事例41 表現倶楽部「うどぃ」− 大阪狭山市立公民館 −

更新日:令和2年11月17日

表現倶楽部「うどぃ」 − 大阪狭山市立公民館 −

活動のあらまし

 大阪狭山市の中学生が、沖縄への修学旅行で出会った「組踊(くみおどり:琉球の歌舞劇)」。「自分たちもやりたい」という子どもたちの感動と「子どもたちに新しい居場所を作りたい」という保護者の思いをきっかけに、地域と学校と公民館が連携し、平成18年に公民館講座青少年セミナーとして中高生を対象に開講したのが表現倶楽部「うどぃ」です。

 この講座では、オリジナルの歌舞劇作品の上演を目標に、歌や踊りといった表現活動に取組んでいます。「一生懸命はかっこいい!」を合言葉に、受講する中高生や職員を含むスタッフのみなさんが意欲的に取組んでいるこの講座、実は、単なる歌舞劇の練習の場にとどまらない、大阪狭山市の地域活性化の原動力となっています。

活動のポイントとエピソード

ここがポイント1 子どもたちの居場所であり、地域とのつながりの場である

 表現倶楽部「うどぃ」の名のとおり(「うどぃ」とは、沖縄の言葉で「おどり」を意味します)、歌やダンス、バンド演奏や演劇と、子どもたちは舞台公演に向けた稽古を中心に活動を行っています。高校生のメンバーともなると、自身の通う大阪狭山市外の高等学校の友だちを誘ったりすることもあるようで、中にはそうやって大阪狭山市外から参加しているメンバーもいます。そうした同年代の仲間をはじめ、公民館職員やスタッフなど様々な人が一緒になって、和気藹々とした雰囲気で取組んでいます。

 また、稽古以外にもクリーンアクション(清掃活動)といった地域活動や、福祉施設でのボランティア体験、小中学校行事での舞踊指導など幅広い活動を行っており、それらを通して、子どもたちは地域住人との関係づくりや、自分たちのまちを知るといったことを自然と経験します。また、上演する作品は大阪狭山市を題材にした内容であることから、演じるにあたってまず作品そのものを知るために、地域の歴史の聴き取りをしたり、地域について学んだりしており、それらは子どもたちがこれまで気付かなかった大阪狭山市の魅力やルーツの発見につながっています。

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ここがポイント2 世代を超えて循環する生涯学習の場

 日々の稽古や地域活動の中で、子どもたちは様々な人との縦や横のつながりを通して調整力や表現力、コミュニケーション力を培います。また、長い練習を経て大舞台に立つことで得られる感動や、地域やたくさんの人に貢献できたという達成感は、子どもたちの自尊心や自立心を大きく育てます。

 そうして「うどぃ」を卒業した子どもたちの多くは、そこから芽生えた地域住民への感謝や地元への愛着を恩返しすべく「さやま未来プランナー(18歳から23歳)」という団体を結成し、人・情報・地域をつなぐさらに幅広い活動を通して、大阪狭山市の活性化に貢献しています。また、自身が学んできた場である「うどぃ」に対し、今度は現役生を指導するスタッフとして携わる卒業生もいます。

 彼らは、それぞれのポジションで、自らが身に付けた力を発揮し活躍すると同時に、より大きな視点の気付きと新たな学びを繰り返しながら、また次のステージへと向かって行きます。

 「うどぃ」のメンバーも「さやま未来プランナー」のメンバーも、それぞれの立場で常に挑戦し、学び、つながり、広がっていく。こういった流れが地域の中で世代を超えて繰り返されることで、継続・循環する生涯学習の場を生み出しています。「うどぃ」の取組は、その生涯学習の場の起点となっているのです。

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ここがポイント3 広がる活動。地域の特色を踏まえ、どこででも出来る

 平成27年、佐賀県武雄市では、「うどぃ」との交流舞台をきっかけに「飛翔倶楽部たけお」が立ち上がりました。また、同じく佐賀県基山町では、「うどぃ」のメンバーたちが、基山町で地域おこし協力隊として活躍したことをきっかけに「表現の絆みらい」が生まれました。元々、沖縄の「組踊」がきっかけで生まれた表現倶楽部「うどぃ」ですが、その取組の地域振興への効果が関心を集め、同様の取組は「うどぃ」からも各地に広がっています。また、「うどぃ」は、大阪府内で同様の活動に取組む枚方市や吹田市等の団体や、友好都市である和歌山県日高川町の団体と合同での舞台も行っており、その交流の輪が広がっています。

 これらの団体は、それぞれテーマの異なるオリジナル作品を制作し活動をしていますが、それぞれの作品は、その土地に伝わる伝承や、地元の歴史を題材にしているという点で共通しています。その作品に取組む過程で、子どもたちが地域の多くの人とかかわり、自分の住む土地のことをより深く知ることで地元への愛着と誇りを持ち、やがてそれが地域に還元される、という構図を大切にしている点も、どの団体も同じです。どんな地域でも、その地域独自の特色を生かしながら実践できる取組であることが、この広がりから伺えます。

 地域の中のつながりが弱まってきたり、子どもたちと地域との関わりが減ってきているといった課題は、どんな地域でも少なからずあるものですが、子どもたちが地元に興味関心を持ち、地元を愛し、誇りに思うことが、そういった課題の解決や地域活性化のスタートポイントの一つになるのではないでしょうか。大阪狭山市では、今日も「一生懸命はかっこいい!」を掲げ、大人も子どもも様々な取組に励んでいます。

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このページの作成所属
教育庁 市町村教育室地域教育振興課 社会教育グループ

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