動物由来感染症について

更新日:2020年8月26日

動物由来感染症とは?

 動物から人へうつる感染症を「動物由来感染症」といいます。動物由来感染症は、世界保健機構(WHO)で把握されているだけでも200種類以上あります。動物由来感染症が多発する要因としては、森林開発による耕作地や宅地の拡大により、野生動物と人間が接する機会が多くなったことやグローバル化による人々の移動とともに病原体の移動などが挙げられます。日本では動物由来感染症の発生数は海外に比べ少ないですが、日本に入ってくる可能性もありますので、正しい知識を持って動物と付き合うことが大切です。

※新型コロナウイルスがペットや蚊から人に感染した事例はありません。詳しくは厚生労働省ホームページ等をご覧ください。
  厚生労働省ホームページ『新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)』「新型コロナウイルスについて」問4及び問5(外部サイト)
  WHOホームページ(英語)『Coronavirus disease (COVID-19) advice for the public: Myth busters』「COVID-19 IS NOT transmitted through houseflies」(外部サイト)

【お知らせ】

府政だより鳥インフルポスター
 春から秋にかけて、蚊やマダニが活発化します!
 ダニによる日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症や蚊によるデング熱やジカ熱などの感染症にご注意ください!

 蚊媒介感染症について
 ダニ媒介感染症について



             また、中国などで人での鳥インフルエンザが発生しています。
             渡航される方は感染しないようご注意ください。
             鳥インフルエンザについて



伝播経路と対策

感染源である動物から直接人間にうつる直接伝播と、感染源である動物と人間の間に何らかの媒介物がある間接伝播があります。

伝 播 経 路具 体 例主な動物由来感染症の例主な対策
直接伝播咬まれる

狂犬病、パスツレラ症

・むやみに動物に触らないようにする   
・動物に触れた後は、石けんできれいに手を洗う
ひっかかれる猫ひっかき病
 触れる(糞便に触る、飛沫・ほこりを吸い込むことも含む)エボラ出血熱中東呼吸器症候群(MERS)
鳥インフルエンザオウム病
間接伝播 ベクター媒介(※1)ダニ類クリミア・コンゴ出血熱、日本紅斑熱つつがむし病
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
・蚊やダニに刺されないよう長袖・長ズボンを着用する
・虫よけスプレーを使用する
日本脳炎ウエストナイル熱デング熱
チクングニア熱ジカウイルス感染症マラリア黄熱
ノミペスト
ハエ

腸管出血性大腸菌感染症

環境媒介(※2)

レプトスピラ症

・病原体保菌動物への対策
・衛生環境の改善
土壌

炭疽、破傷風

動物性食品媒介(※3)

腸管出血性大腸菌感染症、E型肝炎

・お肉や魚介類はしっかり火を通してから食べる

鶏卵 サルモネラ症
乳製品

Q熱、ブルセラ症 

魚介 

アニサキス症クドア症
(食の安全推進課作成ページ)

(※1)動物が保有している病原体を蚊、ダニ、ハエ等の節足動物等が運んで人間に感染させることをいう。
(※2)動物の体内から排出された病原体が水や土などを介して感染することをいう。
(※3)病原体で汚染されている食品を人間が喫食することで感染することをいう。

ペットを飼っている方へ

野生動物だけでなく、ペットから人に病気が感染する場合があります。飼い主さんと元気でいるためにどうしたらいいにゃん

ペットから感染する可能性のある感染症の例
オウム病】インコやオウムなどの糞に含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えることにより感染する。
猫ひっかき病】猫にひっかかれたり、咬まれたり、傷口をなめられることで感染する。
レプトスピラ症】犬やネズミなどの保菌動物の尿に触れたり、尿に汚染された水や土などから皮膚や口を介して感染する。

以下のことに注意しましょう。

人といぬ 親しき仲にもルールあり
・動物の口内等には、細菌やウイルスが潜んでいる可能性があります。
 キスをしたり、スプーンや箸の共有など過剰な触れ合いは控えましょう。
・糞尿の処理は速やかに行いましょう。長時間処理せず、糞尿が乾燥すると病原体が空気中を漂い、
 それを人間が吸い込むことで病気に感染することがあります。
・動物に触ったら、必ず手を洗いましょう。
・犬の予防接種と登録をしましょう。飼い主は狂犬病予防法で飼い犬の登録と飼い犬への狂犬病予防注射、
 鑑札と注射済票の装着が義務づけられています。
なるほどニャン

 また、飼っているペットの健康状態に異常が見られた場合はなにか病気に感染している可能性がありますので、動物病院へ連れて行ってあげましょう。

海外渡航される方へ

海外では日本にはない動物由来感染症も多く発生しており、ワクチンがないものもあるため、海外渡航時は特に注意が必要です。
府政だより
海外発生している感染症の例

鳥インフルエンザ(H7N9)
感染した鳥やその排泄物、死体、濃厚接触などにより感染。中国や台湾、香港などで感染者が確認されている。
中東呼吸器症候群(MERS)
中東地域で流行しており、ヒトコブラクダが感染源のひとつとして考えられている。
エボラ出血熱
アフリカでサルから感染したエボラ出血熱患者の発生などが確認されている。
【ペスト】
アジア、アフリカ、アメリカの広い地域において発生が確認されている。ヒトからヒトへ感染する肺ペストと菌を保有しているノミに咬まれて感染する腺ペストがある。

事前に、“渡航先でどんな感染症が流行しているのか”を確認し、対策を取りましょう。
→厚生労働省検疫所:FORTH 海外で健康に過ごすために(外部サイト)


・むやみに動物に触らない。触れた場合は必ず石けんで手を洗いましょう。
・渡航先で動物に咬まれたりひっかかれた場合は、すぐに傷口を洗い、医療機関を受診しましょう。
・有効なワクチンがある場合は、渡航前にワクチン接種をしておきましょう。
・食品を介して感染する恐れもありますので、未殺菌のラクダの乳や生肉等の飲食は控えましょう。
・蚊に刺されたり、ダニに咬まれたりしないよう、長袖長ズボンを着用し、肌の露出は避けましょう。


上記の対策は、国内でも有効ですので参考にしてください。

厚生労働省検疫所:海外渡航者向けの予防接種実施機関(外部サイト)
外務省:海外安全ホームページ(外部サイト)

大阪府が実施しているサーベイランス調査について

大阪府では、動物由来感染症対策の一環として、サーベイランス調査を実施しています。詳細については以下のページをご参照ください。

動物由来感染症のサーベイランスについて(環境農林水産部動物愛護畜産課畜産衛生グループ)
蚊媒介感染症のサーベイランスについて

感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について

厚生労働省:感染症法に基づく医師の届出について(外部サイト)
厚生労働省:感染症法に基づく獣医師の届出について(外部サイト)

関連リンク

厚生労働省:動物由来感染症(外部サイト)
国立感染症研究所:動物由来感染症対策(外部サイト) 

このページの作成所属
健康医療部 保健医療室感染症対策企画課 防疫グループ

ここまで本文です。