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ICTプログラミング科
ICTプログラミング科の紹介動画
ICTとは、Information and Communication Technology(情報通信技術)の略で、通信技術を使って、人とインターネット、電子機器などがつながる技術のことです。
パソコンやスマートフォンなどで、普段何気なく使用しているインターネット、この技術もICTの発展によるものです。
スマートホームやスマートスピーカーといった、IoTやAIに対応したシステムが開発されており、ソフトウェア開発(プログラミング)のできる人材は多くの企業から求められています。
ICTプログラミング科について
- 訓練の概要
- 仕上がり像
- 総訓練時間
- 訓練の内容
- 訓練に関する職種と仕事内容
- 訓練により就職可能な仕事
- 受講生の入校前の職種と修了後に就職した職種の例
- 任意に取得可能な資格
- 就職率
- 修了生の主な就職先
- 授業風景
訓練の概要
家電製品やスマートフォン、IoT機器などは、インターネットに繋がり、ソフトウェアにより様々な便利な機能が提供されています。
ソフトウェア開発の技術・知識を習得し、マイコンを扱うプログラミング技術やネットワーク技術、コンピュータ関連技術を学びます。
仕上がり像
- 組み込み機器開発に必要なC言語、Pythonのプログラミングができる
- アプリケーション開発に必要なJavaのプログラムミングができる。
- 電気/電子回路の基本を理解し、回路図から回路を組み立てることができる
- オシロスコープやファンクションジェネレータなどの各種測定機器を使うことができる
- チームで開発をするためのコミュニケーションを取ることができる
一年間の訓練
訓練総時間
1400時間
訓練の内容(内容は年度毎に異る場合があります)
目指す仕事の将来像
ソフトウェア開発関連企業で、システムエンジニアや制御系プログラマなどを目指せます。
家庭用電化製品や携帯電話、自動車などの組込みシステムの設計やプログラム、テストや保守といった仕事をします。
電子機器の検査や電子回路プリント基板の設計や制御基板の組立の仕事も目指せます。
世の中に出る製品の一部を自分が担うことができるので、非常にやりがいのある仕事です。
1.コンピュータ操作基本実習
パソコン操作の基本や、アプリケーションの起動、設定、ファイルやフォルダ、コマンドプロンプトについて学びます。
タイピング練習ソフトを使用して、キー入力のスピードと正確さを向上させます。
WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトを使ってビジネスソフトの操作や活用方法を学びます。
2.プログラム作成実習
SCRATCH(注釈1)を教材として、プログラムとは何かを理解し、プログラミングに興味を持つことから始めます。
フローチャートを作成しプログラムの構造を理解します。また、アルゴリズムとデータ構造について学びます。
C言語の書き方や文法を学びます。
注釈1 MITメディアラボが開発したプログラミング言語学習環境
Javaの書き方や文法を学びます。写真は、訓練生が制作したシューティングゲームです。 |
Pythonの書き方や文法を学びます。写真は、Pyhonでグラフをプログラミングしたものです。 |
3.電子回路実習
ブレッドボードの上に電子部品を配置し、回路を製作することで、電子部品の特性や電子回路の動きを学びます。
オシロスコープやファンクションジェネレータを使って、電子部品や製作した電子回路の信号を観測します。
電子回路関連実習
電子回路のシミュレーションソフトを使って、パソコン上でも電子回路の特性を学びます。
電子回路のCADを使って電子回路図やプリント基板のパターン図を描きます。
ユニバーサル基板へはんだを使って電子回路を実装します。
4.マイコン制御実習
ブレッドボード上にマイコンやスイッチ、LEDなどを配置して制御するプログラムミングを行います。
ライントレースカー(注釈1)を製作し、ライントレースするプログラミングを行います。
注釈1 ライントレースカー。黒い線の上に沿って走る車型の走行体
5.ネットワーク実習
ネットワークコマンドなどを使って、ネットワークの仕組みを学びます。
Wiresharkなどのツールを使ってネットワーク上のデータの流れを見たりします。
6.組み込みシステム制御実習
Raspberry Piと呼ばれるシングルボードコンピュータを使って、LEDやサーボモータ、液晶表示器などの電子部品の制御を学びます。
Linux環境でWebサーバーやファイルサーバー、データベースサーバーの構築方法を学びます。
Pythonで作ったウィンドウアプリで電子回路なども制御します。
1つの成果物として温度監視システムを作りました。温度センサからI2C通信で得た温度データをグラフ化しながら、データベースへ保存を行います。
7.創作実習
訓練期間の終盤で工夫をこらした創作物を作ります。回路から作った自らの装置に、オリジナルの機能をつけるプログラミングをしていきます。
この技術が世の中を便利にするための基本になります。
512個のLEDを使ったLEDキューブ(注釈1)です。Wi-Fi経由でお天気情報を取得して、LEDの点灯パターンでお天気や気温を知らせてくれます。
マイコンで作ったバーサーライタ(注釈2)です。1列に並べたLEDを高速回転させてマリオが見えるようにしています。
トレゴンカーです。無線コントローラで動くのはもちろんですが、音声認識機能も搭載しているので、声に反応して動いたりお話しできたりします。
注釈1 LEDキューブ。立方体の形をしたLEDディスプレイ
注釈2 バーサライタ。一列に並べたLEDを高速で動かすことで画像を表示するディスプレイ
8.プロジェクト実習
プロジェクト実習の一環として、チームを組んで、ロボットを製作します。チームで協力し、コミュニケーション力を養います。
グループで構想から行い、回路の組み立て、装置の組み立て、プログラミング、調整など、これまで学んだことのレベルアップを目指します。
最後は、校内の発表会で対戦です。1年間の集大成です。各チーム優勝を目指して戦います。たまに故障もありますが、皆さんの笑顔からは達成感が伺えます。
訓練に関連する職種と仕事内容
職種名
- 制御系プログラマー
- IT系エンジニア
- 検証エンジニア
- 電子機器組立
ソフトウェア開発の仕事内容
ソフトウェア開発の仕事は大きく分けて3つあります。
- システムソフトウェア
- アプリケーションソフトウェア
- 組込みソフトウェア
システムソフトウェアは、図書館検索システム、電子カルテシステム、順番受け付けシステムなどの何らかのシステムを動かすソフトウェアのことを指します。
アプリケーションソフトウェアは、ワードやエクセル、会計ソフトといった、OS(WindowsやLinux、Androidなど)上で動くソフトウェアのことを指します。
組込みソフトウェアは、組込み機器(携帯電話、電子レンジ、炊飯ジャー、洗濯機等)を稼働させるためのソフトウェアのことを指します。
どのソフトウェアも仕事内容は、顧客からのヒアリングからシステムの設計・開発、稼働テストまでソフトウェアに関係するところは全てやります。
また、組込みソフトウェアは電子回路などのハードウェアの知識も必要となります。
企業への入社後は、開発しているソフトウェアのテストから始まり、プログラミング、設計、プロジェクトリーダというキャリアパスをたどります。
家電製品や電子機器などには、動作を制御するためのソフトウェアが組み込まれています。
その開発を担う制御系プログラマー職は、ユーザーが日常的に使用している製品開発の一端を担えるため、作る喜びも大きい職種といえるでしょう。
訓練により就職可能な仕事
- 組込み・制御系のソフトウェア開発
- 組込み・制御系のシステム開発
- 制御系プログラム開発
受講生の入校前の職種と修了後に就職した職種の例
(前職) (修了後)
生産管理 → 組込みソフトウェア開発
製造・梱包作業 → ソフトウェア開発
組立作業 → ソフトウェア開発
飲食調理サービス → 機器組立
任意に取得可能な資格
- ITパスポート
- 基本情報技術者
- 組込みソフトウェア技術者試験クラス2(グレードA/B)
- 品質管理検定(QC検定)3級
就職率
- 93.8%(令和5年度)
- 87.5%(令和4年度)
- 88.9%(令和3年度)
修了生の主な就職先
企業名 | 場所 | 事業内容 |
---|---|---|
株式会社エムエスイ |
大阪市 |
ソフトウェア・ハードウェア開発設計・製作 |
株式会社テクニカルバイブル |
大阪市 |
各種ソフトウェアの設計・開発・コンサルティング事業 |
株式会社トリオン創研 | 大阪市 | ITコンサルティング、ソフトウェア開発 |
日本プロテックソフトウェア株式会社 | 大阪市 | ソフトウェア開発事業、メカ制御システム事業、ハードウェア開発事業 |
日本メカトロン株式会社 |
大阪市 |
エンジニアリング系・計測系・制御系のソフトウェア開発 |
授業風景
プログラミング実習場
ハードウェア実習場
授業風景