ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)に対する適正な診療上の評価等を求める意見書

更新日:2023年10月20日

 
 
 

ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)に対する適正な診療上の評価等を求める意見書


 交通事故、スポーツ、落下事故、暴力など全身への外傷等を原因として発症する脳脊髄液漏出症(減少症)によって、日常生活を大きく阻害する様々な症状に苦しんでいる患者の声が、全国各地から国へ数多く寄せられていた。その後、平成18年に山形大学を中心に関連8学会が参加し、厚生労働省研究班による病態の解明が進んだ結果、平成28年より同症の治療法であるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)が保険適用となった。
 その結果、それまで高額な自費診療での治療を必要としていた患者が、保険診療のもとにブラッドパッチ療法を受けることができるようになったが、脳脊髄液漏出症(減少症)の患者の中には、保険適用J007‐2の要件に掲げられている「起立性頭痛を有する患者に係る者」という条件を伴わない患者がいるため、医療の現場では混乱が生じている。
 また、その後の研究で、脳脊髄液の漏出部位は一か所とは限らず、頚椎や胸椎部でも頻繁に起こることが報告された。ここで、この頚椎や胸椎部にブラッドパッチ療法を安全に行うためには、X線透視下で漏出部位を確認しながらの治療が必要であるが、診療上の評価がされていない現状がある。
 よって、国においては、上記の新たな現状を踏まえ、脳脊髄液漏出症(減少症)の患者への、公平で安全なブラッドパッチ療法の適用に向け、以下の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。

1.脳脊髄液漏出症(減少症)の症状において、約10%は起立性頭痛を認めないと公的な研究でも報告があることを受け、算定の要件の注釈として「本疾患では起立性頭痛を認めない場合がある」と加えること。

2.ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)の診療報酬において、X線透視を要件として、漏出部位を確認しながら治療行うことを可能にするよう、診療上の評価を改定すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和5年10月20日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 各あて
厚生労働大臣
内閣官房長官

大阪府議会議長
久谷 眞敬 

 


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議会事務局 調査課 法務・企画グループ

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