千になっても、何万という医療キャパがあれば、現実にそれは無理なんですけど、仮に、仮定の話として、何万の医療キャパがあるとしたら、これは何千になっても、何千になるのはよくないんだけど、対応できると。そういう意味では、医療キャパ、医療資源というものが非常に最後のとりでなので、そこをまず確定する。前回確定したわけですけど、それを逆算しながら危険度を測っていくということになるのが多分大阪の次の第2波の戦略になってくるんじゃないかなと思います。

記者

 第2波の感染拡大というのは、例えば東京都の今の感染の状況は一定追跡ができている状況で、数は増えているけれども、追跡ができている状況。一方で、オーバーシュートしたり、市中感染がかなり拡大しちゃう状況もあると思うんですけれども、知事にとって第2波というのはどういう状況なのか改めて教えてください。

知事

 今の東京の状況、東京は、報道で見る限りの情報しかないので何とも言えないですけども、多分東京の保健所はもっと詳しい情報があると思いますが、話を聞いている、報道で聞く限りでも、ホストクラブとかそういうところのクラスターが主だろうと思っているので、そこのクラスターを潰して、丁寧にやっていけば、いわゆる東京全体が、感染拡大が広がるというものではないだろうと思っています。
 僕自身がおびえるというか、警戒しなきゃいけないのが、そういったクラスター、ぽつぽつ起きるクラスターではなくて、いわゆる右肩上がりに感染者が伸びていっていると。クラスター対策ではこれはちょっと説明し切れないような数字、増え方になっていると。これを予測したら、ここを予測するのがケイジモデルの予測なのか、いろんな予測の指標があると思いますし、国では西浦モデルでやっているわけですけど、その予測に従うと、大阪の医療キャパをオーバーする状況、これが僕は第2波だというふうに思っています。だから、それを何とか抑えなきゃいけないし、第2波が、医療キャパをオーバーするか、あるいは医療キャパに非常に近づくか、非常に危険な、医療体制と比べて危険な状況になるのが第2波だと僕は思っています。
 だから、さっき、そういう意味で、医療体制というのをまず確定させた上で、逆算して対策を練るというのはそういった意味で。要は、医療体制がオーバーしちゃうと、それは、助かる命も助からないことになりますので、そこは何とか防ぎたい。絶対数というより、やっぱり医療体制との関係なんじゃないかなと思います。医療体制が非常に脆弱な地域で、例えば重症ベッドが50ぐらいしかないような地域で100人の重症者が出たら、それはやっぱり医療崩壊だと思うし、そこでの地域では避けなきゃいけないから、50人を超えないやり方というのは考えなきゃいけない。そうなってくると、早い段階での社会活動を止めるだとか、ちょっと分からないけども、その地域の戦略があると思いますが。
 僕自身がやっぱり基準にしているのは、医療キャパを超えるかどうか。特に重症ベッドでしょうね。中等症、軽症のベッドは1,400を目指していますし、これは実現できるだろうとは思っています。大阪のベッド数というのは8万病床ありますから、そういった意味では、もし、わーっと増えてきたときでも、「ちょっとお願いします」というので、ある意味そういった対応もあり得ると思うんですけど。
 ICUについては急遽つくることはできないです。今、188あって、215を目標にしていますけども、急遽、全部それで使ったら、大阪のICUは500です、全部で。HCUで500。1,000ぐらいですけども、それを完全に止めてしまうと、今度はそれ以外の病気を対応できなくなっちゃいますから。やっぱりICUを使うのは命に関わる病気なので、そういった意味では、やっぱり重症病床の使用率というのは非常に重要になるだろう。大阪モデルでも重症病床使用率は定めていますけど、そこは非常に重要になってくるんじゃないかなとは思います。

 職員

 次のご質問をお願いします。ほかによろしいでしょうか。
 それでは、これで終了させていただきます。ありがとうございました。

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府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

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