令和元年度第5回大阪府戦略本部会議 議事概要【議題2】

更新日:2022年2月3日

議題2 大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備実施方針(案)等について

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資料1 大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備実施方針(案)について[PDFファイル/1.5MB][その他のファイル/461KB]
資料2 大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備実施方針(案) [PDFファイル/1.11MB][Wordファイル/907KB]
別紙1 IR区域の整備に関する基本協定書[PDFファイル/116KB][Wordファイル/17KB]
別紙2 大阪・夢洲地区IR予定区域(概要図)[PDFファイル/496KB][その他のファイル/1.08MB]
別紙3 実施方針(案)に関する質問書 提出届[PDFファイル/112KB][Excelファイル/16KB]


【田中副知事】
・IRに関しては、課題や決めないとけないことがたくさんある。実施方針と募集要項、区域整備計画、実施協定。この4つが、節目だと思う。その4つの大きな節目をにらんで、何をいつまでに、決めないといけないかを整理して欲しい。その理由は万博との関係。万博の課題について、いつまでに決めてもらわないといけないものは、早くお願いをしないといけないし、IRとしては、この辺でいいなと思っても、手続き上、困る場合もある。
・3ページのIRの予定区域の位置づけについて、49haについては、IR事業者から提案を求めるというのは間違いないと思うが、9haは、必ず使えというスタンスでの公募なのか、あるいは、自由選択だが提案した以上は、必ずそれは実行してくれということなのか。

【IR推進局】
・万博は、同じ夢洲で開催されるため、今後、工事調整含めて、綿密な連携が必要だと思う。そういう意味では、今後のRFP、区域整備計画等のタイミングにおいて、何を決めなければならないのか、出来るだけ早期に明らかにしていきたい。
・3ページの敷地のDのIR区域拡張予定地だが、今のところ基本的には、IR事業者にDの開発について、行っていただきたいと考えている。ただ、最終的に土地の所有者である大阪市港湾局との調整が必要なため、最終はRFPで詳細を示す。

【田中副知事】
・そうなると、かなり必須に近い位置づけになる。初めから全体で公募するというのも、1つの手だと思うがどうか。

【IR推進局】
・敷地のDについては当初、IR区域に入れて募集することを考えていたが、鉄道の北ルートができる場合、開削工事となると敷地Bの部分とかなり断絶されることになる。また、時期等が不明なため、予定地として外した経緯がある。
・一方で、昨日の大阪市の戦略会議でも議論があったのだが、IRとしては、IR事業者に一体的に開発をさせて、成長のエンジンとしていただきたいと考えているが、土地所有者の市港湾局としては、北ルートがあまりに遅くなった場合に、港営会計の観点からすると、できるだけ早く活用し、賃料収入を得たいという意見があったため、調整が必要かと思っている。

【新井副知事】
・4ページには、カジノ事業の収益の活用として「IR拡張予定地の新たな開発を実施」と書いてある。RFPの際に敷地Dも含めた提案を求めるのか。

【IR推進局】
・今のスタンスとしては、基本的には一旦はAとBの49haについて、事業者に提案を求めることを想定している。その上で、Dについても将来は開発していただくことを、出来るだけRFPの時に条件付けしたいと考えている。
・具体的な提案を必ずしも求めているものではないが、事業者によっては、将来的に「Dでこういうプランをやりたい」ということを出してくる可能性はあると考える。

【新井副知事】
・Dの提案は、必須条件ではないということか。

【IR推進局】
・今回、国に区域整備計画を出すにあたって、敷地のAとBの区域で、区域整備計画を作るということになろうかと思う。

【新井副知事】
・それは、RFCで事業者に示しているのか。

【IR推進局】
・オープンにしている。

【新井副知事】
・9ページのスケジュールだが、RFPを始めた段階では、提案書類は出てきてないということか。

【IR推進局】
・12月にRFPをスタートさせて、そこから事業者は提案書類を作る作業がはじまる。

【新井副知事】
・4月に提案が出てきて、6月に決定するとなると2か月しかない。

【IR推進局】
・スピード感を持って、2か月で選定していきたい。

【新井副知事】
・区域整備計画には納付金、入場料の使途を記載しないといけないのか。何に使ってもよいのではなかったか。

【IR推進局】
・一般財源のため、何に使ってもいいが、区域整備計画上は、主なものについて書くことになっている。

【新井副知事】
・万博とIRの工事調整の課題もある。IR事業者は具体的な工事の計画を出してきているが、万博協会の方は出してきていないため、工事調整も難しい状況にある。
・万博は国家プロジェクトのため、必ず2025年には開催しないといけないという制約がある中、府市として、特に市の方にはどうするのか決めていただきたい。万博、IRの同時開催による来場者の錯綜や危機管理についても、RFPの際に事業者に聞いてもらって、考えていかないといけない。

【IR推進局】
・実施方針(案)の中では、総論的に万博事業との連携調整があることは盛り込んであるが、具体的にどういったことを求めるのかについては、RFPでもう少し詳細なものを盛り込む必要があると考えている。例えば来場者の集中は、IR基本構想案では、1,500万人の来場者を想定しているが、事業者の提案がそれを超えることを見込めるのかどうかなど。

【新井副知事】
・万博期間中にどこまで施設が開業しているかにもよる。

【IR推進局】
・あと、それぞれの期間中の車の乗り入れの条件設定をどうするか、万博開催中に工事が並行していた場合、工事をどこまで認めるのか等の条件を、RFPの際に一定程度示す必要性がある。

【新井副知事】
・万博側には、パビリオンの計画や、工事計画、入場者をどのようにするのか、早く出してもらわないといけない。

【政策企画部長】
・万博については、来年の秋の基本計画に向けて、詳細案を詰める日程になっている。

【IR推進局】
・工事条件等については、事業者も非常に気にしている。自分たちの計画どおりに工事が進められるかどうか。現段階として一定の制約があることは伝えているが、RFPまでに詰められるところは詰め、お示ししていきたい。

【田中副知事】
・大阪市は、IRを推進する立場と、土地所有者として、いかに埋め立て地をうまく処理するかの2つの立場がある。さきほどの拡張予定地もそうだが、海岸線のところも、IR事業者が専有の船着場を作りたいから、ここを外して敷地の近くでもやるということも考えられる。IR事業者との調整はIR推進局が中心になるが、土地所有者である大阪市の立場もあるので、協力して進めてもらいたい。
・リスクマネジメントに関して、大阪市には、「大規模事業リスク管理会議」があり、港営会計についてはチェックするため、府としての同様のリスクマネジメントは不要だと考えるが、申請主体として何か固有のリスクがあるなら、リスクチェックをどうしていくのか。それはIR事業評価委員会がその役割を果たすのか。

【IR推進局】
・国から認定をいただいた後、事業評価委員会を設置して日常的な運営内容や、認定更新等の際のチェックを行いたいと考えている。

【田中副知事】
・適正に執行されているかの監視は、そこで行われるのか。

【IR推進局】
・そのとおり。

【山野副知事】
・田中副知事がおっしゃっているのは、組織としてのリスク管理を総合的にやっていく必要があるという観点であり、それをIR推進局でやるのか、新たな部署が必要か、ということか。

【田中副知事】
・どうするかも含めて。

【山野副知事】
・やはり、大阪市のように組織としてリスク管理するセクションをしっかり作ってやっていく必要があるのでは。

【田中副知事】
・大阪市の大規模事業リスク管理会議に委ねるというのも一つの方法。ただ、申請主体としての固有のリスクがあるのだったら、そういう組織づくりも考えないといけない。

【IR推進局】
・そこは外部有識者の評価委員会で、一定チェックをかけていこうと考えている。11月15日に開催された大規模事業リスク管理会議では、IR事業について夢洲土地造成事業の関係で説明し、リスクの方向性について確認いただいた。

【新井副知事】
・大阪府は、橋下知事時代、りんくうタウンの負債など、一斉に負の遺産のリスク管理をした。

【財務部長】
・リスク管理というか、検証をした。

【IR推進局】
・破たんした場合でも、基本的には、民設民営の事業のため税金を投入するということはない。破たんした場合、土地所有者としては、建物が残ってしまった際にどうするかということがある。IR事業を推進する府の立場としては、基本的には、民設民営のため、次の事業者を探す、あるいは個別の施設を売るということになる。ただ、IR立地により大きな雇用、経済効果があるため、社会的な影響がある。そういう意味で、やはり、大阪府としては、しっかりと事業をリスクマネジメントしていくというスタンスは必要だと考える。

【田中副知事】
・高橋副市長にもまた相談するが、インテックスをどのようにしていくのか、大阪市が決めないといけない。その際、IRにできるMICEがどのようなものになるのかも含めて考えないといけないため、府と市でインテックスのことをきちんと検討できるような場が必要なのではないか。

【IR推進局】
・IR事業者としてもMICE事業を進めていく中で、インテックスが残るかどうかは経営上も大きな関心事。そういう意味でも、このインテックスをどうするかについて出来ればこのRFPまでに一定の方向性は、示していかなければと思っている。そのあたりは、高橋副市長を含めて、調整を始めている。

【新井副知事】
・インテックス固有の課題であるが、国際会議場含めMICE戦略の中で、ここをどう位置付けるかということ。

【IR推進局】
・MICE推進委員会でもインテックスの議論が始まっているが、事業者の関心が大きいのは、7万平方メートルのインテックスが存続するかどうかというところ。

【知事】
・インテックスと国際会議場は分けて考える必要性がある。国際会議場は中之島にあるので、事業者はそれほど自分の事業とバッティングすると思ってないのではないか。

【IR推進局】
・思っていないと考えている。

【知事】
・我々としては、全体最適を話し合うとして、公募条件については、もうすぐ出すことになる。その時までにインテックスについて結論を出すのか。

【IR推進局】
・できれば方向性は出したいと、大阪市経済戦略局に対しても投げているところ。

【知事】
・インテックスが残るかどうかは事業者の事業計画に関わること。12月までにインテックスをどうするか決めないと、事業に影響が出るのではないか。

【IR推進局】
・我々としては決める必要があると考えているが、大阪市の方は、IR事業者が決定し、IRで設置するMICE施設の状況を見たいという意向もあり、調整している。インテックスについては、公募条件に関わってくる。インテックスが残るのかどうかについては、RFCでも常に問われている。
・IR推進局としては、出来れば、RFPをスタートさせるときには、方向性を示していただきたい。

【田中副知事】
・インテックスがなくなっても、例えば、大阪府や大阪市がお願いしたら年に何割以上使わせてくれるとか、IRにおけるMICEの運営によっては、インテックスは廃止してもよいとなるかもしれない。

【新井副知事】
・インテックス側が決めないといけないということ。

【田中副知事】
・IR事業者が設置するMICE施設への希望は、我々もまとめようと思う。
・事業者が自分のMICEをこうしたいという場合は、インテックスではなく、IR推進局に相談することなる。事業者の意向に対応できる調整組織が必要ではないか。

【知事】
・インテックスについては、今までずっと議論してきた。募集要項等において、インテックスをどうするのか決められるか。

【IR推進局】
・大阪市の副市長と今相談している。出来れば決める方向で進めている。

【知事】
・それを基に、募集要項等を作っていくというわけだな。
・これまでのRFCで3事業者が、どういうことをしたいかわかっているはず。RFPの段階になって、新たに出てくるわけではない。

【IR推進局】
・全く別の提案が新たに出てくることは、基本的に無いと考える。10万平米という水準を提示し、その施設を必ず作ることが要件となっている。具体的な料金設定の水準等は、今聴取しており、それがユーザー側から見たらどうなのか議論し判断していきたい。

【田中副知事】
・12月のある時期までに、インテックスについての方針を決めていくのが、最優先。決められない場合は動きながら決めるしかない。動きながら決めるときの調整システムを次の案として考えて欲しい。

【IR推進局長】
・一義的には方向性を定めたいが、どうしても決まらなければ、継続してということにならざるを得ない。

【知事】
・区域拡張の話で出た敷地Dは、IR区域ではないのか。

【IR推進局】
・今回は、IR区域には入らない。

【知事】
・区域認定申請する際は入れないのか。

【IR推進局】
・Dについては入れない。今回、最初の認定申請の時は、このAとBの敷地でスタートさせる。Dについては、具体的な開発ができる際に区域整備計画を変更し、IR区域に入れる形をとる。

【知事】
・Dの開発については、カジノの事業収益を活用と書いてある。当初の区域計画には入れないが、IRの仮押さえ地のようなものか。

【IR推進局】
・お見込みのとおり。

【知事】
・逆にいうと、違う理由で行政的に使いたいとか、あるいは別の事業者に活用させることはできるのか。

【IR推進局】
・その余地をどこまで残しておくかについて、RFPまでに議論して固める必要がある。

【知事】
・RFPまでというのは、公募を開始する12月までにということか。

【IR推進局】
・そのとおり。我々としては、基本的には拡張予定地と考えている。

【新井副知事】
・ただ、Dの提案をしてきてもいいのか。

【IR推進局】
・提案してくることは可能だが、Dは建設着工できない状態なので、国に区域整備計画を申請する段階では、最初に開発できるところしか入れない。

【知事】
・公募条件に入れるときは、敷地Dは拘束地にはならないという理解か。評価対象になるのか。

【IR推進局】
・今回は評価に入らない。

【知事】
・任意事項になるわけか。

【IR推進局】
・任意事項でもどこまで任意にするか、「開発可能な時期がくれば、必ず開発をしてください」とするのか、「その時点でまた決めましょう」とするのか。

【知事】
・どちらの予定なのか。

【IR推進局】
・IR推進局としては、必ず開発してくださいとしたいと考えている。

【知事】
・警察の予定地はここか。

【IR推進局】
・警察と消防の予定地は、Dの北側約1ha弱をとるという方向づけはできている。

【田中副知事】
・公募の時にどういう表現にするかが大事。しっかり議論する必要がある。

【知事】
・港営会計としては、ずっと寝かしておくわけにはいけない。敷地Dについては拡張申請することになるのか。

【IR推進局】
・区域整備計画を変更申請することになる。

【田中副知事】
・鉄道の北ルートがいつになるのか、処分するにしても賃貸するにしても、時点によって差がでてくると思う。細かく詰めていかなければならない。

【知事】
・北ルートは時間がかかる。使えない土地にならないか心配。府市も事業者も拘束しないようにしないといけない。駅もできて土地の価値が上がる。行政としてIR以外に活用したいことが出てきた際、IRの仮押さえ地になっていると困る。事業者から素晴らしい提案が出てくるかもしれないが、お互い何も保証するものではないくらいにしておかないといけない。

【新井副知事】
・RFCの際、敷地DはIR区域予定地として出ているのか。

【IR推進局】
・出ている。

【新井副知事】
・拡張予定地となっているというメッセージは出ているということだな。

【知事】
・RFPの際は49haだけを縛るようにした方がいいと思う。

【IR推進局】
・拡張の話が出たときには協議することが必要なため、縛り方の程度は今後RFPの中で。

【知事】
・カジノ事業の収益の活用について、再投資義務は具体的にこれくらいという数字を書くのか。

【IR推進局】
・こちらから数字は書かない予定。事業前に、収益のどのくらいの再投資をするか、具体的に提案してもらう。

【知事】
・そこは、評価に入れるのか。

【IR推進局】
・評価点には入れようと思っている。

【知事】
・「IR拡張予定地の開発」は、評価点に入れないのか。

【IR推進局】
・IR拡張予定地は、最終的には提案を求めないため、入れない。

【知事】
・投資規模は金額で示すのか。

【IR推進局】
・金額ベースで事業者に条件付けはしていないが、実施方針(案)の中でも、大阪IR基本構想(案)を踏まえるよう記載している。この基本構想(案)には9,300億円という数字を示しており、メッセージは出している。基本構想(案)を踏まえた上で、事業者は提案して欲しいということにしている。

【知事】
・RFCでは3社から1兆円くらいの提案が出ているのか。

【IR推進局】
・約1兆円。

【知事】
・そこは、コンセンサスがとれているということか。

【IR推進局】
・我々の試算でも、それぐらいの投資はしないとおそらく実現できない施設規模になっている。

【知事】
・施設に関する国の基準はどのようなものか。

【IR推進局】
・国の基準は、会議室が大きければ展示施設は小さくてもよいというように、MICEについてカテゴリー分けをしている。

【知事】
・大阪はいずれも大きいのか。

【IR推進局】
・いずれも大きいものを設定している。

【IR推進局】
・展示施設は、2万、6万、12万平方メートルという形になっている。

【知事】
・大阪の10万平方メートル以上というと、最大規模に近い形か。

【IR推進局】
・現在、東京ビックサイトが少し拡張してその程度の規模になっているが、日本には10万平方メートルを超えるものは他にない。

【知事】
・ホテルはどうか。

【IR推進局】
・国の基準はホテルの客室が10万平方メートル以上となっている。

【知事】
・10万平方メートル以上だったらどのくらいの客室数になるのか。

【IR推進局】
・一部屋50平方メートルの部屋でも2,000室。コンパクトな部屋になると相当な客室数が必要となる。

【知事】
・国の要件を満たしつつも、小さなIRにしようとしている地域もある。どのくらいの投資規模か。

【IR推進局】
・報道では、4,000億、5,000億円程度までと見込まれている。

【田中副知事】
・RFCでは、来場者をこちらの想定以上の人数で、提案している事業者もいる。施設もこちらが想定している以上のものを考えているのではないか。

【IR推進局】
・IR基本構想(案)では1,500万人を想定しているが、事業者からは2,000万人を超える提案が出てきている。

【田中副知事】
・その分だけ工事期間が必要。

【知事】
・万博との工事調整はやってくれているが、実施方針(案)の中に出てくるか。

【IR推進局】
・実施方針(案)に「必要な連携調整を図る」ということを記載している。

【知事】
・実施方針(案)はざっくりしているが、募集要項等には詳細に書くのか。

【IR推進局】
・募集要項等の中にはもう少し詳細に書く必要があると考えている。具体的な工事上の制約を課す場合、あらかじめ事業者に示す必要がある。IR事業者にとっては経営上の大きな問題。了承した上で提案をいただかなければならない。

【知事】
・事業者が決まったら契約するのか。

【IR推進局】
・契約する。

【知事】
・6月に事業者を決める。その段階で締結か。

【IR推進局】
・その段階では、基本協定という大きな枠組みだけ決める。最終的には、国から区域認定を得たうえで実施協定を締結する。これが最終的な契約書となる。

【知事】
・契約行為の時に府が負う法的リスクについて、きちんとアドバイスを受けておく必要がある。

【IR推進局】
・現在、実施協定の案を作っているところ。顧問となる法律事務所とも調整している。

【知事】
・開業までのリスクと、開業後のリスクがある。開業までは万博との関係で、工事のリスク。長引いた場合、事業者の収支に関わる。パートナーなのだから、同じ方向を向いていくのだろうが、法的にどちらが責任を負うのかという話も出てくる。法律事務所、会計事務所と詰めておくこと。
・開業した後は、大阪市のような土地所有者というリスクはないが、契約上のリスクは把握しておかないといけない。
条例で継続判断基準を決めれば、それに反する場合に補償することになるが、IR事業評価委員会が基準に満たないと判断し更新しないとした際、その内容が争われることもある。客観的に判断できることばかりとは限らない。それが運営上、府が負うリスク。

【IR推進局】
・府の判断で契約を解除する際は補償を伴うため、慎重に判断する必要があると考えている。

【知事】
・開業前と開業後を分けて考えること。大阪市で、大規模事業リスク管理会議を作ったのは、屋台骨がゆらぐような大きなリスクは把握しておこうということ。
・IRも超巨大事業。争いが起きた時、万が一負けたら屋台骨に影響が出てくる。

【IR推進局】
・基本的には民設民営の事業ではあるが、府市の事情で契約を打ち切る場合には一定の責任が伴ってくるため、そのリスクマネジメントの判断はしっかりと行うべき。

【知事】
・IR事業評価委員会は常設の機関か。

【IR推進局】
・常設の機関を想定。

【知事】
・毎年評価していくのか。

【IR推進局】
・モニタリングを行いながら、毎年評価する。
・1年ごとにチェックし、その積み重ねで5年分をチェックする。ただ、チェックとあるが、あくまでも長期継続事業が前提。達していないことが客観的な場合や、事業者の帰責事由がある場合としている。

【田中副知事】
・通常のリスクは事業者の破綻等だが、今回の場合は事業者から請求されるリスクもある。実施協定の時に国際的な契約業務に慣れているところによくチェックしてもらう必要がある。

【IR推進局】
・府市も事業者も法律事務所、弁護士が入って協議している。インフラの整備が遅れた場合、事業者からは経営計画に影響が出るため、損害賠償をしてほしいという話も出ている。ただ、府市としては、そこまでの損害賠償責任を負うことは難しいと現時点では考えている。

【知事】
・下水とか上水とか電気とか。

【IR推進局】
・事業者からは、大阪府市側でインフラの整備を確約してほしいと言われているが、できるところとできないところがある。そうなると事業者としては不確定な要素が多いという状況にならざるを得ない。そのあたりのリスクについてはしっかりと整理する。

【新井副知事】
・万博までにどこまでできるかというのは、事業者ごとに異なるのか。

【IR推進局】
・こちらの最終的な条件設定によって、事業者の提案は変わってくると思う。

【新井副知事】
・中核施設全ての開業を条件付けるのか。

【IR推進局】
・義務付けるかどうかは最終的には募集要項の際の判断。今はめざすということで努力目標としている。大きな方針は万博前の開業をめざしつつ、世界最高水準となるIRを公民で取り組むことを今回示した。あとはもう少し細かく、どこまでを評価の対象に入れるかどうかを検討する。

【知事】
・万博前に開業する施設を指定するのは無理なのではないか。

【IR推進局】
・恐らくできないと考える。

【田中副知事】
・事業者からすれば、開業するとなるとカジノをオープンさせたいと考えるだろう。仮に部分開業という表現を使ったとしても、何をもって部分開業と呼ぶか定義しないといけない。

【知事】
・国の基本方針(案)に施設の開業の順番はずれてもよいと書いていなかったか。

【IR推進局】
・段階的開業も盛り込まれている。

【知事】
・カジノを開業する場合は、中核施設について全部完成させていないといけないのか。

【IR推進局】
・カジノを開業する場合は、中核施設の要件は全部満たさなければならない。ただ、大阪が求めている中核施設の要件は、国の要件を上回っている。例えば、大阪は宿泊施設について3,000室以上としているが、国の基準は10万平方メートル。
・また、MICEについては、国の基準では最大国際会議室6,000人以上のものを作れば、展示施設は2万平方メートルで良い。カジノを営業しようとすると、部分開業といってもかなりの規模を開業する必要がある。

【知事】
・カジノ施設の面積、全体の3%の考え方はどうなるのか。

【IR推進局】
・最初の総面積が50万平米のIRとすると、それの3%。最終的に100万平米のIRになった場合は、100万平米の3%という考え方。

【田中副知事】
・ホテルや駐車場は万博で借り切ることも考えられるが、IR事業者としては、部分開業とはいえ、カジノとセットで華々しくやりたいはず。こちらが思う部分開業が、ホテルや駐車場を万博で借り切ることを想定しているなら、ちゃんと詰めていかないといけない。

【IR推進局】
・それは、開業というか、一部施設の供用と言うことになると考える。

【田中副知事】
・だから開業の定義がいる。

【IR推進局】
・もし、それを義務付けるとすると、必要なインフラは、大阪市が責任をもってやってくださいということになる。

【知事】
・現在はどのように考えているのか。条件として施設は特定しないという考えか。

【IR推進局】
・施設を特定するのは難しいと考えている。義務付けすると事業者に責任が発生する。

【知事】
・事業者から提案があればどうなのか。

【IR推進局】
・事業者から提案があれば受ける。

【知事】
・条件にはしないということか。

【IR推進局】
・条件付けは難しいと考える。

【知事】
・スケジュールについてだが、実施協定の締結は国の区域認定がないと進めない。

【IR推進局】
・お見込みのとおり。

【知事】
・国の認定を受けたら、土地の引き渡しや工事着手ができるというわけか。

【IR推進局】
・国の認定が下りれば、すぐさまとりかかれるように、都市計画や建設関係の手続きを先に進めておこうと考えている。

【知事】
・国の動向は置いておくとして、最速で2021年の秋ということか。

【IR推進局】
・こちら側が最大限早くして、2021年秋ということになる。

【新井副知事】
・昨日、国が区域整備計画の申請時期の案を示した。横浜市も入っていけるのか。

【IR推進局】
・国は意向のある地域にヒアリングをしたうえでの時期の設定のため、横浜は入ってこられると考える。

【知事】
・国は、2段階ということを明言していなかったから、ここで3か所が決まるはず。東京都とか千葉県はしんどくなってくる。

【新井副知事】
・非常にタイト。

【IR推進局】
・東京都がどこまで進んでいるのか分からないが、千葉県はRFCの前の状況と聞いている。

【知事】
・認定時期を2021年秋にすることを、国に働き掛けていかなければならない。

【IR推進局】
・大阪としては、2021年秋頃以降は、建設工事に入れるような環境を整えようと動いている。

【知事】
・国の区域認定が行われない限り土地を引き渡せず、工事もできない。時期の不確定要素は大きい。工事期間がどのくらいかかるのかというのもあるが。

【IR推進局】
・工事期間がどのくらいかかるのかというのもあるし、国の認定がいつかが決まらないと、確定したスケジュールを示すことができないため、この部分についてはあくまで想定として記載しているところ。

【政策企画部長】
・国の認定時期をいつにするとか、いつ決めるかもまだなのか。

【IR推進局】
・まだ示されていない。

【知事】
・工事期間がどのくらいかかるのか、事業者と対話しているのか。

【IR推進局】
・工事期間については、中層までの施設でも3年強くらいはかかる。高層の建築となると建設期間が足りないという話をしている。中層であっても工事が順調に進めばという条件がついており、工事条件はまだ確定しない所がいくつかあるという状況。

【知事】
・万博まで3年半くらいか。きついスケジュールだな。

【IR推進局】
・事業者側も万博と同じ発想で、一番のピークを迎える直前のオープンは難しいとのこと。
・万博が始まると来場者が増えることが想定され、オペレーション上の習熟のため、数か月前にはオープンしないと、現実的にオペレーションできないだろうと聞いている。

【知事】
・募集要項等は12月のいつくらいに出すのか。

【IR推進局】
・できれば、12月の中旬以降に出していきたい。市会と府議会で実施方針(案)についてご議論いただいた上でRFPを実施する。

【知事】
・募集要項等で詰めきれていないのはどこか。

【IR推進局】
・大きくは開業時期、万博との関係の工事条件等インテックスの判断が必要。あとは細かいこと。12月に向けて引き続き協議をお願いしたい。

【政策企画部長】
・それでは、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備実施方針(案)」については、本日これで決定とする。


 

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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