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「大阪ものづくり優良企業賞2016」受賞企業一覧
大阪中小企業顕彰事業実行委員会では、「高度な技術力」や「高品質・低コスト・短納期」などを誇る府内の優れた「ものづくり中小企業」を「大阪ものづくり優良企業賞」として顕彰しています。
9回目となる本年は、審査委員会の厳正な審査の結果、「大阪ものづくり優良企業賞2016」受賞企業75社が決定しました。
最優秀企業賞:1社
日本精器株式会社(代表取締役社長:平井 研三/本社:八尾市/空気圧機器メーカー 日本精器株式会社(外部サイトへリンク))
同社は、1955年(昭和30年)に空気圧機器の専門メーカーとして誕生し、これまで積極的に顧客のニーズに応え、世にない新しい商品を開発し続けてきた。
現在ではエアシリンダ等の「制御機器・駆動機器」、業界トップシェアの船舶用をはじめとした豊富な「エアークリーニング機器」、さらには自社独自の「空気圧応用機器」と3つの商品群を柱に事業を展開する。
同社は、高い技術力を評価され、OEM(相手先ブランド生産)で多数の開発・製造実績を有するほか、常にものづくりを大切にする開発型企業として、知的財産経営に対しても積極的に全社で取り組んでいる。
また、海外メーカーとの強固な協力体制を構築する一方で、製品部材の大半を府内協力企業から調達し、府内中小企業の活性化にも貢献する地域貢献企業としても活躍する。
こうした顧客のニーズに応じたモノづくりの追求とともに、コア技術を応用したナンバーワン製品の開発にも積極的に取り組むその姿勢が、社会の進歩発展に貢献するものとして高く評価され、今回の受賞となった。
技術力部門賞:1社
柏原計器工業株式会社(代表取締役:三浦 直人/本社:柏原市/カシケイ【柏原計器工業】(外部サイトへリンク))
1947年(昭和22年)に水道メーター部品の製造販売業として設立された同社は、1985年(昭和60年)に他社に先駆けてマイコン内蔵電子式水道メーターを開発し、光結合による通信方式の特許を取得、現在では水道メーターのメーカーとして唯一の国内自社一貫生産にこだわり、国内トップシェアを誇っている。
2009年には、30代の若手社員が中心となり業界唯一の鉛レスの一貫生産ラインの稼働に成功した。これにより国産銅合金による鉛レス水道メーターの量産が可能となり、水道メーター業界の安定供給と環境保全に大きく貢献した。また設備導入による各生産ラインの技術高度化にも余念がなく、常に不良率・コスト改善に努めている。
現在同社では、「未来工房」という名の開発部門を設置し、コストパフォーマンスに優れる機械式の計量器に無線通信機能を搭載した「ハイブリッド型水道メーター」を開発。製品開発と技術の継承を行い、業界トップのみならずオンリーワンを目指している。
同社の永年にわたる研究開発により確立した、他社が模倣困難な革新的技術が高く評価され、今回の受賞となった。
特別賞:2社(会社名の五十音順)
株式会社荒木製作所(代表取締役社長:三原 克敏/本社:枚方市/圧空・真空成形で小ロット生産対応 株式会社荒木製作所(外部サイトへリンク))
1933年(昭和8年)の創業から83年を迎える同社は、熱可塑性プラスチックの圧空真空成形加工およびプラスチックの精密切削加工の製造販売に特化した事業展開を行っている。
現在、売上の約8割を医療・分析計測分野関連製品が占めており、少量生産品が多くプラスチック製品化に遅れていた同分野で、同社の技術は、そのデザイン性向上や軽量化に大きく貢献した。
さらに独自に蓄積してきた成形ノウハウから成形機の開発に取り組み、今では他社にできない難易度の高い透明成形品や表面品質の高い成形品を、職人の技術抜きで実現するに至った。ヒーター部には温度昇降レスポンスが早く消費電力の少ないハロゲンヒーターを国産の圧空真空成形機では初搭載した。
日進月歩の顧客ニーズに高い開発力と積極的な設備投資で応え、様々な製品の改良に大きく貢献している点が評価され今回の受賞につながった。
株式会社東洋金属熱錬工業所(代表取締役社長:大山 照雄/本社:大阪市西淀川区/熱処理のTONEZ【株式会社TONEZ】(外部サイトへリンク))
同社は1909年(明治42年)の創業以来、一貫して金属熱処理加工業を営み、日本のものづくりを支えてきた。
第二次世界大戦の被災、石油ショック、バブル崩壊、リーマンショックなど幾多の試練を経験する中で「お客様の信用を大切にする」という経営理念を見失うことなく、熱処理技術の練磨と向上に研鑽し、今日では鉄鋼・自動車産業から宇宙航空産業に至るまで幅広い顧客から高い評価を得ている。
同社は永年、他社にまねのできない熱処理設備に積極的に投資し、熱処理新技術の開発にも意欲的に挑戦し続けるとともに、社員の7割が技能士の資格を保有するなど、組織を挙げて顧客のニーズに応えてきた。
こうした、絶え間ない自社の価値向上に努め、国内産業を力強く下支えしてきた姿勢を評価され今回の受賞となった。
夢・未来・TRI賞(地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所理事長賞):1社
株式会社サンコー技研(代表取締役:田中 洋美/工場:東大阪市/株式会社 サンコー技研(外部サイトへリンク))
同社は、1976年(昭和51年)に銘板アルミの製造業として創業、その後、海外との価格競争の中、硬質基板、メタル基板、フレキシブル基板の請負いを経て、現在主力業務となるICカード用アンテナ製造へ至った。
同社がロボットとカメラ画像処理を駆使して開発した「全自動画像位置決め打抜きプレス(CCDカメラ自動プレス)」は世界でも類がなく、その位置決め精度は±10㎛以下を実現する。
同社が取り組む断面形状のマイクロ観察管理や検査員・自動外観検査機による全数検査は、「信頼のおける加工協力工場」として大手企業の絶大な信頼を得、エンドユーザーへの直接納入を可能にした。
また金型技術においても協力企業の要請を受け、パワー半導体用の銅放熱基板の量産工法を確立、製品実現化に大きく貢献するなど、大手企業でも実現不可能な技術を、試行錯誤しながら確立する同社の積極的な姿勢には、今後技術の可能性に大きく期待をもたせるものであり、今回の受賞となった。
知的財産部門優秀賞:1社
株式会社プラ技研(代表取締役:菊澤 良治/本社:吹田市/株式会社プラ技研(外部サイトへリンク))
1977年(昭和52年)に創業した同社は、メディカル関連の押出成型装置の設計・製造を主力事業とし、住宅関連、自動車、食品包装、工業用品関連装置等幅広い業界へ製品を供給している。
同社では製品保証のみならず、「生産量の保証」「製品精度の保証」をモットーに、他社に類を見ない高精度の装置を開発することに成功し、国内を始め海外のエンドユーザーからも引き合いが絶えない。
知的財産に関して徹底して「ノウハウ」と「特許」を使い分け、これまで開発した多数の特許技術は売上に大きく貢献し、積極的な海外展開にも大きく寄与してきた。
このような他社の追随を許さない同社の研究開発姿勢と他社の模範となる知的財産戦略の実践が評価につながり、今回の受賞となった