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更新日:2020年10月1日
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不妊治療への保険適用の拡大を求める意見書
不妊治療への保険適用の拡大を求める意見書
日本産科婦人科学会のまとめによると、2018(平成30)年に不妊治療の一つである体外受精で生まれた子どもは5万6979人となり、前年に続いて過去最高を更新したことが分かった。これは実に16人に1人が体外受精で生まれたことになる。また晩婚化などで妊娠を考える年齢が上がり、不妊に悩む人々が増えていることから、治療件数も45万4893件と過去最高となった。
国においては、2004(平成16)年度から、年1回10万円を限度に助成を行う「特定不妊治療助成事業」が創設され、その後も助成額や所得制限などを段階的に拡充してきている。また、不妊治療への保険適用もなされてきたが、その範囲は不妊の原因調査など一部に限られている。保険適用外の体外受精や顕微授精は、1回当たり数十万円の費用がかかり何度も繰り返すことが多いため、不妊治療を行う人々にとっては過重な経済負担になっている場合が多い。
厚生労働省は、不妊治療の実施件数や費用などの実態調査を10月から始めているが、保険適用の拡大及び所得制限の撤廃も含めた助成制度の拡充は、早急に解決しなければならない喫緊の課題である。
そこで、国においては、不妊治療を行う人々が、今後も安心して治療に取り組むことが出来るよう、下記の事項について早急に取り組むことを強く求める。
記
- 不妊治療は一人一人に最適な形で実施することが重要であるため、不妊治療の保険適用の拡大に当たっては、治療を受ける人の選択肢を狭めることがないよう十分配慮すること。具体的には、現在、助成対象となっていない「人工授精」をはじめ、特定不妊治療である「体外受精」や「顕微授精」さらには「男性に対する治療」についてもその対象として検討すること。
- 不妊治療の保険適用の拡大が実施されるまでの間については、その整合性も考慮しながら、所得制限の撤廃や回数制限の緩和など既存の助成制度の拡充を行うことにより、幅広い世帯を対象とした経済的負担の軽減を図ること。
- 不妊治療と仕事の両立ができる環境をさらに整備するとともに、相談やカウンセリングなど不妊治療に関する相談体制の拡充を図ること。
- 不育症への保険適用や、事実婚への不妊治療の保険適用、助成についても検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年12月21日
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 厚生労働大臣 内閣官房長官 |
各あて |
大阪府議会議長
土井 達也