化学物質濃度指針値

更新日:2020年6月10日

 住宅の空気中には、化学物質の発生源例の図のように多くの化学物質が存在しますが、厚生省(現厚生労働省)では、実態調査において室内空気中で高い汚染を示した化学物質などから、以下の8物質について指針値を示しています。この指針値は、現状において入手可能な科学的知見に基づき、人がその化学物質の示された濃度以下のばく露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響を受けないであろう、との判断により設定されています。(ただし、ホルムアルデヒドについては、短期間のばく露によって起こる毒性を指標として策定されています)

揮発性有機化合物

主な用途

室内濃度指針値※

ホルムアルデヒド接着剤、防腐剤100μg/m3(0.08ppm)
トルエン塗料用溶剤260μg/m3(0.07ppm)
キシレン塗料用溶剤200μg/m3(0.05ppm)
パラジクロロベンゼントイレ用防臭剤・衣料用防虫剤 240μg/m3(0.04ppm)
エチルベンゼン塗料用溶剤 3800μg/m3(0.88ppm)
スチレンプラスチック・ゴム合成原料220μg/m3(0.05ppm)
クロルピリホス防シロアリ剤、農薬1μg/m3(0.07 ppb)
ただし、小児の場合
0.1μg/m3(0.007ppb)
フタル酸ジ-n-ブチルプラスチック可塑剤17μg/m3(1.5ppb)

※量単位の換算は、25℃の場合による。ppmは百万分の1、ppbは10億分の1
○上の表は、平成12年12月22日現在で指針値が策定されている物質。他の化学物質についても指針値の策定が進められています。
○指針値の策定の目的は、住宅施工業者による、指針値を超えるおそれのある物質を建材等の製品に使用しないことなど自主的な住宅構造や仕様等の改善の取り組みを期待し、その結果として、VOCの室内濃度低減化を促進し、快適で健康的な住居環境の確保を図ることにあります。
〇平成31年1月17日に、キシレン及びフタル酸ジ-n-ブチルの指針値が改訂されましたので修正をしています。

●VOC、TVOC


 揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)とは、常温で蒸発する上のような有機化合物(沸点50℃から250℃のものが大部分)のことで、室内には通常いくつもの物質が存在します。総揮発性有機化合物(TVOC:Total Volatile Organic Compounds)は、個々の揮発性有機化合物の総和で、室内の空気状態の目安となります。暫定目標値は、400μg/m3


●ホルムアルデヒド


 ホルムアルデヒドは、住宅においてしばしば発生する代表的な化学物質の一つです。発生源としては、建材、家具、暖房器具の使用、喫煙などがあります。特に尿素−ホルムアルデヒド系接着剤として多く使用されており、合板・パーティクルボードの接着剤の原料、壁紙用接着剤の防腐剤としても利用されています。人体への影響としては、0.08ppmくらいから臭いを感じ、それ以上の濃度では、0.4ppm程度で目がチカチカしたり、0.5ppm程度で喉が痛くなる場合が多いことが報告されています。また、発ガン性があることも疑われています。


●新しい指針値


 平成13年7月25日に3物質、平成14年2月7日に2物質、計5物質について、指針値が追加されました。

揮発性有機化合物

主な用途

室内濃度指針値

テトラデカン塗料等の溶剤
灯油は主要な発生源となりうる
 330μg/m3(0.04ppm)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシルプラスチック可塑剤 100μg/m3(6.3ppb)
ダイアジノン殺虫剤成分0.29μg/m3(0.02ppb)
アセトアルデヒド接着剤、防腐剤  48μg/m3(0.03ppm)
フェノブカルブ防シロアリ剤  33μg/m3(3.8ppb)
 
〇平成31年1月17日に、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルの指針値が改訂されましたので修正をしています。

●厚生労働省シックハウス対策の詳細は次のホームページでご覧ください

厚生労働省
 化学物質安全対策室のホームページ


このページの作成所属
健康医療部 生活衛生室環境衛生課 総務・企画グループ

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