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令和7年度おおさか環境にやさしい建築賞受賞建築物
「令和7年度おおさか環境にやさしい建築賞」の表彰建築物を決定しました!
大阪府知事賞
パナソニック ホールディングス(株)技術部門西門真新棟
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建物概要 |
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所在地 |
門真市大字門真 |
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建築主 |
パナソニック ホールディングス株式会社 |
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設計者 |
株式会社竹中工務店大阪一級建築士事務所 |
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用途 |
事務所 |
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敷地面積 |
7,670平方メートル(仮想敷地設定) |
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建築面積 |
6,047平方メートル |
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延べ面積 |
42,094平方メートル |
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構造 |
鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 |
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階数 |
地上8階 |
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CASBEEランク |
S |
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BEE値 |
3.1 |
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重点評価 |
CO2削減4.3/みどり・ヒートアイランド対策3.5/建物の断熱性能5.0/エネルギー削減5.0/自然エネルギー直接利用4.0 |
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- パンフレット資料 大阪府知事賞 パナソニック ホールディングス(株)技術部門西門真新棟 ※作成中
審査講評
地上8階建ての事務所建築物は、『「この先100年、ずっと最先端」なラボ』というコンセプトで、広大な敷地の南東部分に建設された。敷地の東隣は中低層の住宅地域に面しているため、東西面の開口部はスリット状に縦長に配置されており、隣地への視線の配慮や熱負荷軽減の工夫がみられる。南北面は対照的に日射遮蔽機能があるバルコニーで水平ラインを強調した機能的なデザインとなっている。また、室内外の様々なセンサーで気象条件や明るさ、CO2濃度などをモニタリングし、建築主が持つ最先端の制御技術を導入することにより、知的生産性を高め、かつ省エネルギーな室内空間が実現されている。将来的な実験室等の需要に応じてレイアウト変更が可能なグリッド天井が採用されており、建築物の長寿命化が意識されている。
以上のように、環境配慮機能と建築機能が高度に調和・融合されており、大阪府知事賞に相応しい建築物である。
大阪市長賞
グラングリーン大阪 北館・南館・VS.
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建物概要 |
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所在地 |
大阪市北区大深町 |
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建築主 |
三菱地所株式会社、大阪ガス都市開発株式会社、 |
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設計者 |
株式会社日建設計一級建築士事務所、 |
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用途 |
事務所、ホテル、飲食店舗、物販店舗、他 |
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敷地面積 |
北館:8,403平方メートル、 |
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建築面積 |
北館:5,027平方メートル、 |
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延べ面積 |
北館:64,779平方メートル、 |
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構造 |
北館・南館:鉄骨造、一部鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造、 |
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階数 |
北館:地上26階 / 地下3階、 |
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CASBEEランク |
北館:S、南館:S、VS.:A |
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BEE値 |
北館:3.0、南館:3.0、VS.:1.6 |
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重点評価 |
CO2削減 北館:4.0、南館:4.0、VS.:3.0 |
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- パンフレット資料 大阪市長賞 グラングリーン大阪 北館・南館・VS. ※作成中
審査講評
梅田貨物駅跡地に建築されたオフィス・商業施設・ホテルなどからなる大規模複合施設であり、敷地内で排出された生ごみの有機物から発生させたメタンガスにより電気と熱(温水)を生み出すバイオガス発電設備や、建物の熱源から発生する温排熱と冷排熱を地下水に蓄え再利用する大規模帯水層蓄熱システムの採用など、大規模プロジェクトならではのスケールメリットを活かした先進的な取り組みが展開されている。
点在する屋上デッキには重層的に緑を配置するとともに、建物内部からの眺望を損ねないよう、樹葉が成長していく縦方向のワイヤーの横間隔を確保した壁面緑化を行うなど、中央に配置されているうめきた公園の緑と一体的に計画されている。
様々な環境配慮技術を積極的に導入するとともに、大阪の都心部において、シンボルになりうる緑豊かな空間を創出しており、大阪市長賞に相応しいと評価できる。
住宅部門賞
ジオ島本 1工区
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建物概要 |
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所在地 |
三島郡島本町桜井2丁目 |
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建築主 |
阪急阪神不動産株式会社 |
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設計者 |
株式会社フジタ一級建築士事務所 |
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用途 |
共同住宅 |
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敷地面積 |
8,947平方メートル |
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建築面積 |
2,644平方メートル |
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延べ面積 |
18,500平方メートル |
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構造 |
鉄筋コンクリート造 |
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階数 |
地上15階 |
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CASBEEランク |
A |
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BEE値 |
1.6 |
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重点評価 |
CO2削減3.8/みどり・ヒートアイランド対策3.5/建物の断熱性能4.0/エネルギー削減5.0/自然エネルギー直接利用3.0 |
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- パンフレット資料 住宅部門賞 ジオ島本 1工区 ※作成中
審査講評
JR島本駅前の土地区画整理事業が行われた一区画に立地する。住宅内の断熱性を高め、エネルギー削減に努め、「低炭素住宅」の認定を取得している点に加え、豊かな自然環境を生かしたランドスケープとコミュニティを生み出す多彩な共用部が実現できている点を評価する。
特に自然環境を活かした点では、区画整理事業前の生物環境の保全に配慮している点、住民以外にも開いた庭や広場、子育て関連施設を提供し、新しいコミュニティを創り出そうとしている点が優れている。
住宅部門賞
グランドメゾン北堀江レジデンス
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建物概要 |
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所在地 |
大阪市西区北堀江2丁目 |
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建築主 |
積水ハウス株式会社 |
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設計者 |
株式会社現代綜合設計 |
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用途 |
共同住宅 |
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敷地面積 |
2,205平方メートル |
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建築面積 |
1,366平方メートル |
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延べ面積 |
20,946平方メートル |
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構造 |
鉄筋コンクリート造 |
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階数 |
地上19階 / 地下1階 |
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CASBEEランク |
A |
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BEE値 |
1.5 |
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重点評価 |
CO2削減4.0/みどり・ヒートアイランド対策3.0/建物の断熱性能4.0/エネルギー削減5.0/自然エネルギー直接利用3.0 |
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- パンフレット資料 住宅部門賞 グランドメゾン北堀江レジデンス ※作成中
審査講評
白を基調としたファサードは、高層建築物が林立する地域において明るい印象を与え、周辺の街並みに調和するとともに、自然石の石積みに囲まれた植樹帯は、小規模ながらも都心の街並みに潤いと彩りをもたらしている。
また、高性能真空ペアガラスや高効率設備を採用し、ZEH-M Orientedを達成するなど、省エネルギー性能の高い住宅となっている。加えて、全戸に家庭用燃料電池を設置しており、非常時における居住生活継続性にも貢献している。
これらの取り組みは、他の建築主に対して省エネルギー化の好事例となり、住宅部門賞に相応しいと評価できる。
事務所部門賞
グローバルエンジニアリングセンター
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建物概要 |
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所在地 |
堺市西区築港新町2丁 |
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建築主 |
エア・ウォーター株式会社 |
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設計者 |
株式会社 日立建設設計 西日本支社一級建築士事務所 |
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用途 |
事務所 |
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敷地面積 |
26,390平方メートル |
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建築面積 |
980平方メートル |
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延べ面積 |
5,823平方メートル |
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構造 |
鉄骨造 |
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階数 |
地上6階 |
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CASBEEランク |
A |
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BEE値 |
2.0 |
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重点評価 |
CO2削減4.0/みどり・ヒートアイランド対策3.5/建物の断熱性能5.0/エネルギー削減4.5/自然エネルギー直接利用4.0 |
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- パンフレット資料 事務所部門賞 グローバルエンジニアリングセンター ※作成中
審査講評
海岸近傍の建物においては、平時の快適性を確保しつつ、津波等の有事に対する機能性の維持について特に配慮する必要がある。
本表彰物件は、西面に設備コアを集約することで三面採光、バランスのとれた構造計画を同時に達成しており、外観、計画共にシンプルでありながら沿岸建築物の課題を見事に解き、本質的な価値を重視した計画が実施されている。低イニシャルコストでも適切な環境配慮が可能であることを示しており、今後の環境にやさしい建築の見本となるものといえる。
事務所部門賞
イノゲート大阪
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建物概要 |
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所在地 |
大阪市北区大深町、梅田3丁目 |
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建築主 |
西日本旅客鉄道株式会社 |
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設計者 |
西日本旅客鉄道株式会社一級建築士事務所 |
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用途 |
事務所、飲食店舗 |
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敷地面積 |
3,836平方メートル |
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建築面積 |
3,703平方メートル |
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延べ面積 |
60,411平方メートル |
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構造 |
鉄骨造 |
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階数 |
地上23階 / 地下1階 |
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CASBEEランク |
A |
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BEE値 |
1.6 |
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重点評価 |
CO2削減3.0/みどり・ヒートアイランド対策3.0/建物の断熱性能4.0/エネルギー削減2.0/自然エネルギー直接利用4.0 |
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- パンフレット資料 事務所部門賞 イノゲート大阪 ※作成中
審査講評
JR大阪駅を中心とした駅ビル群の一角をなす施設として、災害時における帰宅困難者の受け入れが可能となるよう、2階通路での滞留スペースの確保や6階オフィスロビーを耐震天井としている。また、使用した水を自動でろ過・循環する手洗い器の設置や、2種類の燃料を使い分けられるデュアルフューエル式非常用発電機の採用などにより、防災性の高い事業継続性能を確保し、周辺の駅エリア施設との防災連携機能を備えている。
日射を抑制するために北面に設けられたルーバーは、隣接するグラングリーン大阪の眺望を損なうことなく機能し、また、南面の二重層のガラスファサードは、室内への熱負荷を低減するとともに、鉄道の騒音低減にも貢献している。
これらの取り組みは、駅周辺における建築計画の規範となりうるもので、事務所部門賞に相応しいと評価できる。
商業施設その他部門賞
ALFALINK茨木1
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建物概要 |
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所在地 |
茨木市東野々宮町 |
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建築主 |
JDP3ロジスティック2特定目的会社 |
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設計者 |
株式会社竹中工務店大阪一級建築士事務所 |
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用途 |
倉庫(倉庫業を営む倉庫) |
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敷地面積 |
68,690平方メートル |
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建築面積 |
29,855平方メートル |
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延べ面積 |
161,487平方メートル |
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構造 |
鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 |
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階数 |
地上6階 |
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|
CASBEEランク |
S |
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BEE値 |
3.4 |
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重点評価 |
CO2削減5.0/みどり・ヒートアイランド対策3.5/建物の断熱性能5.0/エネルギー削減5.0/自然エネルギー直接利用4.0 |
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- パンフレット資料 商業施設その他部門賞 ALFALINK茨木1 ※作成中
審査講評
近年、インターネットショッピングなどの普及により、大型物流拠点の必要性が高まっている。大型物流拠点は地域にとって異質な存在となりやすいが、本表彰物件は近隣住民が利用できる施設と緑化空間をエントランス付近に創出し、近隣との調和性を生み出すことに成功している。
さらに大型倉庫の特性を検討し、Passive手法を積極的に選択しており、人間が滞在する空間が限定的となる大型物流拠点においても環境にやさしい配慮が十分に可能であることを示した好例といえる。
商業施設その他部門賞
大阪大学・日本財団感染症センター
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建物概要 |
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所在地 |
吹田市山田丘 |
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建築主 |
国立大学法人大阪大学 |
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設計者 |
大成建設・日建設計特定建設工事共同企業体(デザインビルド) |
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用途 |
大学 |
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敷地面積 |
10,426平方メートル |
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建築面積 |
2,354平方メートル |
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延べ面積 |
17,619平方メートル |
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構造 |
鉄筋コンクリート造 |
|
|
階数 |
地上10階 |
|
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CASBEEランク |
S |
|
|
BEE値 |
3.0 |
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重点評価 |
CO2削減4.4/みどり・ヒートアイランド対策2.5/建物の断熱性能5.0/エネルギー削減5.0/自然エネルギー直接利用4.0 |
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- パンフレット資料 商業施設その他部門賞 大阪大学・日本財団感染症センター ※作成中
審査講評
大学キャンパス内に新設された研究施設であり、「宇宙船地球号」をイメージした特徴的な楕円形の形状である。災害時などにも研究活動を途絶えさせないよう免震構造を採用し、設備インフラのスペースとして外周にリング状にバルコニーが設置されている。また、日射遮蔽機能を期待したアルミルーバーにより特徴的な外観を形成している。
様々な省エネ技術を導入した結果、BEI値0.45でZEB Ready認証を取得した点が評価できる。
商業施設その他部門賞
阪南大学 新4号館
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建物概要 |
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所在地 |
松原市天美東5丁目 |
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建築主 |
学校法人阪南大学 |
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設計者 |
株式会社日建設計一級建築士事務所 |
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用途 |
大学 |
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敷地面積 |
4,340平方メートル(仮想敷地設定) |
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建築面積 |
2,706平方メートル |
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延べ面積 |
9,890平方メートル |
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構造 |
鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造 |
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|
階数 |
地上5階 |
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|
CASBEEランク |
A |
|
|
BEE値 |
1.5 |
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重点評価 |
CO2削減3.9/みどり・ヒートアイランド対策2.5/建物の断熱性能5.0/エネルギー削減4.3/自然エネルギー直接利用4.0 |
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- パンフレット資料 商業施設その他部門賞 阪南大学 新4号館 ※作成中
審査講評
建て替えられた新教室棟は、エレベーターや階段、コモンスペースを配した中央部の南北に教室を並べ、またキャンパスの中庭に面して段状のテラスを設けた構成である。コストをかけずに環境配慮の工夫を積み重ね、学生にとって快適な空間と多彩な居場所が実現できている点を評価する。
特に中央部の環境配慮が優れており、5層吹き抜けを活かした重力換気とハイサイドライトからの自然光を取り入れている点、また教室内の空気を中央部へ供給し,中央部の空調を抑えて省エネを実現している点が優れている。
商業施設その他部門賞
大阪公立大学 森之宮キャンパス
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建物概要 |
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所在地 |
大阪市城東区森之宮2丁目 |
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建築主 |
公立大学法人大阪 |
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設計者 |
株式会社安井建築設計事務所 |
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用途 |
大学 |
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敷地面積 |
19,318平方メートル |
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建築面積 |
10,097平方メートル |
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延べ面積 |
78,713平方メートル |
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|
構造 |
鉄骨造 |
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|
階数 |
地上13階 |
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|
CASBEEランク |
S |
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BEE値 |
3.0 |
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重点評価 |
CO2削減4.0/みどり・ヒートアイランド対策3.0/建物の断熱性能5.0/エネルギー削減5.0/自然エネルギー直接利用4.0 |
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- パンフレット資料 商業施設その他部門賞 大阪公立大学 森之宮キャンパス ※作成中
審査講評
大阪城公園の近隣に立地し、大阪城への眺望を確保しつつ日射を効果的に抑制できるよう、西面に前後二列で角度を変えたルーバーが配置されており、環境配慮を外観デザインの一部としても活用する工夫がなされている。
また、隣接する中浜下水処理場から供給される高度処理された下水処理水は年間を通じて外気温に左右されにくく、安定した水温を維持しているため、建物の空調熱源や雑用水の水源として有効に活用されており、CO2排出量の削減やヒートアイランドの抑制にも寄与するであろう。
さらに、アリーナでは床放射熱暖房を採用するなど、建築主による環境配慮の積極的な取り組みが見られ、商業施設その他部門賞に相応しい。
商業施設その他部門賞
パティーナ大阪
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建物概要 |
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所在地 |
大阪市中央区馬場町 |
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建築主 |
NTT都市開発株式会社 |
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設計者 |
株式会社竹中工務店大阪一級建築士事務所 |
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用途 |
ホテル |
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敷地面積 |
4,895平方メートル | |
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建築面積 |
2,290平方メートル | |
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延べ面積 |
38,940平方メートル | |
|
構造 |
鉄骨造 |
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|
階数 |
地上21階 / 地下3階 |
|
|
CASBEEランク |
A |
|
|
BEE値 |
2.3 |
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重点評価 |
CO2削減4.0/みどり・ヒートアイランド対策4.0/建物の断熱性能3.0/エネルギー削減5.0/自然エネルギー直接利用3.0 |
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- パンフレット資料 商業施設その他部門賞 パティーナ大阪 ※作成中
審査講評
大阪城を一望できる敷地特性を活かすため、客室の窓にLow-E複層ガラスを採用し、環境性能を高めるとともに眺望にも配慮した工夫が見られ、ZEB-Oriented認証を取得している。低層部のテラス上部には植樹を施し、大阪城から続く緑地と一体となる景観を形成している。
さらに、大阪城で用いられている花崗岩や銅など、調和のとれた自然素材の採用や、古材や廃材をアップサイクルして制作されたテーブルやアートワークの導入など、利用者に環境配慮が感じられるようにした建築主の高い環境配慮意識は、他の建築主の規範となるものであり、商業施設その他部門賞に相応しいと評価できる。










