認知症とは

更新日:2023年3月8日

認知症について

認知症は誰でもかかる可能性のある身近な病気です

認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が損傷を受けたり、働きが悪くなることで、認知機能が低下し、さまざまな生活のしづらさが現れる状態を指します。 

大阪府の認知症高齢者数は、平成24年現在で31万5千人と推計されており、平成37年には46万7千人に増加すると見込まれています。

認知症は、高齢期では誰でもかかる可能性のある身近な病気です。認知症の人と家族が安心して暮らせるよう一人ひとりが認知症を正しく理解し、地域で支えあっていくことが大切です。

認知症の主な症状

認知症の症状には、病気等により脳細胞が死ぬことなどで生じる「中核症状」と、本人の性格、周囲の人とのかかわり方で生じる「行動・心理症状(BPSD)」があります。

行動・心理症状(BPSD)は、周囲の正しい理解による適切な支援や対応で改善することがあります。

認知症の症状について

※ 行動・心理症状(BPSD)のひとつである「徘徊」について「徘徊」という言葉を使ってその症状を表現することは、認知症に対する誤解や偏見を招く恐れがあることや本人や家族に配慮するため、「ひとり歩き」などと言い換える自治体の動きが広がっています。一方、言い換えをすることで深刻さが失われるとの指摘もあり、適切な言い換え表現が現在のところありません。

【引用:平成29年7月大阪府作成リーフレット「認知症になっても安心して暮らせるまちづくりに向けて」】

認知症は早期の診断と治療が大切

認知症は治らないから、病院に行っても仕方ないと考えていませんか?認知症も下記のような理由により、早期診断・早期治療が大切です。

1.記憶や意識が明確なうちに準備ができる

 早期の診断を受け、症状が軽いうちに、本人や家族が病気と向き合い話し合うことで、介護保険サービスの利用など今後の生活の備えをすることができます。

2.治療により改善する場合がある

  正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、うつ病によるものなど、早期に発見すれば、治療により改善可能なことがあります。

3.進行を遅らせることが可能な場合がある

 アルツハイマー病には、進行をある程度遅らせることができる薬があり、早くに使い始めることが効果的と言われています。

 また、脳血管性認知症では、生活習慣病の予防が進行予防につながります。

大阪府は、「痴呆」という用語を「認知症」に改めるとともに、認知症に対する誤解や偏見の解消に努めます。

◆「痴呆」という言葉

 江戸末期から明治の初頭にかけて、西洋医学の様々な言葉が日本語に訳されました。医学上の「痴呆」は「dementia」の訳語ですが、明治時代には「狂ノ一種」や「痴狂」、「瘋癲」、「痴呆」等々と訳され一定していませんでした。明治の末期に「狂」の文字を避ける観点から「痴呆」が使用され、それが徐々に一般化してきました。「痴」、「呆」のそれぞれの文字についてみると、「痴」は「おろか」、「くるう」という意味があり、「痴漢」、「白痴」等の熟語の用例があります。「呆」は「ぼんやり」とか「魂の抜けた」という意味があり、「呆気」、「阿呆」等の熟語の用例があります。
 行政面では、昭和55年の公衆衛生審議会の意見書で用いられるなど昭和50年代後半から「痴呆」の用語が用いられ始めており、法律用語としては平成3年の老人保健法等の改正が初出ですが、介護保険法等の多くの法令で「痴呆」という用語が用いられていました。


◆「痴呆」という用語の問題点

(1) 侮蔑感を感じさせる表現であること
 「痴呆」という用語は、侮蔑的な意味合いのある表現であり、現実に、「痴呆」と呼ばれることにより、感情やプライドが傷つけられる場面が日々生じていると思われます。また、家族にとっても、肉親をこう呼ばれたりすることには、苦痛や違和感を感じる場合も多いと思われます。

(2) 実態を正確に表していないこと
 一般に「痴呆になると何もわからなくなってしまう」というイメージで捉えられる場合がありますが、近年、国内外で当事者が自らの体験や気持ちを発言され始めており、こうしたイメージが全くの誤りであることが明らかになってきました。

(3) 早期発見・早期診断等の取り組みの支障となること
 最近では、早期発見・早期診断の重要性が指摘されていますが、「痴呆」になることは怖いことであり、恥ずかしいことであるという認識が広く存在し、診断の受診や早期対応プログラムへの参加の支障となっているとの指摘がなされています。


◆代替する用語の検討

 「痴呆」に替わる用語については、厚生労働省において、平成16年6月以降、「『痴呆』に替わる用語に関する検討会」が設けられ、検討が行われてきました。
 この検討会では、(1)「認知症」、(2)「認知障害」、(3)「もの忘れ症」、(4)「記憶症」、(5)「記憶障害」、(6)「アルツハイマー(症)」を候補として、広く国民や関係団体からの意見募集を行うなど、検討を進め、平成16年12月24日、

・ 一般的な用語や行政用語としての「痴呆」という用語は、侮蔑的な表現である上に、その実態を正確に表しておらず、早期発見・早期診断等の取組みの支障となっていることから、できるだけ速やかに変更すべきである
・ 新たな用語としては「認知症」が最も適当である
 
等を内容とする報告書がとりまとめられました。
 厚生労働省においては、本報告を踏まえ、法令上の用語や医学上の用語を用いる場合等を除き、行政用語としては「認知症」を用いるとともに、法令上の用語についても法改正による変更を検討しているところです。
 その後、平成17年6月29日に公布・施行された「介護保険法等の一部を改正する法律」により、法令上の用語についても「痴呆」を「認知症」とする見直しがなされました。
※医学上の用語としての「痴呆」についても、日本老年精神医学会において、「認知症」に置き換えることとされました。


大阪府では「認知症」を使用します

 大阪府においても、今後、行政用語の使用に当たっては、現時点で用語を変更できない特段の事情がある場合を除き、「認知症」を用いることとします。
 また、すべての人が、「認知症」の症状や特性(「何もわからない状態になってしまうのではない」等)を適切に理解し、誤解や偏見をなくすことが重要であることから、「認知症」に関する啓発等に努め、すべての人が尊厳をもって暮らせる社会づくりを進めます。

認知症施策について

認知症施策(厚生労働省ホームページ)(外部サイトを別ウインドウで開きます)

認知症施策推進大綱について(厚生労働省ホームページ)(外部サイトを別ウインドウで開きます)

 

このページの作成所属
福祉部 高齢介護室介護支援課 認知症・医介連携グループ

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