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保険診療のしくみ
医療機関は、患者さんに保険診療として医療サービスを提供した際、どのようにして診療報酬の支払を受けているのか。また、患者さんとの関係はどのようになっているのか。
このページでは、これらの保険医療のしくみについて、概要説明を行っています。
診療報酬請求の相関図
患者は医療機関に保険証を提示して医師の診断を受け、窓口で患者負担を支払います。保険診療を行った医療機関は、診療報酬明細(レセプト)を審査支払機関に提出し、そこでの審査を経て確定した診療報酬が保険者から審査支払機関を通じて医療機関に支払われます。
<相関図の概要>括弧数字は診療報酬請求までの順番を表し、表中の数字に対応。
医療機関と地方厚生局との関係
- (1)医療機関は、保険診療を行う場合、地方厚生局へ保険医療機関の指定(保険医の登録)の申請を行う。
(健康保険法第65条第1項・・・保険医療機関、保険薬局の指定)
(健康保険法第71条第1項・・・保険医療に従事する医師、歯科医師、薬剤師の登録) - (2)(1)により申請を受けた地方厚生局は、地方社会保険医療協議会に諮問する(健康保険法第82条第2項)。
- (3)地方厚生局は(2)の答申を受けて、保険医療機関の指定(保険医の登録)を行う。
保険医療機関の指定(保険医の登録)を受けた者は、健康保険法に定められた療養の担当方針に従って診療を行う義務を負い、かかる診療の対価として定められた診療報酬(一部負担金を除く)を保険者から支払いを受ける権利が生じる。(保険者との間における公法上の契約)
保険医療機関と患者との関係
- (4)患者(被保険者・被扶養者)は、保険医療機関で(5)の医療サービスの提供を受ける際、被保険者証を提出し、一部負担金を支払わなければならない。
(健康保険法施行規則第53条第1項、国民健康保険法第36条第3項)
(健康保険法第74条第1項、国民健康保険法第42条第1項) - (5)医療サービス(療養の給付)とは、疾病、負傷の治癒を目的とした診察処置、投薬、手術入院(食事療養費等は除く)等をいう。
保険医療機関と審査支払機関、保険者との関係
- (6)保険者は患者に提供した医療サービスに要する費用(診療報酬)の請求が保険医療機関からあった場合は、請求内容を審査のうえ支払うこととされている。
しかし、保険医療機関から各月分について提出される診療報酬請求書及び診療報酬明細書(以下「診療報酬請求書等」という。)についての審査点検は、事務量が膨大であること及び医療等に関する専門的知識を有するため、保険者の審査、支払い業務の軽減を図る観点から、これら審査支払い業務を審査支払機関に委託している。 - (7)保険医療機関は、患者に提供した医療サービスに要する費用(診療報酬)を診療月の翌月10日までに、診療報酬請求書等により審査支払機関に請求する。(請求に関する省令第4条)
審査支払機関に設置されている「診療報酬審査委員会」は、診療報酬請求書等についての審査を行う。 - (8)審査支払機関は、診療報酬審査委員会の審査を経た診療報酬請求書等にかかる診療報酬金額を保険者に請求する。
- (9)保険者は、(8)により請求を受けた診療報酬金額について、過去の請求状況等をもとに審査を行った上、適正なものは審査支払機関に支払い、不適正なものについては、審査支払機関に再審査及び過誤処理を依頼する。
- (10)審査支払機関は、(9)により支払いを受けた診療報酬金額を保険医療機関に支払う。
患者と保険者との関係
- (11)保険者は、審査支払機関から保険医療機関に支払いが完了した診療報酬にかかる医療費について、患者あて通知を行なう。(昭和55年7月4日厚生労省通知)
各機関の概要
- A.社会保険医療協議会
社会保険医療協議会法に基づき、厚生労働省の附属機関として、中央及び地方(都道府県単位)に設置。
地方社会保険医療協議会・・・保険医療機関及び保険薬局の指定及び指定の取消し、並びに保険医及び保険薬剤師の登録及び登録の取消しについて、厚生労働大臣から委任を受けた地方厚生局長からの諮問を受け、その内容を審議。 - B.保険者
- C.審査支払機関
こちらを参照:我が国の医療保険について(厚生労働省ホームページ)(外部サイトへリンク)