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更新日:2021年6月9日
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チルドレン・ファーストの行政推進を実現するため、縦割り行政を打破し「新たな組織」の創設を求める意見書
家庭、学校、地域等を問わず、子どもの命や安全を脅かす深刻な状況が続いている。
新型コロナウイルス感染症による混乱が続いた2020(令和2)年は、児童虐待で死亡した児童は前年より増加し61人、自ら命を絶った児童生徒は500人近くに上る一方、2018(平成30)年に公表された厚生労働省の「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」では、子育て関連支出の対GDP比は1.7%と先進諸外国と比較しても著しく低いままの水準である。
一人一人の子どもが健やかに育つこと、子どもの権利条約の理念を十分に踏まえ、子どもが自分の意思で楽しく生きられる環境を整えること、子どもを持ちたい・育てたいと願う人々に寄り添い、子どもを産み育てやすい日本とするため、我が国は今こそ「こども最優先(チルドレン・ファースト)」の子ども・子育て施策に大きく舵を切るべき時である。
府省庁間の縦割り行政の弊害、不妊治療・妊娠・出産や教育費などに対する負担感、虐待などに対するやり場のない不満や保育と教育の質についての不安など、子育て世代に共通する多くの悩み・課題に応えるため、府省庁間の連携を確保するとともに、国・都道府県・市区町村一体となったチルドレン・ファーストの子ども行政を実施しなければならない。
このため、国においては、「新たな組織」の創設をはじめ、チルドレン・ファーストの行政の推進を実現するため、下記の事項について対応するよう強く要望する。
記
- チルドレン・ファーストの「新たな組織」を創設すること。
- 「新たな組織」には、子どもに関する課題(子どもの虐待、性被害、自殺、事故、不登校、いじめ、貧困、DV、非行、教育格差等)の網羅的・一元的把握と、医療・保健・療育・福祉・教育・警察・司法等の各分野における子ども関連施策について、縦割りを克服し府省庁横断の一貫性を確保するための総合調整、政策立案、政策遂行の強い権限を持たせること。
- チルドレン・ファーストの子ども行政の推進に当たっては、国の施策のみならず、都道府県、市区町村間での連携にも十分に留意するとともに、行政の手続について、デジタルを活用し簡素化、情報連携を図ること。
- 「新たな組織」の採用やその人事及び専門人材の育成のあり方については、所管内容をよく整理した上で、実効性のあるものとすること。
- 家庭・学校・地域を問わず、子どもの命や安全を守るため、縦割り行政を打破し、子ども・教育に関連する予算の大幅な増額を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年6月9日
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 法務大臣 財務大臣 文部科学大臣 厚生労働大臣 内閣官房長官 内閣府特命担当大臣(規制改革) 内閣府特命担当大臣(少子化対策) デジタル改革担当大臣 国家公安委員会委員長 |
各あて |
大阪府議会議長
鈴木 憲