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更新日:2023年12月12日
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食品ロス削減への国民運動のさらなる推進を求める意見書
食品ロス削減推進法が2019年10月1日に施行され、食品ロス削減に関する普及・啓発が進められてきた。一方で、農林水産省が公表した2023年度の食品ロス量は523万トンで、その内訳は事業系食品ロス量が279万トン、家庭系食品ロス量が244万トンとなっている。
現在、世界で約8億人が飢餓に直面していると言われている中で、国連世界食糧計画(WFP)では、飢餓で苦しむ人々のために、年間480万トンの食料支援を行っており、日本における食品ロスとして、まだ食べられるのに捨てられてしまう食料が、その1.1倍以上となっているのが現状である。
また食品ロスの削減は、気候変動対策としても大変に重要であり、廃棄における直接的に生じる環境影響だけでなく、その生産過程で投入される天然資源やエネルギーの浪費、製造・加工・流通・卸・小売の各段階でのエネルギー消費など、環境に及ぼす影響は決して少なくはない。
よって、国においては、食品ロス削減推進法に基づき、誰もが取り組める脱炭素アクションとして、食品ロス削減への国民運動のさらなる推進のために、下記の事項について特段の取組みを求める。
記
- 事業者と一体となったエシカル消費の普及促進
賞味期限や消費期限が近いものから選ぶ「てまえどり」など、エシカル消費の普及啓発を一層進めるとともに、食品ロス削減を積極的に進める事業者の評価や支援の強化を図ること。また、地域や事業者の食品ロスの計測・公表等の体制を拡充し実効性を強化すること。 - 食品ロス削減に繋がる小分け包装等の拡大
食品のロスを防ぐための使用量や頻度に合わせた「小分け包装」や、食品自体の鮮度の保持や賞味期限等の延長に繋がる容器・包装の改善や工夫の促進、外食産業における「小分け提供」や「持ち帰り」など、「食べきり」を積極的に進めるための取組みを一層強化すること。また、それらを進めるにあたっては、プラスチックごみゼロに取り組むこと。 - 在庫食品や未利用食品の寄付の普及拡大
食品ロス防止のため、子ども食堂・子ども宅食、フードバンク等へ、企業等からの在庫食品の寄付促進や、フードドライブ(未利用食品の寄付運動)等の利活用で、「もったいない」と「おすそわけ」の好循環をつくり、国民運動としての取組みを一層強化すること。 - 出荷や加工前に廃棄されている地域の食材の活用
食に関わる事業者と野菜等の生産者の連携を促し、色や形における規格外品や、食材の皮や芯や種など、出荷や加工前に廃棄されている地域の食材を、出来る限り有効に活用する商品開発や消費の拡大などに取り組む地方自治体等の事業に対して積極的な支援を展開すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年12月12日
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 環境大臣 内閣官房長官 内閣府特命担当大臣(こども政策) 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) |
各あて |
大阪府議会議長
久谷 眞敬