第42回大阪府在日外国人施策有識者会議 議事録概要

更新日:2016年2月17日

(と き)平成27年12月18日金曜日 午前10時から12時
(ところ)大阪府庁 新別館南館8階 大研修室

(議事)
1.座長、座長代理の選任について
2.大阪府の在日外国人施策について
3.基調報告「地域特性を活かした多文化共生のまちづくり−箕面市国際交流協会の取り組み」
  報告者 公益財団法人箕面市国際交流協会 事業課長 河合 大輔 委員

(出席委員)8名
河合 大輔(公益財団法人箕面市国際交流協会 事業課長)
斎藤 ネリーサ(フィリピンコミュニティ連絡会 アドバイザー)
中井 伊都子(甲南大学法学部教授)
野中 モニカ(天理大学国際学部准教授・ポルトガル語通訳案内士)
朴 君愛(一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター 上席研究員)
ペエ 薫(弁護士)*ペエは、亠に裴の亠を取る
彭 飛(京都外国語大学外国語学部教授)
山ノ内 裕子(関西大学文学部教授)

(欠席委員)2名
佐藤 潤一(大阪産業大学教養部教授)
トラン ティ アン ホン(ベトナム語通訳)

(配付資料)
資料1-1「大阪府在日外国人施策有識者会議設置要綱」 [Wordファイル/30KB]
資料1-2「大阪府在日外国人施策有識者会議の委員名簿」 [Excelファイル/29KB]
資料2-1「大阪府在日外国人施策の実施状況(平成27年度版)」
 ・表紙 [Wordファイル/32KB]
 ・目次 [Wordファイル/55KB]
 ・関連施策一覧 [Wordファイル/210KB]
 資料1「大阪府の国籍別在留外国人数」 [Excelファイル/18KB]
 ・資料2「大阪府の市町村別在留外国人数」 [Excelファイル/15KB]
 資料3「大阪府の国籍別在留外国人数の推移」 [Excelファイル/40KB]
 資料4「全国の国籍別在留外国人数及び割合」、資料5「全国の国籍別在留外国人数の推移」 [Excelファイル/47KB]
 ・資料6「大阪府外国人相談コーナー実績集計」 [Excelファイル/14KB]
資料2-2 「大阪府における在日外国人施策の体系」 [Excelファイル/46KB]
資料2-3-1「朴委員からの質問及び回答(1)」 [Wordファイル/21KB]
資料2-3-2「朴委員からの質問及び回答(2)」 [Wordファイル/21KB]
資料2-3-3「河合委員からの質問及び回答(1)」 [Wordファイル/21KB]
資料2-3-4「河合委員からの質問及び回答(2)」 [Wordファイル/22KB]
資料3「地域特性を活かした多文化共生のまちづくり−箕面市国際交流協会の取り組み」 [Wordファイル/20KB]
参考資料「庁内出席所属一覧」 [Wordファイル/17KB]

(会議概要)
1.開会
2.人権局長挨拶
3.議事
(1)座長、座長代理の選任について
 本会議設置要綱第3条第2項の規定により、座長に彭委員が、座長代理に中井委員が選任された。

(2)大阪府の在日外国人施策について
【主な発言内容】<●…委員(座長含む)、○…大阪府(事務局及び関係所属)>
○大阪府における在日外国人施策の体系について説明(資料2-2のとおり)
●朴委員から質問の趣旨について説明(資料2-3-1のとおり)
○政策企画部戦略事業室特区推進課から回答(同上)
●朴委員から質問の趣旨について説明(資料2-3-2のとおり)
○教育委員会事務局教育振興室高等学校課及び市町村教育室小中学校課から回答(同上)
●本名で通学している外国籍の児童・生徒の比率は、私が府立高校に通っていた頃には考えられない高い数字。学校の先生たちの長年の取り組みの成果。本名を選択している子どもたちが励まされ、周りの子どもたちに良い影響が与えられるような教育を進めていただきたい。
●フィリピンの場合は、国籍は日本でも、名前はフィリピンの呼び名をつけることが多い。しかし、いじめにあって日本の呼び名に変えるケースもある。
●私の子どもは本名で周囲とうまくやっていけるよう、自分で努力をした。子ども本人の努力もあるが、学校の教育の問題。重要な課題。
●私は日本生まれの2世だが、小中高と通名を使用して、大学入学時から本名を使用した。ただ、私の子どもたちは3人とも本名を使用している。当時初めて外国人の名前で入学してきたので、小学校も中学校も大変慌てて、どのように対応したら良いのかについて、私に相談に来られたことがある。在日コリアンの通名使用率が高いのは植民地時代に韓国・朝鮮の名前を強制的に日本名に変えた「創氏改名」の影響をオールドカマーが自動的に承継した歴史がある。だから逆に言えば、最近の留学生や企業関係の新しい移住者、いわゆるニューカマーはほとんど本名を使用している。徐々に在日コリアンの意識、日本社会の意識も変わって住みやすくなってきているが、まだ差別意識が残っていることは間違いない。
●小中と高等学校では本名使用率に差がある。特に高校で増えてきているが、どのような理由があるのか。
○小中から高校にかけて本名使用率が増えている原因は把握していない。各学校としては、子どもたちのアイデンティティーを育み、堂々と自分のルーツを含めて胸を張って共生してくれることを期待して取り組みを進めている。保護者が日本名を使用したいと言われるケースもあるが、学校としては保護者との信頼関係をつなぎながら、自分のルーツやアイデンティティーに誇りをもった生き方ができるように、「民族クラブ」などの取り組みを行っている。そこでは本名を使っても、それ以外の場面では日本名を使いたいと言う子どもも少なくないが、保護者、当事者の子どもたち、学校との信頼関係、そして周りの友達との信頼関係を育みながら、1歩ずつ前に進んでいる。
●河合委員から質問の趣旨について説明(資料2-3-3のとおり)
○教育委員会事務局市町村教育室小中学校課から回答(同上)
●河合委員から質問の趣旨について説明(資料2-3-4のとおり)
○教育委員会事務局教育振興室高等学校課から回答(同上)
●資料2-1について、平成27年度の事業概要の次に昨年度の実績が記載されているが、「過去の実績などを踏まえて、今年度はこのようにブラッシュアップした」という形に見せ方を工夫すべき。

(3)基調報告「地域特性を活かした多文化共生のまちづくり−箕面市国際交流協会の取り組み」
   報告者 公益財団法人箕面市国際交流協会 事業課長 河合 大輔 委員

・箕面市は大阪のベッドタウンで、山、坂が多くて、住宅地も多い。市街地は国道171号線に沿って東西に延びているが、市内を横断する鉄道は無い。外国人市民の方々が集中して住んでいる地域は無く、いわゆる少数点在でお互いにつながる機会が比較的少なく、孤立しがちである。
・その一方で、大阪大学の箕面キャンパス、近くに吹田キャンパスがあり、留学生や研究生、教授の方々と彼らの家族が特に市の東部に集中して在住している。
・箕面市全体では、人口が約13万人のうち、外国籍の方は約2,400人。人口比率では1.8%で全国平均と同じぐらいだが、国籍数は約95カ国と非常に多い。少数点在で国籍が多様、地理的に移動の便が悪く、孤立しがちな面がある。このようなことを意識しながら、事業を実施している。
・箕面市国際交流協会には、韓国、ブラジル、中国等様々なルーツや海外とのつながりをもっているスタッフがいる。これは事業を進める上で非常に重要で大きな力。異なる文化の間での苦労を理解しながら、様々な相談を母語で受けることが出来る。
・2013年度に箕面市が箕面市立多文化交流センターを設置。以来、指定管理者として、館の管理と館を活用した事業を実施している。同センターの主要な機能の一つは、いわゆる生涯学習施設、公民館的な機能で、地域の方々に会議室を貸室として利用をしていただいている。また、就学前の子どもたちに遊んでもらえるプレイルームを設置しており、子ども連れの方々に利用していただいている。
・地下には地域福祉拠点として、豊川南小学校区地区福祉会の事務所も併設。また、地域の方々からの要望もあり、図書館が設置されている。さらに多国籍な外国人市民が暮らす地域の特性を活かした形で国際交流、多文化共生の施設としたもの。
・当協会は、日本語教室や、渡日の子どもたちの学習支援、居場所、仲間づくりの事業などを実施。また、多言語での情報提供や生活相談を実施。生活相談は週1回、英語、中国語、朝鮮語、インドネシア語、フィリピン語の5言語で実施している。
・事業をやっている中で見えてくるものとして、外国人の方々はたくさんこの地域に住んでおられるが、日本社会との間には非常に壁があるということを色々な場面で感じている。
・例えば、留学生は、共通の課題として、日本人の友達がいないと話している。また、日本語教室で勉強しているが、日本語を話す機会がないということもよく聞く。
・生活相談の中では、何十年も暮らしていても、夫との関係で日本語教室に行かせてもらえず、未だに全然日本語がしゃべれないというケースや子どもたちが日本の学校に通っていても、自分だけが外国人で、周りの人たちが全然理解してくれない。からかいやいじめがある中で、不登校になっていくなど、色々な形で日本社会との壁があるということを感じさせられる。
・来日したばかりの人たちだけではなくて、2世の子どもたちは非常に困難な状況にある。例えば、外国出身の両親が日本の学校制度や学校文化について全然分からず、子どもの悩みを理解することが難しくなる場合がある。自分の悩みを保護者にも理解してもらえない。先生にもなかなか理解してもらえない。周りの子どもたちにも理解してもらえない。このように、彼らが非常に苦しい状況に置かれていることが見えてくる場面がある。
・そのような中で、当協会の事業の柱は2つ。1つは困難な状況に置かれている外国人市民のサポート。もう1つは、多国籍、多文化の方たちが地域に住んでいることを活かして、交流の促進を図りながら、異文化理解と地域の活性化を進めること。この2つを組み合わせて、それぞれが活性化し、エネルギーが湧いてくるような事業展開をしたいと日頃から思っている。
・この施設ができる前は、日本語教室はあっても、その日の教室が終わればすぐに帰っていったので、私たちも受講生達がどのような人か深く知らなかった。しかし、よく聞いていくと、それぞれの方々が持っている背景や、力、経験というのは、非常に多様。そのような方々が地域にいることを活かして、色々な事業の形を考えている。
・その中で1番大きいのは、このセンターが出来てオープンしたカフェ。カフェを始めるきっかけは、ある外国人の相談だった。自国では色々なことができたのに、日本に来てから自分が何もできない存在であるかのように感じる。その方は留学生の家族として来られていたが、こうした方の居場所、力を生かす場所が無い。その方が相談に来られてから一緒に面接の電話をかけたり、仕事探しをしていたが、なかなかうまくいかない。それだったら自分たちが出来ることをしてしまおうということで、カフェの取り組みを始めた。
・今、外国人のシェフ20数名に登録していただいていて、日替わりで色々な国の料理を出してもらっている。このカフェを始めてから様々な変化があって、例えば、日本語を話す機会が無いことを多くの外国人市民から聞いていたが、ここでシェフをしたり、ボランティアをすると、否応なく日本語で話さないといけない。多国籍なので、共通語は日本語しかない。ただ、やはり、日本人と日本語をしゃべるというのは、日本語を勉強し始めた人にとっては、結構ハードルが高いが、ここだとみんな日本語がそれほど上手ではないので、遠慮せず、恥ずかしがらずにどんどんしゃべれる。2、3年で皆さん日本語が上手になった。
・それから、ランチタイムが終わればみんなで一緒にご飯を食べながら話をするが、そこで色々な会話が生まれる。相談も含めてお互いに話ができる。それぞれが自国ではない場所で、結婚や仕事、子育てをしているという一定の共通の背景を持って情報交換ができる。私たちは生活相談をしているが、決められた時間に市役所に相談に行くことは、よほど重たい、大変な状況にならないと踏み出せない面があるが、日常の会話の中で、そのような相談をしたり、互いを支えあえる関係ができる。こうしたことも、カフェの1つの成果として見えてきていると思う。
・また、外国人の方々の持っている力を活かしていただくため、小学校に行っていただいて話をしていただいている。あるインド人の方に行っていただいたクラスにインド出身の子どもがいて、その子が通訳をしてくれた。外国人の子どもにとって、日本語以外の言葉ができることを評価される場面は、日本の学校ではほぼない。どちらかというと、日本語が難しい子という面で見られてしまう。そうではなくて、日本語も母語もできて、通訳ができる小学生。そのように周りの子どもたちに理解される。そのような場面を増やしていきたいと思っている。
・大人の外国人市民についても同様で、日本語はまだ勉強中だけど、自分の母語は話せる。語学講座でお金を取って先生になるのは難しいが、カフェでテーブルを囲んで、文字や挨拶を教えることならできる。そんな方々と一緒に、語学体験のできる語学カフェ(スペイン語、ロシア語、ベンガル語)を始めた。これを始めてから、講師の方たちはきちんと教えたいとか、日本語ではどのように言うのだろうなど一生懸命勉強をする機会にもなって、また日本語が上手になった。
・これまでの成果とこれからの課題としては、このセンターには図書館、地域の福祉会も併設され、カフェや子どもたちのプレイルームもあるので非常にオープンな施設になった。国際交流に関心のない人も、それぞれのニーズに合わせてここに集まって、何かのきっかけでイベントに参加してみる。そして交流が生まれてくる。こうしたことをもっと活かしていきたいと思っている。
・もう一方で、カフェの運営が3年目に入ったが、スタッフが毎月集まって会議をしている。スタッフ同士の関係性が近くなった分、色々なトラブルや文化の違いも見えてくる。
・また、その分、交流、あるいは異文化の理解が日常の中で深まっているともいえる。日常の中でその難しさやお互いの違いをそれぞれが実感しながら、外国人市民の方々、地域の日本人の方々がお互いの関係性を日常の中で結んでいくという場づくりが、3年目以降、今後の課題ではないかと感じている。
・1度のイベントや、企画、交流だけでは何かが進んだり、解決したりしないが、このようなちがいを継続して編みこんでいくことで、地域を変えていきたいと思いながら事業をしている。

【質疑応答等】<●…委員(座長含む)、○…大阪府>
●今まで国際交流と言えば、海外に出かけるものだったが、箕面市の国際交流のメインは、市内に住んでいる外国人との交流。海外に出かける交流もしているのか。
●事業の中では、箕面市の姉妹都市との交流事業も行っている。
●シェフの方は色々な国の方がいらっしゃるが、すべてボランティアで対応をされているのか。
●シェフは売上げの一部が収入となるので、有償となるが、席数が40から50あるので、それを支えるのは私どもスタッフもいるが、ボランティアの方々にも入っていただいている。ただ、手伝うとご飯を食べられるので、食事と交流を楽しみながら支えていただいている。
●子どもたちのプレイルームの利用者は、外国人だけか。それとも地域の日本人もいらっしゃるのか。
●プレイルームは普段は開放しているので、地域の子育て中の方々に利用していただいており、日本人も多い。日本語教室の時間帯は、外国人の子どもたちを預かって、ボランティアが見ている。日本人ならば、地域の子育てサークルや、ママ友などの中で、子育て中でも外に出て情報交換する機会があるが、外国人はそういう場にも参加しづらく、孤立しがちである。子どもを抱えてずっと家にいるという方が結構おられる。そこで、日本語教室の時間だけは、ここに来て子どもを預けることによって、自分の時間が持てるので、非常に人気がある。ただ、ボランティアによる活動でもあり、施設のキャパシティーもあるので、定員を10名としており、いつもくじ引きになってしまっている。
●地域の人に開放をしているときに、日本人のお母さんと外国人のお母さんが自然に触れ合うようなことはあるのか。
●日本人のお母さん同士が話しているところに、外国人のお母さんが自然と入っていくのは難しいと感じている。そこで、日本人のボランティアも外国人のお母さんも子連れで来て、子どもたちを一緒に遊ばせながら、親同士で日本語の会話を練習する事業を始めた。こうした場を作ることで交流を促していきたい。
●私からお願いと質問がある。1つは人権に関することで、「在日外国人施策の実施状況」によると、人権の研修などを実施しているが、例えば、外国人問題、女性問題など分類化された形の研修が多いと思う。しかし、最近は、例えば、外国人で発達障がいのある子ども、もしくは外国人でLGBT当事者というような複合的な問題もあるので、今後は複合的な問題も取り扱っていただきたいと思う。それに付随した質問だが、現在、渋谷区、世田谷区、宝塚市(予定)で同性婚のパートナーシップ証明書を発行しているが、大阪府のLGBTなどの性的マイノリティの取り組みはどのようなものかお伺いしたい。
 もう1つは、昨今、インバウンドの増加が著しいが、地域人材の活用についてお聞きしたい。通訳案内士の資格としては10言語で、アジアは中国語、韓国語、タイ語しかないが、その他のアジア言語の観光客が増えている。京都では特区で地域限定の資格を持って活動していると聞いている。大阪府の今後の見通しについて教えてほしい。また、観光だけではなく、医療ツーリズムにより医療通訳者も必要になってきているが、研修をどのように考えているのか?「在日外国人施策の実施状況」の「府立5病院通訳ボランティア制度」について、ボランティアにどこまで責任を負わせるのか。
○複合的な問題を抱えて厳しい状況にある方々の人権について、学ぶ必要があることは我々も認識しており、市町村の職員や地域のNPOの方々を対象にした研修会を通年で実施している。
 もう1点のLGBTなどの性的マイノリティの取り組みについて、かつて府民から提出していただく申請書には性別記載があったが、抵抗を感じる方もいると指摘を受けて、現在は、必要なもの以外は原則、性別の記載はしないこととしている。
●府の外国人施策は、歴史的に見て、旧植民地の在日コリアンや中国人とのトラブル・問題をいかになくすかという発想からきている。その伝統が続いている。外国人人材を大阪府のためにどういう形で有効活用していくのか、という視点で見直すべき時期に来ている。基調報告のカフェのように、あるところはボランティアで、あるところは営利を目的とする形で自立していく自立支援を促す「サーバントリーダー」の役割を担うべき。その2つの視点で外国人施策を抜本的に見直していただきたい。
●この会議の所管は人権局なので、別の委員会を作るか、この会議を拡大させるかになると思う。
●交流や相互理解は、共通の目的で一緒に苦労しながら進めないと。バラバラに進めるのではなくて、共通の目的に向かって一緒に進めるべき。
●人権の問題も含めて、差別のない社会をつくることと、(在阪外国人の力を活用して)大阪の活性化につなげる、そうした施策の進め方を考えてもらいたい。
●ヘイトスピーチについて、街頭デモは一時より減ったと思うが、ネット上はなかなか収まっていない。ヘイトスピーチを許してはいけないという教育が重要だが、そのためにも、教育委員会には、全ての子どもの人権を守るという視点で、外国人の子どもたちの人権を守るために取り組んでいる先生方をサポートしていただける体制づくりをお願いしたい。
○インバウンド関係の質問は、担当が不在なので、改めて回答させていただく。
 大阪府の外国人施策の全般についてのあり方、方向性については、私どももそのように考えている。しかし、座長がおっしゃったように、この会議は人権局の所管であり、外国人の人権課題を中心にスタートしたが、今は「多文化共生」が主流になっている。ご意見を参考に、今後、様々な検討をしてまいりたい。

(補足)
委員からの質問について、会議後担当所属に確認したところ、以下のとおりです。
Q 通訳案内士の資格としては10言語で、アジアは中国語、韓国語、タイ語しかないが、その他のアジア言語の観光客が増えている。京都では特区で地域限定の資格を持って活動していると聞いている。大阪府の今後の見通しについて教えてほしい。
A 大阪府内では、平成27年3月末現在で、1,645名(10言語)の通訳案内士が登録されているが、通訳案内士法において、通訳案内士試験は観光庁長官が行い、外国語の種類は、同長官が官報で公示すると規定されている。
 なお、大阪府では、泉佐野市において、国際医療交流の拠点づくりを目標とした地域活性化総合特区の指定を受けており、お示しの京都の事例と同様に、通訳案内士の資格がなくても、特区内限定で通訳ガイドの活動ができる「地域限定特例通訳案内士」を育成し、通訳サービスの提供に取り組んでいる。

Q 観光だけではなく、医療ツーリズムにより医療通訳者も必要になってきているが、研修をどのように考えているのか?
A 大阪府においては、外国人が適切な医療を受けるために必要な情報提供を行っているが、医療通訳者の養成をはじめ、医療機関における外国人患者の受け入れの促進については、厚生労働省や経済産業省が中心に取り組んでいる。
厚生労働省は、「医療機関における外国人患者受入れ環境整備事業」において、医療通訳育成カリキュラムや外国人向け多言語説明資料を作成したほか、地域における外国人患者の受入れ拠点となる医療機関を指定し、医療通訳や外国人向け医療コーディネーターの配置促進、周辺の医療機関への支援などのモデル事業を進めており、府内では、大阪大学医学部附属病院(吹田市)、りんくう総合医療センター(泉佐野市)の2病院が拠点病院に選定されている。
本府としても、外国人患者が、より安心して医療を受けられるよう、医療情報提供の充実を図るため、関係機関等と連携し、国のモデル事業や府内の医療機関の取組みなどを情報発信してまいりたい。

Q 「在日外国人施策の実施状況」では「府立5病院通訳ボランティア制度」とあるが、ボランティアにどこまで責任を負わせるのか。
A 地方独立行政法人大阪府立病院機構が運営する5病院では、日本語が話せない、あるいは、日本語に不安がある外国人の方に安心して診察を受けていただけるよう、診療等の際に円滑に治療をすすめるため、ボランティアによる通訳サービスを行っている。通訳ボランティア活動中の万一の事故に備えるため、傷害・賠償責任保険「非営利・有償活動団体保険」に加入しており、その際の保険加入手続き及び保険料については大阪府立病院機構が負担している。

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画グループ

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