大阪湾奥部における藻場等の創出取組事例

更新日:2022年12月22日

藻場は、CO2の吸収源となるほか、溶存酸素の供給等による水質改善、魚類等の産卵と生育の場の創出による生物多様性の向上など、多面的な機能を有しています。
大阪府では、栄養塩類の滞留による貧酸素水塊の発生や、生物の生息に適した場が少ないなどの課題がある湾奥部における藻場の創出に取り組んでいます。

令和4年度「令和の里海づくり」モデル事業(環境省)

 環境省において、令和4年度から藻場・干潟等の保全・再生等と地域資源の利活用の好循環形成や連携体制づくり等を行うモデル事業を実施しています。
今回、ENEOS株式会社堺製油所と連携して実施する「企業所有護岸における藻場の創出と、情報発信を通じた地域住民と地元の海とのつながりの構築に向けた取組」が採択されました。

事業概要

テーマ

 大阪湾奥部の企業所有護岸における新たな藻場の創出と情報発信を通じた、地域住民と地元の海とのつながりの構築に向けた取組み

背景・課題

・大阪湾奥部に面する企業所有護岸における藻場創出等の取組みについては、これまで、関連する技術の現場への適用可能性が明らかでなかった。
・ 企業所有の護岸については、安全管理上(操業や保安等)、企業関係者以外が近寄ることは困難であるため、地域住民と地元の海とのつながりが構築されていない。

▷ 本モデル事業では小規模環境改善技術を活用して藻場の創出に取り組むとともに、地域住民に、藻場の創出状況や藻場の保全・創出の重要性をわかりやすく発信することに取り組む予定。これらの取組みにより地域住民と地元の海とのつながりを構築し、閉鎖性海域の環境改善を促進する。

実施内容

  1. 藻場の創出・モニタリング
    未使用護岸(消波ブロック設置箇所)に新たな藻場を創出するため、小規模な環境改善技術(小型の藻類着生ブロック等の設置等)を用いて藻場の生育基盤の整備を行うとともに、藻類のタネ(遊走子)の供給源として海藻を設置。水中カメラ等を用いて藻類の生育状況のモニタリングを実施する。
  2. 地域住民等への情報発信・持続可能な好循環形成の検討
    地域住民と地元の海とのつながりを構築するため、広報誌やSNSを活用し、藻場の創出状況やその重要性をわかりやすく発信する。 

実施場所

  モデル事業実施場所

 出典:(左)国土地理院撮影の空中写真(2013年)、(右)国土地理院発行2.5万分1地形図

藻類等が着生しやすいブロックの設置(令和4年12月13日)

 設置 基質設置 藻場造成のイメージ


「豊かな大阪湾」環境改善モデル事業(令和元年度・令和3年度)

令和元年度(2件採択)及び令和3年度(1件採択)において、大阪湾奥部で港湾利用に影響を与えることなく短期間での施工が可能で、汎用性のある技術の小規模実証を実施しました。
現在、環境改善モデル事業によって創出された藻場のモニタリングを実施しています。

【参考】大阪府海域ブルーカーボン生態系ビジョン

水産生物の産卵や幼稚仔魚の育成、地球温暖化の防止に貢献するブルーカーボンの蓄積の場として重要な藻場の創造・保全に向けた行動計画である「大阪府海域ブルーカーボン生態系ビジョン〜藻場の創造・保全による豊かな魚庭(なにわ)の海へ〜」(令和4年1月策定)に基づき、泉佐野市以南の泉南地域において、各海域の環境に的確に対応した形でハード・ソフト対策が一体となった広域的対策を推進しています。

このページの作成所属
環境農林水産部 環境管理室環境保全課 環境計画グループ

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