人権学習シリーズ ありのままのわたし 大切なあなた ごっこ遊び

更新日:2016年2月15日

ごっこ遊び

キーワード

尊敬:自分も友だちも大切な一人ひとり(自己肯定感・他者への尊敬)
公平:対等な関係
反偏見:さまざまな違いを当たり前に受けとめる

ねらい

・好きな遊びで、自分なりの遊び方をみつける力を育む。
・ごっこ遊びを通して「○○ちゃん、一緒にしよう」と友だちと誘い合う力を育む。
・ごっこ遊びを通して友だちとのやりとりを楽しむ力、イメージをふくらませる力を育む。
・やりたい役割が同じなど、相手の気持ちに気づく力を育む。

対象

おおむね1歳半から3歳
(1つのグループで2、3人から5、6人までおとなも一緒に)

所要時間

20分程度

準備するもの

(おうちごっこの場合)
人形、ほにゅうびん、いらなくなったなべ、ポット、ガス台に見立てたもの、ままごとの包丁、まな板、お玉、茶わん、皿、コップ、スプーン、テーブル、イス、洗濯機に見立てたダンボール箱、かばん、電話、衣類、物干し、人形、スーパーの袋、バンダナ、エプロンetc
※すべてを準備する必要はありません。この中で家庭にあるもの、そろえやすいもの2つ3つからでも子どもは遊び始めます。
(お店屋さんごっこの場合)
子どもがイメージしているお店にありそうなものを用意してみましょう。
新聞のチラシにのっている写真を切り抜いたものや古いカタログを切り取ったもの、子どもと一緒に作った紙粘土のお菓子やケーキ、カラフルな布の端切れなどを並べたお店も楽しいですよ。

ごっこ遊び1


やってみよう

 こんな場面で

・子どもがままごとをしたり、人形を出して何かに見立てて遊んでいる時。

 遊び・活動への誘いかけ

*「○○ちゃん、お鍋持って何しているの?」と子どもが遊んでいるようすを見守りながら 「今から何つくるの?」「おいしそうだね」「おいしいごちそうできたら呼んでね」など声をかけます。

 進め方

1 子どもがなりたい役になって遊ぶ(お母さん・赤ちゃん・犬など)。
  *子どもの声・反応
    ・ごはんを作っておとなに「あーん」「はいどうぞ」と食べさせる。
    ・「おいしい?」と聞く。
    ・「今まぜまぜしてるから、待っててね」「赤ちゃんのごはん作る」
    ・コップを持って「かんぱーい」など。

ごっこ遊び2



2 友だちとのやりとりが楽しめるよう、フォローしましょう。
  *例えば、子どもの様子を見て、こんな言葉をかけてみましょう。
    「今日のごはんは何ですか」
    「いいにおい!みんなもにおいを嗅いでみて!」
    (カレーが目の前にあるつもりになって)
    「カレーに入っている物なーんだ!」
    「○○ちゃんのおうちには赤ちゃんがいるよ」
    「お友だちとかんぱーい」など

ごっこ遊び3


※中には、遊ばずに見ている子、ひたすらごはんを混ぜている子もいますが、子どもも十人十色、いろんな姿があっていいですよ。
※見ることも参加の1つなので「ごはんつくってるね」など声をかけ、見守りましょう。
※まぜたり、こねたり、ごっこの中で楽しいことが見つかれば、納得するまで遊ばせるといいでしょう。頃合いを見て、「○○ちゃんとかんぱいしようか」など、つなげていきます。
※自分のイメージや体験から遊びを展開させていきます。その時に、応じてくれるおとなや友だちの存在がごっこ遊びを豊かにしてくれます。「おいしいね」「まぜまぜ上手だね」などの声かけをすると遊びが広がります。「いただきます!」などおとなも一緒に楽しみましょう。
※子ども一人ひとりがイメージを持ちやすいごっこ遊びを選びましょう。
※ごっこの内容に応じて、準備するものをそろえます。

                                                 ごっこ遊び4                                 ごっこ遊び5

 ポイント

★子ども発のごっこ遊びを大事にしましょう。
 この頃になると、生活を再現しておとなのごちそうづくりをまねたり、自分が身近な人になったつもりで遊ぶようになります。まだまだ役割を決めて遊ぶところまではいかず、保育所などでは、みんながお母さん(お父さん)になってのごっこが展開されることがありますが、暖かく見守りましょう。「何もしない」「見てるだけ」という子どもの姿もありますが、「見て学んでいるんだな」ととらえ、ごっこの中でその子がしたいと思っていることを見つけて声をかけていきましょう。
 「おうちごっこ」「買い物ごっこ」「お店屋さんごっこ」「電車ごっこ」「魚つりごっこ」など、身近で子どもがイメージしやすいものから取り組むと良いでしょう。まずは、ごっこに使えそうなものを準備して、子どもがどうするか見守りましょう。
 子どもたちがとまどっているようなら、声をかけて、子ども同士をつないでいきましょう。
 「○○ちゃんもしたい!」「かわって」「いれて」「あとで」など、おとなにフォローしてもらうことで友だちへの声のかけ方など、やりとりする楽しさも身につけていきます。
★さまざまなごっこ遊びを通して「男がエプロンしてるって変!」「女なのに青い服着ている」など女らしさ・男らしさについての意識が顕著に表れることがあります。こんな場面に出会ったら「そんなことないよ」「○○ちゃんはエプロン好きなんだよね」「青色ってきれいだよね」などと声をかけ、男女問わず「自分がどうしたいか」を決めていいということ、自分らしく生きることの大切さを知らせて、刷り込まれている女らしさ・男らしさに関わる価値観を揺さぶっていきたいですね。
★保育所や幼稚園、子育て広場など子どもが集まる場では、多文化の視点からも遊びを展開できることがあります。例えば、肌の色が違う人形など、楽しい遊びを通して触れることで、そこから子どもたちの持つ価値観(肌ははだいろ※に決まってる!髪の毛が縮れているのは変!)を揺さぶり、多様さを受け入れるきっかけとすることもできます。
※世界にはいろいろな人種や民族の人々が暮らしており、日本にもさまざまな肌の色の人が暮らしています。従来のように「はだいろ」という表現を使うことは、肌の色に対する固定観念を植え付けることにつながるおそれがあることから、現在では「うすだいだい」「うすオレンジ」などと表記されています。
 

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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