重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、SFTSウイルスを保有しているダニに咬まれることで感染する病気です。
2013年3月4日に全数把握対象疾患である四類感染症に指定されました。
2013年1月に山口県で国内初の患者報告があり、これまでに兵庫県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県等、西日本を中心に報告があります。また、国内でのマダニの調査によると、これまでに患者報告のない県においても、SFTSウイルスを保有するマダニが検出されているため注意が必要です。
2017年7月末、大阪府においても、初めて患者が確認されました。
→マダニに注意しましょう!(平成29年8月1日 報道提供資料)
国立感染症研究所:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発生状況(外部サイト)
潜伏期間は、マダニに咬まれてから6日から2週間とされています。
発熱、食欲不振、嘔吐、下痢、頭痛、筋肉痛が主な症状として出現し、病状が進行すると、意識障害等の神経症状、皮下出血や下血などの出血症状を伴います。
血小板や白血球が減少し、重症な症例においては、死亡する場合があります。なお、高齢者は重症化しやすいと言われており、日本での致命率は約20%との報告があります。
なお、SFTSには有効な薬剤やワクチンはなく、対症的な治療を行うこととなります。
人は、SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれ、感染することがほとんどですが、
血液等の患者体液との接触により人から人へ感染したケースも報告されています。
マダニは家庭内に生息するダニと種類が異なり、山林や草地といったシカやイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境に多く、民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などにも生息しています。
マダニが活発に活動する春から秋にかけては特に注意が必要です。
マダニについては、こちらもご覧ください→「マダニによる感染症に注意しましょう!」
山林や草地などマダニが生息しているような場所に立ち入る際や農作業を行う際には、
マダニに咬まれないように以下を参考に対策をとってください。
(1) マダニから身を守る服装 |
・長そで長ズボン、長靴等を着用し、できるだけ皮膚の露出を避ける |
(2) マダニから身を守る方法 |
・上着や作業着は、家に入る前に脱いでおきましょう。 |
(3) 虫よけ剤の使用 |
・マダニに対する虫よけ剤が2013年から新たに認可されました。マダニの付着を完全に防ぐわけではありませんが、マダニがつきにくくなる効果があります。 (有効成分:ディート、イカリジン) |
ダニ類の多くは、長時間(10日以上のこともある)吸血します。吸血中のマダニを無理に取り除こうとすると口器が皮膚の中に残り、化膿することがあるので皮膚科等の医療機関で適切な処置(マダニの除去や消毒など)を受けてください。
マダニに咬まれたら数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は、医療機関を受診してください。
この度、発熱・衰弱等に加え血小板減少等の所見が見られた飼育ネコ及び飼育イヌの血液・糞便からSFTSウイルスが検出された事例並びに体調不良のネコに咬まれたヒトがSFTSを発症し死亡した事例が確認されました。
健康なネコなどからヒトがSFTSウイルスに感染することはないと考えられていますが、SFTSウイルスに感染し、発症している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することは否定できません。
くれぐれも体調不良の動物等に触れる際は、感染しないようご注意ください。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に係る注意喚起について [PDFファイル/124KB](厚生労働省 平成29年7月24日通知)
別添1:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に係る注意喚起について [PDFファイル/290KB]
別添2:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に係る注意喚起について [PDFファイル/59KB]
厚生労働省:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(外部サイト)
厚生労働省:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(外部サイト)
国立感染症研究所:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(外部サイト)
国立感染症研究所昆虫医科学部:マダニ対策、今できること(外部サイトを別ウインドウで開きます)
このページの作成所属
健康医療部 保健医療室感染症対策企画課 防疫グループ
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