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ヤングケアラー支援事例集 がんばっているあの子に気づいたら
本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているヤングケアラーについては、ケアが日常化することで学業や友人関係等に支障が出てしまうなど、個人の権利に重大な侵害が生じているにもかかわらず、本人や家族に自覚がないなどの場合もあり、顕在化しづらいことから、支援を必要とするヤングケアラーに周りの人が気づくことが難しいと考えられます。
このため、社会的認知度の向上を図るとともに、福祉、介護、医療、教育等の関係者が情報共有・連携して、早期発見・把握し、本人の意向に寄り添い、家庭に対する適切なアセスメントにより世帯全体を支援する視点を持ちながら、必要な支援につなげていくことが重要です。
本書では、小中高の学校や市町村、社会福祉法人による支援事例のほか、民間支援団体の活動内容について掲載しています。実際の支援事例等を通じて、支援のきっかけや子ども本人や世帯と関わる際のコツなどをご紹介していますので、みなさんが、今後、ヤングケアラーに気づき、支援を検討する際、「どんな支援が考えれるだろうか」「どのようにご家庭とコミュニケーションをとったらよいだろうか」「誰と連携したらよいだろうか」等と思われたときに参考にしていただきたいと考えています。
今回、支援事例の取材をする中で、「頼ってもよい大人」という言葉を複数の方からお聞きしました。先に述べたように「支援を必要とするヤングケアラーに気づくことが難しい」状況があることから、子どもたちの周りにいるみなさんに、ぜひ、子どもたちにとって「頼ってもよい大人」になっていただき、子どもたちや世帯の困りごとに気づき、声をかけていただきたいと考えています。
本書が、学校や福祉、民間支援団体などの子どもたちに関わるみなさまのヤングケアラー支援の一助になれば幸いです。
全体(p1-14)冊子印刷用(PDF:11,565KB) 両面印刷(短編綴じ)にして印刷し、二つ折りにすると、冊子になります。
目次
- P1-2:はじめに、ヤングケアラーとは
- P3-4:小学校の事例「早期発見・支援の大切さ」、コラム1「アセスメントとプランニング」
- P5-6:中学校の事例「エンパワメント視点を大切にした支援」、コラム2「ジェノグラム・エコマップを書いてみよう」
- P7-8:高校の事例「卒業後の生活を想定した進路支援の大切さ」、コラム3「学校の中の「居場所」」
- P9-10:社会福祉法人の事例「世帯全体、親子ともに寄り添う支援」、コラム4「スクールソーシャルワーカーとコミュニティソーシャルワーカー」
- P11-12:豊中市の事例「ヤングケアラー相談窓口が中心となって取り組む支援」、コラム5「断られてしまったら、、」
- P13-14:民間支援団体の例(み・らいず2、ふうせんの会)、寄稿「ヤングケアラー」という視点を取り入れる意義(大阪公立大学濱島淑惠准教授から)
内容
P1-2 :はじめに、ヤングケアラーとは(PDF:866KB)
P3-4 :小学校の事例「早期発見・支援の大切さ」、コラム1「アセスメントとプランニング」 早期発見・支援の大切さコラム1:アセスメントとプランニング(PDF:740KB)
P5-6:中学校の事例「エンパワメント視点を大切にした支援」、コラム2「ジェノグラム・エコマップを書いてみよう」(PDF:804KB)
P7-8:高校の事例「卒業後の生活を想定した進路支援の大切さ」、コラム3「学校の中の「居場所」」(PDF:989KB)
P9-10:社会福祉法人の事例「世帯全体、親子ともに寄り添う支援」、コラム4「スクールソーシャルワーカーとコミュニティソーシャルワーカー」(PDF:958KB)
P11-12:豊中市の事例「ヤングケアラー相談窓口が中心となって取り組む支援」、コラム5「断られてしまったら、、」(PDF:939KB)
P13-14:民間支援団体の例(み・らいず2、ふうせんの会)、寄稿「ヤングケアラー」という視点を取り入れる意義(大阪公立大学濱島淑惠准教授から)(PDF:961KB)