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更新日:2014年4月28日

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人権学習シリーズ ありのままのわたし 大切なあなた コラム4

コラム4 子どもを尊敬するってどんなこと?

「どの靴下にする?」

ある保育所の2歳児クラスでのエピソードです。園庭で靴下がぬれてしまったCちゃんが担任の先生と一緒に靴下を履き替えに保育室にやってきました。担任の先生は、Cちゃんのロッカーに入っていた3足の靴下を全部出してからCちゃんに問いかけました。「Cちゃん、どれにする?」。Cちゃんは少し考えてから、「これ!」と1足の靴下を選び、担任の先生に手伝ってもらいながら靴下を履き替えました。
この一連のやりとりは、当たり前のことのように、ごく自然に行われていました。しかし、このちょっとしたやりとりの中に、「おとなが子どもを1個の人格をもった存在として尊敬する」という姿勢の1つの表れがあると感じました。

「自分で選ぶ」ことの大切さ

子どもは小さくても自分の思いや意志を持っています。しかしながら、おとなはしばしば、そうした事実を忘れ、あるいは無視して、一方的におとなの思いを押し付ける形で子どもに関わりがちです。そうする中で子どもは、一人の人として「自分で決める」「自分で選ぶ」という機会を奪われがちなのではないでしょうか?
子どもは育ちゆく存在なので、おとなが適切に教えたり、方向づけたりすることも大切です。しかしながら、子ども自身が、「自分のことを自分で決める」中で、「わたし」として育つということは、人として生きていくための根っこを育てる乳幼児期において、極めて重要なことなのです。そうした意味で、子ども自身が自分の思いや意志を受け止めてもらう体験を積み重ねていくことが大切になるのです。そして、「子どもを1個の人格をもった存在として尊敬」しているおとながいることで、それは可能になるのです。
靴下を選ぶ。本当にちょっとしたことですが、このような日常的な子どもとの関わりの中で、Cちゃんの担任の先生は、Cちゃんが「自分で選ぶ、自分で決める」という体験を保障していたのです。
自分自身がどのように子どもと関わっているのか、振り返ってみませんか?

コラム4のイラスト

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