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更新日:2026年3月9日

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「監督の基本方針」について

大阪府では、次のとおり、公益法人制度における「監督の基本方針」について定めております。

監督の基本方針

令和8年3月9日
大阪府公益認定等委員会
大阪府

1 監督の目的及び監督の基本的考え方
 行政庁である大阪府知事(以下「行政庁」という。)及び大阪府公益認定等委員会は、次のような考え方で公益法人等の監督に臨むことを基本とする。
 監督に当たっては、「公益認定等に関する運用について(公益認定等ガイドライン)」(平成20年4月(令和6年12月改訂)内閣府公益認定等委員会・内閣府大臣官房公益法人行政担当室)(以下「ガイドライン」という。)「第6章 監督」において示された考え方を基本に、大阪府におけるこれまでの取組み及び実情等を踏まえ、行うものとする。

(1) 監督の目的
〇 公益法人は、行政庁から公益法人として認定を受け、行政庁及び大阪府公益認定等委員会(以下「行政庁等」という。)の監督の下に置かれる中で、「公益」を名乗り社会的な信用を得るとともに、高い税制上の優遇措置を受けるなど広く社会的なサポートを受けている。
〇 監督については、法人運営の透明性の一層の向上や、ガバナンスの充実により、国民によるチェック機能や法人自身の自浄作用の向上を図った上で、なお生ずる不適切な法人に対しては、公益法人制度の信頼性を確保するため、行政庁が迅速に実効性の高い措置を講ずることとする。
〇 不適切な法人が公益法人として存在し続けることは、公益法人制度に対する国民の信頼を失わせることになるため、法人自治を前提としつつも、最後の防波堤である行政による監督の果たす役割は重要である。
 公益法人制度の適正な運営及び公益法人制度への信頼確保を図り、最終的には公益の増進及び活力ある社会を実現するため、適切に、公益法人の監督を行う。
〇 以上を踏まえ、今般、新たに監督の基本方針を示すこととする。
〇 監督の基本方針(以下「本方針」という。)においては、監督の基本的な考え方及び具体的な対応の方針等を示すものとする。
〇 なお、「監督の基本的考え方」(平成22年3月23日)及び「立入検査の考え方」(平成29年4月1日)は廃止する。

(2) 監督の基本的考え方
〇 新しい公益法人制度の下では、公益法人のガバナンスが確保され、情報が適切に開示されて国民や寄附者等のステークホルダーが法人の業務の実態を把握できることを前提に、法人自身が公益目的事業の適正な実施に努め、仮に問題が発生したとしても、法人自らが自浄作用を働かせ、問題を解消することが期待されている。
 一方で、こうした公益法人による取組みを促進するためには、行政庁としても、公益の増進及び活力ある社会の実現を図る観点から、法人の実情を踏まえた必要な支援を行うことが求められている。
 このような中、行政が従前のような一律・網羅的な細かい監督を行うことは、かえって民間による公益活動の活力を削ぐことになりかねない。公益法人の自主的・自律的な経営判断を尊重し、国民によるチェック機能と法人自身の自浄作用により公益法人の適正な運営を確保することを第一に考え、それでもなお適正な運営が確保されない法人に対して、公益法人制度の信頼性を確保するために、行政庁等が、法人支援の視点も踏まえ、実効性の高い監督措置を講ずることを、監督の基本的な考え方とする。
〇 これにより行政庁等は、次のとおり取り組むものとする。
〇 公益認定等の審査、定期提出書類等の確認(本方針2参照)、立入検査(本方針4参照)、外部からの情報提供(本方針5参照)等、日ごろから各種機会を活用して法人の実態把握に努める。
 実態把握の結果、公益法人のガバナンスが確保されており、十分な情報開示がなされていると認められる場合には当該法人については、定期提出書類の確認等で仮に問題が発見された場合であっても、行政庁が直ちに監督処分等を想定して報告徴収等を行う(本方針3参照)ことはせず、まずは法人による自主的な問題解消を見守る等、法人自治を尊重した監督等を実施する。これにより、監督等による公益法人側の負担を軽減し、公益法人が自主的にガバナンス確保及び情報公開の徹底に取り組むことを促す。
 ただし、法人から助言等を求められた場合は、適切に対応することとするが、法令等に即して是正を求める指摘ではないことを明確に示した上で助言等を行う。
〇 実態把握の結果、公益法人のガバナンスが確保されているか疑義がある場合や、情報開示が不十分と疑われる場合等、法人による自浄作用が期待できないと考えられる場合は、行政庁は、是正・改善を求める指摘や報告徴収・立入検査により事実関係の確認を行う。(本方針3,4参照)
 報告徴収や立入検査は、法令等で定められた要件・手続に基づいて行う。また、是正・改善を求める指摘や報告徴収・立入検査による事実関係の確認は、これらが監督処分等の端緒として行われることを踏まえ、監督の最終的な目的(公益の増進及び活力ある社会の実現)に照らして必要な限度にとどめる。
〇 他方、不適切な事態の発生に対して法人の自浄作用により改善を図っている旨、法人自らの報告があり、客観的にも改善の事実が認められるような場合には、事案の重大性その他特段の事情がない限り、既に判明している事実について重ねて報告徴収・立入検査による事実関係の確認を行うことはしない。
〇 実態把握や報告徴収・立入検査等により公益認定基準に適合していない等、認定取消事由に該当すると疑うに足りる相当の根拠を得た場合において、事案の重大性、法人による改善の取組状況等を勘案し必要と認めるときは、速やかに勧告を行うとともにその内容を公表する。法人が正当な理由なく勧告に係る措置をとらなかったときは、当該措置をとるべきことを命令し、その旨を公示する。勧告及び命令は、法令等で定められた要件・手続に基づいて行う。(本方針6(1)(2)参照)
〇 命令によっても必要な措置が講じられなかった場合や、公益認定基準に適合しておらず、かつその状態を放置することが公益法人制度への信頼確保に悪影響を及ぼすと考えられる場合等は、速やかに公益認定を取り消し、その旨を公示する。なお、実態把握や報告徴収・立入検査等により、公益法人が欠格事由に該当していることが明白である等、認定法第29条第1項各号に該当する場合には、勧告及び命令は要さず、直ちに認定取消しの手続に入る。認定取消しは、法令等で定められた要件・手続に基づいて行う。(本方針6(3)参照)
〇 法律に規定する監督処分等の要件に該当すると認められる場合は、いたずらに指導や報告徴収等を繰り返すのではなく、法律に基づき、監督処分等を迅速・厳正に行う。
〇 適切な情報開示は法人の経営判断を尊重する大前提であり、適切な情報開示が実施されていない法人に対しては、自律的なガバナンスの確保が十分でないことから、必要な監督処分等を講ずるものとする。
〇 移行法人(公益目的支出計画を実施中の一般法人をいう。以下同じ。)については公益目的支出計画の履行を確保する観点から監督を行うこととされており、移行法人が公益の目的のための支出(整備法第119条第2項第1号各号の支出をいう。)を行う限りにおいて公益法人と共通の考え方で監督を行う必要があると考えられることから、原則として公益法人の監督に準じた考え方で監督を行う。
 すなわち、移行法人については、公益目的支出計画の履行に関係がないその他の運営や法人のガバナンス全般には監督が及ばず、監督措置の要件が公益法人に比べて限定されていることに留意する。 

 

2 定期提出書類の確認

〇 事業計画書、事業報告を始めとする定期提出書類は、法人の責任において書類を作成し、法人として意思決定した上で提出することが求められるものであり、定期提出書類の内容は、それ自体が法人による制度理解及びガバナンスの実情を示すものと言える。
〇 定期提出書類が提出された場合は、遅滞なく確認を行い、記入漏れや明白な誤り等があれば事実上の行為として指摘の上、補正依頼等を行う。しかしながら、法人の責任において作成すべき文書の記載内容について、法人の意に反して指導することは行わない。なお、「事実上の行為」とは、行政処分に当たらない行為という趣旨であり、公益法人に応答義務を課すものではなく、あくまで公益法人による任意の協力を前提とするものであることに留意する。
〇 そもそも定期提出書類の提出がない法人や、必要な事項の未記載や重大な誤りがある法人は、情報開示の適正性を欠き、法令遵守が徹底されていないと認められることから、経理的基礎や技術的能力の欠如が疑われるとして、速やかに監督処分等を検討する。
〇 定期提出書類の確認において、その業務の実態に疑義がある場合は、まずは、事実上の行為として確認を行う。それによっても疑義が解消されない場合は、報告徴収や立入検査等によって法人の実態を確認する。なお、疑義の程度や問題の重大性・切迫性によっては、速やかに報告徴収や立入検査を行うことも妨げない。

 

3 報告徴収の実施方針(認定法第27条)

(1) 報告徴収の趣旨
〇 行政庁等は、公益法人の事業の適正な運営を確保するため、公益認定等の審査、定期提出書類等の確認、立入検査、外部からの情報提供等、日ごろから各種機会を活用して法人の実態把握に努めることとしているが、このような実態把握の手法だけでは更なる監督上の措置の必要性を判断するために必要な事実を把握できないことも想定される。そのため、認定法第27条において、「公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において」、公益法人に対し、「その運営組織及び事業活動の状況に関し必要な報告」を求めることができることとしている。立入検査と比べると、報告徴収においては、法人として一定の時間をかけて実態把握や検討を行い、法人としての回答(報告徴収の際に明示的に機関決定を求めることを想定)を得られるところに特長があると考えられる。
〇 「公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度」や「その運営組織及び事業活動の状況に関し必要な報告」の範囲は、個別の事案に応じ、本方針1で述べた監督の目的や上述の報告徴収の趣旨に照らして判断する。
〇 本方針1に記載のとおり、監督は、公益法人制度の適正な運営及び制度への信頼確保を図る観点から行うものであり、報告徴収は、勧告、命令、公益認定取消しという監督処分等の必要性を判断するための事実確認の手段である。この観点に照らせば、公益法人制度の適正な運営及び制度への信頼を脅かす状況には至っておらず、監督処分等の検討の必要性が視野に入っていない段階(どのような法人に監督処分等を行うかの判断に当たっては本方針6(2)参照)では、「公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度」には当たらないことが多いと考えられる。
 なお、報告徴収に対する回答において事実関係及び法人としての改善措置等が明確にされた場合において、監督処分等を行うまでの必要性はないと判断するときは、監督処分等を行わないこともあり得る。
〇 また、報告徴収に対する報告をしない場合や虚偽の報告をした場合には罰則を科すことにより、その実効性を担保することとしていることから、行政庁等がその権限を行使するには、それにふさわしい必要性や相当性が求められるが、一般には、事実上の行為としての確認で目的を達成できると考えられる場合は必要性や相当性は認められない。
〇 「その運営組織及び事業活動の状況に関し必要な報告」の範囲も、その後の監督処分等の検討に必要な事項を聴取することとし、単に適正な法人運営を確保する上での懸念点にとどまるような事項の確認は「必要な報告」には含まれないことが多いと考えられる。

(2) 報告徴収の実施方針
〇 前述のとおり、報告徴収は、その後の監督処分等を検討するために行う。報告徴収を行う場面として、例えば、以下のような場合が考えられる。 
ア 定期提出書類の確認の結果、申請書の記載に基づかない事業実施や公益認定基準不適合等の可能性があると認められる場合(法人に対する事実上の行為としての事実確認のみでは、十分な事実確認ができない場合)
イ 立入検査の結果、申請書の記載に基づかない事業実施や公益認定基準不適合等の可能性がある事象が発覚し、法人に対して更なる調査等を行う必要があると認められる場合
ウ 認定法等に基づく各種手続(変更認定申請等)の懈怠がある場合
エ 報道や外部からの情報提供等により、申請書の記載に基づかない事業実施や公益認定基準不適合等の可能性、コンプライアンス上の課題があると認められる場合
〇 エの場合、必要な範囲で当該法人や関係行政機関への照会等により事実上の行為としての事実確認を行った上で、報告徴収の実施の要否を判断する。なお、外部からの情報提供については、取扱いに十分注意する(本方針5参照)。
 また、不祥事案について公益法人から自主的に報告があった場合は、当該報告内容を精査の上、さらに報告を求めるべき事項があれば報告徴収を実施する。
〇 報告を求める内容は、個別の案件に応じて適切に判断する。公益認定基準等適合状況に関する事実関係のほか、公益認定基準等に不適合となった原因、役員の責任、今後の改善方策等について報告を求めることが考えられる。
〇 報告徴収を受けた公益法人は、必要な調査等を行い、法人としての意思決定をした上で報告する。
〇 なお、報告を求める期限は、個別事案に応じて、緊急性、法人における調査や意思決定に要する期間等を勘案した上で判断する。

(3) 報告徴収結果の処理
〇 法人からの報告書を受けた後の対応としては、概ね以下が想定される。
・公益認定基準不適合等の事実が認められる場合は、法人に対し、監督処分等を検討する。ただし、法人の行為に悪質性がない場合や報告において法人の自律的な改善措置が明確に示されている場合等、監督処分等を行う必要がないと判断される場合(本方針6(2)参照)には、当該報告内容を了とし、今後の監督において、法人の改善状況を引き続き注視することとして差し支えない。
・報告徴収事項に対する回答内容について事実確認等の必要がある場合は、法人に対して事実上の行為としての照会(法人の役員等との対話を含む。)を行い、その結果を踏まえ、必要な対応を検討する。
・報告徴収事項に対し十分な回答がなされていない場合は、回答不十分な事項について、再度の報告徴収を求める。法人が意図的に回答を拒否しているとみられる場合は、行政庁において罰則の適用(過料に係る裁判所への通知)を検討する。
 

4 立入検査の実施指針(認定法第27条)

(1) 立入検査の趣旨
〇 行政庁等は、認定法第27条において、「公益法人の事業の適正な運営を確保するために必要な限度において」「その職員に、当該公益法人の事務所に立ち入り、その運営組織及び事業活動の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる」とされており、基本的には、報告徴収(本方針3参照)と同様の趣旨である。
〇 報告徴収と同様、立入検査も監督措置の一環と位置付けられており、勧告、命令、公益認定取消しという監督処分等のための事実確認の手段である。ただし、報告徴収と異なり、職員が実地に確認することで法人の担当者とコミュニケーションをとりつつ詳細な事実関係を確認することができる一方、法人による調査を必要とするような事項の確認はできないこと、法人の担当者の見解が必ずしも法人としての意思決定を得たものではないこと等に留意する。
〇 大阪府では、内部的に、行政庁等が運営組織及び事業活動等に問題があると判断する法人その他行政庁等が特に運営組織及び事業活動の状況等(以下「運営状況等」という。)について実態を確認する必要があると判断する法人に対して詳細に調査する立入検査を「重点検査」とする。一方で、それ以外の法人に対して定期的に行う立入検査を「点検調査」とする。
〇 本方針4(1)から(3)に基づき、年度ごとに、重点検査及び点検調査の対象法人を選定の上、立入検査に関する計画を定める。

(2) 重点検査
ア 重点検査の実施方針
​​​​​〇 報告徴収と同様に具体的な監督処分等の必要性を検討することを想定している場合や、具体的な監督処分等の必要性の検討を想定しないまでも事業内容の確認を要すると考えられる場合等において、当該法人の運営状況等について実態を確認するために行う。
〇 重点検査は、行政庁等が各法人の運営状況等に応じて柔軟に実施時期を決定するが、概ね3年以内を目途とするインターバルで実施する
〇 例えば、大阪府においては、以下のような法人に対しては、重点検査によって実態を確認することが考えられる。
(ア)定期提出書類の確認や点検調査の結果等により、法人の事業活動の状況等が公益認定基準に抵触している可能性があると認められる場合において、その背景、法人運営の実態、事実関係等を確認する必要が認められる法人
(イ)法人内外からの情報提供等により、速やかに事実関係を確認する必要が認められる法人
(ウ)過去の監督や審査の経緯に照らし、報告徴収や勧告に対する報告等の内容、定期提出書類の確認結果等を踏まえ、法人運営の実態について確認する必要が認められる法人
(エ)業務運営を他の主体に依存しており法人の自律的な運営状況を確認する必要性が高い法人
(オ)公益認定後概ね3年以内となる法人
(カ)上記のほか、法人運営の実態、事実関係等を直ちに確認する必要が認められる法人
〇 新規認定法人については、制度理解の徹底が重要であることも踏まえ、法人運営を支援する観点から認定後早期に重点検査を実施する。
〇 重点検査を行うに当たっては、直近の事業報告を確認した上で検査に臨むこととし、原則として事前に、立入検査実施通知書を作成し法人へ送付する。
〇 重点検査においては、事実を的確に把握し、法人に対して客観的に問題点を示した上で、法人の主張を十分に聴取し、法人の理解や認識を確認することを基本とする。
イ 重点検査結果の処理等
〇 重点検査の結果、公益認定基準不適合等が認められた場合又はその疑いがあると認められた場合は、必要に応じて報告徴収により更なる事実確認を行った上で、監督処分等を検討する。
〇 重点検査の対象となった法人は、その結果やその後の運営状況等に応じて点検調査の対象に変更される場合もあり得るものとする。

(3) 点検調査
ア 点検調査の実施方針
〇 従来の一律・画一的な立入検査ではなく、手続及び検査事項等を簡素化した上で、公益法人が遵守すべき事項についての注意喚起及び制度理解の醸成に努めることを目的として、法人の自己点検、対話に重点を置いた手法で実施する。
〇 点検調査においては、法人の実態に応じた助言や注意喚起を行う。例えば、
(ア)公益認定制度に習熟しておらず、今後の法人運営に不安を抱いていると考えられる法人に対しては、公益認定後の手続について相談に応じ、法人の疑問点を解消するとともに、制度理解不十分に起因する理事会運営や財産管理の不備、提出書類の漏れ等の防止を図る観点から、公益法人制度に係る助言等を行う
(イ)定期提出書類において、記載誤りや記載漏れなどが多く事務処理能力が十分でないと考えられる法人に対しては、法人役員と問題を共有する等組織として改善が図られるよう助言等を行う
(ウ)定期提出書類の内容が不十分な法人やHP等による情報開示が殆ど行われていない法人に対しては、情報開示の必要性に係る助言等を行う
ということが考えられる。
〇 点検調査のサイクルについては、基本的には、重点検査の対象法人を除く全ての法人を対象として、概ね7年以内を目途に、各法人の運営状況等に応じて柔軟に判断して実施する。点検調査に関する計画を策定する際、上記(ア)~(ウ)のように注意喚起及び制度理解の醸成を行う必要性が高いと考えられる法人があれば、優先的に選定する。
〇 点検調査を実施する際は、あらかじめその旨をメール等にて法人に連絡する。
〇 点検調査は、あらかじめ「自己チェックシート」及び「備置き書類一覧」等を法人から提出を受け、相談内容等を把握の上、実施する。
〇 法人が定期的に法令等に照らし、運営状況等が適正であることを自ら確認できるようにするため、自己チェックシートの項目中重要なものについては、具体的な内容の回答が得られるようにする。
〇 調査時は、主として対話により進行し、原則として総覧的な書面の確認は行わないが、自己チェックシートに基づき疑義のある事項等については、個別に書類等の調査も行う。一般的な点検調査の時間は2~3時間程度を想定している。
イ 点検調査結果の処理等
〇 点検調査の結果、法令違反等の重大な問題点が発覚した場合は、必要に応じて、重点検査や報告徴収の実施を検討するなど、臨機応変に対応する。
〇 点検調査の対象となった法人は、本方針4(2)アの(ア)から(エ)及び(カ)に該当することとなった場合には、重点検査の対象に変更される場合もあり得るものとする。
 

5 情報提供の取扱い

(1) 情報提供の意義
〇 情報提供とは、公益通報を含む行政庁外部からの情報提供の全てをいう。
〇 公益通報とは、公益通報者保護法(平成16年法律第122号)第2条に規定された要件を満たす情報提供であり、行政庁は「通報対象について処分又は勧告等の権限を有する行政機関」として外部の労働者等から受ける通報(いわゆる2号通報)のことをいう。なお、公益法人制度において、公益通報の対象となる事実(通報対象事実)は、認定法第5章に規定する罰則又は過料の対象となる事実である。
〇 これまでも、情報提供は、公益法人の不適切事案の端緒をつかむ上での重要なものであった。令和6年の制度改正により、情報開示対象が増えるとともに、公益法人に透明性向上の努力義務が課されることを踏まえ、法人のステークホルダーを含む国民によるチェックを公益法人の適正運営の確保の重要な手段と位置付けており、監督における情報提供は、より一層の重要なものとなっていることに留意が必要である。

(2) 情報提供の取扱いに係る留意事項
〇 行政庁は、以下のとおり秘密保持及び個人情報保護を徹底する。
ア 通報又は相談への対応に関与した者は、通報又は相談に関する秘密を漏らしてはならない。
イ 通報又は相談への対応に関与した者は、知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
ウ 行政庁は、特に以下に掲げる事項について十分な措置を取った上で、通報対応の各段階において遵守すべき事項をあらかじめ取り決めて、通報又は相談への対応に関与する者に対して十分に周知する。
(ア)情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること
(イ)通報者等の特定につながり得る情報(通報者等の氏名、所属等の個人情報のほか、調査が通報を端緒としたものであること、通報者等しか知り得ない情報等を含む。)については、調査等の対象となる事業者に対して開示しないこと
(ウ)通報者等の特定につながり得る情報を、情報共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面、電子メール等による明示の同意を取得すること
(エ)(ウ)に規定する同意を取得する際には、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、明確に説明すること
(オ)通報者等本人からの情報流出によって通報者等が特定されることを防ぐため、通報者等に対して、情報管理の重要性について十分に理解させること
〇 公益通報の要件に該当しない情報提供(匿名など)であっても可能な限り公益通報と同様の取扱いになるように努める。

(3) 情報提供への対応
〇 行政庁に情報提供があったときは、正当な理由なく通報の受付又は受理を拒んではならない。
〇 行政庁において情報提供を受け付けたときは、秘密保持及び個人情報の保護に留意しつつ、情報提供の内容となる事実等を把握するとともに、情報提供に関する秘密は保持されること、個人情報は保護されること、情報提供受付後の行政庁の対応の流れ等を、情報提供者に対し説明する。
〇 情報提供内容となる事実が、行政庁の所管事務(認定法及び整備法に関すること)に関連しないときは、権限を有する行政機関を、情報提供者に対し、遅滞なく教示する。
〇 情報提供への対応について検討するに当たっては、情報提供内容を裏付ける内部資料、関係者による供述等の存在のみならず、情報提供者本人による供述内容の具体性、迫真性等を踏まえ、柔軟かつ適切に対応する。情報提供内容の事実確認については、まずは手持ち情報(申請書、定期提出書類等)及び公開情報(法人ホームページ等)から行う。なお、情報提供の内容の真実性が直ちに明らかでない場合においても、公益法人制度の信頼性等に重大な影響を及ぼす可能性が認められる場合には、同様に対応する。
〇 調査の実施が必要と判断した場合、法人に接触する当たり、情報提供に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、情報提供者が特定されないよう十分に留意しつつ、遅滞なく、必要かつ相当と認められる方法で行う。
〇 行政庁は、調査の結果、公益認定基準不適合等が認められた場合若しくはその疑いがあると認められた場合は、必要に応じて報告徴収等により更なる事実確認を行った上で、監督処分等を検討する。


6 監督処分等の適用方針(認定法第28条・第29条)

 

(1) 監督処分等の趣旨
〇 公益法人への監督は、公益の増進及び活力ある社会の実現を最終的な目的として、公益法人制度の適正な運営及び制度への信頼確保を図る観点から行うものであり、公益法人の適正な運営を担保する手段として、認定法は監督処分等を規定している。
〇 税制優遇等の社会的サポートを受けつつ、不特定多数の者のために公益目的事業を行う公益法人については、継続的に公益認定基準に合致していることが要請される。そのため、定期提出書類等の確認や立入検査等によって公益認定基準に合致しない実態等が判明し、かつ、法人による自浄作用が期待できず、当該問題を放置することが公益法人制度の信頼に影響を及ぼすと考えられる場合等は、公益認定基準不適合等の状況を是正するための強制力のある監督手段が必要となる。
〇 一方で、公益法人の自主性・自律性を尊重する観点からは、初動の対応として行政庁がいきなり強制力を伴う命令を発することは望ましくないという考えから、認定法は、まずは法人が自ら改善措置を講ずることを促すよう、行政庁による勧告を行うこととしている。公益法人が勧告に正当な理由がなく従わない場合、行政庁は、勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。公益法人がこの命令に従わないことは、公益認定の必要的取消事由となる。なお、報告徴収や立入検査は必要に応じて実施するものであり、勧告の前に必ずしも実施しなければならないものでないことに留意する。

(2) 監督処分等の適用方針
〇 認定法上、公益認定基準不適合は任意的取消事由とされており、少しでも公益認定基準に適合していない事実があれば、全て監督処分等の対象になるわけではない。法人の自主的・自律的な経営判断を尊重する一方で、事後的に実効性の高い措置を講ずる重点的なチェックの観点からは、果断に監督処分等を行うことも必要であり、このバランスが重要になる。
〇 どのような法人を監督処分等の対象とするかは、個別事情を踏まえて判断する必要があるが、当該法人を放置することが公益法人制度への信頼を損ねる可能性が高いと判断される場合に監督処分等を行うことを基本とする。なお、公益法人による自浄作用が期待できず、かつ、当該法人を放置することが公益法人制度への信頼を損ねることが明白である場合には、報告徴収や立入検査を行わずに監督処分等を行うこともあり得る。

 

(参考)「公益法人制度への信頼を損ねる可能性が高いと判断される場合」の例
 一般に、公益認定基準不適合、財務規律違反、定期提出書類の提出懈怠(必要な事項の未記載や重大・明白な誤りを含む。)等は、「当該法人を放置することが公益法人制度への信頼を損ねる可能性が高いと判断される場合」に該当する。よって、やむを得ない事情があったと認められる場合を除き、見直し等の必要な措置を取るべき旨の勧告等を行うことを検討する。
 一方、重要ではない事項の記載漏れ、軽微な誤りや誤解による誤りについて直ちに監督処分等を講ずる必要はなく、事実上の行為として改善事項等を指摘する。
 また、法令違反については、一義的には、これらは認定法に基づく監督ではなく、法人のガバナンスの下で法令遵守が図られるべきものであり、公益認定基準である技術的能力の欠如が疑われるような重大な場合を除き、法令違反があったからと言って直ちに認定法に基づく監督処分等を検討することはしない。必要に応じ、事実上の行為として改善事項等を指摘し、法人の改善を促すことを基本とする。
〇 上記を基本的な考え方とした上で、行政庁において、下記に掲げる点も考慮し、監督処分等を行うかどうかを判断する。
・公益認定基準不適合等の態様・程度(公益法人制度への信頼に対する影響はどの程度か、どの程度の関係者に不利益を及ぼしているか。)
・故意性の有無(当該違法・不当行為が故意・過失によるものか。)
・ 常習性の有無(当該違法・不当行為が反復継続して行われたものか、一回限りのものであったのか、期間はどの程度であったか。)
・組織性の有無(当該違法・不当行為が担当者個人の判断で行われたものか、あるいは役員等が関わっていたものか。)
・悪質性の有無(法人として問題を認識した後に隠ぺいを図るなど悪質な行為が認められたか、合理的な理由なく是正改善に向けた姿勢がとられないなどの対応がないか、虚偽報告や虚偽答弁などの事実が認められるか。)
・自律的な改善の姿勢の有無(自律的・自発的な改善を図っているか。)
・法人の運営管理体制の適切性の有無(役職員の法令及び制度等の認識の欠如、ガバナンス不全等が根本的な要因となっていないか。)
〇 また、監督処分等を進める中で、法人のガバナンス改善の兆しが見られ、自発的な改善に取り組む姿勢が見られた場合は、法人による自発的な改善を待つこともあり得る。
 
(3) 行政手続法(平成5年法律第88号)の手続
〇 公益法人に不利益処分(行政処分)を行う場合(認定法に基づく命令と認定取消しを行う場合)、行政手続法に基づく意見陳述のための手続を執るとともに、理由を示さなければならない(行政手続法第13条第1項、第14条第1項)。
〇 認定法第28条第3項の命令は不利益処分に当たるため、弁明の機会の付与が必要となる(行政手続法第13条第1項。弁明の機会の付与の代わりに聴聞を行うことも可能。)。弁明の機会の付与は、書面審理で行うため、公益法人は、弁明書を提出して行う。
 認定取消しを行う場合は、聴聞をしなければならず、弁明の機会の付与に代えることはできない(行政手続法第13条第1項)。聴聞は口頭審理であるため、処分の名宛人となるべき者(公益法人)は聴聞期日に出頭し、意見陳述を行うことになる。

〇 このほか、聴聞手続その他不利益処分を行うに当たっては、「行政手続法の施行に当たって(総務事務次官通知平成6年9月13日付け総管第211号)」の「第三 不利益処分関係」の内容を踏まえ、適切に行う。


【関係法令】
認定法…公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)
整備法…一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第50号)

 

 

 

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