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更新日:2022年10月26日

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医師法及び保健師助産師看護師法の改正と運用の見直しにより医師や看護師の欠格事項の厳格化を求める意見書

 昨今、医療現場とりわけ精神医療の現場において、患者に対する虐待や性的虐待などの事案が数多く報道されている。
大阪府内でも認知症の患者への性的虐待が疑われる事案などがあったとして、精神科病院を精神保健福祉法に基づいて大阪府が指導していたというような事件が起きている。
 現行、医師法第7条や保健師助産師看護師法第9条では欠格事項を定めているが、医道審議会で審査の対象となる要件は「有罪が確定した者」のみとして運用がなされており、「品位を損するような行為」を要件に処分の対象となった者は昭和57年を最後に一件もない。有罪が確定するまでには逮捕から相当の年月を要することもあり、その間対象となる医師や看護師は業務を続けることができることにより次なる被害者を出すケースもある。
 医師らと患者の間には支配と被支配の関係が成立すると言っても過言ではないほど地位関係性に差がある。そのような中、医師らに無視や虐待をされたくない、病院から追い出されたくない、保護室(独房)で隔離されたり、拘束されたくない、強いクスリで意識を朦朧とさせられたくないなどの思いから、医師らの言いなりにならざるを得ず、時によっては、性的関係を強要されるケースや、そのような事情を口に出すことすら出来ずにいる患者が現に存在しているということを認識しなければならない。言うまでもなく、診療の機会における医師らとしての立場を利用したわいせつ行為は、医師らとして社会的信用を失墜させる行為であり、また、人権を軽んじ他人の身体を軽視した行為で、国民の信頼を裏切る悪質な行為である。実際にこのような被害を受けている患者がいるということを鑑みると、現行法の規定が全く抑止力になっていないことがわかる。それどころか、現行の医師法及び保健師助産師看護師法の規定や運用のままでは、本来、より高いレベルの倫理観を要する職業に就きながら、その権限だけを悪用している一部の者の行為を助長し、医療本来の価値を台無しにしてしまっているとさえ言える。
 以上を踏まえ、以下の法改正及び運用の見直しを求めるものである。

  1. 患者に対して性的虐待を行った医師や看護師については免許を取り消し、その復権を認めないよう法改正すること。
  2. 医師法第7条、保健師助産師看護師法第9条の運用に当たり、明らかに品位を欠く行為に該当すると認められる場合は、欠格条項の厳格な運用に改めること。
  3. 刑事事件として逮捕された医師や看護師については、逮捕された時点で業務停止の仮執行を行い、有罪が確定した場合には更に必要な行政処分を付加するよう改めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年10月26日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
内閣官房長官
各あて

大阪府議会議長
森 和臣

意見書の本文のPDFはこちら(PDF:127KB)

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