さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例18

更新日:2023年5月25日

羽曳野市 飛鳥川じゃこ取りネットワーク 「子どもを中心に据えた環境保全活動」

活動のあらまし

 飛鳥川じゃこ取りネットワークは、環境の悪化で人との距離が離れてしまった飛鳥川を再び「人と生き物でにぎやかな川」にするため「生き物の「つながり」と人の「つながり」が調和する水辺の復活」を活動理念に平成21年に顧問、代表、事務局長の3人で発足しました。現在は、10人余りのメンバーを中心として120人以上の会員が、河川清掃活動・水生生物観察会・環境教育・自然保全活動(生物調査)など人と身近な自然(飛鳥川)をつなぐ様々な取組みを行っています。河川清掃には流域の小学生から80歳以上の方まで幅広い年代の方が一年間に200人参加しています。
 川をきれいにする清掃活動や生き物を保護する活動を
、それだけを目的にするのではなく、子どもの活動を中心とすることで、子どもたちの感動や変化が周囲の大人たちの環境や地域に対する意識を変え、地域住民の活動への参加につながっています。

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活動のエピソード


 ここがポイント 1

 小さな出会いと制度の活用
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 飛鳥川じゃこ取りネットワークの代表(当時)が飛鳥川に関する取組みに関わったのは、弟が通っていた小学校の土曜クラブ(生き物クラブ)(注)の指導者として招かれた高校2年生の時だった。その後、飛鳥川で水辺環境に関する団体を作りたいと思った際に、相談したのがその小学校の校長先生であった。校長先生は、顧問になるとともに、じゃこ取りネットワークの会員募集や環境教育の授業実施などについて協力してくれた。
 また、校長先生の紹介で富田林土木事務所が実施する「私の水辺交流会」に生き物クラブとして参加した。その際に土木事務所職員と名刺交換したことがきっかけで、大阪府のアドプト・リバー・プログラムの活用につながった。この制度の活用により、活動にかかる経費(ボランティア保険等)をまかなっている。

  (注) 月1回、小学校で地域の方々が自分の特技や趣味をいかして子どもたちを指導する活動。
     その中のひとつが飛鳥川を通じて身近な自然について学ぶ生き物クラブである。

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 ここがポイント 2

 子どもが楽しむ姿が大人を変える
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 飛鳥川じゃこ取りネットワークの取組みは、「子どもたちに川遊びの楽しさを知ってほしい。」ということが活動の原点であり、「身近な自然と接する機会を少しでも多くの子どもに作ってあげたい」との思いで自然観察会など実施している。
 案内チラシの配布を小学校に協力してもらったり、生き物クラブの子どもたちにも働きかけ
、じゃこ取りネットワークの会員になってもらった。
 子どもたちの楽しく活動する姿を見て、保護者などの大人も活動に加わるようになった。それまで、飛鳥川に関わる活動にそっけなかった住民が孫と一緒に観察会に参加し、安全な川の中で、嬉々として魚を観察する孫の姿を見ることで飛鳥川のファンになり、清掃などの活動にも協力的になった。そして飛鳥川の中で楽しむ子どもが多くなることで、周りの大人も自分の子どもの頃の川遊びの楽しさを思い出して感動し、そのすばらしい環境を次の世代にも残していきたいと、自然環境の保全活動にもつながっていった。

画像です。活動の様子   画像です。活動の様子   画像です。活動の様子

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 ここがポイント 3

 地域への愛着心を育む工夫
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 現在、じゃこ取りネットワークの活動のひとつにカワバタモロコの保護活動がある。カワバタモロコは、現在では絶滅危惧種に位置づけられ、南河内地区では平成21年に30年ぶりに発見された。しかし、地域住民のカワバタモロコへの理解や知識は乏しく、カワバタモロコが住める自然環境の保全活動に対する関心も低い。カワバタモロコは一度いなくなると二度と戻らない。ふる里の自然環境が育んだ宝であり、カワバタモロコを守ることはふる里を守り、伝える取組みであるという表現で地域の人たちに訴えた。
 あわせて、小学校でカワバタモロコを題材にしたふる里の自然環境について考える環境教育をすることで、学習した子どもを通して地域にカワバタモロコや環境保全の大切さが広がった。また、地域の人をゲストティーチャーとして招くことで、地域と子どもたちの学習がつながり、カワバタモロコを守る活動を地域へ広げられると考えた。子どもたちの熱心な取組みが保護者など大人たちのふる里についての関心を高くさせた。

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問合せ先

飛鳥川じゃこ取りネットワーク事務局 072-956-0722

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このページの作成所属
教育庁 市町村教育室地域教育振興課 社会教育グループ

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