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ZEHの住み心地等に関するアンケート調査
大阪府では、2050年のカーボンニュートラル(二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにすること)に向け、省エネルギー性能の高い住宅、ZEH(ゼッチ)※の普及促進に努めています。
この度、大阪府住宅供給公社の協力のもと、ZEHの普及啓発に活用するため、実際にZEHにお住まいになられている方に、住み心地など、生活実感についてアンケート調査を行いました。
※ ZEH(Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略)
→ 外皮(外壁・窓など)の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支を正味でゼロとすることを目指した住宅
<アンケート調査概要>
・調査内容:ZEHの住み心地等に関するアンケート調査
・調査対象:大阪府住宅供給公社のZEH-M Oriented認定住宅(2024年4月1日から入居開始)の居住者
・回答数:44戸(全120戸中)
・調査期間:2025年5月8日~2025年5月31日
<調査サマリー(要約)>
◎ 経済性について
1.【冬季の状況】
以前の住まいに比べて、「暖房を使う頻度や時間が少なくなった」と回答した人は7割、「冬の光熱費が安くなった」と回答した人は6割。
(参考:「暖房の設定温度が低くなった」と回答した人は4割以上)
2.【夏季の状況】
以前の住まいに比べて、「冷房を使う頻度や時間が少なくなった」と回答した人は約4割、「夏の光熱費が安くなった」と回答した人は5割以上。
(参考:「冷房の設定温度が高くなった」と回答した人は約3割)
◎ 快適性について
3.以前の住まいに比べて、「空調が効きやすくなった」と回答した人は7割以上、「空調を止めた後、快適に過ごせる時間が長くなった」と回答した人は6割以上。
4.「空調時に窓際でも暑さや寒さが気にならない」と回答した人は8割以上。
5.「冬、就寝中は暖房をつけていない」と回答した人は約8割。
6.冬に、以前の住まいに比べて、「薄着で過ごせた」と回答した人は7割以上。
7.「室内が快適だ」と回答した人は、各季節で7割以上。
8.窓やドアを閉めていると、外の音が「気になると感じない」、「あまり気になると感じない」と回答した人は8割以上。
◎ その他
9.居室で窓などへの結露が「見られない」、「ほとんどない」と回答した人は9割以上。
10.「ZEHを友人・知人に勧めたい」と回答した人は6割以上。
以上、ZEHにおいて、断熱性能の向上による様々な効果がみられた。
アンケート結果(詳細)については、
ZEHの住み心地等に関するアンケート調査結果(PDF:286KB) からご覧いただくか、
以下からご覧ください(内容は、PDFファイルと同じものです)。
アンケート結果(詳細)
<回答者属性について(1)>
20歳代から70歳代以上まで、幅広い年齢層の方からの回答が得られた。
<回答者属性について(2)>
回答者の約7割(70.5%)が、集合住宅より転居して来られた方で、約3割(29.5%)が一戸建て住宅から転居して来られた方である。
(設問の一部では、一定条件での比較とするため、集合住宅より転居して来られた方の答えのみを集計している。)
1-1. 7割の方が、以前の住まいに比べて、「暖房を使う頻度や時間が少なくなった」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)暖房を使う頻度や時間は少なくなりましたか?」という問いに対して、「少なくなった」が20.0%、「やや少なくなった」が50.0%。これらを合わせると、7割の方が、暖房を使う頻度や時間が少なくなったと回答。
1-2. 6割の方が、以前の住まいに比べて「冬の光熱費が安くなった」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)冬の光熱費に変化がありましたか?」という問いに対して、「安くなった」が13.3%、「やや安くなった」が46.7%。これらを合わせると、6割の方が、冬の光熱費が安くなったと回答。要因の一つとして、断熱性能の向上により、暖房に要する費用が下がったことが考えられる。
また、2023年度に比べて2024年度の電力単価が上昇していることを考慮すると、「変わらない」(20.0%)と回答した方においても、暖房に係る電気使用量等は減っているものと考えられる。
1-3. 4割以上の方が、以前の住まいに比べて、「暖房の設定温度が低くなった」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)暖房の設定温度に変化がありましたか?」という問いに対して、「低くなった」が13.3%、「やや低くなった」が30.0%。これらを合わせると、4割以上の方が、暖房の設定温度が低くなったと回答。
2-1. 約4割の方が、以前の住まいに比べて、「冷房を使う頻度や時間が少なくなった」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)冷房を使う頻度や時間は少なくなりましたか?」という問いに対して、「少なくなった」が16.1%、「やや少なくなった」が22.6%。これらを合わせると、約4割の方が、冷房を使う頻度や時間が少なくなったと回答。
2-2. 5割以上の方が、以前の住まいに比べて「夏の光熱費が安くなった」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)夏の光熱費に変化がありましたか?」という問いに対して、「安くなった」が10.0%、「やや安くなった」が43.3%。これらを合わせると、5割以上の方が、夏の光熱費が安くなったと回答。要因の一つとして、断熱性能の向上により、冷房に要する費用が下がったことが考えられる。
また、2023年度に比べて2024年度の電力単価が上昇していることを考慮すると、「変わらない」(23.3%)と回答した方においても、冷房に係る電気使用量等は減っているものと考えられる。
2-3. 約3割の方が、以前の住まいに比べて、「冷房の設定温度が高くなった」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)冷房の設定温度に変化がありましたか?」という問いに対して、「高くなった」が12.9%、「やや高くなった」が16.1%。これらを合わせると、約3割の方が、冷房の設定温度が高くなったと回答。
3-1. 7割以上の方が、以前の住まいに比べて、「空調が効きやすくなった」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)冷房や暖房が、早く効くようになったと感じますか?」という問いに対して、「感じる」が38.7%、「やや感じる」が32.3%。これらを合わせると、7割以上の方が、以前の住まいに比べて、空調が効きやすくなったと回答。
3-2. 6割以上の方が、以前の住まいに比べて、空調を止めた後、快適に過ごせる時間が長くなった。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)冷房や暖房を止めた後も、快適さが長く続くように感じますか?(冷房や暖房を止めた後の温度変化が小さくなったと感じますか?)」という問いに対して、「感じる」が29.0%、「やや感じる」が38.7%。これらを合わせると、6割以上の方が、以前の住まいに比べて、空調を停止した後、快適に過ごせる時間が長くなったと回答。
4. 8割以上の方が、「空調時に窓際でも暑さや寒さが気にならない」と回答。
「冷房や暖房時に室内の温度ムラが気になりますか?(冷房や暖房時に窓際で暑さや寒さが気になりますか?)」という問いに対して、「気にならない」が34.1%、「あまり気にならない」が52.3%。これらを合わせると、8割以上の方が、空調時に窓際でも暑さや寒さが気にならないと回答。
5. 約8割の方が、「冬、就寝中は暖房をつけていない」と回答。
「冬、就寝中は暖房をつけずに過ごすことができていますか?」という問いに対して、「暖房をつけていない」が79.5%。
6. 冬、7割以上の方が、「以前の住まいに比べて薄着で過ごせた」と回答。
「(以前の住宅にお住まいになっていた時と比べて)冬でも薄着で過ごせたと感じますか?」という問いに対して、「感じる」が22.6%、「やや感じる」が48.4%。これらを合わせると、7割以上が、冬、以前の住まいよりも薄着で過ごせている。
7-1. 冬において、7割以上の方が快適に過ごせている。
「冬の室内環境の快適さはいかがですか?」という問いに対して、「快適だ」が40.9%、「やや快適だ」が36.4%。これらを合わせると、冬は7割以上の方が、室内で快適に過ごせている。
7-2. 夏において、7割以上の方が快適に過ごせている。
「夏の室内環境の快適さはいかがですか?」という問いに対して、「快適だ」が40.9%、「やや快適だ」が36.4%。これらを合わせると、冬は7割以上の方が、室内で快適に過ごせている。
7-3. 春、秋において、7割以上の方が快適に過ごせている。
「春、秋の室内環境の快適さはいかがですか?」という問いに対して、「快適だ」が45.5%、「やや快適だ」が29.5%。これらを合わせると、春、秋は7割以上の方が、室内を快適に過ごせている。
8. 8割以上の方が窓やドアを閉めていると、外部の雑音が「気になると感じない」、「あまり気になると感じない」と回答。
「窓やドアを閉めていて、外の音が気になると感じますか?」という問いに対して、「感じない」が50.0%、「あまり感じない」が34.1%。これらを合わせると、8割以上の方が、窓やドアの遮音性が高いと感じている。
9. 9割以上の方が居室で窓などへの結露が「見られない」、「ほとんどない」と回答。
「居間や寝室など居室の窓や壁の部分に結露が見られますか?」という問いに対して、「多くある」が4.7%、「ややある」が2.3%。これらを合わせても1割未満であり、9割以上の方が、気になるほどの「結露」は生じていないと回答。
【参考】花王(株)の調査(2022年2月~3月)によると、冬場、自宅の窓に結露が発生すると回答した方は、近畿地方では58%。
<https://www.kao.co.jp/content/dam/sites/kao/www-kao-co-jp/lifei/release/20230124.pdf>
10. 6割以上の方が、「ZEHを友人・知人に勧めたい」と回答。
「ZEHを友人・知人に勧めたいと思いますか?」という問いに対しては、65.9%の方がZEHを肯定的に捉えており、快適性や経済性の面でZEHが評価されているものと考えられる。