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更新日:2021年6月9日
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学校教育におけるデジタルトランスフォーメーションを適切に進めるための意見書
現在、教育の現場では、「誰一人取り残すことのない公正に個別最適化され、創造性を育む学び」の実現を目指す「GIGAスクール構想」の一環で、児童生徒に一人一台の情報端末の貸与、並びに校内の高速ネットワークの整備が進められている。
また、これらのハード面の取組に加えて、児童生徒の「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実や、「特別な配慮を必要とする児童生徒の学習上の困難の低減に資するもの」として、「デジタル教科書」の導入も進められようとしている。
「GIGAスクール構想」に対しては、ICTを活用したオンラインでの授業や宿題の配付、さらにデジタル教科書やデジタルドリルの活用など、各人の状況に合わせた学習を推進することにより、多様な学びの実現と教員の負担軽減などへの期待が高まっている。
一方で、全ての教員が情報端末を活用した一定レベルの授業を行うことができるよう、個人情報の取扱い及び管理も含めた教職員の資質の向上が求められる。また、デジタル教科書・教材は、学校から貸与された端末を使い、学校のシステムに接続する必要があり、例えば、転校先でも復習や学びが継続できる環境を整備しておくことも重要である。
さらに、デジタル教科書のみを使用した場合には、学習の基本能力である「読解力」の低下が危惧される。そこで、各自治体において、Society5.0時代を生きる子どもたちに相応しい教育を推進するため、学校教育にICTを浸透させ、さらなる教育の充実を図るためのデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の実現に向けて取り組んでいくべきである。そのため、国においては、以下の事項について迅速に対応するよう強く要望する。
記
- 情報端末の利活用、個人情報の取扱いなど、教育DXに対応する教職員研修の充実に努めること。
- システムやソフトウェアの整備、情報端末や通信設備の修繕や定期更新など、教育DXに関する学校教育予算の充実・確保に努めること。
- 様々な会社の情報端末とデジタル教科書や個人認証システムとの互換性を確保するための統一規格の調整に努めること。
- よく聞き、よく読み、よく書くなどの生涯学び続けるための基本的な「学ぶスキル」を身に付ける上で、紙面の活用と対面学習の併用を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年6月9日
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 文部科学大臣 内閣官房長官 デジタル改革担当大臣 |
各あて |
大阪府議会議長
鈴木 憲