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封入封かん業務委託における誤処理について(令和7年4月22日意見)
税務局徴税対策課が発注した封入封かん業務委託の入札について、公正に実施されていないのではないかとのご意見が寄せられ、調査した結果を府税ホームページ(府税あらかると)にて公表しています。
この度、改めてご意見が寄せられました。
寄せられたご意見及びそれに対する回答は、以下のとおりです。
寄せられたご意見及び回答
【ご意見の概要】
〇令和7年3月の回答からは、大阪府が行った行為の重大性を理解されているとは到底思えない。
〇回答では、府と契約者の関係のみ記載し、他の入札参加者に対する対応が示されておらず、地方自治法や関係法令に反する行為に至った経緯や法令違反をした職員への指導、幹部職員の責任や処分の説明がない。また、具体的な再発防止策が示されていない。
〇ミスが発生した場合でも、府は法令等に基づき全ての業者に対して公平・公正に対処していただけると信頼していた。
〇なぜ、落札後に府と落札業者との間だけで仕様書に記載された業務の一部が除外されたのか。なぜ、他の業者には何も知らされず、公表もされず、再入札の手続きもされず、契約解除もされず、契約が継続されたままであったのか。
〇入札の公平性を欠く違法な行為をとめる幹部職員の方がいなかったのか。
〇「再発防止に努める。」と回答されているが、いくつもの疑問をしっかりと解明していただかなければ、とても再発を防止できるとは思えず、安心して入札に参加することもできない。
〇令和6年12月の「府政への意見」に記載した内容も含めて、すべて公表して構わない。
〇以下の疑問について、大阪府としての誠実な回答をお願いする。
(1)作成所属が財務部税務局徴税対策課自動車税グループとなっておりますが、大阪府庁の公式回答と考えてよいでしょうか。入札・契約等に疑義をもたれている当事者の徴税対策課が、自らの疑義について自ら事実関係を調査し、「事前に知らされていたという事実はありませんでした。」と自ら回答されたということでしょうか。本来、監査役や監査法人のような部署の方が調査されると考えますが、どの部署の方が調査されたのでしょうか。 また、貴庁におかれても法務部門や顧問弁護士のような方がいらっしゃると思いますが、法的な判断を踏まえた上で「処理誤り」「不適切な対応」と回答されたということでしょうか。 |
(回答)令和6年12月にご意見を受け、税務局において経緯の整理を行いました。その上で、府庁における契約担当課にも確認の上、法的問題点について法務担当課を通じて弁護士に対して相談をしました。その結果、本件における契約後の税務局徴税対策課の対応は不適切なものであるとの結論に至り、令和7年3月に「封入封かん業務委託における誤処理について」を公表したところです。
(2)回答では、入札に参加した他の業者に対する対応や入札そのものの有効性や公平性について、一切記載されておらず、責任の所在も明らかにされておりませんが、どのように考えておられるのか、貴庁の見解をお示しください。 |
(回答)本件の入札契約手続は、法令及び府の関係規定に基づき、従前仕様書と同一の内容で実施したものです。従前の入札契約手続は特段の問題なく完了してきましたが、本件においては、入札契約後の履行段階において双方の認識の不一致が判明する結果となりました。その際の税務局徴税対策課の対応により、入札の有効性や公平性に疑念を抱かせる結果となりました。このような事態を招き、深くお詫びいたします。
また、令和7年3月7日に契約を合意解除するとともに、令和7年3月26日に府税ホームページ及び同月28日に府民の声ホームページで事実を公表しました。
入札に参加した他の業者の方に対しては、令和7年7月に説明し、謝罪を行いました。
詳細は、(3)以降の回答をご参照ください。
(3)これまでどおり、仕様書の別紙には明確に連続帳票と記載されていますので、落札業者が仕様書に不備があるではないかとの抗議をするとは思えないのですが、貴庁からの契約解除する旨の通告に対して、落札業者から仕様書が不明瞭である旨の強い抗議があったということでしょうか。 今回の仕様書を見て、仮に抗議等があったとしても仕様書に記載している旨ご主張され、契約解除のうえ、再入札すべきだと考えますが、契約を継続されたのは、落札業者と契約解除の協議をされた結果、業者と合意できなかったからなのでしょうか。その経緯をお示しください。 |
(回答)仕様書では別添の様式中に「耳あり連続帳票」である旨は記載していたものの、断裁が必要である旨の記載がありませんでした。
落札業者決定後に受注者側から、仕様書に断裁業務が記載されていなかったため断裁費用を含まない金額で入札しており、断裁業務を履行できない旨の申し立てがありました。
この申し立てがあった時点で、税務局徴税対策課において、他の自治体の仕様書には断裁業務が必要である旨明記されている例もあることを把握し、府が作成した仕様書が不明瞭であったことは否定しがたく、それに起因して断裁業務の認識が相違していたことが判明しました。
落札額が他の方々の入札額や予定価格と比較して相当安く断裁費用が含まれていないことは客観的に見て合理的であると税務局徴税対策課において判断したため、双方の認識が一致し、仕様書に明記のあった範囲で契約は有効に成立しているもの、すなわち契約に断裁業務は含まれないものとして契約を継続することとしました。
本来は、受注者側から断裁業務を履行できない旨の申し立てがあった段階で、受注者と契約の解除に向けた協議を行い、契約を合意解除した後、再度の入札を行うように努めるべきでありました。
(4)入札に示された仕様書の業務内容を落札後に一部除外して契約を継続することは、専門家でない私どもでも明らかな違法行為であると理解できますが、貴庁が何故このようなことをされたのか全く理解できません。契約を継続することを決定される時点で、法令違反だから契約を解除すべきと意見する幹部職員の方、関係職員の方は、おられなかったのでしょうか。貴庁では法令違反の疑義があっても異論を唱えることができないような風土なのでしょうか。それとも担当職員の方が、上司の方に相談もなく、勝手にそのような対応をされたということでしょうか。 どなたが、そのまま契約を継続すると判断されたのか、お示しください。 |
(回答)有効に成立した契約に断裁業務は含まれないことを前提とすると、受注者に債務不履行その他の解除原因があるとの指摘は困難であったことから契約解除を行わず、断裁業務は契約に含まれないものとして継続することを税務局徴税対策課において判断いたしました。税務局徴税対策課で判断した時点では不適切な対応であったとの認識がなく、12月にご意見をいただき、上記(1)にお示しした検証を行った結果、受注者の理解を得て契約を合意解除するに至らなかったことは不適切であったと結論付けました。受注者側から断裁業務を履行できない旨の申し立てがあった時点で、組織内の上位職階者の判断を仰ぎ、関係各課と協議し、法的問題点について整理を行うべきであったと反省いたします。
(5)入札の際の仕様書が不明瞭だったため、落札業者が認識できなかったと判断し、貴庁がその業務の一部を除外して契約を継続された訳ですから、通常は後々のトラブルを避けるため、業者としても貴庁としても不明瞭であったとして除外された業務内容を明確にして、その業務を除いた契約内容に変更されていると考えます。変更した契約内容をお示しください。 (6)万一、変更契約されないまま業務の一部を除外されているのであれば、入札時の仕様のまま契約を継続し、裁断業務を履行させているように偽装(隠ぺい)しているとの誤解を受けると考えます。契約内容を変更されていない場合は、その理由をお示しください。 |
(回答)受注者との間で、有効に成立した契約に断裁業務は含まれないことを口頭で確認して契約を継続しました。
断裁業務を履行させているように偽装(隠ぺい)する意図はございませんが、そうした疑念を抱かせることとなり、大変申し訳ございません。
(7)仕様書に記載した業務内容が不明瞭であったこと、落札業者が裁断業務を想定していなかったことが判明した時点で、入札に参加した他の業者にその内容を連絡されたのでしょうか。連絡されたのであれば、その日時と内容をお示しください。 |
(回答)ご指摘の時点において税務局徴税対策課では、不適切な対応との認識がなく、入札に参加した他の業者の方に連絡しておりませんでした。
なお、この度、すべて公表いただいて結構ですとのご意見をいただきましたので、入札に参加した他の業者の方については、令和7年7月に説明と謝罪を行いました。
(8)仕様書の業務内容が不明瞭であったため、業務の一部を除外することを落札業者のみと共有し、万一、他の入札参加業者に連絡されていないのであれば、それは特定の業者のみに便宜を図り、入札の公平性を欠くことになったことを隠ぺいしていると誤解されると考えますが、貴庁の見解をお示しください。 |
(回答)当初、税務局徴税対策課において不適切な対応であったという認識がなく、12月にご意見をいただき、上記(1)にお示しした検証を行った結果、不適切な対応であったとの結論に至りました。このような事態を招いたことを深くお詫びいたします。
また、令和7年3月7日に本件契約については、不適切な対応を是正するため、合意解除いたしました。
入札に参加した他の業者の方に対しては、令和7年7月に詳細な経緯等の説明と謝罪を行いました。
今後、仕様書は入札参加者によって理解に差が生じないようにより明確に記載するとともに、受注者と仕様書の認識の相違が判明し受注者が一部業務を履行できない場合は、関係各課と協議し法的問題点を整理した上で受注者と速やかに協議を行い、契約解除や再度の入札を実施するよう、再発防止に努めてまいります。
(9)貴庁が、仕様書が不明瞭であったことを公表もせず、再入札等の手続きもしないまま、入札時に示された仕様書の業務内容を落札後に当事者間だけで一部除外し、そのまま契約を継続され、除外した業務を貴庁が肩代わりすることは、地方自治法、同施行令、貴庁の会計や契約事務に関する法令上、明確な違法行為を重ねているのではないかと考えますが、貴庁が回答される「処理誤り」、「不適切な対応」とは、どのような認識なのでしょうか。 |
(回答)税務局徴税対策課の契約後の不適切な対応は、入札の有効性や公平性に疑念を抱かせる結果となりました。本来は、受注者側から断裁業務を履行できない旨の申し立てがあった段階で、受注者と契約解除に向けた協議を行い、契約を合意解除し、再度の入札を実施すべきでありました。
(10)事務手続きの誤りや遅延であれば、再発防止に努めるというのは理解できますが、明確な違法行為が行われた場合、そして違法行為と認識しながら違法状態を継続することを組織的に判断された場合、その責任の所在はどこにあるのでしょうか。そのような場合に貴庁としては、どのような対応をされるのでしょうか。 |
(回答)12月にご意見をいただき、上記(1)にお示しした検証を行った結果、税務局徴税対策課の契約後の対応は、不適切なものでありました。
また、本件については、人事当局に報告しております。
(11)私どもは12月中旬に「府政への意見」をさせていただきました。3月26日に回答され、末尾に「契約を解除した。」と記載されていますが、落札業者と契約解除の協議を開始された日はいつで、何日付で解除されたのでしょうか。 |
(回答)12月にご意見をいただいて以降、上記(1)にお示しした検証を行ってまいりました。契約解除につきましては、令和7年3月4日に協議を開始し、3月6日に合意に至り、翌日の3月7日付けで契約を合意解除しております。
また、契約の合意解除後の断裁・封入封かん業務は、業者へ委託せず、府職員で対応いたしました。
(12)総費用として不必要な費用負担はないということですが、その明細が示されておりません。 |
(回答)契約の合意解除後の断裁・封入封かん業務の費用(※1)及び合意解除までの断裁費用(※2)を算出し、今回の落札金額(※3)を加算した上、断裁業務を含んで見積もっていたと考えられる入札金額が2番目の金額(※4)と比較した結果(※5)として、総費用に関して府に不必要な費用負担増が生じていないことを確認しております。
断裁業務と封入封かん業務を分割することなく一連の業務として委託することは業務運営上必要であり、また、これまでの入札は一般競争入札によって決定したものであることから、契約金額については適正であると考えております。
(※1)契約の合意解除後の断裁・封入封かん業務費用(人件費相当額):35,607円…A
(※2)合意解除までの断裁費用(人件費相当額・委託費用):210,396円…B
(※3)今回の落札金額:1,497,000円…C
(※4)入札金額が2番目の金額:2,375,240円…D
(※5)比較した結果
本件委託業務に要した費用(A+B+C)<2番目の入札額(D)
1,743,003円<2,375,240円
差額632,237円
(注1)金額はすべて税抜
(注2)※3と※4は、公表された当該封入封かん業務の入札結果の金額