大阪湾に流入するプラスチックごみ量の推計について(暫定値)

更新日:2022年4月12日

大阪府では、2021(令和3)年3月に「おおさか海ごみゼロプラン(大阪府海岸漂着物等対策推進地域計画)」を策定し、大阪湾に流入するプラスチックごみの量を、現状を100として、2030年度に半減するという目標を掲げ、ごみを出さないライフスタイルの定着など発生抑制対策や地域団体等による美化活動の活性化等の取組みを推進しているところであり、その進捗を的確に把握するために、現時点において府域から大阪湾に流入するプラスチックごみ量を推計するものです。

1.推計の基本的な考え方

  • 大阪湾に流入するプラスチックごみの大半は、陸域で発生したごみが河川や水路等を通じて流入するため、河川を流下するプラスチックごみの量を推計することを基本としました。
  • 河川におけるごみの流下量は流域における人口の集中度で異なると考えられるため、人口密度別に府域の市町村を3区分し、各区分に流域を有する河川をモデル河川として選定しました。
  • モデル河川に設置されているカメラの画像から、降雨時と非降雨時に分けて流下するごみをAI技術で判別し、各モデル河川の年間ごみ流下量を推計しました。
  • この推計量を各モデル河川の流域面積で除して、各区分の面積あたりのごみ流下量とし、各区分の府域の総面積を乗じて積算することにより、府域から大阪湾に流入するごみ量としました。

2.モデル河川の選定

  • 府域の市町村を人口密度別に3区分し、それぞれの区分に流域を有する河川を選定しました(表1・図1)。
  • 人口密度別に3区分するにあたっては、人口比と面積比を考慮し、府内43市町村の人口密度別に並べ、人口密度が低い方から順番に10の市町村を人口密度区分「1(低)」、人口密度が高い方から順番に10の市を人口密度区分「3(高)」、その他の市町を人口密度区分「2(中)」としました。
  • ごみの流下量の把握には、府が河川に設置しているカメラの画像(1分ごとに撮影)を活用することとしました。
  • 選定にあたっては、川幅がカメラ画像内に納まっていること、ごみをカメラ画像で確認できることを条件としました。

 

表1 府内市町村の人口密度区分及び各区分におけるモデル河川

人口密度別
区分

人口密度

人口(人)

人口比

面積(㎢)

面積比

該当する市町村

モデル河川

1(低)


下位10
市町村

283,093
(3.4%)

459
(24.1%)

河内長野市、泉南市、阪南市、豊能町、能勢町、田尻町、岬町、
太子町、河南町、千早赤阪村

大川
(岬町)

2(中)

中位23
市町

3,703,387
(41.9%)

993
(52.1%)

堺市、岸和田市、池田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、枚方市、
茨木市、八尾市、泉佐野市、富田林市、和泉市、箕面市、柏原市、
羽曳野市、摂津市、高石市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、島本町、
忠岡町、熊取町

恩智川上流
(八尾市、柏原市)

3(高)

上位
10市

4,824,978
(54.6%)

453
(23.8%)

大阪市、豊中市、吹田市、守口市、寝屋川市、松原市、大東市、
門真市、藤井寺市、東大阪市


平野川下流
(大阪市)


   
モデル河川
                                                     図1 府内市町村の人口密度別区分及びモデル河川

3.モデル河川における流下プラスチックごみ量のAIを活用した推計

 AIの活用方法

 AIを活用した水環境モニタリング手法について研究されている大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻 社会システム学講座(中谷祐介准教授)に推計していただきました。

  • 教師ありの深層学習※1モデルであるセマンティックセグメンテーションモデル※2をベースに開発。
  • 水面を流れる人工的なごみを判別できるように学習。
  • 人工的なごみと判別された部分の面積をカウントすることで、ごみの量を算出。

  ※1:機械学習の手法の1つ。正解ラベルの付いたデータ(例:「ごみの画像」+「(これはごみ)という情報」をAIに学習させる。
  ※2 画像認識技術の一種で、カテゴリ分類(人工的なごみか、そうでないかを画素単位で判別する手法)の1つ。

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   図2 元画像(左)とAIによりごみと判別された部分を色付けした画像(右) (地点:恩智川上流(カメラ設置箇所:恩智川治水緑地))

モデル河川における流下ごみ量のAIを活用した推計結果

各モデル河川におけるAIを活用して流下ごみ量の推計を行ったところ、流域の人口密度高い程、流下ごみ量が多い結果となりました。

表2 モデル河川における流下ごみ量のAIを活用した推計結果

人口密度別区分

モデル河川

降雨時の1日
あたりの
ごみ流下個数(個/日)

年間降雨日数*1

非降雨時の1日
あたりの
ごみ流下個数(個/日)

年間非降雨日数

年間流下個数(個/年)

うち、プラスチックごみ
の年間流下個数*2(個/年)

 1(低)

 大川

29.7

48

1.9

317

2,040

1,663

 2(中)

恩智川上流

581.6

22.1

34,927

28,466

 3(高)平野川下流

465.6

148.5

60,202

49,064

*1 2020年度におけるアメダス大阪において10mm以上の降雨が確認された日の数
*2 令和3年度に本府が実施した河川等のごみ組成調査結果における人工物に占めるプラスチックごみの割合(81.5%)を乗じて算定


4.大阪府域から大阪湾に流入するプラスチックごみ量の推計結果(暫定値)

AIを活用して推計した各モデル河川におけるプラスチックごみの年間流下個数を、各モデル河川の流域面積で除して、各区分の1km2あたりの流出個数とし、各区分の府域の総面積を乗じて積算することにより推計しました。
結果は表3に示すとおりであり、府域から大阪湾に流入するプラスチックごみ量(暫定値)は、年間1,102 m3/年(暫定値)と推計されました。この容量は、標準的な小学校用の25mプール(幅12m×長さ25m×深さ1.2m)と比較すると、約3杯分に相当します。
今回の推計値については、AIで解析する河川を拡大するなど、さらに精査する必要があることから、暫定値として公表するものです。

表3 大阪府域から大阪湾に流入するプラスチックごみ量(暫定値)

 
人口密度別区分

 モデル河川

 プラスチックごみの年間流下個数
(個/年)

 流域面積(㎢)

 1㎢あたりの流出個数(個/㎢/年)

大阪府総面積(㎢)

 総個数
(個/年)

 総容積※1
(㎥/年)

総重量※2
(t/年) 

1(低)

大川

 1,663

 13.2 

 125.6

 459

 57,711

 30

 1.7

2(中) 

 恩智川上流

 28,466

 20.8

 1,365.8

 993

 1,356,028

 705

 40.2

3(高) 

 平野川上流

 49,064

 31.5

 1,556.1

 453

 705,070

 367

 20.9

 合計

2,118,809 

 1,102

 62.8

*1 令和3年度に本府が実施した河川等のごみ組成調査結果におけるプラスチックごみ1個あたりの容量(0.52 L/個)を用いて算定
*2 令和3年度に本府が実施した河川等のごみ組成調査結果におけるプラスチックごみの密度(0.057 kg/L)を用いて算定
    
※四捨五入の関係で合計値が合わない場合がある。

5.今後の予定

  • AIで解析するモデル河川を増やし、推計の精度向上を図るとともに、上流府県からの流入量についても推計を行っていきます。
  • AIを活用して河川を流れるプラスチックごみ量を推計する手法が、他自治体等でも活用できるものとなるよう、大阪大学と連携して汎用性の向上等に取り組みます。 

このページの作成所属
環境農林水産部 環境管理室環境保全課 環境計画グループ

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