ここから本文です。
「大阪ものづくり優良企業賞2024」受賞企業一覧
大阪中小企業顕彰事業実行委員会では、「高度な技術力」や「高品質・低コスト・短納期」などを誇る府内の優れた「ものづくり中小企業」を「大阪ものづくり優良企業賞」として顕彰しています。
(「大阪ものづくり優良企業賞」についての詳細は【大阪府/中小企業顕彰制度「大阪ものづくり優良企業賞」(別ウィンドウで開きます)】をご覧ください。)
16回目となる本年は、審査委員会の厳正な審査の結果、57社を受賞企業として決定しました。
最優秀企業賞:1社
株式会社コダマ(代表取締役社長:児玉 益子/大阪市生野区/ホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
1960年(昭和35年)に創業した同社は、金・銀・スズをはじめ多様な金属材料のめっき加工を可能とする高い技術開発力を持ち、自動車、電力、半導体、航空機業界など、様々な業界からの要求にも応えて、取引先は1000社を超える。
保有するめっき技術の中でも、樹脂などでマスキングする方法や露光装置を使ってレジストマスキングする方法を活かしてめっきをする高精度な部分めっきを得意としており、ひずみセンサーの基板などに活用されている。更に、独自技術の無電解ニッケルめっき【コダテクト】Ⓡは耐食性と耐摩耗性に優れ、半導体製造装置や防衛装備品などに使用されている。
また、従業員の人材育成にも力をいれており、めっき塾を開校して社内のめっき技術の高度化を進め、めっき技能士取得への支援も手厚く行っている。その上、経営理念である「コダマ宣言」を提言し、新たな挑戦にも意欲的に取り組む風土に繋がっている。
めっきに対する高い技術力、手作業ラインがある一方で自動化設備を導入するなど顧客の多様な要望に応えるだけでなく、最新の排水処理システムを導入するなど環境にも配慮する姿勢が評価され、またしっかりとした経営理念のもと更なる発展が期待され、今回の受賞となった。
技術力部門賞:1社
株式会社石山製作所(代表取締役:石山 幸治/交野市/ホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
同社は、1968年(昭和43年)に実験器具の製造販売業で創業し、その後、液晶パネルの分野を中心に生産設備の開発・製造を行ってきた。
核となるのは「貼る」「剥がす」技術であり、特にシート転写式貼付装置では、同社が特許をもつ「吸着シート」を用いることで、対象となるフィルムを安定して吸着・保持できるため、素材を傷めず、高い精度で貼付でき、セパレータの剥離も容易にできる。これらの手法は、スマートフォンやPCをはじめ車載モニターの液晶・有機ELディスプレイ等の製造に活用されている。
また、これらの技術を、業界問わず多種多様な高機能フィルム等積層材の表面セパレータの剥離や部品に静音性や防水性を高めるクッションテープの貼り付けといった新しい分野にも活用している。さらに、これらの技術をロボットや検査カメラと組み合わせ、難しい形状の製品へのテープ貼付・セパレータの剥離の自動化装置の開発に結びつけるなどの技術展開が図られている。
労働力不足が叫ばれる中、製造工程の自動化・省力化を実現できる製造装置の製造に活用でき、さらに様々な用途への広がりも期待できる高度な技術を有していることが評価され、今回の受賞となった。
夢・未来・ORIST賞(地方独立行政法人大阪産業技術研究所理事長賞):1社
有限会社旭金型製作所(代表取締役:梶 泰英/門真市/ホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
1964年(昭和39年)に創業以来、プレス金型の設計・製作を行ってきた同社は、現在では、主にパンチングメタル・エッチングメタル材を使用した車載用スピーカーネットを成形するためのプレス金型において、多数の実績があり、主力製品になっている。また、取引先は自動車業界の他、家電、OA機器業界などに及んでおり、単発型・ロボット型・順送型・トランスファー型といった各種プレス機に応じた金型を製作している。
車載用スピーカーネットについては、高級車向けにデザイン性が優れている複雑な形状のオーダーが顧客から増加する中、同社は果敢に提案・挑戦をしている。
また、顧客からの高い品質要求に応えるため、パンチングメタルシートのスプリングバックやワレの発生について、産学連携で共同研究をし、その知見に基づいたものづくりにも取り組んでいる。
少人数による効率的な職場づくりや、今後の展望も見据えながら、顧客ニーズに意欲的に応える姿勢が評価され、また今後のものづくり技術の開発に希望を与えることが期待され、今回の受賞となった。
審査委員特別賞:2社(会社名の五十音順)
株式会社八馬製作所(代表取締役社長:八馬 弘樹/東大阪市/ホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
同社は1966年(昭和41年)創業以降、金属プレス加工を事業としており、自動車、自転車の部品を中心に、金型製作から、プレス加工、組立までを一貫して手掛けている。
複雑かつ精緻な金型を自社で製造でき、大型プレス機による減肉・増肉を用いた高精度の製品成形や、素材の肉流動を加味した曲げRゼロの潰し加工を可能にしている。さらに、従来複数の部品で構成されていた製品を、2台のトランスファー型プレス機を連結するタンデムラインを採用することで、継ぎ目のない一つの製品として製造することに成功し、強度向上とコスト削減を実現した。また、三次元動作フィンガー(材料移送装置)を導入し素材の角度を変えながら加工することで、トランスファープレスによる三次元複雑形状の製品の量産も可能となっている。
長年培われてきた技術に加え、日々の改善活動に取り組みながら、製造工程を工夫することで、加工時間、コストを縮減しながら、より一層精度の高い製品の製造に取り組む姿勢が評価され、受賞につながった。
吉川鐵工株式会社(代表取締役社長:吉川 晃平/四條畷市/ホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます))
1950年(昭和25年)に手作業でのカシメ加工で事業を開始した同社は、その後作業の機械化をめざし、リベッティング・マシンの開発に着手し、新しい技術開発に成功している。一般的なカシメ加工における、リベット素材に面あたりで圧力をかけて塑性変形させるプレス工法とは異なり、インサート(先端工具)を回転させ少ない加圧力でリベットの加工をすることで、幅広い用途に用いることができるローリングカシメ工法を開発し、国内で高いシェアを獲得している。
また、他にはない多数のラインナップを揃え、ゲーム機やスマートフォン関連等新しい分野でも販路開拓を行い、アフターサービスを含めた消耗部品の製造・販売も行っている。
さらに、社内組織体制や各種規定の見直しを積極的に行い、部署の垣根を越えた開発活動やコスト削減などの改善活動を実施し、全社一丸となって生産性向上に取り組んでいる。
ニッチトップ企業としての製造・経営の基盤を固めながら、新たな分野の開拓やさらなる生産体制の強化を図っていることが評価され、今回の受賞となった。
知的財産部門賞:5社(会社名の五十音順)
優良企業賞に選考された企業の中から、特許権を事業化・活用する企業で、高い評価を獲得した企業として、5社受賞しました。
※受賞企業のホームページのリンクは「優良企業賞」をご覧ください。
- 株式会社石山製作所(交野市)
- 有限会社板原金属(八尾市)
- 株式会社オーシン(東大阪市)
- 斎藤塗料株式会社(大阪市淀川区)
- 株式会社福永(大阪市中央区)
優良企業賞:57社(会社名の五十音順)
※旧字体などを使用している会社名については、常用漢字に替えて表記しています。