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更新日:2022年6月9日
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我が国経済の力強い成長を実現させるためスタートアップ企業に対する大胆な支援制度を創設するよう求める意見書
我が国のスタートアップの数は近年増加傾向にあるものの、企業年齢0~2年の企業が企業全体に占める割合は13.9%にとどまり、米国(20.5%)、英国(22.4%)、フランス(22.8%)に比べて依然として低い状況にある。また、我が国の上場企業は、1945年から1954年に設立された企業が119社と最多である一方、米国の上場企業は、1995年から2004年に設立された企業が124社と最多である。さらに我が国では成長するスタートアップが少なく、いわゆるユニコーン企業(時価総額10億ドル超の未公開企業)の数は、2021年3月1日現在、米国274社、中国123社、欧州67社であるのに対して、日本はわずか4社にとどまっている。
このような状況の中、政府は我が国経済の力強い成長を実現させるためには、イノベーションの担い手であるスタートアップを徹底的に支援し、新たなビジネス、産業の創出を進めるとともに、高い付加価値を生み出す成功モデルを創出する必要があるとし、2022年をスタートアップ創出元年として位置づけ、6月までに5か年計画を設定し、大規模なスタートアップの創出に取り組むことを掲げている。
具体的には、上場を果たしたスタートアップがさらに成長していけるよう、資金調達を行いやすくするための上場ルールに見直すなど、スタートアップ・エコシステムを大胆に強化するとともに、地域の中小企業と連携した大学発ベンチャーの創出などにも取り組み、戦後の創業期に次ぐ、日本の「第二創業期」を実現するとしており、岸田首相が議長を務める「新しい資本主義実現会議」が昨年11月に取りまとめた緊急提言においても「スタートアップの徹底支援」が成長戦略の柱の一つとして位置付けられた。
国は、令和2年7月に、「大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアム」を含む4都市を、世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略の「グローバル拠点都市」に選定したが、今後、更なるスタートアップ支援の取り組みを強化していく上において、国が果たすべき役割は極めて重要である。
よって、国においては、我が国経済の力強い成長を実現させるため、スタートアップ企業に対する大胆な支援制度を創設するよう強く要望する。
記
- スタートアップ企業の育成等を図り、司令塔機能を明確化すること。
- 人材の流動化や投資環境を整備するなど、スタートアップの創出・成長発展を促し、上場やユニコーン企業の誕生などを後押しすること。
- 国が指定した「グローバル拠点都市」への継続的な支援及び規制緩和を行うとともに、資金調達を支えるための積極的な支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年6月9日
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 経済産業大臣 内閣官房長官 |
各あて |
大阪府議会議長
森 和臣