運用改善・設備更新など 事例-1 (株式会社仁張工作所)

更新日:2016年1月14日

株式会社仁張工作所における省エネ活動

取組事業者の概要

株式会社仁張工作所は、環境省の「エコアクション21」ガイドラインを活用し、環境負荷を意識した事業活動を実施されています。(2004年に「エコアクション21」の認証を取得し、登録事業者になりました)3R(Reduce〔減らす〕、Reuse〔繰り返し使う〕、Recycle〔分別再資源化〕)や3S(整理・整頓・清掃)活動などに加えて、省エネについても様々な取組みを実施されています。

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 【会社名】 株式会社仁張工作所(大阪府東大阪市水走3-14-6)

 【業 種】 別注スチール家具・ステンレス家具、各種精密板金加工などの製造・販売業

 【創 業】 昭和39年

 【資本金】 2,500万円

 【年 商】 約20億円(2014年)

 【従業員数】 約100名(パート含む)
【写真1:株式会社仁張工作所】

製品カテゴリー

・サプライヤー:精密板金部材及びサブキット化された半完成品

・OEM供給:商社やメーカーなどの顧客のカタログ製品を完成品として供給

・オーダーメイドースチール製品:大手オフィス家具メーカーのカタログにない特型・別注仕様をはじめ、物件対応が可能

・オリジナル製品:オーダーメイドスチール製品の供給実績から、オリジナル製品として立ち上がった製品

活動紹介 

照明器具の取替え

2014年7月に本社1F機械工程の照明を消費電力の少ないものに変更しました。

この場所では製品の検査を行うため、照度が下がらないように設計して取り替えました。

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 【写真2:照明器具の取替え前(左)と取替え後(右)】

・取替え前:水銀灯(400W・10本)、蛍光灯(90W・53本)

・取替え後:無極灯(120W・5本)、灯光器(40W・13本)、蛍光灯(40W・45本)  

人感センサーの活用

晴れた日の昼間は、本社の社員通用階段の照明を消灯することにしました。

それだけでは暗いので、階段のすみに自動消灯のランプを置き、足元を照らすようにしています。

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【写真3:人感センサーの活用】

この点でよかったことは、電池式のランプを使っているので、災害時に停電があったときなどは社内と違う電源であるため、最低限の安全を確保できることです。

電気以外のエネルギーで冷暖房を選ぶ

空調をGHP(ガスヒートポンプ)に変更しました。(燃料が電気から都市ガスへ)

GHP(ガスヒートポンプ)により、エネルギー効率をアップすることでCO2の削減にも繋がります。

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【写真4:ガスヒートポンプの利用】

デマンド監視装置の導入と活用

デマンド監視装置によって、現在のデマンド値がどれくらいか目視確認出来ます。

また、数時間後までの予測表示や、一定水準を超えたらブザーが自動で鳴る設定もあります。

目標を超えると総務が社内アナウンスで、不要な電気を切るように呼びかけを実施します。

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【写真5:デマンド監視装置モニター】

電気料金のうち基本料金は年間のピーク値(年間最大需要電力)で算出されることから、

ピークを抑える事で電気料金を大きく下げることが可能です。

デマンド監視装置は電気会社より借り受けています。

遮熱塗装の実施 (初期費用はかかるけれど効果は大きい)

社屋屋根の遮熱塗装を実施しました。

2012年に本社社屋で施工したところ、効果が大きく、倉庫についても施工しました。

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【写真6:社屋屋根の遮熱塗装】

屋根の高圧洗浄後、プラサフ下塗及び遮熱塗料の塗布を実施しました。(2013年12月施工)

水使用量の削減 (浄水の再利用)

水を循環させる工夫で、水使用量を削減しました。

塗装工程の貯水槽のパイプを新たに設置し、水の経路を変えたことで汚水と浄水のコントロールが出来るようになりました。

これにより、浄水を再利用できるようになったので、排水量の削減に繋げる事が出来ました。

社内のレーザーターレットパンチプレス機の冷却水も、使い捨てではなく巡回させる事で効率よく再利用をしています。

使えるものは何度でも使いまわす事が大切です。

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【写真7:バイパスパイプを利用した水使用量の削減】

また、毎日水漏れ等の異常が無いか、作業前に確認しています。

毎月の水道料金(使用量)を記録しているので、異常値が出た場合、問題の場所を確認に行きます。

製品の作り込みによる工夫で省エネ!

一見して普通のロッカーですが、製品の角部分にわざと切り欠きを設けています。

塗装前の製品を洗浄する際に、この穴があることで洗浄水が箱部分の中で滞留せずに落ちてゆきます。

この穴がなければ、製品の中に溜まった水を乾燥させる時間も長くなります。

乾燥窯はガスで温めているので、余計にガスを使用することになります。

自分たちの作っている製品を深く知り、社内の各工程で困っている事や気付きを改善する事で、無駄なエネルギーを省くことができました。

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【写真8:洗浄水を滞留させない工夫により乾燥過程で生じるエネルギー消費を削減】

社員の気付きや取組み (日々の意識付け、費用をかけずに始められる社員の取組み)

空調機の使用前にフィルターの清掃することで、負担を削減させます。

各部署の社員がフィルターの汚れを水で洗い流しています。

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【写真9:社員による空調機のフィルター清掃】

POP(呼びかけ表示)による意識付け

1.エアコンの消し忘れ防止

エアコンのスイッチの場所ではなく、電気スイッチの場所にエアコン消し忘れがないよう注意を促しています。

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【写真10:エアコンの消し忘れ防止のためのPOP】

2.スクラップの分別表示

スクラップは、鉄板、塗装、メッキ処理がされているもので分別します。

注意喚起するためポスターを貼って分別を呼びかけています。

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【写真11:スクラップ分別のためのPOP】

その他 (環境に配慮した取組み)

木材及びシンナー処分の工夫

これまで処分費用が生じていたものを見直しました。

1.パレット(木材)の廃棄 ⇒ 薪ストーブの燃料化

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【写真12:パレット(木材)の燃料化】

2.使用済みシンナーの廃棄 ⇒ リサイクル

いままでは塗装場で出た使用済みのシンナーは、産業廃棄物として処分していました。

改めて処分業者を選定し、再利用できる会社へと売却することにしました。

繰り返し使う取組み

ウエスは汚れ具合で再使用しています。

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【写真13:ウエスの再利用】

部品入荷時のダンボールは緩衝材として使ってから再資源へ。

工場内で主に使う緩衝材は繰り返し使える毛布やフェルトなどです。

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【写真14:ダンボールの再利用・再資源化】

全社IT化に向けた取組み(タブレット活用によるペーパーレス化)

全社的にIT化を進め、紙の使用量を減らす取組みを行いました。

2015年3月より4ヶ月かけて図面や作業標準書をデータベース化しました。

また、生産管理システムと連携させることで、作業をする時にいつでも検索できるようになりました。

図面を検索する際、作業指示書に載っているバーコードから図面を検索しています。

今では作業者がタブレットで図面を呼び出して作業を行っています。

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【写真15:タブレットの活用によるペーパーレス化】

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このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 スマートエネルギーグループ

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