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RSウイルス感染症について
RSウイルス感染症とは
RSウイルスに感染することによる呼吸器の感染症で、ほぼすべての人が2歳までに初めて感染し(1歳までに半数、2歳までにほぼ100%)、その後生涯再感染を繰り返します。初めて感染した場合には、症状が重くなりやすいといわれており、基礎疾患を有する小児や乳児期早期(生後数週間から数カ月間)の小児がRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。
大人に感染した場合、一般的には風邪の様な症状のみで重症となることは少ないとされていますが、慢性呼吸器疾患等の基礎疾患のある高齢者や免疫不全者では、重症化するリスクがあることが知られており、注意が必要です。
- 大阪府内の発生状況(外部サイトへリンク)(大阪府感染症情報センター)
症状
発熱、鼻水などの症状が数日続きます。多くはこれらの症状のみで数日のうちに症状が軽くなります。
重くなる場合には、その後咳がひどくなる、喘鳴が出る、呼吸困難となるなどの症状が出現し、場合によっては、細気管支炎、肺炎へと進展していきます。重篤な合併症には無呼吸発作、急性脳症などがあります。
感染経路
RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみ、会話をした際に飛び散るしぶきを吸い込むことで感染します。
また、感染している人と直接接したり、ウイルスがついている手指やおもちゃなどの物品を触ったり、なめたりすることで感染します。
2~8日の潜伏期間を経て発症します。
治療・予防
特効薬はなく、治療は対症療法を行います。
基本的な感染予防対策を行い、ウイルスが体内に入ってこないようにすることが重要です。
- くしゃみや咳がでるときには咳エチケットを行いましょう。
- 流水・石けんによる手洗い、アルコール製剤による手指消毒などをこまめに行いましょう。
- 子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒しましょう。
ワクチン接種について
RSウイルス予防のため、下記のワクチン接種が可能となっていますが、現在は任意接種となっています。
- 組み換えRSウイルスワクチン(GSK社)
- 【対象】
- 60歳以上の者 筋肉内に1回注射
- 50歳以上で重症化リスクが高いと考えられる者* 筋肉内に1回注射
- *重症化リスクが高いと考えられる者とは、以下のような状態を指します。
- 慢性肺疾患、慢性心血管疾患、慢性腎臓病又は慢性肝疾患、糖尿病、神経疾患又は神経筋疾患、肥満、医師が本剤の接種を必要と認めた者
- 組み換えRSウイルスワクチン(ファイザー社)
- 【対象】
- 60歳以上の者 筋肉内に1回注射
- 妊婦(24~36週) 筋肉内に1回注射
国の審議状況
感染症の疾病負荷やワクチンに関する科学的知見について、今後企業ヒアリング等、必要な情報収集を行い、各論点について検討が進められる予定です。
関連リンク
- RSウイルス感染症に関するQ&A(外部サイトへリンク)(厚生労働省)