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更新日:2020年9月4日

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令和2年7月委員会会議会議録

大阪府教育委員会会議会議録

※印刷用は7月教育委員会会議録(PDF:383KB)をご参照ください。

1 会議開催の日時

令和2年7月20日(月曜日)午後3時05分 開会
午後4時13分 閉会

2 会議の場所

委員会議室(府庁別館6階)

3 会議に出席した者

  • 教育長 酒井 隆行
  • 委員 竹若 洋三
  • 委員 井上 貴弘
  • 委員 岩下 由利子
  • 委員 岡部 美香
  • 委員 中井 孝典
  • 教育監 向畦地 昭雄
  • 教育次長 後藤 克己
  • 教育センター所長 村田 純子
  • 教育総務企画課長 仲谷 元伸
  • 高等学校課長 大久保 宣明
  • 支援教育課長 黒田 一人
  • 保健体育課長 西田 修
  • 小中学校課長 桝田 千佳

4 会議に付した案件等

5 議事等の要旨

  • (1)会議録署名委員の指定
    中井委員を指定した。
  • (2)6月19日の会議録について
    全員異議なく承認した。
  • (3)議題の審議等

議題1 知事からの意見聴取に対する回答の承認について

【議題の趣旨説明(教育総務企画課長)】
地方教育行政の組織及び運営に関する法律29条の規定により知事から意見を求められた令和2年5月定例府議会に提出された次の議案について、大阪府教育委員会事務決裁規則第5条に基づき教育長が代決により異議がない旨を回答した。

この代決を、大阪府教育委員会事務決裁規則第7条第2項に基づき承認する件である。

予算案

  1. 令和2年度大阪府一般会計補正予算(第7号)の件(教育委員会関係分)

【質疑応答】
(竹若委員)特に2番目3番目の学習支援のことが一番気になるが、特に市町村の場合は、費用の負担は国、府、市町村ということでよいか。実施する市町村があればよいが、場合によって市町村が事業に参加しないことも考えられるか。

(教育総務企画課長)本事業では、学習支援員については、国、府、市町村が各々5分の1、5分の2、5分の2を負担する形となっている。もう一つのスクールサポートスタッフについては、国が6分の1、府が6分の2、市町村が6分の3という形になっている。ご指摘の通り、希望する市町村に対して補助を行うもの。

(小中学校課長)補足いたしますと、5号補正のときにも、早くから市町村に対しては、本事業を活用できるよう、市町村への臨時交付金も使えるということを説明しており、今34市町村で申請が上がってきている。市町村ごとのスキームはいろいろだが、1,300人を配置できるような形で申請が上がってきている。

(竹若委員)本事業はこれからスタートするということでよいか。

(小中学校課長)この事業は5号補正から始まっているが、本件7号補正部分は7月1日開始分からである。国とのやりとりで可能と伺っており、予算のやりくりもきっちりルールにのっとり、学校が困らないような形で配置できるように、市町村のご相談に応じながら配置を続けている。

(竹若委員)学校が再開されて、コロナの感染が収まりつつあるように見えて、また、そうでもない状況がある中で、学校が混乱をしている状況がある。この事業は、学校現場に必要とされると思う。有効に活用されることを願う。

(岡部委員)一点教えていただきたい。このように予算が充実することはとても良いが、実際に人を雇うことが可能なのかどうか。あるいは、たくさん人材がいる地域となかなか人材が見つからない地域があるとしたら、なかなか人材が見つからない地域に対してどういう対策を行っているかという点を確認したい。

(小中学校課長)市町村の状況であるが、この学習支援費は、教員免許の有無は問うていない市町村が殆どなので、学生であるとか、退職した先生にお願いをしている。また、国が大々的に新聞の一面広告でも、教員Ob中心に人材バンクを持っており、希望のある市町村には、この市町村でやりたいという人材バンクの登録者をお伝えしたり、また大学の先生方に呼びかけをお願いしたり、いろいろな手を尽くしてやっている。一方で、加配教員で入る方がなかなか見つからないというふうに聞いていたが、この辺りは何とか埋まってきていると聞いている。

(岡部委員)人材を有効配置できるように、雇ったはいいけれどもやることがないことがないよう、人数のばらつきなどがないような形でご配慮いただきたい。

(教育長)府立学校の方から補足はあるか。

(高等学校課長)府立学校も同じような悩みを抱えている。専門性も一定必要となってくるので、なかなか必要な人材を確保するのが難しい場合もある。一方で、これまでのご縁で、非常勤や特別非常勤で来ていただいている先生もいる。そういった人材を有効活用させていただいて、学習指導員として育ちのサポートをしていきたい。

(岩下委員)わかる範囲で教えていただきたい。学校体育振興費のところについて、スポーツの全国大会がほとんど中止になって、それに代わる大阪独自の大会を開催するということだが、どれぐらいの数の大会が代替開催されているか。

(保健体育課長)中学校で20競技。高校は33競技が代替開催されている。

(教育長)ほぼ代替措置ができているという理解でよいか。

(保健体育課長)基本的に今申し上げた競技については、代替されている。

(教育長)他よろしいでしょうか。本事業は、学校への人的資源の投入ということで、国を挙げて人材を確保して学校を助けていこうという取り組みなので、府としても、府立はもちろん、市町村立学校でも有効に人材を活用できるよう、しっかりと働きかけをして取り組んでまいりたい。

【採決の結果】賛成多数により、原案どおり決定した。
(賛成者 酒井教育長、竹若委員、井上委員、岩下委員、岡部委員、中井委員)

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報告事項1 新型コロナウイルス感染症に係る対応について

【議題の趣旨説明(小中学校課長)】
標記につき、5月19日(前回報告)以降の教育庁の対応、6月1日(学校再開)以降の府立学校の臨時休業の状況について報告する件である。

【質疑応答】

(岡部委員)お願いという形で申し上げたい。今朝の日本教育新聞で気になるアンケートの結果が出ていた。自分たちが(コロナウイルス感染症)陽性となった場合に、言いたいと思うか言いたくないと思うかということについて、言いたくないという子どもたち、そして保護者の数がかなり多かったという数値が出ている。これから第2波第3波をできる限り大きくしないようにするためには、早めに言ってもらって、クラスターを起こさないことが大事になってくるのだが、そのためには、報告した人が不利にならない状況を作ることがとても大事になってくる。
いじめが起こらないようにするのはもちろんのこと、休んだ子どもに対して手厚く学習支援をしなければならない。感染すると、3日間の休みだけではなく、2週間休まなければならない。1人だけ学習が遅れてしまうことへの不安もあると思うので、そういった子どもに優先的にちゃんと学習支援や、保護者も含めた精神的なケアをしていくというような形で、人権上手厚い配慮ができているか、各学校で再度確認していただきたい。
ようやく学校が再開されても、感染状況が収束せずに間欠的に感染者が出てくるというのは本当に疲れることで、先生方や保護者の方に本当にいつ終わるのかという疲れがどんどん澱(おり)のように溜まっていくのが一番怖いことだと思う。ぜひ先生、保護者そしてその子どもたちへのケアをよろしくお願いしたい。

(高等学校課長)今の岡部委員のご指摘について、特に最初の生徒、保護者の心身ケアのことについて申し上げると、私どもで作成した対策マニュアルの中にも、段落を設け、特に必要な対応として各学校に指示している。また具体的に感染者の出た学校に対して最初に行う連絡の中にも、保護者、生徒への丁寧な説明も含めて、十分にそういう心のケアを含む対応ができるようにということを重点的に書いている。
また、2点目の学習保障の観点については、この間いろいろな応援もあり、オンラインでさまざまな学習支援体制を整えた。府立高校にとって、災いが転じてこの状況が作れたものだが、一方で、今回の各学校の休業を実際に体験して難しいと感じたことがある。以前の休業においては、一斉休業の中でどう対応するのかということを休業のスケジュールとか仕組みに落とし込むのは、大がかりではあるが比較的やりやすかった。しかし、今回については、感染、濃厚接触の度合いにより、個別の休業判断について場合分けしなければならない。そのような中では、生徒一人ひとりに対して状況に応じ必要な支援が行き届くようサポートするというのが、なかなか難しいと実感している。そういう中で、府立学校で今感染者や濃厚接触者が複数出ているところでは、今でも早速オンライン授業のサポートを始めており、府としても、端末を持っていない者へ端末やポケットWi-Fiの貸し出しも順次行っている。勉強をしながらというのが前提になるが、このような対応がこの後も取れるように学校を支援していきたい。

(小中学校課長)市町村も同様の点についてお話させていただくと、まず報告した人が不利になるといけないとか、人権保障の点は非常に気にかかるところ。マニュアルと、それから本年6月30日からのオンライン、オンデマンドの校長研修で、私と学識の方とで、校長先生がどういうことに気をつけるべきかお伝えした。赤十字からちょうど、『感染すると差別を受ける恐れがあるとして感染を言えない状況だと、感染が広がるという負のスパイラルに陥る』という説明が非常にわかりやすく出ているので、それらの資料をもとに、校長研修をしている。同時に、子どもたちへも小学校低学年と高学年、それから中学校、それぞれに合わせて、『不安な気持ちはみんな同じだけど、しんどいときは言おうね』『コロナに感染したらばい菌扱いされるのではなく、このままではみんなが感染してしまうから、感染したことは言っていったらいいことだし、みんなが悲しい気持ちにならないように』ということを伝えるため、児童生徒それぞれの発達段階に合わせて教材を作成している。近日中には学校に送付し、人権保障の点についてしっかりやっていきたいと考えている。学習支援は高等学校と同じだが、市町村小・中学校は距離が近いので、対面とオンラインとの組み合わせを考えて、休業が個別であろうと全校であろうと、学習支援をしっかりしていくということを確認しているところである。
それからケアについても非常に気になっておりまして、市町村でも休業が出てきているところ。休業となったところには、本人それから学校全体に対するケアについて、直接連絡していたが、本人の感染にかかるいじめの問題や休校中の虐待の事案がでてきているので、今年ちょうどいじめ対策の緊急支援チームの事業を立ち上げたところでもあり、今日は私の方から全市町村に、そのような悩み、子どもへのケアについては、緊急支援チームを派遣しますということをお伝えしている。今年度も18ケース、20回、7月17日、先週まで派遣しており、それぞれの市町村支援に当たっている。このように、ご本人、学校に対しケアを行える体制を作っている。

(岡部委員)本当に手厚くしていただいているというのがよく分かった。これが1年続くか2年続くかというところで、府の方も大変だと思うが、このまま支援を続けていただければと思う。よろしくお願いする。

(教育長)特に差別的発言、あるいはいじめにつながることは決してあってはならない。先ほども説明があったが、府教委では、子どもたち向けの啓発パンフレットをしっかりと作っている。全ての学校に行き渡るように力を入れて取り組んでいく。

(井上委員)さっきご説明いただいたオンライン事業体制の構築完了という点について。完了ということなので、確認というか、状況を教えていただきたい。
オンライン授業をやっていくとなると、一つは生徒の側に機器が行き渡ることが重要。機器としてはパソコンかタブレットとなるが、前回の教育委員会会議において、Byod(bring your own device)方式ということで、緊急的には家にあるもの、自分のものを使って、無い人には端末を貸し出すという方法であると伺っている。二つ目として必要なのが、機器を扱う先生のスキル。それほど難しいスキルではないと思うが、例えば、zoomやGoogle meetsといった、今のオンライン会議のシステムを使い、資料を作って共有するスキルは、難しいスキルではないと思うが、先生方全員が身に着けているかということが一点。
最後に、各論であるが、岡部先生の話と繋がる話として、例えば自分で作った教材、例えばパワーポイントで作ったものを、例えばzoomで共有して、授業を行う先生もいるだろうし、一方、小学生であれば黒板を使ってやった方が解りやすいという先生であれば、黒板を写すカメラが必要になるという話になってくると思う。
以上のとおり、一つ目は、完了という意味がどこまでを指すのか、生徒に機器は行き渡ったことを指すのかということ。二つ目は、先生方に機器を扱うスキルが備わっているかということ。三つ目は、パソコンの機器だけではなく、必要に応じてカメラ等の周辺機器が行き渡っているのかということ。三つ目については小学校・中学校の状況も、わかる範囲で教えていただきたい。特に小学生では、今までの環境が変わり、家にいて授業聞くという状況では、先生が、「今から資料を共有しますね」といってパソコンの画面に資料が出てくるよりも、先生の顔を映して、黒板に先生が板書を書いているのを見ながら授業を受けるということが、授業に興味を持って学習していく上で大事だと思うので、その辺りの状況がどうなっているのか教えていただきたい。

(高等学校課長)まず、6月30日までの体制の完了という意味であるが、府立高校については全校に対して、「こういった内容で試行実施をしなさい」と指示をしている。つまり指示通りの試行実施ができる体制が整ったという意味で、体制の完了といっているが、まず前提として、オンライン授業で必要な要素とは何かということが重要。
我々は三つの必要事項を明示した。一つ目は、まず生徒が直接登校してこないわけなので、離れた場所で、インターネット等を通じて課題の提供ができる体制となっているかということ。二つ目に、生徒が課題をオンラインで取得しても、見ただけではわからないのが当然なので、一定その教材に対する動画、場合により紙ベースで解説のプリントを付けても良いが、学校側からその課題に対する解説ができることと、生徒から質問ができるかということ。三つ目は、出来上がった課題を生徒側からオンラインで先生に提出できるかということ。その三つを最低限整えることを指して、オンライン授業としており、必ずしもzoom等で同時双方向のリアルタイムのやりとりを全校に課したわけではない。
逆に言うと今の三つについては少なくともオンラインでできるようにするのが必要。
この体制を補完というか、整えるために、教育総務企画課において、G-suite、いわゆるパッケージとなったプラットフォームのアプリケーションを用意していただいた。今申し上げたことは基本的にはG-suiteを使うと比較的簡単にできる。一方で多くの学校がそれを使ってくれることに対して、我々は解説もしやすい。そのような状況で一点目は完了と整理をさせていただいた。教員スキルについては、全ての教員が自前の動画教材を作るということは難しいところがあり、少なくとも自分の受け持ちの教科科目についての教材、課題を作ることは全員に課したのと、もう一つは、各教科、小規模の学校だったら学年単位というそれぞれ最小限の単位で動画を1本作り、それに全ての先生が何らかの形で関わることを試行実施で課している。
三つ目のご質問にあった、色々な必要な機材については、この補正予算等も手当もあるので、ウェブカメラ等を実際購入して、今用意している学校もある一方で、こういった時期、特に5月6月に、こういう環境を整えるということを全校、全校種で進めていたので、十分に必要なものがその時に買えたかというと、十分でない学校があるかもしれない。ただ繰り返しになるが、一点目の状況は少なくとも全校で用意はできたというふうに思っている。それから、先ほど岡部委員の質問の中にもあったが、今このたびの本当の対応というか、試行でなく実際に休業が起こっている対応でいうと、なかなかすぐにそういった体制が整えられるかというと難しい。どの時点で休業の判断があって、いつから休業が始まるのかという問題もある。
そういったこともあり、秋にかけては、今回6月末に実施した試行実施のような、例える言葉が難しいが、いわば避難訓練のようなことは、この後も継続して全部の学校でやっていかなければならないと思っている。

(教育総務企画課長)1点研修について補足する。研修については、市町村も含め、G-suiteをどう使うかについて皆さんに見ていただけるような形でビデオ配信している。合わせて、教育センターのホームページで、どのように動画を作成するかについて、メイキングのビデオを作成し配信している。教育センターの研修の中でもオンライン授業に関する内容を盛り込む方向で進めているところである。そういう形で教員のスキルアップについて、フォローを考えている。

(井上委員)オンライン授業の理想の形は誰もわからないと思うが、今は動画を作って、オンデマンド、すなわち、生徒が授業を見たいときに見て、先生が課題を提供し、それを生徒が提出できるというところまで整った。一歩進んだところで、この状況がかなり長期化して、3ヶ月も学校にいけないようなことになった時に、対面授業が本来一番先生にとっても生徒にも良いと思うが、それに限りなく近いのが、さっき言ったオンラインでの双方向授業だと思う。これから双方向授業に向けて想定をしていくのかを教えていただきたい。

(教育総務企画課長)オンラインについても、いわゆるオンデマンドについても、何がベストなのかについて、今検討しているところ。お聞きした話で申し上げると、40対1でオンラインの双方向授業を行うのは、難しい部分もあるとお聞きしている。例えば朝のホームルーム等で、オンラインで生徒の状況を見るのは大事だが、6時間授業であれば生徒がずっとテレビ画面やPC画面を見続けるのはかなり大変とのことである。そのような点については、いわゆるオンデマンドなのかオンラインかを別として、10分ぐらい解説のあと、課題を解く。その際ずっと双方向でつながっていなくとも、チャットのような形で質問を受け、その上で課題をいつまでに返すというようなやり方もあるのではないか、と考えている。それがどのような形になるかについては、今、いろいろと検討しているが、生徒にも負担がなく、学校側も負担が少ない効果的な方法を模索していきたい。

(小中学校課長)市町村の状況について。府内市町村は双方向と配信の組み合わせで、6月15日に体制の構築を完了したとのこと。その時点で、双方向で授業までできるところも、5市ほどあり、ホームルームだけを双方向でやっている所は9市ほどあった。その辺の情報提供等はさせていただいている。機器については、機器は国のGigaスクール構想で今年中に整備することとなっており、全市町村が申請を上げている。
併せてネットワークの環境整備についても全て申請している。家庭のルータの補助についても39市町村があげている。ただ、小さい市町村には小学校1校、中学校1校程度の小規模なところもあり、そのようなところでは、オンラインではなく分散登校で対応した方が良いと判断しているところもある。それはそれで一つのやり方として認めている。それから、先生が学校でWebカメラやマイク等を使用する必要がある場合についても、国から補助がでるので、それも半分ほどの市町村が予算を上げて、整えようとしている。
機器の購入だけでなく、実際に使えないといけないので、そのサポートというか、機器の設定、マニュアルや使用方法なんかも補助が出ますのでそれも半分強の市町村が申請を上げているところ。
あわせて、教員スキルの問題については、この間、7月からシリーズ物で、先生方に、オンラインと、それから直接参加していただけるように、急遽、教育センターと一緒に研修を立ち上げている。また、小学生についても、動画を家で誰かと一緒に見ないといけないものではなく、私どもは、1人で見てできるというものを動画配信していきたいと思っている。
府からもたくさん動画配信をしているが、市町村でも30程動画等はできている。そこでのポイントはやっぱり人がでてくるということ。それから効果音、そして話す速さが早目の方が子どもは見るということが、Youtube等を研究して分かってきた。それと大事なのは、長くても15分ぐらいの動画とすること。それ以上は集中力がもたないからである。
以上を踏まえ、10分から15分の動画で、人が出てきて、語りかけるような動画で、必ずプリント教材がついていて、この続きはプリントでやってみようかとか、プリントをやった上で答え合わせをするようなパターンとか、そういうものを、今は復習中心であるが、府で作成している。もし休む場合は、復習はこの動画でやったらいいというように、広く全部の市町村が活用していただければと思う。授業を進めていくにあたっては教科書等があるので、30市町村ほどで、市町村の動画を中心にしていくというような役割分担できるような形で進めている。まだ今は「休業になるかもしれない」状況の中であるが、せっかくなのでICTを活用し、動画があれば、家庭学習としてドリルだけをやるより絶対効果があるので、コロナという状況がなくなっても平常時に使えるようにということを考えて作っていくようにしている。

(高等学校課長)もう一点、補足的に申し上げると、今の小中学校課長の説明にもあった、コロナの対策という点だけでない、平常時にオンラインの学習をどう活用していくのかというようなことについても、この際、研究を進めている。例えば先ほど紹介したGoogleのプラットフォームでは、簡単にアンケート機能を作ることができる。学校ではよく生徒への調査を行っているが、生徒に何か調査したときに、先生方が手元の集計で計算をするということが、こういう機器を使うと一瞬で完了するし、この機能は授業でも応用できると考えている。実際にもうこの機能を活用している学校もあるので、そのような好事例も共有しながら、平常時のオンライン授業、オンラインを活用した学習、授業についてこの後府で何らかのガイドラインを今年度中に策定することについて、関係各課の指導主事を中心に検討している。

(教育長)このオンライン授業について、先ほども説明があったように、市町村立の場合は国からの補助ということで今年度中に全国一斉に1人1台デバイスを配備することが可能になるという状況である。
一方では府立は国の補助がなく、地財措置という言い方をされているが、直接の補助金は来ないので、6月末の総府立における達成状況というのは、Byod方式による一定の限界はあるものの、何とか回線はつながった状況だと認識している。
ご指摘のように、このオンライン授業を、コロナの第2波3波に備えるという要素としてだけではなく、学校教育活動中に溶け込ませて、有効に活用していくという、両方の視点を持つことが必要となる。予算を伴う話なので、1人1台デバイスを達成するため、教育委員会として、当然、知事、財政当局にもお願いをするという事を進めながら、我々としては、現状においてByod方式でベストミックスの状態を各学校でいかに作るかというのがこの半年ぐらいの間でやるべき課題だと思っている。そこは、ご意見を聞きながら、教育委員会として最大限バックアップをしたいと考えている。いろいろな設備ということはカメラもいるだろうが、そのような機器は学校への補助対象になるということでよいか。

(教育総務企画課長)当然補助対象となっている。以前の補正予算でも、こういった形で学校にビデオカメラであるとかそういった機器の補助金をいただいて、学校にお渡ししており、その中で対応いただいている。

(教育長)そういう事で、当面のターゲットを定めながら、しっかり進めていきたい。

(岡部委員)オンラインのことについて少しお伺いしたい。今井上委員がおっしゃったように、全体としてオンライン化を進めていくというのはとても大事なことだが、その中でやっぱりマイノリティの人たちがどうしても支援が手薄になっていってしまうという状況はあると思う。外国にルーツのある人であるとか、あと知的障害があって、デバイスがあってもそれを自分1人では活用できない人たち、学習の習慣ができておらず、オンデマンドと言われたときに、家庭の中で、自分で勉強することが困難な人たちに対する支援ですとか、あと先生方をどう支援したらいいかという点について、府として方針を示しておられるのかを伺いたい。あと、精神面での健康も非常に心配なのだが、それこそ家の中でずっといることが多いとなると、身体面での健康も非常に心配になってくるところ。例えば保健体育課の方で何かケアについて考えておられるのかを伺いたい。

(支援教育課長)支援教育課でございます。私どもの支援学校、知的あるいは肢体不自由校では、岡部委員のおっしゃったとおり、オンラインだけでは学習保障をするのに困難な部分がある。そういう意味で、冒頭こちらの方でもご説明させていただいた、分散登校とオンライン授業の組み合わせについて、対応する必要があると思っている。障がいの状況であるとか、あるいは障がいの部分について、有識者のご意見も踏まえた上で、適切な教育のあり方について検討していきたい。その一つが、学習保障ということではないが、先ほど予算のところで議論があった、コロナの第2波第3波がきたときに、スクールサポートスタッフをつけたり、今後も含めて、ソーシャルワーカー機能的に、いわゆる家庭、学校あるいは、放課後デイのような施設に行って、あるいは保護者と連携して教育活動をしていきたい。
尚、今後この間の臨時休業中、支援学校では、Youtubeで、学校の紹介とか、あるいは手洗いの仕方等、絵本の読み聞かせ等細かい部分についても動画配信している。その辺について非常に保護者も含めて好評であったと伺っており、今後もしっかり取り組んでいきたいと考えている。

(高等学校課長)今のご指摘は本当に大事な視点だと思っている。実は6月の試行実施でも各学校が一番苦労した部分として、全生徒からの提出というのを試行実施した際、個別に寄り添いながら、操作方法も含めてサポートをしてあげないとなかなか思った通りの操作ができないという実態があった。今後、先ほど申し上げたようなモデルというか、ガイドラインを作成する際にも、少数者への配慮、指導についても当然ながら項目を設けて注意して実施するという点についても記載していきたいと思っている。
マイノリティの部分で取り組んでいることの1例を紹介する。今年度コロナ禍とは別に、オンラインを活用したサポート事業の一つとして、スマートスクール事業の中で、いわゆる枠校という、日本語指導が必要な生徒を受け入れる学校のネットワークの中で、例えば少数言語への対応が十分現状としてできている学校から、なかなか少数点在ということで、サポートが難しい学校に対して、オンラインをまさに活用して、放課後の活動であったり、授業の中でそういう特別にサポートなんかを行っているような事を、両校あるいは複数校が共有しながらできるシステムを研究したい。コロナの影響で、実際はまだ始まってないが、そういったことについても今年下半期取り組んでいきたい。

(小中学校課長)市町村の状況だが、マイノリティ支援ということで、一つは昨年から、日本語指導のスーパーバイザーの巡回指導を行っている。スーパーバイザーには休業中も巡回いただくとともに動画を作っていただいたり、オンラインでの相談を行っていただいた。
また、今年から、地域の生活相談ということで、各地域に2、3名、特定の学校に配置した日本語生活支援の支援員の方も、休業中も続けて家庭訪問等をしていただいた。
加えて、先ほどからの動画、それから教材については、岡部委員に繋いでいただき、大阪大学の留学生等に御協力を得、9ヶ国語に翻訳、今もまたずっと続けている。9ヶ国語について、私が知らない、聞いたことない、読めないようなものも全て教材を翻訳し、動画もテロップを流したり、また中国語等であれば音声も流していただいている。教材の多言語化についてはこれまでも少しづつ進めていたものであったが、これを機にさらに進めているところ。まだまだ足りない視点があるかと思うので、今後もご意見をいただきながら進めていきたい。

(岡部委員)お答えいただき有難く思う。本当に大変な中でオンラインも進んでいないというところで、マイノリティの方への配慮も必要となると本当に先生方も府の皆さんも大変だと思う。自分たちですべてを開発するとなると本当に大変なので、それこそあるものを使っていくことも必要。語弊がある言い方かもしれないが、コロナ禍は日本だけではないので、それこそ例えばベトナムの小学校だったらどんなオンラインをしているか、それをベトナム語が母語の子どもたちにそのまま持ってくるような形で、それこそグローバルに協力できると思う。先生方のご負担にならないような形で世界中にある資源を共有していければと思う。
障がいのある方についても同様である。全国的に多分今皆さんが困っておられるところなのでそれぞれの大学の支援、特別支援の課が作っているような配信コンテンツ等も全員で共有できる形があれば、先生方がオリジナルを作る必要はないかと思う。
ぜひ全世界にある資源を活用して、学習保障していただければと思う。あと、健康のことについて、精神的なところだけでなく身体的なところがこれから出てくるところかと思う。ちょっと今運動できてないことが多分5年後10年後に出てくるところかなと思うので、今すぐどんな対策がというのを伺いたいわけではないが、これから影響が出ないような形で対策を練っていただければと思う。

(竹若委員)いろいろ意見を聞いている中でそれだけ課題が多く含まれる問題だと思う。今企業でもテレワークが進んできて、東京で高い家賃を払ってまで事務所が必要なのかという議論にまでなっている。私は、学校も同じような議論の対象になることを心配している。やはり子供たちは学び舎で成長するということが教育の基本で、欠かしてはならないと思う。
今、非常事態宣言が出ればまた別であろうが、黄色段階では学校も休業せずに何かの方法で授業を行っていくことも府の方針で出ておりますので、そこは安心している。

それとあわせて、オンラインについては、どんどんと話が進んでいっているような印象があるが、私はあくまでも補助的なものだろうと思う。先ほど教育長の話も出たが、やっぱりこういう機会に溶け込ませることが重要。先ほどの高等学校課長の話の中でも、これを機会として、オンラインをどう活用すれば、生徒たちとって有用かという話があった。そういうように府教育庁としてこのオンラインを併用していく中で、大事なのは格差があってはならないということ。私も、府教育センターの課題別のものを見せてもらいましたし、市町村教育委員会が出しているものも見せてもらったが、最終的には一問一答等の問題を解いていく形式のものが多かったと思う。そういうことになると、中学校高校は教科の専門の先生がおられるから、校内でそれぞれの教科のオンラインをどう作れるのか気になる。小学校では専科っていうのがなかなか考えにくいわけですから、校内の教科別に組織ができているのかなというあたりを、府教育庁としては、市町村教育委員会を含めて、これから点検に入っていく必要があるだろうと思う。その上で、大阪府内で、府立の学校であり支援学校であり、また市町村のそれぞれの学校であっても、格差を生まないような、オンラインの活用ということをどうすれば求められるのかなっていうことを、我々も考えていく必要があるのではないかなと思う。
それから最後に、ある教員に聞いたのだが、やはり子どものオンラインでの集中度には、非常に差がある。
特に意欲的に学習する子どもについては、どんどん関わってくるけども、どちらかいうと学習が好きではない子どもについては、ただ画面の前に座っているだけに終わってしまう。そういう子供たちの指導をやっていく必要があるでしょうし、先ほど高等学校課長の話もありましたけれども、たくさんの人数でやるとどうしても集中できなくなってくる。その他の課題もこれから皆で一緒に考えていく必要があるだろうと思います。いい機会でありますから、これが大阪府の授業、生徒にとってですね、プラスになるように頑張っていただけたらと思う。

(教育長)大変重要なご指摘でした。

(井上委員)先ほど、動画を見ていて集中できる時間が15分ぐらいとおっしゃっていたのは、これは双方向で15分が限界ということか。

(小中学校課長)オンデマンドの場合である。

(井上委員)時間等と集中度も関わってくると思うが、先程、竹若委員が、オンラインは補助的なものとおっしゃった。確かに今はそうかもしれないが、今後オンラインはかなり組み入れられることを前提に考えていかないといけないと思う。それと、今、教育大学の教育課程の中では、ライブの授業、目の前に生徒がいる中でどう授業を進めていくか、という講座がおそらくあると思う。これからは、教育センターや、大阪教育大学などに依頼して、目の前に生徒がいない状態でどうやったら生徒の関心を引くことができるかという授業の進め方を学べる講座、そういうものが既にあればよいのだが、もしないのであれば、今から研究してもらうべきなのかなと思う。テレビの例を出すと怒られるかもしれないが、テレビの番組では、以前はバラエティーでは観客を入れて収録をやっていたので、演じている出役(でやく)さんなんかは、自分が言っていることがある程度受けているのかどうかは観客をみればわかったようである。
しかし今、観客を入れずに収録をするようになったので、反応がわからない。
これがテレビ番組ではなくYoutubeなんかになると、今までテレビでいうとだいたい15分ぐらいで尺が切れていくのが、オンラインだと全く切れない。つまり、配信する手段、伝える手段が変わったり、前に人がいないということになると、プロの出役さん、すなわち芸人さんとか役者さんでも全部状況が変わってくる。学校の先生も、ある意味同じで、生徒にとっては、「目の前で勉強を教えてくれるという役」を演じる人であると思うので、オンラインでどうやったら興味を引けるかというのは、特に小学生の年齢では大事かなと思う。
中学生、高校生でも、普通に先生が目の前にいても、学習がなかなか進まない子もいるとは思うが、特に小学生はもともと学習意欲が高い子はそんなにいないと思う。ましてオンラインになると、そのままではもう座っているだけだと思う。
ただ、うちの子は下2人が小学生で、学校の授業も英会話や塾の授業もオンラインに一時なっていたのだが、明らかに先生によって集中度が違うというのが見ていてわかった。今日の授業が面白かったというと、2時間ずっとずっと笑いながら聞いていた。その先生は既にライブで前に生徒がいるときからうまくできていて、オンラインでもうまくできていたのか、一方で、オンラインの時だけうまくできていたのか、それは分からないのだが、やはり全然違う環境で授業をやっていくことを身に着けるのは難しいと思うので、例えば教育センターとか、教育大学の課程でそのようなカリキュラムを入れていただくというようなことを、研究していただければと思う。オンラインについては、竹若委員もおっしゃっているように補完、もしくはハイブリッドとして欠かせなくなってくると思うので、研究していただきたい。

(小中学校課長)一つの例を申し上げますと、オンラインの時に重要なのは、飽きないということなので、問い掛けてとか面白いとか、そういうところを重視しているところではあるが、これからのことを考えますと、一番良い例だと思って従来より研究しているのが、全員が意見表明できるということ。教室で手を挙げて発言できない子でも、チャットであるとか、それからG-suiteのスプレッド等の機能を活用する良い例があり、そういう機能を活用して授業に参加できるよう研究をしている。普段だったら手を挙げてくれなくても、今ちょうど話合いができない状況でも、対話的な学び深い学びに繋げていくために、そういう機能を活用して、子供がみんな意見を述べ、一瞬にして集約ができる。発言を黒板に書いて集約して45分かかるところが、全員の意見の集約が瞬時にできるというような、いわゆるこれからの学び、学習を補完するだけのオンラインではなくて、先取りして、オンラインのよさを活かして子供たちが全員主体的に学べるような研究は始まっている。何を目的にして何をするかを明らかにした上で、今後もそういう良い例を広げながら研究をしていきたいと思っている。普段、発言できない子ができたというようなことを聞いているので、今後もそういう良い面を使い、学び深めるという研究を進めてまいる。

(教育監)加えて、今申し上げたように、どんな学びをしていくか、オンラインを使ってどういう力を子どもにつけてあげるか、あるいは逆に、この力をつけるためにはどうオンラインをつけるか、こういうことについて、今、研究を進めているところ。色々な学校での取り組み等を集めながら、教育センターでも取り組みを進め、発信していきたいと思っている。それと今回、府立でも小中でも、多くの指導主事、教員がオンライン動画、オンデマンドの動画の作成に携わっている。そんな中で、いざ作ってみると、やはりずいぶん気づきがあった。例えば指導主事が動画を作ったとき、一つ一つの言葉をしっかり選んで、どういう話をしていかないといけないのかきっちり計画を立ててやるべきだということに改めて気づいたり、あるいは15分という短い時間に今、入れないといけない内容は何で、何を省いてというような、教員の授業スキルに繋がるようなことも気づきとして出てきています。
このように自分の授業を見返す契機になるというようなことも出てきているので、対面でやる、オンラインでも、オンデマンドでも、それぞれのいいところを繋ぎながら、これからも進めていければと思う。実はオンライン授業とは、「学校とは何か」という原理的なところを、今我々に問うていると思う。そのような意識を持って発信できるよう研究を進めていければと思っている。

(井上委員)今まで発言できなかった子が発言できるというのはオンラインの非常にいいところだと思う。一方で、竹若委員がおっしゃったように、基本的にはみんな集団の中で学ぶので、そことオンラインとの組み合わせという視点は重要。大人の世界でも、オンライン会議になったら、「場の雰囲気」というのがないので、若手の社員が「こんなこと言って大丈夫なの」というようなことをズバッと切り込んで、意外と議論が進んでいくこともあったりする。組み合わせによって学びというのも相当変わってくるだろうと思うので、ぜひ研究を進めていただきたいと思う。

(教育長)本日は、オンラインについていろいろご議論いただき、学校が集団としての学びを提供する場であるということとあわせて、今後ICTの本来の狙いである個別最適化であるとか、そういうことも含めて、どのような形でハイブリッド化としていくのかということについて重要なご指摘をいただきました。ありがとうございました。

(岡部委員)今は、ちょうど教員採用の一次試験が終わってこれから面接に入っていく時期であり、教育委員会そのものの事務職等の採用もある時期だと思いますので、お願いしたいことがある。教育新聞に出ていた統計であるが、障がいのある人を雇用している割合に関して、大阪府が低いパーセンテージだったことがちょっとショックだった。もう皆さんもご存知だと思うが、人権の意識を学校で高めていく音頭を取る教育委員会がそういう状態であることは少し寂しい気がするので、今年の雇用に関しては、そういった面にもご配慮いただき、ぜひ教育委員会そのものが人権を推進しているという体制を作っていただければと思う。

(教育長)ご指摘の点については、私自身が一番気にしている点であり、やはり何とか立て直したいという思いである。ありとあらゆる場面で障がい者の方を雇用として受けいれるよう考えてほしいと指示を出している。いくつか実現しているものもあるが、依然としてご指摘のような状況が続いているので、引き続き何とかしたいと考えている。

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