第12回みどりのまちづくり賞(愛称:大阪ランドスケープ賞)の表彰式・講評会の開催について

更新日:2023年12月26日

第12回みどりのまちづくり賞表彰式・講評会を開催しました。

日時:令和5年12月13日(水曜日)午後2時から午後5時まで(午後1時30分開場)

場所:花博記念ホール(大阪市鶴見区緑地公園 花博記念公園鶴見緑地内)

内容:第12回みどりのまちづくり賞(大阪ランドスケープ賞)表彰式・講評会(第1部 表彰式、第2部 講評会)

主催者あいさつ

 知事あいさつ(副知事代読) CLAあいさつ

         知事挨拶(森岡副知事代読)                 開会挨拶(CLA関西支部 西辻支部長)

表彰式   

 日本生命淀屋橋ビル  大利町自治会

     大阪府知事賞(日本生命淀屋橋ビル)               大阪府知事賞(大利町自治会)

 

 センリシーンズ   ビレッジズ

      花博記念協会会長賞(1OOORE SCENES)               CLA関西支部長賞(THE Villages)

 

クボタ   モリネキ    

    審査委員長特別賞(クボタグローバル技術研究所)                審査委員長特別賞(morineki(大東市東条))

 

 国際    はなさかばあさん

            奨励賞(大阪国際中学校高等学校)                        奨励賞(花さかばあさん)     

全体記念撮影

 記念撮影

講評会

日本生命淀屋橋ビル  日本生命淀屋橋ビル

        作品発表(日本生命淀屋橋ビル)                        講評(高木委員)

    

日本生命淀屋橋ビル 作品発表

       作品発表(1OOORE SECENES)                            講評(弘本委員)

 

作品発表 作品発表

         作品発表(The Villages)                      作品発表(クボタグローバル技術研究所)

 

作品発表 作品発表

          作品発表(大利町自治会)                      作品発表(morineki(大東市北条))

 

作品発表 

          講評(増田審査委員長) 

意見交換会

 意見交換会 意見交換会

       進行と進め方の説明(増田審査委員長)                   作品紹介(大阪国際中学校高等学校)  

 

 意見交換会 

          意見交換会のポイント(當内委員)

 

意見交換会 意見交換会

           (意見交換会の様子)                    (意見交換会の様子)

 

あいさつ

          閉会挨拶(花博協会 片山専務理事)

第12回の審査結果について

第12回の応募作品数は、ランドスケープデザイン部門で26点、ランドスケープマネジメント部門で6点でした。

たくさんのご応募をありがとうございました。

受賞作品、みどりのまちづくり賞審査委員会に講評は以下のとおりです。

ランドスケープ賞の総評 (2023):増田審査委員長

 本年は、ランドスケープデザイン部門は26作品と量的にも質的にも非常に充実した内容であり、マネジメント部門は6件に留まったものの同じく充実した内容でありました。

  1次審査では、デザイン部門は11作品、マネジメント部門は4件を2次審査の対象として選出し,現地審査を通じて最終審査を実施しました。

 デザイン部門の受賞作品を見ると、大阪府知事賞の「日本生命淀屋橋ビル」は、船場のオフィス街に隣接する東館からプロムナードが延長する形で整備され、緑を基調とした豊かなランドスケープが形成されるとともに、地下鉄に繋がるサンクンガーデンではその外壁デザインと上部に展開する地上部の並木が一体となり、街との新たな関係性が創出されています。

 花博協会長賞の「1OOORE SCENES」は、千里中央公園の再整備計画として旧公園管理事務所をリノベーションし、カフェとミニショップ、コミュニティスペースを整備したもので、周辺の既存樹木をリファインし、人々の活動の軌跡や記憶が大切に継承されるばかりでなく地域とともに成長することが期待されるランドスケープが展開されています。

 CLA関西支部長賞の「THE Villages」は大阪を代表する浜寺の地歴に配慮し、約1,000坪の広大な敷地で庭を継承させたいとのオーナーの思いと浜寺公園の延長という立地を十分に反映させた貸別荘のような雰囲気を持った街に開けた新たなランドスケープが展開されています。

 審査委員長特別賞の「クボタグローバル技術研究所」のランドスケープは、科学技術とデザインを融合させたイノベーティブで挑戦的なランドスケープが新たに創造され、奨励賞の「大阪国際中学校高等学校」は地域のシンボルである大枝公園との連続性を強く意識するとともに学びの場として緑とともに成熟するランドスケープの創出が意図されています。

 マネジメント部門の大阪府知事賞の「大利町自治会」は美しいまちづくり活動の一環として、地域の中央に位置する大利公園と地域のシンボルである大利神社に繋がる「ふれあいの散歩道」の花壇の管理運営を地域として長らく継続してきたものであり、「地域力」が表出された生きた風景が展開されています。

 「morineki(大東市北条)」は開発そのものが新たな公民連携事業によって実現されたものであり、マネジメント部門の評価の枠組みを超えるものとして審査委員長特別賞とするとともに、「花さかばあさん」は長年お一人の力によってごみの不法投棄場を四季折々の花が楽しめる風景へと転換させたものであり奨励賞としました。本賞が確実に大阪に定着しつつあることが実感されるとともに、持続可能なランドスケープを創出するためには、地域の地歴とともに人々の記憶や活動の軌跡を継承することが重要性である一方、新たな整備手法の導入や街との新たな関係性の構築、科学技術とデザインとの融合といったイノベーションやチャレンジも不可欠であると考えます。 

 

1.ランドスケープデザイン部門(まちが美しくなるみどりづくり)

・大阪府知事賞

  日本生命淀屋橋ビル(大阪市中央区)

  日本生命淀屋橋ビル2  日本生命淀屋橋ビル3  

  江戸時代の豪商・淀屋が架橋した「淀屋の橋」は,幾度かの架け替えを経ながら現在の姿となり,大阪のキタとミナミをつなぐ橋として大阪の発展を支えてきた。

  この淀屋橋のほど近くに計画されたものが本作品である。

  総合設計制度による公開空地が敷地三面に設けられ,特に敷地の東側には豊かな緑が配置されている。この緑は南側街区の桂並木と連続しており,舗装や植栽花壇も統一的にデザインされ,二つの街区をつないだ緑豊かなプロムナードが形成されている。

  敷地の北側・南側の常緑・落葉を織り交ぜた植栽は,都市の中にあって季節の移ろいを感じさせてくれる。

  地上まで吹き抜けとなったサンクンガーデンは,花崗岩石張りの建築物の足元と鉄平石小端積みの壁面が自然の風合いを醸し出しつつ,外構のプロムナードとゆるやかにつながることで,大阪都心の業務エリアにおける貴重なパブリック空間が一体となって形成されている。

  またサンクンガーデンは,大阪メトロ・京阪電鉄淀屋橋駅と直結し,駅から街へと人の動きをつなぐ機能を有している。

  古くから街をつなぐ役割を果たしてきた淀屋橋。そのすぐ傍に街,人,緑の新たなつながりを創出する空間が生まれたことを評価したい。(高木審査委員)

・公益財団法人 国際花と緑の博覧会記念協会長賞

  1OOORE SCENES(豊中市)

1OOORESCENES1    1OOORESCENES2

 高度経済成長期、千里ニュータウンの開発とともに産声を上げた千里中央公園。半世紀余を経て、樹々は鬱蒼とし、人々のライフタイルも変わり、公園の再整備はニュータウン再生の鍵といってよい重要な課題になっている。

 暗く茂りすぎた林、老朽化した建物をどうしたらよいのか。安易にクリアランスすれば、そこに積み重ねられ育まれてきた大切な命の営み、記憶のバトンが断たれてしまう。

 この難題に、多彩なプロフェッショナルが協働して丁寧に向き合い、地域住民とともに、日常の風景を豊かに紡ぐ、再整備のあり姿を示したのが、「1OOORE SCENES」だ。

 文字通り「千里のくらしを彩る千の景色を公園利用者や地域の方々とつくりたい」との想いが込められている。イタリアンカフェやミニショップやコミュニティスペースとして、開放的にリノベーションされた公園事務所や倉庫と、その周囲を取り巻く樹林は、既存樹を可能な限り活かしながら、四季折々の風景を楽しめる在来種を加えて風通しよく整えられている。

 建物の西側で、百日紅の林・石庭に面して設けられたデッキ席など、さまざまなシーンを包み込む、細部まで心配られ変化に富んだ空間が心地よい。

 高経年のニュータウンで人と自然の関係を再構築し、ウェルビーイングを支えるランドスケープデザインとして高く評価できる。(弘本審査委員)

・一般社団法人 ランドスケープコンサルタンツ協会関西支部長賞

   THE Villages(高石市)

the villages1    the villages2 

  時を遡ること明治6年(1873年)、白砂青松の景勝地に開設された浜寺公園の周辺一帯は、その後大正から昭和にかけて、公園の賑わい・交通アクセスの向上と連動して別荘地、高級住宅地として発展した。

  松をはじめとする庭木が配された広大な屋敷地が連なっていた名残を留める閑静な住宅地の一角が、この賃貸共同住宅の立地である。

  当地で4代に渡り住み継がれた屋敷の遺産である景石と庭木(マツ・クスノキ)を継承・活用し、ゆったりとした敷地のポテンシャルが最大限に引き出されている。

  アプローチ、中庭、ペデストリアンデッキからなる共用空間は、見守りや防災等の重要機能をさりげなく内包し、子供から高齢者まで、住民が思い思いに楽しむことのできる快適で居心地の良い環境となっている。

  住戸の私的空間を保持しつつ、質の高い共用空間で全体をつなぐことで、ゆったりとした空間と時間を全住民が共有できる一体的な住環境が実現しているのである。

  隣接する浜寺公園は、時と共に変貌しつつ、多様なレクリエーションが楽しめる場として親しまれてきた。

  本公園の緑と楽しみが滲み出しているようなこの住環境は、これからも公園と連動して続いていく明るい未来を予感させる。地域の歴史に新たな息吹をもたらし未来へとつなぐ、優れたランドスケープデザインである。(井原審査委員)

・審査委員長特別賞

   クボタグローバル技術研究所(堺市)

  クボタ1 クボタ2

 本技術研究所のランドスケープは、「食料・水・環境」に結びつくグローバル企業としての企業理念を表出するものであり、その中心となるレインガーデンはパッシブな環境技術をグリーンインフラとして単に視覚化するだけでなくランドアートとしての意味も付与している。

 また、レインガーデンは土壌の保水、浸透により、埋立地といった厳しい環境下でクロマツの良好な植栽育成基盤を形成し、初期の草地群落から低管理で海浜のクロマツ林の再生へと繋げることも意図されている。

 自然科学としての理論構成や技術面とアートとしてのデザイン面を融合させたイノベーティブな作品であることから、従来の評価の枠組みを超えるものとして、審査委員長特別賞とした。 (増田審査委員長)

・奨励賞

    大阪国際中学校高等学校(守口市)

大阪国際中高   大阪国際中学校高等学校2

(写真:エスエス大阪)

  本作品は、守口市における緑のネットワーク軸の中心である大枝公園に隣接して新設された中高一貫校のキャンパス計画である。

  広いグラウンドの東・北・西に回り込んで校舎群が配置されるが、特殊教室(音楽、美術・技術、調理、看護・保育実習棟など)を分棟として散りばめ、その周囲を学びのプログラムと連動した庭とすることで「公園を歩くかのように、ヒト・モノ・コトに出会う学びの場」を目指している点に特徴がある。

  例えば日本文化を学ぶ和室には茶庭風の庭が、理科教室には雨水利用のビオトープがあり、各庭は120種以上の植物や緩やかな園路で包まれている。

  今後、「生徒と共に成熟する緑のキャンパス」として地域の緑とともに成熟していくことが多いに期待される。(仲審査委員)

 

2.ランドスケープマネジメント部門(まちが笑顔になるみどりづくり)

・大阪府知事賞

  大利町自治会(寝屋川市)

大利町自治会1  大利町自治会

 地域の中心に位置する大利公園は、日々の親子連れや保育園の利用に加え、地域の方々のラジオ体操や太極拳、グランドゴルフ等に活発に利用されており、地域の貴重な交流の場となっている。

 また、この公園に隣接する大利神社は地域のシンボルとして地域の方々に大切にされている様子がその佇まいに表れている。

 本活動は、この公園と神社に繋がる「ふれあいの散歩道」を中心に、平成20年より地域の自治会により10数年継続している美しいまちづくり活動の一環である。

 美化緑化委員を中心に日曜日を除く毎朝、公園中央の花壇、築山と南側花壇や遊具横のフラワーボックスに加え、散歩道沿いの花壇を対象に除草や水やりに加え、ごみ拾いが行われている。

 また、月1回子供会による清掃活動も行われている他、住民の協力で四季折々の花が植えられ、地域の方々の目を楽しませている。

 ここで咲いた草花は地域の希望者に切り花として提供されるばかりでなく、地域のお年寄りの集まりや老人介護施設にも提供されるとともに協力を頂いている市役所にも提供されている。

 この公園では、四季折々にチューリップアートの集いやふれあい盆踊り大会などのイベントが開催され、今年は釜戸ベンチを利用した防災訓練も予定されている。

 これらの空間が住民参画のもとで長年良好に運営管理されており、大阪府知事賞に値すると評価した。 (増田審査委員長)


 ・審査委員長特別賞

  morineki(大東市北条)(大東市)

  morineki  モリネキ2

 本物件は、老朽化した市営住宅の建替えを契機に、都市計画公園、道路等と一体的に開発され、都市公園・住宅・商業棟群が一体となった街並みを表出している。

 KKコーミンを中心に公園エリアの維持管理がなされるだけでなく、商業棟の入居の民間事業者によりマルシェや各種イベントが毎月開催されており、新たな地域交流の一助となっている。

 「もりねき未来会議」と称した会議体が設計段階から組成され、旧・大東公民連携まちづくり事業株式会社(現・KKコーミン)がコーディネーターとなって実現されたものである。

 新しい管理運営方法もさることながら、開発そのものが新たな公民連携事業によって実現されたものであり、従来の評価の枠組みを超えるものとして、審査委員長特別賞とした。 (増田審査委員長)

・奨励賞

  花さかばあさん(大阪市)

はなさかばあさん   はなさかばあさん2

 大阪市北区の個人的な活動であるが、ゴミの山であった街の一角を美しく保つために花壇を長年に渡って維持されてきた取り組みである。

 中学校横の空地に長年放置されている不法投棄、所有者が見つからず、仕方なく個人の費用で廃棄物を処分。その後不法投棄が起きないように自ら花壇を作り始める。

 苗は所属されている北区バラの会さんから提供を受け、以来15年季節の花を植え替え維持管理されている。

 地域の方々に心地よい環境を提供され続けているご尽力に敬意を表するとともに、支援者が集まり広くそのような取り組みが地域で展開することを祈念いたします。(當内審査委員)

 

主催・後援

主催

    大阪府/公益財団法人 国際花と緑の博覧会記念協会/一般社団法人 ランドスケープコンサルタンツ協会 関西支部

後援

    大阪都市公園協議会/公益社団法人 日本都市計画学会 関西支部/公益社団法人 日本造園学会 関西支部/

    公益社団法人 都市住宅学会 関西支部/一般財団法人 日本造園修景協会 阪奈和支部/

    一般社団法人 日本造園建設業協会 大阪府支部/一般社団法人 日本造園組合連合会 大阪府支部/

    阪神造園建設業協同組合/一般社団法人 大阪造園業協会/一般社団法人 大阪市造園業協会/

    公益社団法人 土木学会 関西支部/一般社団法人 公園管理運営士会 西日本支部/都市環境デザイン会議 関西ブロック

問い合わせ先

みどりのまちづくり賞(愛称:大阪ランドスケープ賞)事務局

   住所:〒540-0008 大阪市中央区大手前3丁目2-12 府庁別館3階

         大阪府 都市整備部 公園課 企画推進グループ内

   電話番号:06-6941-0351(内線2985)  ファクシミリ番号:06-6944-6796

このページの作成所属
都市整備部 公園課 企画推進グループ

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